いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。サービス資料は、営業にもマーケティングにも、その他あらゆるビジネスシーンで使うので、持っておきたいですよね。
お客様の提案に使ったり、知らない方に自社サービスを知ってもらうためには、サービス資料が欠かせません。
直接お客様に関わるメンバーだけでなく、自社のサービスを誰かに教えたり共有するのに、資料はどんな時でも役立ちます。
・まだ作っていない
・これから作ろうと思っている
・すでに作っている
どの状況でも見ておきたい情報をまとめています。
- 目次
- サービス資料とは
- サービス資料を作るメリット・デメリット
- サービス資料でもっとも求められている情報とは
- サービス資料を作るポイント
- サービス資料の制作に失敗すると、どうなる?
- サービス資料の作り方
- サービス資料のチェックリスト
- サービス資料の事例集
- サービス資料の効果的な活用方法
- サービス資料の見直し方法(改善・管理)
- サービス資料作りの注意点
- サービス資料作りに役立つテンプレート各種
- よくあるご質問・回答
サービス資料とは
サービス資料とは、自社サービスの見込み顧客と繋がり、比較検討を促し導入へ導くための、営業・マーケティング活動に必須のアイテム。
お客様が解決したい悩みはそれぞれなので、各状況に合わせたサービス資料を、複数用意するのが鉄則です。
ビジネスシーンの多くで、サービス資料の存在が欠かせないため、持っていないだけで競合他社との差が広がっていくことも。
1サービスに1資料は必ず持っておきたいと言えるほど重要です。
営業資料との違い
営業資料とは、商談で使う資料のことであり、お客様の状況に合わせて作られます。
普段使っている営業資料のテンプレートはあると思いますが、お客様は自分事にならない情報があれば無視をする、または話を聞いてくれない。
そのため、提案したいお客様の利益になる内容のみが情報として入っているため、一部内容は同じだったとしても、サービスを説明する資料とは根本的に違います。
会社紹介資料も会社のことが中心に書かれるのでサービス資料とは違います。
利用シーン
お客様がサービスを知ってくれる接点はたくさんあります。※ お客様と接触する機会・場所をタッチポイントと言います(例:資料ダウンロード)
- 営業がお客様へサービス説明をする時
- マーケターが資料マーケティングをする時
- 資料掲載サイトに掲載する時
- 興味がある方へサービス内容を共有する時
- 新人に自社サービスを理解させる時
- 広告を使いランディングページへ誘導した時
- 展示会でサービスパンフレットとして渡す時
他にも社内の誰もがお客様と繋がる機会があるため、サービスを知ってもらう接点は膨大。
別の言い方をすれば、サービス資料を1つ持っていれば、ビジネスのあらゆるシーンでチャンスを作り出してくれるとも言えます。
お客様は何目的でサービス資料を求めるのか
サービス資料を見たいお客様は、文脈的に考えれば、あなたの会社のサービスに興味があるからですよね。
たとえば公式サイトの資料ダウンロードフォームを送信してもらえたら、「興味がある?それなら商談機会を頂けるかも!」と判断して連絡するケースがあると思います。
しかし、すぐ契約まで進める方は多くなく、ほとんどの方は単なる情報収集であったり、興味本位の見込みが薄いレベル。
お客様側で何か行動を起こそうと思ったタイミングで、必要そうな情報(サービス資料)を集めているだけであり、営業を受けたいとは思っていません。
まだ走り出しの状態なのと、決裁権は資料取得者ではなく上司が持っているケース約5割。※データの出典:IT製品・サービス導入へ繋がるホワイトペーパーの活かし方
お客様の目的としては情報収集が多いため、その前提を理解しておきましょう。
興味本位のレベルでサービス資料を見た時に、内容が分かりづらい・デザインが悪いなど、資料品質の低さを感じてしまったら信頼できないと感じ、今後の検討候補からも外されてしまう場合もある。
サービス資料を作るメリット・デメリット
1つ持っておけば、あらゆるビジネスシーンに対応できるのがサービス資料の良いところ。
しかし、作るデメリットもあるため、メリット・デメリットの両方を確認しておきましょう。
メリット
顧客との接点(タッチポイント)が広がる
サービス資料さえあれば、直接紙で印刷したり、パソコンを使い共有に適したPDF(またはPPTX・Excel・Wordなど)で相手に渡せます。
オフライン・オンラインの両方で情報共有しやすい情報媒体で扱えるため、お客様の状況に合わせれば接点が作りやすい。
オンライン化の流れで活躍する
情報収集のオンライン化や、企業内のデジタル化(DX)が加速しています。
