ペーパーレス化とは?事例・方法・進め方

  • | 公開 2022年09月06日
業務効率化
ペーパーレス化とは?事例・方法・進め方

ペーパーレス化とは、簡単に言えば紙を使った業務を無くすこと。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth

今までの業務だと、お客様と取り交わす契約書や、社内で使う各種の申請書など、手書きをしたりプリントアウトした紙を溜めておくことで情報を管理していました。

しかし、資源のムダにもなりますし、たとえばお客様から押印頂いた書類を無くしてしまった場合は同じ書類を作ることもできないのと、置き場所や紙の劣化問題も出てくる。

紙仕事の多くは手作業を必要としていたので、必ず誰か人の手を借りていた。

頼んでいる側は簡単に言いますが、実際に紙で作業をしている方々は不満だらけだったので、ペーパーレス化を行うための必要な情報をまとめています。

こんな方にオススメ
・業務効率化の方法を探している
・紙問題をなんとかしたい
・みんなどうしているのか知りたい

ペーパーレス化に役立つサービス

資料一覧を見る

ペーパーレス化って、なぜ必要なの?

ペーパーレス化は、紙業務・管理を無くして、もっと仕事を楽にしていくための方法論ですが、なぜ紙を無くすことが求められているのか。

たとえばあなたも、こんなシーンに遭遇した経験はありませんか?

  • 印鑑を押すために出社した
  • プリントアウト後に保管場所へ移した
  • 紙書類を受け取ってシステムに入力し直した
  • 情報を確認しようとして保管庫から探した

一見すると、普段の仕事風景に思えますが、実はこれらのシーンにはムダなことが多く含まれています。

出社:移動時間のムダ
保管:保管場所のムダ
入力:二度手間のムダ
検索:探す時間のムダ

どうでしょうか?たくさんのムダが出てきましたよね。

これはほんの一部のことで、業務フローの中で紙を使った作業をしている人や、みんなに関わることになれば、もっと大きなムダを発生させていく。

時間ばかりが奪われる状態になって、紙問題は経営問題にも発展していきます。

だからこそ、紙を無くしてペーパーレス化が求められているのです。

ペーパーレス化と電子化の違い

ペーパーレス化を調べていくと、同じような意味合いで使われている「電子化」という言葉をよく見かけるようになります。

ペーパーレス化?電子化?と、言葉としては違いますが、同じく紙(物質的なもの)を電子(デジタルデータ)に変えることなので、同じ意味で考えてもらって大丈夫。

しかしながら「デジタル化」と、また似たような言葉も目にすると思うのですが、この言葉の意味とは違ってきます。

ペーパーレス化の2つの意味
1つ目:紙を電子化すること
2つ目:紙を使わない業務にする、または使う頻度を下げること

デジタル化との違い

ペーパーレス化・電子化は、紙を無くす、またはデジタルデータに変えることですが、デジタル化とは仕事にデジタル技術を取り込み効率化や生産性向上をすること。

似ているようで、やること・範囲などが全然違っています。

ペーパーレス化・電子化
→部分的な置き換え
デジタル化
→業務全体をデジタル技術を取り入れたフローにしていく

意味の違いを分かっておくだけでも、混同しないで考えられます。

ペーパーレス化が進む背景

社会人はみんな、新しいことや普段通りにならないことなど、変化をすごく嫌がるため、ペーパーレス化はどの企業さんもハードルが高いのです。

それなのにここまで注目されているのは理由があります。

1つ目:世界的なパンデミックによる働き方の改革が必須であるため
2つ目:電子帳簿保存法の改正に伴い書類の電子保存が必要となった

まずは世界中で発生したパンデミックによって、在宅勤務など出社を必要としない働き方がみんなの中で受け入れられ一般化しました。

これに伴って、出社前提の仕事スタイルから、出社しない仕事スタイルが求められ、紙による業務の弊害が起きてきた。

もう一つは、電子帳簿保存法が改正されて「電子取引」に関するデータ保存の義務化が加わりました。参考:国税庁 電子帳簿等保存制度特設サイト

そのおかげで、紙保存からデータ保存が必須となったため、紙の必要性が下がり電子化へ動き出した結果、みんなペーパーレス化を目指して一気に動き出している状態なのです。

ペーパーレス化では、何が出来るのか?

