PDCAは知らないと恥ずかしい?社会人の基礎知識

  • | 公開 2021年04月27日
思考
PDCAは知らないと恥ずかしい?社会人の基礎知識

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。PDCAとは何か?どのように使えばいいのか具体例も含めて、情報をまとめています。

「PDCAってよく聞くけど、どんな意味なの?」

上司にもお客様にも言われたことあるけど、実際にはハッキリと理解してない…。

何だか大切なことなのは分かるけど、今更誰かに聞いて「え、そんなのも知らないの?」と言われたくない場合、こっそりと意味や活用方法を見ておきませんか?

このページではPDCAの意味から、どんなことをすればいいのか流れも一緒に解説しているので、あなたに見て頂けると嬉しいです。

こんな方にお勧め!
・PDCAの意味をこっそり知りたい方
・どうやって使えばいいのか分からない方
・仕事で成果を出したい方

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PDCAとは?

PDCAとは簡単に言えば、仕事を次の分類に分けて、計画(Plan) → 実行(Do) → 評価(Check) → 改善(Action)を継続的に行って、成果を高め続けていく反復的な行動手法。※ PDCAの呼び方は、ピー・ディー・シー・エー。

目標・願いを達成するためのセルフマネジメント(自己管理)の一種で、比較的簡単に誰でも実践できるこの方法は、たくさんの方に使われてきました。

① P:Plan  (計画)※行動計画を立てる
② D:Do  (実行)※失敗をたくさんする
③ C:Check (評価)※計画と失敗のズレを確認する
④ A:Action (改善)※行動計画を調整していく
⑤ 繰り返す (循環)

そしてPDCAは、継続的に「失敗」を経験することが前提となっています。

目標達成するために立てた計画、その計画で定めた目標値に対して、行動して得られた結果とどのようなズレがあったのか。

ズレがあるなら目標達成に近づくには、行動をどう変えればいいのか、考え続ける思考の型とも言えます。

PDCAを使う目的(必要性)

「絶対にこの目標を達成するんだ!」と意気込んで始めてみたものの、途中でうまくいかなくなり、あきらめた経験ってありませんか?(私はしょっちゅうあります…)

何かを新しく始めた場合、必ず成功したり成果を出せたりする確証がないまま進めることも多いですよね。

結果が出せないと、どんどんつまらなくなってモチベーションも下がり、負のスパイラルに陥ることはよくあります。※ 新規事業なんかは特に、1勝9敗と言われるくらい、形にするのも難しい。

何事も完璧にモノゴトが進められることは多くなくて、だからこそPDCAのような徐々に成功体験を積み上げていく手法を活用する。

PDCAを使う目的は、成功の確実性を高めていくことにあります。

全ては「やりっぱなし」を防ぐため
何かを始めると、ついつい新しいことばかりに目が行きがちですが、何をやって何を得たのか、振り返って確かめることが大事です。やりっぱなしではなく、状況を分析して次に活かしていく。このサイクルを作れることがPDCAが求められている理由でもあります。

実は、意識せずとも普段からPDCAをしてる?

PDCAと聞いたり、あなた自身で発しても、なんだか慣れていない場合はむずがゆくなりますが、PDCAは決して特別なものではなく、普段あなたも実践していることが多い。

例①:恋愛
あの子と付き合いたい → デートする → カフェ好きを知った → 次のデートはカフェだ

例②:出勤
9時に会社へ着きたい → 8時の電車に乗る → 8時30分に着く → 次は8時15分の電車に乗る

例③:料理
ハンバーグ食べたい → 材料買ってこねる → 焼き過ぎた → 次は温度を下げてゆっくり焼く

などなど、何か叶えたい目的に対して行動を起こし、得られた結果を元にして継続的な改善をしていく、普段のあなたの行動そのものがPDCAをしていると言えます。

このように考えると、PDCAって何も難しいことはないと思えますよね。

よく聞く「PDCAを回す」ってどんな意味?