そのため、紙で直接渡すよりも、PDF等のインターネットを経由した情報提供が主流になりつつあるため、情報の資料化が求められており、サービス資料もそこに含まれています。
共有がしやすい
サービスを知ってもらうためは、自分たちでプッシュしながら情報を届け広げていきますよね。
基本的に自分たちの能動的な動きで伝達していきますが、サービス情報を「資料」としてまとめておけば、お客様やその他含めて、資料を渡すだけで情報が伝えられ拡散性も高い。
デメリット
時間・コストがかかる
資料を単純に作るだけなら誰でも進められますが、お客様に納得頂ける内容を入れ、見やすさもしっかりと担保された資料を作るには、時間もコストもかかります。
スキルが必要
サービス資料を作るには、まず顧客が求める情報を理解し、話の流れを作り、情報を文章または図などで可視化をします。ディレクション・リサーチ・ライティング・デザインなど、1つの資料を作るだけでも、複数のスキル・専門性が求められるため、簡単には作れません。
シーンに合わせて複数種類が必要
基本的にサービス資料は1つあればいいですが、お客様の状況は色々なので、作成した内容では合わない場合も出てきます。
欲を言えば、お客様との接点ごとに合わせて、複数の資料を持っておきたいのですが、そうなれば時間・コストは作成数に比例して増えていきます。
サービスの全てを資料で伝えるのは難しい
サービスに関する情報を、資料に全て含めてしまえば楽ですが、そうなると膨大なスライド数になります。
そこまで枚数が多い資料は逆に読みたくないですし、人伝の方が伝わりやすく質疑応答を経て理解が深まる情報もある。
サービス資料を手にするタイミングは興味本位のケースが多く、その段階で読み込んでくれることは期待できない。
あとで更新したりメンテナンスも大変なので、資料で全て伝えるのは現実的ではありません。
サービス資料でもっとも求められている情報とは
サービスを伝えるには、概要・実績・機能・データ・料金など色々なスライドテーマを用いて、情報を伝えていきます。
その中でも特にお客様が求めていたのは下記の情報。
閲覧前後で見たい(知りたい)内容の違いについて
※出典:IT製品・サービス導入へ繋がるホワイトペーパーの活かし方
これはホワイトペーパー(サービス資料を含む)をダウンロードしたユーザー871名から回答をもらえた、資料の閲覧前後に関する情報意識の違い調査。
閲覧前:機能が知りたい
閲覧後:機能をもっと詳しく知りたい
どちらも機能について情報を求めています。
サービス内容を資料化する時、話の流れ(構成)を整え、適した情報を入れ込んでいきますが、資料を読む前も読んだ後も、やはり機能に意識が向いています。
この事実を知っていれば、機能についての情報を厚くした、お客様に喜ばれる資料が作れます。
サービス資料を作るポイント
サービス資料の制作へ取り掛かる前に、覚えておきたい3つのポイントがあります。
① 見やすいこと
② 伝わること
③ 行動を起こしてもらうこと
とても大事な考え方なので、それぞれもう少し具体的にしてみます。
① 見やすいこと
見やすさとは、情報が読み手に最適化された状態のことを指します。
たとえば、読み手を考えずに作った資料だとこうなってしまう。
例
× たくさん伝えたいから文章を多くした
× インパクトを出そうとして多色にした
× 好きなフォントをたくさん使った
実はすべて相手にとって悪いことばかりで、そもそも情報としての見やすさが損なわれている。
見やすさはサービス資料における基本でもあり、ここがクリアされなければ、読んでもらうことすら難しくなります。
見やすさに関する記事
・見やすいパワーポイントのデザイン例(NG・OKあり)
② 伝わること
間違えてはいけないのが、この2つの違い。
伝えた :自分本位の考え方(発信者が自分の視点や利益を優先している状態)
伝わった:相手本位の考え方(受け手の視点や利益を優先している状態)
サービス資料を作るのは、営業・マーケティングを行う自社のためですが、その考えが残り続けていると、自分本位の「伝えた」で止まってしまいます。
たしかにサービス資料は、サービス内容を伝えたい企業側の視点で制作を進めるのが始まりですが、情報を受け取る側の視点がないままだと、自己満足で終わってしまう場合も。
「伝えた」ではなく「伝わった」状態を目指して作っていく必要があります。
③ 行動を起こしてもらうこと
サービス資料は、単なる情報伝達のためだけではなく、この情報を起点にお客様の行動・気持ちを動かしていくこと。
お客様としては情報収集の気持ちだったかもしれませんが、サービス資料を見た結果気になり出したり、思ったよりも魅力的だったので実際の検討へ進んでもらえる。
何か次のステップへ進んでもらえる、そんな状態を目指して作っていきます。
サービス資料の制作に失敗すると、どうなる?