言葉通りであるなら、紙を無くした状態ですが、もっと具体的に何がどうなるのか分かっておけると安心ですよね。

少しずら~っと、ペーパーレス化したらどのような状態になるのか一覧を出してみるので、参考にしてみてください。

状況対象できること
営業契約書印刷して発送する必要が無くなる
請求書
提案ノートパソコン・タブレットなど紙資料ではなく画面越しで情報が伝えられる
人事勤怠カード
タイムカード
オフィスにある機器に通す必要がない、誰かが手入力する必要がない
給料明細印刷の必要が無くなる、提出を紙でしなくてよくなる
入退社手続き
年末調整
業務日報印刷提出の必要が無くなる
押印電子印(電子スタンプ)なので出社して押す必要がない
マニュアル印刷する必要がなくなる
資料
会議手書きの議事録が無くせる
郵送・FAX紙による発送が無くせる

これらをまとめると、

時間のムダを解消:出社が無くなる
経費のムダを解消:印刷が無くなる
場所のムダを解消:保管場所がいらない
発送のムダを解消:書類発送が無くなる
作業のムダを解消:手書きや入力が不要になる
確認のムダを解消:ダブルチェックやヒューマンエラーが無くなる

かなり多くのムダを解消できます。

紙を無くすだけなのですが、紙作業に日常業務で多くの時間を使ってきた現実でもあり、それらを一気に解決できるので、ペーパーレス化はどの企業さんでも必須だと言えます。

 

もし、ペーパーレス化をしないままだと、どうなるのか?

「いや、うちの会社はまだ大丈夫だよ」と思いたいたいところですが…待ってくれない状況でもあるんです。

第2-1-1図 業種別従業員数過不足DIの推移出典:中小企業庁 第2-1-1図 業種別従業員数過不足DIの推移

これは中小企業庁がレポート化してくれた従業員の減っている様子を表した調査グラフですが、確実な右肩下がりを示しています。

今はよくても、これからは採用難に陥り雇えなくなってくるため、人がいる前提の働き方に無理が出てくる。

どんどん退職者は止まらないのに入ってくれる人が少なくなる、もうこれでは仕事が回りません。

今このタイミングだからこそ、みんなペーパーレス化へ動き出しているため、対応時期を間違えるといつのまにか競合・ライバルに置いてけぼりで、一人負けの状態にも。

ペーパーレスの効果

今のタイミングで進めなかったら、一体どうなるのか。

ペーパーレス化を「した」「してない」で、どのぐらい変わってくるのか、簡単な表を作ってみました。

比較項目ペーパーレス化しないペーパーレス化する
業務内容手間ばかり楽になる
時間多くの時間が必要少ない時間で可能
回数回数が多い回数が少ない
人数関わる人が多い関わる人が少ない

業務内容×時間×回数×人数でざっとシミュレーションしてみても、紙を残したままと、電子化へ切り替えた場合はコストが大きく違ってきます。

例)タイムカードを紙のまま(書く・提出・直す・入力)
15分×20日×30人=9,000分(150時間分)※:間違えた場合は確認したり聞きまわったり様々なムダ時間も発生している

例)タイムカードを電子化(入力・直す)
5分×20日×30人=3,000分(50時間分)

簡単に費用を出してみましたが、これはタイムカードを想定したものだけなので、たとえば契約書の処理や、普段の紙作業など全部含めれば、月間でかなりの時間を削減できることが分かります。

今、職場の環境・人材育成・営業やマーケティングなど、資金面でかなり苦戦しているのであれば、ペーパーレス化が追い風となってくれるのは間違いありません。

ペーパーレス化にかかるコストは?

