タレントマネジメントとは?目的・効果・システム選びまで徹底解説

  • | 公開 2023年02月06日
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タレントマネジメントとは?目的・効果・システム選びまで徹底解説

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。タレントマネジメントは、人事だけでなく、経営者(経営層)や役職者に欠かせない必須の知識となりました。

「せっかく採用したのに離職が続いてしまう…」
「顔と名前が一致しない人が増えてきた…」
「いつも人事評価の時に文句を言われる…」

従業員のことで、頭を悩ませる機会は多いですよね。

誰もが違う存在であり、そんな方々が集まって同じ目標に向かって動くのだから、難しいのは当然かもしれません。

しかし、その状況を放っておいていいかと言えば違う話で、どんどん従業員の間で負の連鎖が起きて、結果的に組織として維持できなくなる場合も。

人材活用のために、タレントマネジメントの必要性が高まってきているため、詳しくまとめてみました。

こんな方にお勧めです!
・人事業務の手間が多すぎる…
・採用費が高くなりすぎている…
・人材問題が解決できず溜まっている…

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タレントマネジメントとは

タレントマネジメントの全体感タレントマネジメントの全体感

タレントマネジメントとは、簡単に言えば従業員(タレント)ごとの能力を最大限高め、または才能を開花させることで、企業の成長を後押しすること。

人材の採用に始まり、リーダーや後継者の育成と発見・評価など、人材マネジメントを支援するプロセスの総称でもあります。

会社は人材の集合体であるため、人材の価値が高まれば、必然的に企業価値も高まっていきます。

会社と人材をより密接に繋げ、連動させるための手法がタレントマネジメント。

タレントとは?
タレントマネジメントにおける「タレント」とは、従業員のこと。企業によっても考え方が異なり、幹部候補や役職者などのリーダー層だけもあれば、所属する全員をタレントだと考えているところもある。ただ、現在では人材=資本として捉える意識が強まってきているため、全従業員をタレントと見なすところが多くなっています。

なぜタレントマネジメントが求められるのか

タレントマネジメントが実現できると、企業価値が高まり、その価値が売上・利益として還元されます。

それではなぜ、タレントマネジメントが必要になっているのか、理由を書き出してみました。

働き手の減少問題

  • 団塊世代の大量退職
  • 出生数の減少により少子化

どちらにも共通しているのが、働き手の減少です。

たとえば、今日施策を行えば明日には増えているような簡単なものではなく、人口増加を目指すなら数十年単位の大規模プロジェクト。

年々働き手・出生数が減少している日本においては、みんなが働き手増加のために頑張ったとしても、その効果を感じるのは数十年先です。

限られた人材の中で、どこまでのパフォーマンスが出せるのか、一人一人従業員への期待役割が大きくなってきました。

一人の力もムダにできず、個人の能力引き上げ、才能を開花させる、タレントマネジメントが求められています。

人事の業務負荷問題

会社によって人材に携わる部署はさまざまですが、メインは人事部ですよね。

しかし、人材のことになると、採用・教育だけでなく、労務・総務など人事へひとくくりにさせられ、かなりの業務量が渡されていたり、売上を作らない部署だと認識されることも多く、人件費の関係で人数を増やしてもらえないことも。

本来は人事戦略をもとに、組織の活性化や発展を目指したいものの、時間が足りず十分な対応ができないため、会社の人事に失敗して組織力が低下している。

人事が社内に存在する人的資本(人材のこと)をうまく活用できない状態へ追い込まれやすくなっています。

人事の横暴問題もある

会社によっては人事に異動や昇格・昇給の全権を持たされていることもあり、たとえば人事の横暴によって支店へ飛ばされた…こんなアニメや漫画を見たことがあるかもしれませんね。