サービス資料の制作に失敗、またはお客様視点が抜けていると、こんな結果になることも。
出典:企業のホワイトペーパーに対するユーザー評価の調査レポート
ユーザー調査を2,706名に行ったところ、企業のホワイトペーパーが役に立たないと、その企業の印象は悪くなるかを聞いたら、約7割が「その企業の印象が悪くなる」「どちらかというと悪くなる」と回答。
これは、資料の作りが甘い、または十分ではないために、お客様の期待を裏切っているケースがあると言えます。
資料を作るだけは簡単ですが、その中身も見た目も、専門性が求められているんです。
サービス資料の作り方
サービス資料を作るには、大きく分けると4つの工程で進めていきます。
順番 | 工程 | 対応内容 |
---|---|---|
1 | プロジェクト立ち上げ | 社内承認の取得、メンバー集め |
2 | ディレクション | 要件定義、スケジュール、予算確保、調査分析、戦略設計、構成、ワイヤーフレーム…etc |
3 | ライティング | 情報の創出(主に文章作成) |
4 | デザイン | 情報の可視化 |
初めて作る・作り方を見直したい、どちらの場合でも役立つ情報をまとめていきます。
この工程は、サービス資料を作るためだけの流れであり、マーケティング活動と連動するのであれば、マーケターが随所に関わってきます。
① プロジェクト立ち上げ
まず最初に行うのは、サービス資料を作るためのプロジェクト立ち上げ。※ 初めてサービス資料を作る場合の工程
部署・チームで必要性を感じて、または社長・上司からの指示で作り出すこともありますが、1人で進行・設計・制作・改善などをこなしていくのは難しいです。
また、使い出したい時期が決まっていたり、欲しいからには早く成果が出せる資料を作らないといけないので、得意なことを得意な方に任せるのが一番効率的。
誰かが中心となって動き出し、周りを巻き込みながら進まないと頓挫するケースもあるため、プロジェクト立ち上げはとても重要だと言えます。
② ディレクション
ディレクションとは、プロジェクト全体の方向性・目標を定めて、実現するためのあらゆる計画をしていくこと。
社内外の色々な人と関わるため、ディレクションをする人は、コミュニケーションが得意であったり、複数人と連携しながら一緒に進んでいける人がいい。
雑務はもちろんメンバー同士を繋ぎ合わせたり、必要なことを全てしていくため、何でも屋とも言われます。※ディレクションをする人は、ディレクターと呼ばれます。
ただ、ディレクションのタイミングで、決めごとや準備を怠ってしまうと、お客様に求められる資料作りは難しくなるので、気が抜けません。
ディレクターがやること
工程 | 説明 |
---|---|
ルール決め | メンバー間の連絡手段、タスク管理、定例ミーティング、フィードバックなど、プロジェクトを円滑に進めるための各種取り決め |
要件定義 | 目的と目標の可視化・共有、ターゲット設定、必要な情報整理など制作の軸・指針を決める |
スケジュール | 各タスクを誰がいつまでに完成させるのか道筋を時間軸で決めていくこと |
予算確保 | 制作に必要な予算を算出して社内承認をもらう(外注を使わない場合は必要なし) |
調査分析 | どのようなサービス資料を作ればいいのか競合調査やユーザーアンケートを行い差別化や勝ち筋を見つけていく(ディレクターではなく調査人員を別途確保してもいい) |
戦略設計 | 目標から逆算してどのような資料にしてどう活用すればいいか可視化していく(他メンバーにも同じ認識を持ってもらうために可視化が重要) |
スライド構成 | 情報を見せる流れを簡易的に可視化する(表紙→課題→提案など) |
ワイヤーフレーム | 構成に合わせて情報の見た目や配置など他メンバーに指示を出しやすくするガイド作り(この段階ではダミーテキストでデザインもされず白黒灰色で要素の配置が分かる程度) |