ペーパーレス化を行うためには、基本的にIT製品・サービスを活用していきます。

総省してITツールと呼びますが、様々なものがあるのと、各種細かいことは別で説明したいので、ここでは簡単な費用相場をご紹介。

ペーパーレス化の方法料金相場
ビジネスチャット約400~970円/月 ※1ユーザー当たり
電子署名・契約ツール約1,200~120,000円/月
勤怠システム約14,500~29,000円/月
経費精算システム約25,000~50,000円/月
プロジェクト・タスク管理ツール約60,000~120,000円/月

月にこのぐらいかかる想定ではあるものの、たとえば普段から文書によるコミュニケーションから、ビジネスチャットにした場合はどうでしょう。

文書  :2000円(1人1時間の時給換算)×30人=60,000円(720,000円/年)
チャット:400円(1ユーザーあたり)×30人=12,000円(144,000円/年)
※計算を単純化するためチャットツールを使った場合の時間は含めず

シミュレーションなので目安ですが、一人1時間分の紙文書を使ったコミュニケーションをしていた場合、30人でも年間70万円以上のコストが掛かっている計算に。

もし、普段のコミュニケーションをペーパーレス化して、チャットツールに置き換えた場合、単純計算で約50万円以上は安くなります。

ペーパーレス化に必要なITツールの値段だけ見てしまうと、今かかっていないものなので高く感じますが、改めて現状のコストを可視化した時に、その高さに愕然とすると共に大幅なコスト削減が可能となるので大きなプラスになることが分かる。

ペーパーレス化は単純に紙を無くすだけではなく、経営も楽にしてくれる、まさに今必要な対策となっています。

紙を無くしたら、ペンや印刷なども全て不要になる?

会社中の紙書類を無くして、お客様とのやり取りにおいても全て電子化すれば、ペンや紙などの備品を買う必要はないと思いますよね。

ペーパーレス化をする時に間違えやすいのが、全ての紙を無くそうと思ってしまうこと。

たとえば、お客様によってはどうしても紙資料が必要になったり、勉強会などもノートを使ったりします。

紙書類でなければダメな対象も中には存在するため、全部が全部「紙無し」にすればいいわけではなく、紙と電子化を適材適所で置き換えていくのが失敗しないペーパーレス化。

無理に紙を無くそうとしてトラブルを招くこともあるので、状況やタイミングを見て電子化を進めていくのがオススメです。

ペーパーレス化に伴う課題

仮に「明日から紙無しにします!」と社長さんが宣言したとしても、なかなか実行までには険しい道のりが待っている場合があります。

ペーパーレス化に成功した企業さんはもちろんいますが、その逆で失敗してしまう企業さんもいる。

成功する企業
・トップダウンで最重要課題として取り組む
・ペーパーレス化の重要性を事前に説明
・現場が協力的に動いてくれる(当事者意識を持って)

失敗する企業
・担当者を任命してその人に動いてもらう
・現場の抵抗にあって進まない
・変化を恐れる風土によって進まない

紙を無くすだけなのに、紙書類は現場業務と密接に結びついているため、そう簡単に切り替えることができない。

また、昔から紙業務を慣れ親しんだ人ばかりだと、変化を嫌って非協力的な姿勢をする人が多く、結果的に進まないことも。

業務フローが大きく変わるため現場の協力が必須

何気ない普段行っている業務の中に、どれだけの紙書類がありますか?

タイムカード・報告書類・提案資料・研修資料・契約書類など、私たちの仕事の中は紙で埋め尽くされているといっても過言ではない。

その紙書類を無くして電子化するならば、紙の扱いに関わる作業が無くなるものの、電子化に伴うやり方が別に必要となるため、仕事の仕方が大きく変わります。

一番影響があるのは現場で働く方々ですが、その方々がメインで紙から電子にしないといけないのに、非協力的で動いてくれない・考えてくれないと、せっかく効果のあるペーパーレス化も進めていけない。