人事部の権力が強い時代には、人事ハラスメントもあり、組織改善に役立っていなかった時もあります。

不確実性の高まり

今の時代は誰もがインターネットを使い、情報をアップロードでき、尚且つ無料で多くの情報も簡単に入手できる時代。

そのため、昨日まで流行していた商品が、今日は流行が過ぎ去ってしまうような流れの中に、私たちは今生きています。

誰もが明日を想像するのが難しいため、チャンスがあれば迅速に対応しなくてはいけません。

このような状況の中、たとえば新しい事業を作るために人材を配置したくても、誰が適任なのか分かっていないとできませんよね。

既存事業では優秀だとしても、新しい事業には向いていない可能性もあり、適材適所を高速で行っていくためには、人材把握を今以上に高めなければいけない。

タレントマネジメントが必要なのは、不確実性へ対応するためでもあります。

人材・組織・会社を変化させるのは時間がかかる

従業員一人一人に新しいスキルを学んでもらう、または古い知識を忘れて新しく取り込むアンラーニングは、研修によって短期的には成功できます。

しかし、それが実践で使えるかは別のお話。

知識が本当の意味で使えるレベルになるのは、時間がかかるものです。

だからこそ人事は先取して、早めに人材・組織を強くするべく動かないといけない。

タレントマネジメントは、従業員一人一人の特性を掴み、才能を伸ばし、育成を継続していくためにも必要な方法となっています。

変化を起こすには高い精度の人材データが必要

人材を育て、活躍してもらうまでには、時間も労力もかかります。

しかしそれは、本人の特性に合わない学びを、無理やり押し込んでいるから。

タレントマネジメントを行うと、スキル・コンディション・エンゲージメントなど定量データを見える化でき、それを元に根拠を持って人材育成・配置ができます。

人事の決め事に、再現性・確実性がプラスされることで、人材リソースの活用が科学的に行えるため、成果も出しやすくなります。

従来のマネジメントが合わなくなってきた

今まで私たちは、リアルな対面によって上司・部下の関係性を作っていくことに疑いもしませんでした。

しかし、現代は出社を前提としないテレワーク・リモートワークの一般化に伴い、上司・部下のコミュニケーションのあり方が変わってきている。

臨機応変にコミュニケーションの形を変えながら、その中でもマネジメントを行うには、従業員一人一人のことをもっと深く知らなくてはいけません。

だからこそ、タレントマネジメントによって従業員との新しい付き合い方が求められています。

多様な価値観・働き方が求められている

従来のマネジメントは、それぞれ従業員の性格・価値観を無視して、管理側が楽になるよう画一した方法で行ってきました。

この弊害として、年功序列などマネジメントの意味をなさずとも、年齢によって評価が上がっていく理不尽な状態。

それだけでは、せっかく採用・育成してきた人材は嫌気がさし、どんどん離職していきます。

従業員の帰属意識や愛社精神を保ち向上させ、心・体のコンディションも気遣っていくには、従業員一人一人へ向き合うマネジメントが必要です。

タレントマネジメントは、会社と従業員の距離を近づけ、進むべき方向にブレを生じさせないために必要なマネジメント。

株価に影響する

投資家はさまざま情報を元に、投資先を決めています。

その中の一つに人的資本と呼ばれる、労働力の持続性を確認するためのISO30414(アイエスオーサンゼロヨンイチヨン)が、国際標準化機構(ISO)からガイドラインとして発表されています。