ディレクションは、ライティングやデザインの専門性を持っていなくても対応できます。
ただ、この段階でしっかり決めごとが定まっていないと、右往左往して進みが遅くなっていくため、制作へ他メンバーが気持ちよく入っていけるような整備をしていきます。
ディレクターは色々なメンバーとの連携役となり、進行役の中心人物になりますが、全ての責任を負う必要ありません。回りにも協力してもらう前提の動き方となるので、スキル・知識も大事ですが、連携できるメンバーと組むのがお勧めです。
資料の中心となる構成の作り方
何をどのように伝えるのが、もっともお客様の心・体を動かせるのか。
ただ説明をダラダラと入れても反応率は低いため、伝えたい人に伝わる話の流れを使う必要があります。
まずは読み手の心理に沿って、大まかな流れを考えてみます。
① 求めた情報があるか?(瞬間的な自分事化)
② なにが解決できるか?(期待・悩みの照らし合わせ)
③ その解決策はどんなものか?(解決策の提示)
④ 結局何をすればいいのか?(サービス提案)
⑤ 信頼できる事例や証拠があるか?(客観的な証拠)
⑥ 私には本当に必要なのか?(絞り込み)
⑦ どうすればいいのか?(クロージング)
特定のたった1人のためだけに作られた資料であれば、何をどうすればいいのか想像はしやすいのですが、共通点はあるもののお客様が求めていることにはそれぞれ違いがあるのが通常。
そのため、ターゲットは絞りつつも少し範囲を広げた状態で、意識や目にとめてもらえる工夫が必要です。
上記の流れなどは、読み手の心理に沿っているため、大きく外しません。
スライド構成
テーマ | 心理 | 説明 |
---|---|---|
1 表紙 | 自分事化 | サービスが誰のどんな時に役立つのかメッセージ性の強いタイトルを使い一瞬で意識を引き込むスライド |
2 目次 | 資料の全体像を把握してもらうためのスライドテーマ一覧 | |
3 結論 | 期待 | サービスを利用頂くことで得られる輝かしい未来・期待 |
4 課題 | 悩み | 見込み顧客が抱えている課題・不安などを可視化 |
5 解決策 | 解決策 | 課題・不安の解決策があることを提示 |
5 提案 | 提案 | サービスによって解決できることを提案 |
6 事例・口コミ | 証拠 | なぜ使うべきなのか第三者からの評価やデータで証拠提出 |
7 費用 | 絞り込み | 検討を進めるための具体的な費用提示 |
8 スケジュール | どのような流れでサービスが使えるのか流れを解説 | |
9 よくあるご質問 | 他のお客様からも頂く質問と回答 | |
10 会社概要 | 自己開示 | サービス提供会社の所在・資格・取引先・代表者など信頼できる情報提示 |
11 メディア掲載歴 | 権威 | 専門家・第三者からの評価を見せて安心してもらう |
12 CTA | 行動促し | キャンペーン・特典・オファー文・問い合わせ先など見込み顧客の行動を後押しする情報 |
13 裏表紙 | 〆 | ブランドを認知させたり魅力的なメッセージで最後を締めくくり好印象を残す |
※ テーマ数と実際のスライド枚数は同じではなく、それぞれのテーマで複数枚必要な場合もある。 |
これらのスライド順に作っていけば、伝えたいことを伝えていけます。
ただ注意したいのは、あくまでも構成は情報を「伝える」ための「話の流れ」だけであり、「伝わる」とは別もの。
伝える:構成
伝わる:ライティング・デザイン
役割が違うので、しっかりと区別して対応していきましょう。
見る相手によって構成が変わる
上記でスライドの構成を見て頂きましたが、どんな時でも通用する万能なものではありません。
たしかに広い範囲はカバーできますが、やはり見てくれる相手の状況によって、適した構成が変わってくる。