ペーパーレス化の最大の敵は、社内の抵抗勢力であることは、予め認識しておくのがオススメです。

みんなはどうしてるの?ペーパーレス化の事例

効果や注意点は分かってきたものの、実際にどんな企業がどのように進めて、ペーパーレス化に成功したのか知っておきたいところ。

そこで、様々な業界からペーパーレス化に成功した事例を各種集めてみました。

大企業編

2012年から始めているソフトバンク株式会社

どこよりも早く「脱紙」の重要性を理解していたため、ソフトバンクさんの場合は2012年4月に「ペーパーゼロ宣言」を行っています。

重要なのは「紙」ではなく「情報」であると定義したため、お客様の申込書類2.3億枚を全て電子化し、社内の書類1億枚を1000万枚まで減らして、印刷をほとんど行わなくなりました。

たとえば、今ソフトバンクさん(他キャリアも同じく)へ契約関連で訪れると、紙に書くのではなく全部タブレットでチェックを行ったり署名していますよね。

ソフトバンクの実施例
・電子契約ツールを取り入れて押印を不要にした
・チャットボットで自動対応を可能にした
・iPhoneとiPadを支給
ソフトバンクの成功体験
・ペーパーレスから始めたことでDXが進んだ
・従業員の紙に要していた時間を削減
・物量が減ったことで移動が楽になった出典:社内ペーパーゼロ宣言出典:■ソフトバンク流ペーパーレスの実績

市区町村編

長野県長野市のペーパーレス会議に関する取り組み

長野市は会議の度に大量の資料を用意しなくてはならず、さまざまな手間を感じていた。

  • 資料作成の手間(調査、情報まとめ、作成など)
  • 資料配布の手間(配布作業、印刷、コピー代など)

ペーパーレス会議を実現するためにまずは、複数のITツールを比較検討して、多機能で複雑になるものではなく、自分たちで簡単に使いこなせるものを選ぶ。

そして、実際の会議では参加者全員にノートパソコンを用意して紙無しを前提として会議を実行しつつ、一人一人の意識も重要だと理解していたため、意識改革も同時に行っています。

長野市の実施例
・どんな紙を削減するのか明確にした
・使いやすいシステムを選んだ
・改めて資料作成のルールを決めた
長野市の成功体験
・紙の資料が減った
・会議の準備時間が減った
・印刷費用は約300万円が削減出典:総務省 ペーパーレス会議に関する取組事例(長野県長野市)

製造業編

記録作業を5割以上削減したマリン・サイエンス株式会社

製造現場の作業記録を紙の帳票で行っており、1日に10~20枚、1枚5~10分も掛かっていたのが、大きな負担となっていました。

1日に換算すると、帳票を書くだけでも1~3時間のムダを生んでいたのに、さらにそのあとのチェック・管理によって追加の時間も発生。

しかし、カミナシを導入することで、帳票(紙)の削減と作業時間のダブルで圧縮ができ、大きく改善が促されています。

マリン・サイエンスの実施例
・自分たちで色々試行錯誤しながらペーパーレス化を進めていたので知見があった
・ボトルネックである作業記録が問題点だと明確に理解していた
・製造業に合うITツールを採用した
マリン・サイエンスの成功体験
・約700枚の帳票が5カ月で減った
・記録時間が約2分になった
・連動する回収・集計・保管も無くなった出典:工場の従業員が中心となってカミナシを導入。ペーパーレス化を推進し、作業記録時間を5割以上削減。記録データはISOの継続審査に活用

整形外科編

四日市泊駅西整形外科腰痛頭痛クリニック

紙の出勤・退勤打刻は、紙であるゆえに機械へ通したとき、ズレたり重なったり、それを入力する担当者の手間にもなっていました。

「入力するだけ」と言えばそうですが、やはり小さい作業こそストレスを感じるもので、それが不要なミス・トラブルを発生させてしまう場合も。

勤怠管理システムを導入したことで、1分の残業代も計算でき、打刻も静脈認証でパッとできるため現場の幸せに繋がっている。

四日市泊駅西整形外科腰痛頭痛クリニックの実施例
・勤怠管理システムを導入して紙打刻をやめた
・静脈認証で楽な打刻方法に変えた
・勤怠管理のモレをシステムで無くした
四日市泊駅西整形外科腰痛頭痛クリニックの成功体験
・1分単位で残業代を計算できるようになった
・手入力をなくして計算も自動的になったことで楽になった
・勤怠管理と給与計算を連動できて1つにまとめられた出典:先進的な認証システムとペーパーレス化でクリニックの勤怠を一目瞭然に