「PDCAを回して~」と、PDCAの話になると必ず出てくるのが「回す」という表現。

まずはその表現の意味を理解しやすいよう、イメージ図から見てみましょう。

PDCAで「回す」と呼ばれる表現が使われるループのサイクルの図

計画・実行・評価・改善が円形で繋がっており、ぐるぐると回転し続けるため「回す」と表現されます。

回す=改善し続けることだと瞬時に理解できるようになるまでは、慣れていないと多少時間がかかりますが、あなたならすぐに反応できるようになると思いますので安心してください。

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PDCAの具体的なプロセス(流れ)

実際にPDCAを回していく場合、どのようなプロセスを行えばいいのか。

計画・実行・評価・改善の言葉だけでも、なんとなく何をすればいいのかイメージできますが、具体的には分からないですよね。

各アクションで何をすればいいのか、理解を深めるために、下記内容を一緒に見て頂けると嬉しいです。

・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)
・P→D→C→Aを繰り返す

Plan(計画)

第1フェーズ分類求められること
Plan計画・戦略・手順など掲げた目標を達成するための計画作り。
概要詳細
目標を立てる何を達成したいのか、目指したい最終地点を決めます。
計画を立てる最終地点から逆算して、何をどうすればいいのか書き出し、細かな計画を立てていきます。

PDCAの第1フェーズであるPlan(計画)では、明確に何をどうしたいのか、誰もが分かりやすい形に落とし込むことが大事であり、全て完璧に進められるのではなく「失敗」が発生すること前提で考えます。

そして計画を最初に行う意味としては、

  • 願い(想い)を明確化
  • 行動すべき理由を理解
  • 結果を評価すべき指標

全てはこの後の行動・評価・改善の指針(指標)となるため、計画作りは大切ですが、あとで絶対に変えてはいけない計画ではなく、むしろPDCAによって調整されていく計画になる。

Plan(計画)に必要な「目標」の作り方

計画したり目標を作るのが得意な人、そんな人は専門家でもない限り、あまり多くないのでは?と私的には思っています。

「計画」そのものを難しいと感じているなら、何やら事業計画・予算計画などの難しい内容だと考えている場合もありますよね。

大きな計画も日常的な小さな計画どちらだとしても、PDCAを始めるには初めに向かうべき地点(目標)を定める必要があるため、計画作りを手助けしてくれるフレームワーク:5W1Hを活用するのがオススメです。

① when :いつ?
② where:どこで?
③ who :だれが?
④ what :何を?
⑤ why :なぜ?
⑥ How :どうやって?

の順番に考えていくと、散らばっていた思考が一つにまとまり、目標地点が見えやすくなります。

計画の元になる「目標」の具体例

PDCAを始めるための計画作りですが、目標から逆算して計画を立てていくため、計画の元になる目標の具体例をいくつか見てみたいと思います。

まずは悪い例と良い例を。

悪い例:みんなで頑張って売上を増やす(曖昧)
良い例:1年後に月間500万の売上を達成する(明確)

悪い例は人によって解釈が違ったり、何をどうしたいのか曖昧ですが、良い例は誰がみてもある程度同じ解釈ができます。

個人・全体(組織や会社単位)どちらも、より具体的な目標を立てた方が、その後の計画に具体性を持たせられて、進めやすくなります。

個人・チーム単位

【営業】半期の個人予算1000万を新規営業で達成
when :半期
where:営業部署
who :個人(私自身)
what :予算1000万
why :部署目標を達成するため
How :新規顧客の獲得

【育成】入社メンバーを3か月以内に毎日30分の勉強会で即戦力に育てる
when :入社3か月以内
where:所属部署
who :入社メンバー
what :顧客折衝が一人で対応可能なレベル
why :本格的に業務を任せるため
How :毎日30分の勉強会を実施

組織単位

【営業】既存顧客からアップセルで年間売上1億円を達成
when :年間(今年4月~翌年3月)
where:事業部
who :チーム全体
what :売上1億円
why :会社の成長のために
How :既存顧客へのアップセル