状況 | 構成 |
---|---|
興味本位で資料を見る方 | 自分事化(課題)・期待(結論)をメインにする |
すでに会社を認知済みの方 | サービス紹介をメインにする |
すでにサービスを認知済みの方 | 選ぶポイント・比較・事例・証拠をメインにする |
導入間近の方 | キャンペーンや今だからこそのお得な情報をメインにする |
決裁権がない方 | 現場の課題解決をメインにする |
決裁権がある方 | 費用対効果、数字、など意思決定に繋がりやすい情報をメインにする |
この他もありますが、読み手の状況が変われば、見せていきたい情報は違いますよね。
読み手のすでに知っている情報が多ければ退屈しますし、目的の情報や驚き・期待するような情報がなければ、読むのすらやめてしまうかもしれません。
サービス資料の基本構成を覚えつつ、見せたい相手に合わせて調整していきましょう。
③ ライティング
サービス資料におけるライティングとは、伝えたいメッセージを明確にし、伝えたい人に伝わる形へ情報を翻訳すること。
自社が使うためにサービス資料を作るのですが、その意識のままだと企業都合の情報になることが多くなります。
そのため、アプローチしたい読み手に合わせて表現や解説をして、正確性と信頼性も担保しながらデザインの元になる情報を作りだしていきます。
言葉一つで情報の魅力は大きく変わるため、言葉の扱いが得意なライターに任せましょう。
ディレクターがワイヤーフレームを事前に作っている場合は、そのスペースに合わせて文章量を調整していきます。
④ デザイン
サービス資料におけるデザインとは、伝えたい情報を読み手に合わせて「伝わる」形へ可視化していくこと。
- どんな配置だと見やすい?
- どの色だと判別しやすい?
- この文字だと読みやすい?
こんな言い方があうかもしれません。
配慮の重ね掛け。
読み手に対して、情報が最適な状態できちんと伝わる形を模索していきます。
ライティングされた情報を元に、見た目として表現していきますが、そのままだとデザイン時に文章が合わない場合もあるので、ライターなどと相談しながら言葉の選び方を変えて都度調整。
どの情報を、どう扱えばいいかを考え、情報伝達の浸透度を高めていけば、自ずと伝わるサービス資料になります。
資料デザインに関する記事
・資料デザインのアイデア99大全
・【工程公開】資料ができあがるまでの流れ
・相場って…どのくらい?資料作成代行の料金
前提が違えば構成もデザインも変わってくる
サービス資料を作っている時に「しまった…」「やってしまった…」となるのは、構成が間違っていたことによる、ライティング・デザインのやり直し。
前提が違うと変わってくる例
見てもらえる前提 :見た目よりも話の流れと内容
見てもらえない前提:見た目に力を入れる
他にも、オンラインMTGで使うなら、モニターに映るスライドは小さくなるため、文字など全体的に大きくする。
逆に、ホワイトペーパーなどマーケティング用として使うなら、手に取ってもらえるようデザインの工夫が大事になってきます。
読み手のことを理解し、前提が分かれば、さらに優しいデザインとなるため、デザインは見た目を作るだけではなく、読み手に関わる一連の流れや状況を把握し、最適な形で表現していかなければなりません。
デザインツール
サービス資料を作るには、デザインが可能なツールを活用していきます。
- PowerPoint(パワーポイント)
- Googleスライド
- Keynote(キーノート)
- Adobeイラストレーター
- Figma(フィグマ)
- Canva(キャンバ)
など、無料から有料まで使えるツールは幅広いですが、誰でも簡単に扱えるツールでないと、特定のメンバーしか作れない・編集できない状態となり、メンテナンス性が悪くなってしまうため、基本はPowerPoint・Googleスライド等で作るのがお勧めです。