日常業務編

医療法人誠晴會介護老人保健施設ふるさとの森

業務連絡は回覧板などを回して一人一人が確認の印鑑を押す、などのアナログだったので共有スピードが圧倒的に遅かった。

また、手渡しで情報共有が進んでいくため、印鑑が押されたのであれば見たことは分かるが、本当に見たのか確認はできませんし、一度回覧板を手放したら改めて見ることもできない。

担当者ごとで社内情報の認識レベルにも差が出てしまい、離職などにも繋がっていたが、チャットツールを導入したことで情報共有のスピード・質が大きく高まった。

医療法人誠晴會介護老人保健施設ふるさとの森の実施例
・回覧板を辞めてチャットツールを導入した
・コミュニケーションにコストをかける認識を全員に持ってもらった
・幅広い年齢層でもカンタンに扱えるツールを選択した
医療法人誠晴會介護老人保健施設ふるさとの森の成功体験
・情報の集約先ができた
・個々で連絡/返答のコミュニケーションスピードが上がった
・紙配布による情報格差が無くせた出典:離職率4.2%を実現した介護現場のコミュニケーション革新

ペーパーレス化には、どのぐらいの期間がかかる?

会社なので20代・30代・40代・50代・60代・70代と幅広い年齢層がいて、一人一人趣味嗜好も違ってくるので得意苦手があり、ペーパーレス化へついていける・ついていけないが当然あります。

紙を無くす必要性は高いものの、急いでことを進めては変化に対してアレルギーを引き起こしたり、拒否反応がでてしまって進めたいことが進まなくなる。

そのため、ペーパーレス化は「時間がかかるもの」と予め考えて進めていくことが大事。

まずは簡単に期間の目安を考えてみましょう。

目安の考え方
ペーパーレス化が必要な従業員 × 年齢層 = 期間

例)スタートアップ
計算式10人 × 20~40代 = 数週間~数カ月
理由現場改善を早くしなければ事業へ集中できないため一気に進んでいく
例)中小企業
計算式30人 × 20~40代 = 数カ月~半年
理由人数が少なく、年代も若いのであれば、まだ電子化の抵抗感は少なくて導入が促進されやすい
例)大企業
計算式1,000人 × 20~70代 = 半年~数年
理由今までの仕事スタイルから脱却できない人もいますし、人数も多いために急いで進めようとすると、各所で抵抗勢力が出てきて進まない

時間がかかる理由

あっという間にペーパーレス化が進む場合もあれば、長くなってしまう場合もある。

単純にITツール導入がペーパーレス化ではなく、導入前後はもちろん、導入してからの浸透まで一連の流れで見なくてはいけないため、結構時間が掛かってしまうのです。

時間がかかる理由を下記にまとめてみました。

項目説明
組織との相性組織や風土などの特性を見ながらどんな進め方がいいのか考える。ペーパーレス化を推奨してくれる人も探す。
既存システムと連携使っている各種システム・ツールがあるはずなのでペーパーレス化に伴い連動・連携できないか
ITツールの選択実際にペーパーレス化をするためのITツールを探す
体験・検証トライアル・体験をして使い勝手や使用感を確かめて組織に合うかを検討する
コスト実際に導入した場合を想定してコストシミュレーションをする
決裁導入したいITツールが決まったら社内稟議を提出したり、提案などを行って決裁をもらう
導入実際に切り替え作業やツールの設定、従業員へアカウント配布などを行っていく
サポート導入後はペーパーレス化を促進させるために対象者に対して継続的なサポートを行い促す