【人事】従業員満足度を高めて離職率を5%下げる
when :年間(今年4月~翌年3月)
where:社内
who :人事担当者
what :離職率を5%下げる
why :離職によってコストが増える
How :サーベイで課題を抽出してこまめに解決

プライベート

【貯金】年間100万円を貯金する
when :年間
where:銀行口座
who :私自身
what :貯金100万円
why :将来的に住宅を購入するため
How :毎月8~9万を貯金する

【恋愛】婚活パーティーを活用して35歳までに結婚する
when :35歳まで
where:-
who :私自身
what :結婚相手を見つける
why :パートナーと幸せに暮らしたい
How :30歳までに相手を見つけるために婚活パーティーを活用する

計画フェーズで失敗しやすいこと

PDCAはセルフマネジメント(自己管理)するための方法であり、継続できなければ意味がないため、自分自身が行動 "できるか" が重要になります。

簡単そうに見えて、この継続こそPDCAで最も重要な存在、そもそも続けることができないパターンが多いのです。

続けることを甘くみていると、最初のフェーズである「計画段階」から失敗して、あとで遅れを取り戻すのに時間もかかるため、気を付けたいポイントを予め知って頂くのがオススメです。

あなた自身が一番気持ちを乗せられる目標から計画する

続けることは、想像以上に難しいです。

最初はよくても、成果がなかなか出せないと後々、本当にやる意味を見失って実行・評価・改善のプロセスすらできなくなる。

繰り返し、繰り返し、少しずつ良くしていく忍耐も必要なので、あなた自身が最も気持ちを向けられる目標を立てて、それを元に細かな計画へ落とし込んでいくことが大事です。

高すぎる目標を掲げてしまうとPDCAは回らない

高い目標は成長を促しますが、高すぎる目標は達成感を生み出しづらいため、計画そのものが進められないこともあります。

PDCAは細かく達成感を得て、モチベーションを高められるメリットもありますが、高すぎる目標で作った計画は、達成するまでが難しすぎて、途中であきらめてしまう。

その逆で、確実に達成できる簡単な目標から作られた計画だと、あまりにもすぐ完了してしまい、PDCAが不要になる場合も。

見極めは難しいですが、高すぎる目標は立てず、少し背伸びをすれば届く実行可能な計画を作っていきましょう。

プレッシャーが強すぎると目的を見失いPDCAの循環が目的になる

高すぎる目標にも通ずるものがありますが、プレッシャーが強すぎると、精神的にも肉体的にも辛いので、本来目的であった「目標達成」ではなく、PDCAを回すこと自体が目的化してしまうことも。

プレッシャーが強すぎる
→ 精神的・身体的にも余裕がなくなり成果が著しく低くなる※ PDCAを回すことが目的となる
プレッシャーは丁度いい
→ 臨機応変に対応ができ成果も高めていける※ 目的の軸はぶれていない

手段が目的化してしまうこともあり、その状況はPDCAをやる意味もなくなります。

計画に時間をかけすぎてしまう

「今の情報のみだと、本当に達成可能か判断できない、もっと情報を集めなきゃ!」
「これでいいのかな、決められないから、もっと情報探して!」

計画の段階で何もかも完璧にしようとして、または本当に成功するのか意思決定するために情報を集めますが、その情報集めが足かせになっている場合も。

よくあるのが、情報を集めるだけ集めて、結果的に決められなかったり、計画のために情報を集めることが目的化したり。

そんなことしている間に、時代や顧客ニーズの変化によって、計画そのものが無駄になることもあるので、注意したいポイントです。

Do(実行)

第2フェーズ分類求められること
Do実行・行為・実践・推進・使う・具現化・取り組むなど目標達成するための実直までな行動。
概要詳細
計画を実行する立てた計画を実行していく。