サービス資料のチェックリスト
サービス資料を作り終えたら、まずは冷静になって適切かを確認してみましょう。
簡単なチェックリスト(項目)を用意したので、一つずつ確認してみてください。
- タイトルと内容に整合性があること
- 売り込みしすぎていないこと
- 企業側の都合のいいことばかり入っていないこと
- 古すぎる(過去5年以上前)情報が入っていないこと
- 競合と似ているデザインになっていないこと
- 行動したい時の情報(連絡先等)が入っていること
- 業界や自社の独自用語を使っていないこと
- チャネルにあった内容になっていること
- デザインのインパクトを追い求め続けていないこと
- 社内の誰でも調整しやすいデザインになっていること
他にもチェックしたい項目はたくさんあるので、下記の記事も参考になります。
・資料作成に時間かかりすぎの原因と6つの対策
・今すぐ真似られるパワーポイントの資料作成17つの例
・資料作りで「やってはいけない」10個のNGチェックリスト
・パワポのデザインをおしゃれにする43のコツ
・やってはいけないホワイトペーパー(WP)制作9つのこと
サービス資料の事例集
実際に他社はどのようなサービス資料を作っているのか、気になりますよね。
初めて作るのであれば、なおさら何が正解か分からず不安にもなります。
用途によって構成やデザインは変わりますが、企業が作るサービス資料の事例をご紹介。
資料ダウンロードサービス
ジャンル | マーケティング |
---|---|
構成 | 表紙→課題→解決策→提案→絞り込み→CTA→裏表紙 |
デザイン | 1スライド1メッセージを徹底している |
色 | メインカラー:黄色、サブカラー :グレー |
スライド数 | 30枚 |
ブランディング動画サービス
ジャンル | ブランディング×マーケティング |
---|---|
構成 | 表紙→サービス概要→事例→提案→事例→サポート→CTA→裏表紙 |
デザイン | 表紙の写真で引き込みスクショを多用して事例を提供 |
色 | メインカラー:黒、サブカラー :グレー |
スライド数 | 28枚 |
コンサルティングサービス
ジャンル | ブランディング×コンサルティング |
---|---|
構成 | 表紙→コンセプト→強み→サービス詳細→事例→信頼→CTA→裏表紙 |
デザイン | 説明が難しいため図解等でより分かりやすく表現 |
色 | メインカラー:ネイビー、サブカラー :ブラウン |
スライド数 | 45枚 |
コンテンツマーケティングサービス
ジャンル | コンテンツ×マーケティング |
---|---|
構成 | 表紙→サービス概要→課題→信頼→事例→CTA→裏表紙 |
デザイン | 実際にインタビューした著名人を多数掲載して信頼感を向上させている |
色 | メインカラー:ブルー、サブカラー:グレー |
スライド数 | 16枚 |
採用サービス
ジャンル | 採用×動画 |
---|---|
構成 | 表紙→背景→理由→サービス概要→効果→CTA→裏表紙 |
デザイン | データが強調されるように他の情報を減らしている |
カラー | ブラウン、サブカラー:グレー |
スライド数 | 49枚 |
サービス資料の効果的な活用方法
資料を作ったあとは、サービスを知りたい方にPDF等で渡すと思いますが、それは使い方の一つにすぎません。
- 複数種類を用意してお客様ニーズを確認
- 資料ダウンロードマーケティングで使う
- 新人研修で使う
- 印刷して展示会でパンフレット代わりに渡す
- セミナーで使う(動画化すれば半自動で説明可)
かなりポテンシャルが高く、1つの資料が何役もこなしてくれます。
せっかく時間(またはお金)をかけて作ったのであれば、活用の幅を広げて使い倒していきましょう。