ITツールを決めて導入する、と言葉にしてまとめれば簡単ですが、実際にはやることが非常に多い。

当然、人数がいればそれだけ配慮することも多く、色んな考えを持っている人たちを説得・説明しながら使ってもらうためには、なぜ行うのか理由を丁寧に説明しつつ、導入後のサポートを継続して行っていく必要もあります。

たとえばA社さんがチャットツールを導入するのに1か月でした、と事例があったとしても、あなたの会社の場合は組織も従業員の特性も何もかも違うので、同じ期間で済まないかもしれません。

導入を早めたい場合
ペーパーレス化を早めたいのであれば、関わる人みんなが自分事だと思い、率先して参加する意識を作ることが重要です。誰もが変化を恐れているため、そこの心理的ハードルを下げて、浸透させることで導入も進みやすくなります。

ペーパーレス化のメリット・デメリット

紙を無くして全て電子化したら、メリットだらけではあるものの、状況によってはデメリットも存在します。

あなたがこれから、ペーパーレス化を推し進めようとしているのであれば、予め良い・悪いの両方を確認しておくのもオススメです。

メリット

情報がすぐに検索できる

紙管理の利点は、知識がなくても誰でも扱えることですが、紙が束になっていく・すぐに情報を探せない・無くしたら永久に分からないなど、怖い部分もあります。

そして何より一番は、紙に書かれている情報がすぐに取り出せないことがデメリット。

紙の場合は一枚一枚めくって、該当の箇所を目視しないと見つけられませんが、もしデータ化してパソコン上で情報検索できたらどうでしょうか。

すぐに欲しい情報へたどり着けて、探す手間もありません。

仕事において探す時間ほどムダだと思うものはないですが、紙からの電子化は情報検索の体験を圧倒的に引き上げてくれます。

経費削減

コピー機・複合機で印刷すると、モノクロ印刷:1円~3円/枚、カラー印刷:8円~12円/枚くらいです。参考:ランニングコストについて

1か月分を20日として1枚8円計算した場合の印刷代の例(カラー印刷)
50枚   :400円(約1日)
1,000枚 :8,000円(約1か月)
12,000枚 :96,000円(約1年)
※これに加えてリース代・インク代・紙代なども入ってくる

その他にも通常のモノクロ印刷も含めれば、年間の印刷代は数十万~数百万に達する場合もある。

これらをITツールへ置き換えてペーパーレス化を実施すれば、単純な印刷代だけでなく印刷作業・移動・運搬などの軽作業もなくなるため、かなりの経費削減に繋がってきます。

オフィスの機器が減ってスッキリする

印刷するための機器は大きくて、場所もとります。

また、レンタルをしたり、印刷のために紙・インクの在庫を持つ、または都度買ったりする手間もあるので、結構な負担になっていました。

しかし、ペーパーレス化を行えば、そもそも大量に印刷することは不要なので、小型の印刷機器にしたり、紙やインクの在庫なども持たずに済むようになるため、オフィス内のスペースを空けることができます。

座席を追加したり、職場環境を良くするため別の設備を入れたりして、さらに従業員満足度へ繋がる改善も行えます。

書き直しによる二度手間三度手間が無くなる

紙に書くのは簡単ですが、文字が見えなかったり、書き損じたり、間違えていることも多いです。

間違える → チェック者が聞き直す → 書き直す → チェックする → 入力する

こういった二度手間三度手間が発生して、どちらもストレスを感じる作業にもなっていました。

ITツールを使うことで、たとえばエラー表示して間違いを予防したり、もし間違えていたとしてもわざわざ聞き直しに行ったりせず、ツール内で連絡ができるため、余計な作業コストを払わずに済む。