PDCAの第2フェーズであるDo(実行)では、目的を達成するために作られた計画に沿って、実際の行動を起こしていきます。

計画通りに進めていくことが基本となるため、まずはコツコツと実直に決められたタスクをこなしていく。

また、実行した内容をあとで評価するために、以下の情報を書き留めておきます。

  • 計画通り進んだこと
  • 計画通り進まなかったこと
  • 計画よりも想定以上に進んだこと
  • 発生した課題への対処

行動に移していれば、当初計画した通りに進まず、必ずトラブルや課題が生まれてくるため、それらをまとめておくことが大事。

その場で迅速な解決が必要な場合もあり、それらは解決して対応頂きますが、課題と解決方法もセットで覚えておきましょう。

実行フェーズでは、とにかく行動あるのみ

「計画通りに進められるか」こんな心配をする必要は一切なく、そもそも計画通りに進む方が少ないです。

失敗することが前提であり、その失敗がなによりも大事な情報となる。

たくさん失敗して、計画と実際のズレを確認していくことが実行フェーズで必要です。

実行することはもちろん大事ですが、実行して現場のリアルな情報を手に入れることが重要なんです。その情報を評価・改善フェーズで使うため、とにかくリアルな体験情報をたくさん集めることに集中しましょう。

Check(評価)

第3フェーズ分類求められること
Check評価・分析・解析・精査・格付け・鑑定など計画で得られた目標値と、実際に行動して得られた値とのズレを確認。
概要詳細
実行結果の確認計画によって得られた結果をまとめる。
目標値と実施値のズレ確認目標値と実施値に、どのぐらいの差があるのか。
状況分析成功したこと、失敗したこと、両方の情報から色々な角度で分析する。

PDCAの第3フェーズであるCheck(評価)では、計画に対して実行して得られた結果、その結果と目標値のズレを知ることから始まります。

また、実行した際に気付いた課題など総合的に評価していく。

  • 何が得られたのか
  • 何が得られなかったのか
  • 何が起こったのか

そもそも最初の計画が合っていなかったのか、このまま進んでもいいのかを判断するための評価でもあります。

評価=分析でもあり、現場のリアルな情報を可視化するためのフェーズ。

Action(改善)

第4フェーズ分類求められること
Action改善・上達・改革・刷新など目標達成するための打ち手を見つける。
概要詳細
改善の打ち手を考える実行時に発生した課題をどう解決するか考える。

PDCAの第4フェーズであるAction(改善)では、実行・評価で得られた現場の最新情報を使って、何をすれば目標達成が近づくのか考え抜きます。

やる事としては、

  • 悪いところを直す
  • 良いところを伸ばす

優先したいのは、目的達成を遅らせる一番影響力が高いのにうまくいってない部分へ、新しい打ち手(対策)を考えること。

バケツの穴あき理論

「バケツにいくら水を注いでも、穴があったら全て流れてしまうよね。」このバケツの穴あき具合はビジネスに例えられることが多く、いくら頑張っても悪いところを直さないと無駄が多くなるというお話です。

改善を行わなければ、水(コスト・リソースなど)を注いでも、溜まらず成果にもならないため、改善フェーズでは悪い所をとことん直す発想も必要となります。

P→D→C→Aを繰り返す

第5フェーズ分類詳細
Loop継続・反復・繰り返しなど改善案を元に計画、または行動を調整して実行・評価・改善を繰り返す。
概要詳細
計画を調整する計画と実施内容のズレを正して、改善点などを踏まえて、新たに計画を調整し、また実行・評価・改善を繰り替えし行っていく。

PDCAの第5フェーズである繰り返しでは、コツコツとPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)をぐるぐる回していきます。

その周期は?と言われれば難しいのですが、日・週・月・年のそれぞれの単位で考えて頂ければいいかと思います。

どの期間か、ではなく全てを意識して、できるだけ早めにPDCAを回していく。

日:日単位の細かな調整
週:週単位の振り返り
月:月単位の実行プロセスの見直し
年:年単位の戦略そのものの調整

日に日に状況は変化するため、まずはその業界・ニーズに対応するべく日・週でこまめに小さい範囲を調整しつつ、大きく戦略に関わる部分は月・年で調整。

高速PDCAを実践している企業例は?
特に有名なのがZホールディングスさん。Yahoo!BB・ソフトバンク・PayPayなどがあれだけ一気に利用されたのは、手数を広げ大量の現場データを取得してリアルタイムで改善を繰り返す、超高速PDCAのおかげだと言われています。

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PDCAは誰が覚えておくべきフレームワークなの?