たとえば、従業員の管理職への信頼、従業員エンゲージメントなどを見える化したデータ。

経営戦略と人事戦略の紐づきは、結果として売上・利益となるため、人的資本を高いレベルで維持・向上させることで投資家からの魅力として映ります。

人的資本を活用するには、一人一人の従業員を深く知ることから始まるため、タレントマネジメントとの相性がすこぶるいいのです。

会社の競争力低下問題

昔ながらの就業ルールまたは暗黙の了解や、現代に合わないやり方がそのまま残っている。

または、手間ばかりかかるアナログ業務が多いことも、会社としての競争力を低下させています。

これら全ては、人事情報を人事がしっかり握れておらず、人的資本が活かせていないため。

競争力が落ち、競合に負け、結果として倒産とならないようにするためには、競争力の元でもある人材活用への意識を変えなければいけません。

タレントマネジメントにより、人材活用の考え方そのものが変わり、効率的に生産性を伸ばすための起爆剤としても期待されています。

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タレントマネジメントができること

必要性は何となく理解できたものの、実際にタレントマネジメントで何ができるのか分からないと、自社へ取り入れるイメージが沸きづらいですよね。

イメージ図を作ったので、どんなことができるのか、一緒に見てみましょう。

人材データの一元化

タレントマネジメントができること:人材データの一元化

人材情報の全てを一か所に集めまとめることでデータベース化が可能となり、一元管理はもちろん、情報検索や分析も素早く行える。

効果を実感できるシーン
・煩雑な紙、Excel管理が無くせる
・情報を回収する手間がなくなる
・情報がいつも最新にできる

人材データの活用

タレントマネジメントができること:人材データの活用

必要な人材データがすぐに取り出せ活用できることで、人材データを活かした戦略人事が行える。※戦略人事とは、人材のパフォーマンスを最大限高めるためのシナリオ。

効果を実感できるシーン
・将来のエース人材を発掘できる
・新しいプロジェクトの適任人材が見つけやすい
・従業員の人件費からスキルなども一覧で見れる

定着・離職防止

タレントマネジメントができること:定着・離職防止

体調面や精神面の低下に気づきやすく、いち早くフォローすることで離職を防ぎ、定着率を高められる。

効果を実感できるシーン
・メンタル不調へ気づきやすい
・アンケートなどを行い組織の課題に気づける
・迅速なフォローによって会社を好きになってもらえる

異動(組織シミュレーション)

タレントマネジメントができること:異動(シミュレーション)

人材のデータ化によって、異動・組織シミュレーションが可能となり、実施前に検証できる。

効果を実感できるシーン
・時代や状況に合った人材配置ができる
・組織のありたい姿を予測できる
・根拠をもって異動を伝えられる

目標管理・評価

タレントマネジメントができること:評価

定量・定性両方のデータにより、非評価者に納得されやすい評価が行える。

効果を実感できるシーン
・何をすれば評価されるのか明確になることでモチベーションUP
・評価者次第の甘辛評価が無くせる
・適正な評価によって会社と従業員が対等でいられる

育成・研修・発掘

タレントマネジメントができること:育成・研修

誰が、何に興味を示し、どれを得意としているのか従業員ごとに把握できるため、ムダなくもっとも能力が高まる学びを提供できる。

効果を実感できるシーン
・個性や価値観にあった最適な育成ができる
スキル管理によってキャリアプランが明確になる
・足りないスキルに気づき習得できる(リスキリング)

採用

タレントマネジメントができること:採用(多様性)

活躍している従業員と求職者を照らし合わせてミスマッチを防いだり、多様な価値観も受け止められる。

効果を実感できるシーン
・自社で活躍している人材に似ている人を採用できる
・多様な人材でもマネジメントしやすい
・過去の人材データ全てが次の採用に活かせる

計画

タレントマネジメントができること:計画

人材データを活用したシミュレーションによって必要な学びを計画し、、将来的に求めている組織作りの基盤を作ったり、先取りして人事が動ける。

効果を実感できるシーン
・根拠の伴った戦略人事が行える
・数年後の理想の組織を追い求めることができる
・人員拡大を計画しやすい

このどれもが、従業員本人に合わせて人事が動けることで、イキイキした業務によって組織自体が活性化していく。

組織文化の成就・健康維持(心理的安全性を含む)・生産性UPなど、タレントマネジメントはさまざまな恩恵をもたらしてくれます。

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タレントマネジメントの効果とは

タレントマネジメントを実践している、またはしていない場合で何が違うのか。

たとえば下記図のような違いが出てきます。

タレントマネジメントを「している」「していない」の違い

これは一例ですが、タレントマネジメントを実践できていないと、人材活用にムダな時間が使われ、結果的にトレンドや時代に乗り遅れ、チャンスを逃す場合も。

タレントマネジメントを「していない」「している」で、もう少し詳しく比較できる表を用意してみたので見てみましょう。

タレントマネジメント実践してない実践している
人材育成従業員それぞれのモチベーションに頼っている時代を先取りして育成計画が立てられる
適任を探す時間がかかるすぐ見つかる
人材配置あいまいで根拠がないシミュレーションによって最適配置ができる
着手誰が何をするのか決めるのに時間がかかる個々のスキルを理解したうえで配置されているためすぐ取り掛かれる
マインド維持メンタル不調の従業員を見逃すメンタル不調にすぐ気づきフォローできる