マーケティング活動の中に取り込むと、さらに費用対効果が高くなります。
活用方法に関する記事
・【20施策】DLが増えるホワイトペーパーのコツ
・実例36パターンから学ぶホワイトペーパーのデザイン見本
・見込み顧客が獲得できるホワイトペーパー制作代行
サービス資料の見直し方法(改善・管理)
サービス資料は作るだけでも労力がかかり、作成完了後はどっと疲れるかもしれません。
作成者の手から離れたサービス資料は、社内の色々な方に使われていきます。
そうなれば一安心ですが、最初は活用できていたものが、どんどん効果が薄くなり「なぜ…?」となってくる場合も。
サービス資料には、ある意味賞味期限が存在しており、下記のような要因で品質が下がっていきます。
- サービスそのものがアップデートした(古い情報のまま)
- 競合サービスの資料品質が上がった
- 市場とサービス内容が合わなくなってきた
- 資料内のデータが古くなってきた(最新ではない)
- 現場で実際使ってみたら変えたいところが出てきた
作って終わりではなく、改善・管理が必要になるため、それぞれを確認しておきましょう。
改善(更新)
サービス資料の改善とは、過去と現在(または未来)の乖離を無くすための行動。
資料は勝手にアップデートされず、完成したあとからどんどん情報が古くなっていきます。
また、実際に使ってみて、足りない情報や使い方の間違いに気づくケースも多々ある。
そのままにしていると、資料そのものが使えないものとなってしまうため、内容を一新ではなく部分的に調整して、現在必要なことに合わせていきます。
都度更新できればいいですが、そこまでべったりと資料改善に時間を使えない場合もあるので、タイミングを決めて見直しするのがお勧め。
見直しタイミング
・1カ月ごと
・半期ごと
・サービスがアップデートされたタイミング
フィードバックの収集方法
改善には、色々な人からの意見がとても大事。
定期的にリアルな声を収集していくには、主に下記2つが有効です。
定性:現場担当(実際に資料を使う人)からの意見吸い上げ
定量:データ(資料ダウンロード状況など)による考察
実際使ってない状況で、ただデザインがどうとかこうとか言っている状態では、進むものも進みません。
現場で得られる生の情報を収集していきましょう。
競合分析
制作し始める時に行った競合調査は、いわば過去のことなので、競合もアップデートをしている可能性が高いです。
そうなれば、以前の情報を元に考えると、情報がそもそも古いため、競合の一歩も二歩も遅くなってしまう場合も。
むやみに競合の資料をダウンロードするのは嫌がられますが、サイトや資料の一部(スクショ等)は見れることも多いため、分かる情報で確認していくのがお勧めです。
管理
サービス資料の管理とは、常に最新の状態を保ちつつ、社内活用がしやすい状態に保つこと。
やっておきたいことは下記の2つ。
- バージョンの管理(古い・新しい)
- ルールの管理(いつ、だれがやるのか)
たとえば、1度社内に展開したサービス資料を回収しきるのは難しく、ものすごい手間と時間もかかる。
古い内容をそのまま使い続けてしまうメンバーもいるため、共有方法や展開時の通達ルールを予め決めておく必要があります。
管理の例
・共有フォルダを作り最新のサービス資料のみを入れておく(古いのは別フォルダ)
・更新時は必ず全員が確認できる連絡手段で通達
・資料についての確認や問い合わせを受ける担当者を決めておく(社内に通達もする)
すでに社内で運用しているルールがいくつもあると思うので、そこに習ってサービス資料の管理も加えてもらうのが、一番浸透はしやすいと思います。
作って終わりではなく、面倒を見続けてあげることで、最大限サービス資料が活用できます。
改善・管理の注意点
サービス資料の改善・管理は、他の企業さまもやっているのか気になりませんか?