「PDCAなんて覚えなくても仕事はできるよ。」

これはかなり正論で、意識しなくてもあなたを含め多くの方は自然とPDCAを回しながら日々の生活を良くしようとしています。

もし、営業などビジネスに直結しない経理・総務だから自分には必要ないんじゃないか?…と思っている方も、PDCAは覚えて頂くのがオススメ。

PDCAは誰か特定の人ではなく、目的・目標があり、必ず達成したいと思うモノゴト全てに活用できるための思考の型(フレームワーク)でもあります。

ビジネス・プライベート関係なく、意識することでPDCAの思考のクセが付き、モノゴトの判断や実行力に大きな差が生まれてくる。

向き・不向き

確かに結果を出すにはPDCAの考え方は効果ありますが、セルフマネジメント(自己管理)の方法でもあるので、向き不向きがあると思っています。

向いている人・コツコツを続けられる人
・長い時間でも耐えられる人
・小さい改善でも喜べる人
・誰に何か言われずとも進める人
・細かな分析が苦にならない人
向いてない人・すぐに飽きてしまう人
・いつも最後までやりきれない人
・一発ドカンと成果を上げたい人
・情報が少ないと決断できない人
・ちまちました作業が苦手な人

私の主観で向き不向きを出したので「当てはまる」「当てはまらない」はあるはず。

しかし、PDCAは継続して失敗と改善をコツコツ繰り返し行うため、それなりの能力が必要になると思っています。

PDCAが向いていない場合でも、迅速に行動するためのOODAと呼ばれるセルフマネジメントもあるので、そちらもオススメです。

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PDCA必要ない説(時代遅れ・古い・意味ない)

PDCAを調べていくと、必ず見かけるのが「時代遅れ」「古い」「意味ない」のような否定的な意見。

なぜこのように必要ない説を目にするのが多いのか、考えてみたいと思います。

なぜPDCAは古いと言われるのか?

PDCA自体は、成果を出すために効果のある手法であり、実際に大手企業もPDCAで大きな成功を今でも上げ続けています。

それなのにPDCAが悪者扱いされるのは、それぞれ否定をしている方の視点が違うからじゃないかなと考えています。

  • 個人視点
  • 会社視点

当然、個人でPDCAを使えば、誰にも邪魔されず高速に回していけます。

しかし、これが会社全体、例えば新規事業などで考えた場合は制約が多くてPDCAがあまり機能しません。

項目個人会社
人数1人大勢
意思決定早い遅い
動かせる範囲狭い広い
結果PDCAは早いPDCAは遅い

関わる人、決裁権限、コストなどの影響によって、PDCAの速度には雲泥の差が付きますが、この他の理由も詳しく見ていきたいと思います。

昔と今は情報取得できるスピードが違うから

日本ではPDCAが1900年代頃から使われていますが、その当時はインターネットも発展しておらず、欲しい情報はすぐ手に入らない時代。※ PDCAは第二次世界大戦後にエドワーズ・デミングさんが日本公演をした際に日本へ広まったらしいです。(wiki

情報が少ないからこそ、誰もが行動に移せるわけではなく、一部の人だけが情報を得ている状況であり、ゆっくり計画してコツコツと実行してもライバルは少ないため大きな成果が出せていた。

しかし、2000年代はインターネットが発達し、誰でも簡単に欲しい情報がある程度手に入れられるため、計画に時間がかかり改善までの時間も遅いPDCAでは、動きが早い人に先を越されてしまいます。

意思決定が遅い

PDCAの初めはPlan(計画)を立てることですが、計画を立てる際に前例や情報がないと判断ができない人が多いため、結果的に計画部分でかなりの時間を使っています。

PDCAの意思決定の遅さが計画を遅くして全体遅延を発生させている
  • リスクを恐れすぎている
  • 前例主義で新しいことへの判断ができない
  • 意思決定の責任をとりたくない