タレントマネジメントの効果をまとめてみると、

  • 計画力が高まる
  • 瞬発力を作れる

予め用意しつつ、タイミングがきたらスッと動ける柔軟な組織が作れるため、どんな状況になっても強い。

つまり、骨太の組織によって会社の業績を上げ続けられるのが、タレントマネジメントの魅力なのかなと思っています。

タレントマネジメントが失敗しやすい原因

どんなに良いマネジメント手法だとしても、進め方や前提が間違っていると、失敗する可能性もあります。

失敗する原因を予め把握しておくと、タレントマネジメントの効果をより実感しやすくなります。

原因1:従業員からの協力なしでは進められない

タレントマネジメントを行うには、管理システムを利用しなければ難しいので、必然的にシステム利用が前提となります。

しかし、ITツールの操作に疎かったり、新しいことを取り入れられない文化が根強く残っていると、従業員からの協力が得られない。

または、人材データの多くが数値として可視化されるため、非評価者としては数値化に対して拒否反応(支配されるイメージで嫌悪)を示す場合も。

丁寧にタレントマネジメントの必要性を説き、協力が得られないと難しい…。

協力が得られないと、どうなる?
タレントマネジメントに必須のデータが更新されない、ツールを使ってもらえない、情報がそもそも入力されない、本音で書いてもらえないなどが発生します。

原因2:DXとタレントマネジメントを安易に紐づけ

デジタル技術を用いて、業務効率化や生産性の向上を行い、従来の働き方に囚われず社内変革を起こし、競争力を手にすることをDX(デジタルトランスフォーメーション)と呼びます。

「わが社もDXだ!」とトップダウンで進めていく際、人材データの可視化に課題を感じていたら、タレントマネジメントを選択する場合もあると思います。

たしかに人材データの可視化はDXを実践する1つの手段であるものの、タレントマネジメントを行う目的・意識がハッキリしない中で、DXとタレントマネジメントを紐づけてしまうと、手段が目的化されやすい。

結果として「なんで導入したんだっけ?」となり、使われずにシステム料金だけが毎月発生するような状態にもなります。

原因3:欧米との安易な比較

「海外ではタレントマネジメントが当たり前だ、わが社も実践しよう!」と、キッカケとしては海外事例を参考にするのはいいかもしれません。

しかし、海外はジョブ型と呼ばれる、人材の配置先に明確な求められるスキルが決まっているからこそ、そこだけを考えて人材配置が行えるので、比較的楽にできる。

日本は、メンバーシップ型と呼ばれる、人材を徐々に育成してオールラウンダーの総合職を育てるシステムが長年まかり通っていた関係で、ポンっとスキルのみを考慮した配置が難しい。

この違いや自社の特性を理解せず、海外の成功事例をそのまま取り入れようとした場合、失敗する確率は高まります。

原因4:人事の事業理解不足で適材適所ができない

人事は人的資本を活用して、売上・利益を向上させる、とても重要なポジションにいます。

逆を言えば、人事の動き方次第で、会社の成長が抑えられてしまう場合もある。

たとえば、育てている事業の市場が分からなかったり、チームの状況を理解していないまま人材の再配置を行えば、当然合いません。

世の中が動いていくスピードが速い状況の中、出戻りやミスを取り返す時間は命取りにもなる。

人事はたいへん…
人事は人材面以外にも会社・事業への深い理解が求められている状況。しかし、そこを理解できているならば、必要な人材を事前に育て・発掘し、最適な配置も可能となり、会社に大きな貢献ができます。

原因5:トップからの助力がもらえない

人材の採用・育成・配置は、人事に多くの権限が持たされています。

しかし、会社が進みたい方向へ進んでいきたい時、人材に関する権限を持たされている担当者だけが頑張っても、一斉に動くことが難しい。

会社のトップから従業員に対して、何度も丁寧に説明する機会を作り、トップ自ら人材に対する考え方を発信していく。

そこに人事の力が合わさることで初めて進めていけるため、人事に人材活用を丸投げされている状況では、うまく事が進められない場合もあります。

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タレントマネジメントはどんな状態・企業に、いつから必要なの?

タレントマネジメントがいいと言われても、それがあなたの会社の状況に合うか分からないと、なかなか手が出せませんよね。

会社がどのような状態なら必要なのかまとめてみました。

従業員数から考える

会社を立ち上げたころは、まだ人数が少なく社長さんや経営層が、従業員をそれぞれ理解し把握できていました。

しかし、事業の成長に伴って人を増やし、組織が拡大してくると、今までのように管理者が全ての従業員を見れなくなってくる。

人事がいたとしても、全員を把握するのが難しくなり、人的資本(人材リソース)がうまく活用できなくなってきます。

1~30人 :全体が見渡せて顔と名前も一致する
31~50人 :まだ全体感は分かるものの曖昧になってくる
51人~  :それぞれ個々に動く従業員を把握するのが困難になる