チェックも自動化できるため、現場担当者の負担が大きく取り除けます。

デメリット

今までの紙を全部スキャンして電子化する

これからの紙作業を電子化するのであれば問題ありませんが、今までの紙書類の電子化が必要だった場合、かなり大量のスキャンが発生します。

スキャンだけでなく、システムへ入力する作業も必要になってくるため、ペーパーレス化のタイミングで作業量が膨大になってしまう場合も。

これを乗り越えられれば終わりですが、最初の作業量によって躓いてしまう場合も。

リスク、データを抜かれたら漏洩問題

大事な書類は会社に保管してあるので、泥棒などが入る、または従業員がこっそり持ち出さないかぎり、外部へ漏れない情報として扱っていけます。

しかし、データ化した場合は話が違ってきて、インターネット上の侵入者によって奪われてしまう場合もある。

紙から電子化の恩恵は計り知れませんが、セキュリティ問題を軽視していると、情報漏洩に発展してしまって、その後のトラブルになる可能性もあるんです。

そのため、事前にセキュリティの強いITツールを選んだり、そもそも自社のセキュリティを強くしたりと、情報システム部門と密に連携しながら進んでいく必要があります。

全て電子化しない方がいい場合もある

紙から電子化すると、業務も楽にしてコストも減らしてくれるため、どんどん進めたくなりますが、組織や状況によっては全て電子化しない方がいい場合もあります。

たとえば、現場に否定的な意見を持つ方が多いのに、トップダウンで進めようとしたら反発は必至。

他にも、業務フロー的に紙のままがいい場合も無理やり電子化してしまったことで、大きくトラブルを発生させてしまうことも。

将来的に全て電子化を目指したいですが、まずは出来るところから始めて、組織や状況に合わせて徐々に進めていくのがオススメです。

ペーパーレス化に役立つIT製品・サービス

ペーパーレス化を実現するには、IT製品・サービスの存在が欠かせません。

SaaSと呼ばれるインターネット上で利用できるソフトウェアを使うのが一般的ですが、どれも同じではなく用途もできることも違ってきます。

そのため、役立つITツールを「やりたいこと別」でまとめてみたので、下記の表でどんなITツールを使えばいいのか、ざっと把握するのもオススメです。

項目項目役立つITツール
営業見積書を無くしたいPDF編集ツールメール配信システム
会議資料の配布を無くしたいオンライン会議システム
営業リストをもっと簡単に作りたい営業リスト作成ツール
顧客情報の紙管理を無くしたい営業支援システム(SFA)
名刺管理を電子化したい名刺管理ソフト
制作紙の工程表を無くしたいプロジェクト管理ツール
マーケティング紙の社外アンケートを無くしたいネットリサーチ
お客様のヒアリング用紙記入を楽にしたいweb接客ツールチャットボット
人事紙の入退社書類を無くしたい労務管理システム
紙のマニュアルを無くしたい動画教育システム
紙の評価面談用紙を無くしたい人事評価システム1on1ツール
労務タイムカードを無くしたい勤怠管理システム
シフト表を無くしたい
給料明細書を無くしたい
紙の回覧板を無くしたい社内報ツール
紙の社内アンケートを無くしたいES調査ツール
経理紙の請求書・清算書を無くしたい経費精算システム
法務紙の契約書発送を無くしたい電子署名システム
印鑑を不要にしたい
紙の社内稟議を無くしたいワークフローシステム
その他書類を受け取ったあとの手作業を無くしたいRPAツール
ネット上で情報共有したいストレージサービス(参考:MEAG

色々ありますが、あなたがペーパーレス化したい内容はありましたか?

社内業務を楽にする方法として、紙の電子化がやりやすいため、まずはペーパーレス化から取り組むのがオススメです。

ITツールを選ぶ際の注意点
どのITツールも便利で多機能なので選ぶのに迷うと思います。無料で一定期間トライアル(体験利用)できるものもあれば、一部機能制限された状態でずっと無料利用できたり。しかし、本格利用するためには有料プランが必要になるため、まずはトライアルで使い勝手や求めていた使い方ができるのか確かめてから、本格的な導入を検討すると選択を間違えにくくなります。
参考:多すぎて選べない…SaaSの比較どうやる?ポイントや考え方まとめ