他にも、社内の根回しが必要だったり、とにかく社内的な動きが遅い影響でPDCAがどんどん遅くなり、結果的に成果が出せなくなる。

そのため下記のような皮肉も使われたりしています。

Plan   : 計画
Delay   : 遅延
Cancel  : 取消
Apologize: 謝罪

組織の縦割りなども影響して、会社単位、特に大手などで考えるとPDCAが合わない状況の方が多いのかもしれません。

過去のデータで計画している

計画時にインターネット調査・インタビュー・統計情報など、さまざまな情報を収集して計画しますが、それらのデータがそもそも古い場合があります。

例えば、1年前のものだったりすれば、まだいいですが、4年も5年も前のデータを参照にしている場合。

データの古さが計画を古くして、PDCAを使ってもイノベーションが起こせない状態になっていることもあるかもしれません。

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PDCAのメリット・デメリット

継続的に改善して成果を高めていくには、手軽に始められるPDCAは最適です。

しかし、進め方・考え方・状況次第でまったく進まない役立たずにも成り下がるため、事前にメリット・デメリットを理解してPDCAを意識して頂くのがいいかもしれません。

メリット

PDCAを活かせると、このようなメリットがあります。

  • 目標達成する力が身に着く
  • 継続した達成でモチベーションが高まる
  • 小さな改善の積み重ねでノウハウが増える
  • やりっぱなしの意識が無くなる
  • 達成に向けた忍耐が身に着く

相性が良い状況
コツコツと改善を繰り返すPDCAには、状況との相性もあります。目標達成(人事考課)・新規事業・ABテストなど、最初に計画を立てて、想定と実際のズレを確認していき、改善を繰り返す状況にはPDCAが合うと思います。

デメリット

PDCAがうまく活用できない、または合わない状況だと、無駄な時間を過ごすことにも。

  • 意思決定が弱いと計画作りだけで時間が過ぎていく
  • 複数人の意思決定者がいると進みが遅くなる
  • 他人事で関わるとPDCAは回らない
  • 不確実性が高く変化が激しい状況の中ではPDCAは向かない
  • 組織単位のPDCAなら意識改革がそもそも必要となる

相性の悪い状況
PDCAはセルフマネジメントでもあるため、自分事として対応できる個人・少人数ならいいですが、組織単位・会社単位で進めようとすると他人事となり主体性がなくなって進みが本当に遅くなります。

PDCAを早く回すために必要なこと

改善を繰り返してなんぼのPDCAですが、一般的なことを言えば早く回せば回すほど成果が出せるようになります。

成果を出すのが遅い:行動量が少ない&現場のデータが少ない&改善が遅い
成果を出すのが早い:行動量が多い&現場のデータが多い&改善が早い

PDCAの早さとは、行動の量と速度によるもの。

色々行動して、たくさんデータを集めて、リアルタイムに改善を繰り返していけるほど、PDCAは特に結果を出しやすくなります。

どうすれば早くPDCAを回せるのか、それぞれの行動に沿って見てみましょう。※ 下記表は「個人単位」と「会社単位」の両方に当てはまる内容。

段階概要詳細
計画過去ではなく現在のデータを集めるネットアンケート・デプスインタビューなど1次情報を手に入れる
意思決定ができる人を参加させる決断が速い人を入れる、現場に権限を持たせる
改善タイミングを明確にしておくリアルタイムが理想だが週間など早いタイミングで振り返りを実施
実際の実行者に計画させる計画をただ降ろしてもらうのではなく、行動する本人たちが自らの意思で計画する
前例にとらわれないリスクを理解しチャンスを手にする発想へ変える
実行失敗を多く引き出すことを考える失敗の多さが改善の多さに繋がると考える
全ての行動はデータ集めと考える現場のリアルなデータによって目標達成が近づくと考える
評価何を評価するか事前に決めておく一番大事な評価は何かを明確にしておく
本当に評価できる人が誰かを見極めておく現場を知らない数字だけを見る人ではなく、本当に評価を下せる人が誰かを決めておく
改善判断する人は少数に留めておく評価した内容を判断する人が多ければ多いほど改善が遅れる
現場を知ってる人に改善を進めさせる現場を知らない人がいくら指示を出しても机上の空論になる場合も多い