ホワイトペーパーの活用調査を行った際に、1,302名の方に聞いた回答はこちら。
出典:IT製品・サービス導入へ繋がるホワイトペーパーの活かし方
調査の結果
現状:改善することによって成果を高めている
不満:もっと改善したいのにスキル・時間が足りない
改善しつつも、スキル・時間が足りずに、十分なPDCAが回せていない状況のようです。
だんだん不満の許容量がいっぱいになってしまうと手がかけられず、
- 情報が古くなる
- 競合との差が開く
部分的な改善では足りず、改めて全部作り直す勢いになってしまいます。
時間とともに状況が変化し続けるので、定期的な更新を行い、最新の状態を保ち続ける方が、結果としてかかるコスト・時間(労力)も最小限に収まります。
サービス資料作りの注意点
せっかく作るのだから、かけた労力をムダにするような失敗は避けたいところ。
サービス資料作りでは、やってはいけない注意点がいくつかあるため、事前に確認しておきましょう。
1つしか作っていないこと
サービスに対して1つのサービス資料が基本ですが、お客様と出会う接点によっては、求められている内容や、響く言葉なども違ってきます。
せっかくチャンスが回ってきたのに、相手に合わないサービス資料を見せてしまっては、逃してしまう場合も。
すでにお客様との接点は複数あると思いますが、その状況ごとで調整を加えた複数の資料を用意しておきましょう。※大きく変える必要はなく、部分的な調整でも十分効果はあります。
自社都合で作らないこと
自社サービスを売りたいからこそ、サービス資料を作りますよね。
その気持ちや思考のままでいると、お客様のことを置き去りにして、自分たちが言いたいこと・伝えたいことばかりの資料になる場合も。
まずは気持ちのリセットをかけて、誰に向けて届けたい資料なのか、そこを軸にして行動できるようにしておきましょう。
急ぎで作り過ぎてしまうこと
サービス資料は「資料」ではあるため、普段から資料を作っている方にとって作ることは簡単に思えるかもしれません。
また、社長や上司に急かされて、必要なタイミングへ間に合わせるため、猛スピードで制作だけを進めてしまう場合も。
サービス資料は、見た目を整えさえすればいいのではなく、ターゲットの整理から資料内の情報整理、そして可視化するスキルなど、専門性が要求される業務です。
簡単に作れるようで、実は難しいため、急ぐことで抜け漏れが発生しやすくなります。
編集できないデザインになっていること
制作はデザインスキルをもった人材に任せるケースが多いと思います。
しかし、デザイナーしか使えない制作ツールが使われていたり、小難しいデザインや仕様になっていると、他の人はハードルが高すぎて手が出せません。
結果として属人的となり、必要な時に調整も変更もできず、チャンスを逃していきます。
外注先を選ぶのは当たり外れがあること
サービス資料を作るのは、専門性が求められるため、自社にその時間もスキルもノウハウもなければ、社外にそれを求めると思います。
外注先(制作代行会社)を選んでいきますが、プロだからと言って、求めたサービス資料が出来上がるとは限らない。
- 値段を抑えるため経験値の低いデザイナーに作らせている
- テンプレートからしかデザインを選べない
- 窓口の人と相性が悪くてストレスしかない
他にもありますが、外注選びは、安さだけではなく、その他も総合的に見て判断しましょう。
外注先選びに関する記事
・相場って…どのくらい?資料作成代行の料金
・その安さ…大丈夫?資料作成代行の正しい見積もりとは
・どこに頼めばいい?パワーポイント作成代行
サービス資料作りに役立つテンプレート各種
自分で作らないといけない…
でもデザインが苦手…
ホンネを言えば誰かに作ってもらいたい…
このような状況で、誰か社内のメンバーに頼れない場合は、テンプレートを使えば解決できるケースもあります。
作りたい資料と完全にマッチすることはありませんが、部分的にテンプレートを活用して、資料作りをラクにしていきましょう。
\1,000種以上のスライドがダウンロードできる/
※ エンプレスは各種PowerPointのテンプレートを配布していますテンプレート以外にも、たくさんのサービス資料が掲載されているので、仕事で困ったときに役立つ情報がたくさん入っています。
よくあるご質問・回答
サービス資料はどのくらいの文字数が必要?
一般的なサービス資料であれば、文字のサイズを14~18ptにすると、1スライドに200~500文字程度入ればいっぱいになります。
サービス資料はどんなデザインがいいの?
サービス資料のデザインに決まったものはなく、自社のブランドを意識しつつ、お客様の状況や思考に合わせたデザインが求められます。
サービス資料は情報は絞った方がいい?
情報量は、誰に何をどう伝えたいのか。ここで決まってくるため、最初から絞り込むのではなく、サービス資料を見せたい相手を考えて情報量を決めていきましょう。