ペーパーレス化でSDGsに貢献

紙を電子化することで、ムダな多くの作業がなくなり、残業が減る・使える時間が増えるなど、働き方改革も強力にサポートしてくれます。

しかしそれだけではなく、紙を無くすとはエコ・環境問題にも大きく結びついてくる。

今世界中で目標として掲げられているSDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)が策定されており、全部で17個の目標がありますが、ペーパーレス化はその中の下記3つに該当すると言えます。参考:外務省 持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組

目標8 [経済成長と雇用]
→包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

目標12 [持続可能な消費と生産]
→持続可能な消費生産形態を確保する

目標13 [気候変動]
→気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる

働きやすい環境を作り、資源をムダにせず、紙の削減で気候変動も抑える。

1社だけではその力は大きくありませんが、あなたの会社含めて日本中、または世界中でペーパーレス化が当たり前になれば、それだけでも大きな影響が出せます。

自分たちだけでなく、世界と一緒になってペーパーレスを推し進める、と考えれば味方がたくさんいて心強いですよね。

ペーパーレス化のルール

全ての紙書類を電子に置き換えていけば、物理的な場所(保管庫)を持つ必要はなくなりますが、それは見えないだけであって、インターネット上や社内サーバーにはどんどん情報が溜まっていきます。

無秩序な電子化によるデータを増やしていては、いずれパンクする可能性もあるのと、何も考え無しに情報だけを保存していくとトラブルも起きてしまう。

トラブル
・どこに何が入っているか分からない
・不要なデータもそのまま残り続ける
・探したいときに探しにくい
・見せてはいけない人にも見せてしまう

紙の電子化は、ある意味定型作業であり、尚且つ色んな人が閲覧するためルール作りが必要です。

ルールの一覧

同じことをしているのに、AさんとBさんで仕事のやり方が違えば、残していくデータにも違いが出てきてしまう。

組織や会社の業務スタイルによって違えど、共通したルールに関しては同じだと思うので、下記を参考にして頂くのもオススメです。

電子化の流れ

紙または情報の電子化を行っていくための、基本的なルールを考えておきます。

①情報を電子化する
②保存する
③不要な情報は廃棄

流れとしては簡単ですが、まず最初の電子化するタイミングで、本当に必要な情報か?電子化できる情報か?紙による保存の必要性は?などを検討していきます。

全てを電子化する必要はなく、中には現物が必要な場合もある。

やらないことをあえてやると、結果的にムダな作業が発生するため、最初の電子化見極めがとても重要です。

フォルダ・ファイルの命名規則

電子化した時に、PDFなどファイル形式で保存していくなら、あとで探しやすいように、またはその他のファイルと区別が付けやすいように命名ルールを定めておきます。

フォルダ例:大カテゴリ・中カテゴリ・小カテゴリ
ペーパーレス化のルール
 ∟ファイルの命名
  ∟展開資料

ファイル例:日付+タイトル
20220907_ペーパーレス化の命名ルール表.pdf

事前にルールを共有することで、作業ミスの発生を防ぐとともに、別の担当者が対応したとしても、同じ状況が作れるように準備しておきましょう。

閲覧権限

社内サーバーまたはクラウドにデータを保存する場合、基本的には誰でも関係者であればアクセスができる状態になります。

しかし、中には機密情報として社内でも特定の人しか見せてはいけない情報があったり、見てはいけない情報もペーパーレス化によって電子化されていく。

たとえば間違って重要な情報を消してしまうリスクもあれば、勝手に情報が抜き取られてトラブルになることも。

閲覧権限やアクセス制限をかけて、電子化した情報に対するセキュリティを強める必要があることを、予め知っておくと役立ちます。

主に情報システム部の方が対応してくれると思いますが、権限範囲などの策定は当事者であるあなたの場合もあるので、ペーパーレス化と同時に考えておくのがオススメです。

紙書類でムダな手間をかけていませんか?

紙を使った業務を続けていると、コストが上がり続けるだけでなく、紙を使った細かい作業が増えて、みんなの不満が爆発していきます。働き方を楽にするための方法としては、ペーパーレス化が一番取り組みやすいため、様々なIT製品・サービスを活用頂くのがオススメです。
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