どのポイントで何をするのか。

もっと簡単に言えば自分事になって進められるマインドセットを持てるかどうかが、PDCAの速さに繋がります。

マインドセットとは?
マインドセットとは、心の持ちよう、思考のクセ、普段考えているこどなど。その普段の意識が実際の行動に大きな影響を与えるため、視座を高くして目標を必達する意識を持ち続ける心がPDCAを早くします。

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PDCAと比較されるOODAとは?

PDCAを知ると、比較対象としてOODA(ウーダ)と呼ばれる手法がよく出てきます。

「PDCAは古い!今の時代はOODAだ!」
「日本はPDCAだから衰退したんだ、OODAに変えよう!」

などですが、OODAとは何なのか、PDCAと比較して見てみたいと思います。

OODAとは?
O Observe(観察)
O Orient (理解)
D Decide (決定)
A Act   (行動)

項目PDCAOODA
タイプ行動改善モデル意思決定モデル
例え料理(レシピあり)狩猟(その場で判断)
精神慎重・臆病大胆・思い切り
相性変化が少ない状況に合う変化が大きい状況に合う
目標ハッキリしている
計画時間をかけて綿密に作る状況に応じて変える
準備十分に揃えてから進む揃ってない状態で進む(現地調達)
行動一つ一つ複数同時
情報二次三次情報を活用一次情報を取りにいく
実行完全に理解してから進む直接現場を見てから判断する
評価一度全部情報を集めてから評価現場で都度評価

比較表にしてみましたが大きく分けると、日々の行動か、行動するための意思決定か、どちらに意識が向けられているかになりますが、そもそも比較するものではなく、両方必要なのかなと。

VUCAと呼ばれる、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)を合わせた用語があり、状況が刻々と変わる場合は一つ一つの行動が遅くなるPDCAは合わず、OODAのような瞬発的な行動と判断でなければ遅い。

それほどまでに、ビジネスの現場は目まぐるしく変わっています。

PDCAとOODAの関係性

比較されるPDCAとOODAですが、行動と意思にそれぞれ作用されるため、分けて考えられがちです。

専門家の人からすれば「いやいや、まったく別物だよ」と言われそうですが、PDCAとOODAは共存することで、より効果が発揮するのではないかと考えています。

PDCAとOODAの関係性

このように、内面(意思決定)の作用によって、外面(行動改善)が変わると考えたら、OODAがマインドセットの役割を果たし、PDCAをより精度の高いものにしてくれる。

「どっちがいいの?論」もありますが、「両方合わせる論」があってもいいかなと考えていますが、これはあくまでも私の個人的な考えになりますので「そんな考え方もあるんだね」と、覚えて頂けると嬉しいです。

最後に。

PDCAを初めて聞くと、なんだか難しそうなイメージもありますが、あなたも普段している人生を豊かにする行動の一つでしかない。

それを概念として言葉にしたのがPDCAなので、何も難しいことはありません。

恋愛であれば好きな方とお付き合いするために色々を考え行動する、ビジネスであれば売上を増やすためにあの手この手を試していく。

また、自己管理を高めるのがPDCAなので、自身の関心事が向けられる、または好きなこと、どうしても達成したい願いを目標として立てないと効果も薄まるので、ぜひあなたが最も叶えたい願いをPDCAの対象にして頂くのがオススメです。

嫌なことだったり、自分事にならない他人事の目標ではPDCAは回せないので、どれだけ自分の叶えたい願いを目標にできるかがカギです。

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は資料サービス「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツの制作から運用、100社以上のお客様支援を実施。そこで得たノウハウをコラムとして投稿中。
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