この状況であれば50名を超えたあたりから、タレントマネジメントの必要性がグッと高まってきます。

しかし、将来的に組織拡大を前提に考えてる場合は、まだ対応しやすい50人未満の段階から、タレントマネジメントの仕組みを取り入れ文化として定着させていく方も。

簡単に人数で決められませんが、事前に準備をしておくのか、困ったタイミングになって慌てて導入するのか。

どちらかと言えば、事前準備のためにタレントマネジメントを導入する方が良さそうです。

費用対効果から考える

タレントマネジメントを行う場合、紙やExcelでは到底無理なので、システムを導入するのが前提となります。

そうなると、月額・年額の費用が気になるところ…。

タレントマネジメントシステムを使う場合、相場感としては月間6~8万円、年間80~100万円ほどになります。参考:厳選した人事評価システム7つと選び方

たとえば、30名ほどであればまだ、紙・Excelなどのアナログな管理方法でも、人数が少ない分実行はできる。

しかし、50名100名となるにつれて、アナログ管理は辛くなっていきます。

  • 一人一人に聞きまわって情報更新しないといけない
  • 最新情報がどれか分からなくなる
  • データの集計、分析、活用が瞬時にできない

人力で頑張ろうと思ったら、対応者も1人2人3人と膨れ上がり、結果として人件費ばかり高くなります。

タレントマネジメントを受ける側の従業員それぞれの作業も加味すると、途方もない時間がかかってしまう。

30名を超えたあたりから対応時間が増え、50名を超えると人力タレントマネジメントの限界を感じるようになる。

人件費とすれば月額数十万円分だったものが、システムの利用費になれば数万円で済むため、現状を考えながら費用対効果を算出するのがお勧めです。

成長速度で考える

現在の状況のみで考えると、タレントマネジメントが必要ない場合も多いです。

しかし、今後急拡大を目指し、人事戦略のもと人数を増やす計画をしているなら、今のうちにタレントマネジメントを導入して、拡大に備えておく。

他にも、スタートアップであれば投資家に出資してもらうために、人的資本を活用していることをアピールできれば、成長株だと認識され投資も受けやすくなる。

未来の成りたい姿から逆算し、先取りしたい会社さんであれば、人数が少なくても早めに導入していくのもいいかもしれません。

導入が早ければ早いほど、タレントマネジメントを活用して成長を加速させ、文化としても定着できるので、人的資本の活用がスムーズに進んでいく。

人の成長があるからこそ会社も成長するため、伸ばしていきたい会社さんほどタレントマネジメントを早い段階から本気で考えています。

実際にどのくらいの企業がタレントマネジメントを導入しているのか?

「タレントマネジメントに興味が出てきた」
「少し試してみたい」

と思い、社内を説得したり必要性を訴えてみても、自社に当てはめた場合は想像が付かないので、導入を承諾してもらえない場合もあるかもしれません。

そのため、タレントマネジメントの市場感などを通じて、必要性を知って頂けたらと思います。

タレントマネジメントの導入率

日本情報システム・ユーザー協会が、東証一部上場企業とそれに準じる4499社の各IT部長に対して行った、webアンケートによると、タレントマネジメントの導入状況がこのようになっています。

日本情報システム・ユーザー協会が行ったタレントマネジメントの導入に関するwebアンケート
調査実施日本情報システム・ユーザー協会
調査期間2021/9/10~2020/10/27
回答者数1072社
出典企業IT動向調査報告書 2022

100億円未満

売上規模導入済試験・
準備中
検討中見送り未検討
2021年度4.7%3.2%13.0%2.9%76.2%
2000年度4.6%1.4%11.0%1.8%81.2%

100~1000億円未満

売上規模導入済試験・
準備中
検討中見送り未検討
2021年度9.9%7.0%19.4%3.8%59.9%
2000年度6.7%5.7%18.6%3.4%65.6%

1000億~1兆円未満

売上規模導入済試験・
準備中
検討中見送り未検討
2021年度21.4%15.2%26.2%2.9%34.3%
2000年度23.0%10.4%27.0%5.2%34.3%

1兆円以上

売上規模導入済試験・
準備中
検討中見送り未検討
2021年度61.5%10.3%12.8%0.0%15.4%
2000年度37.7%20.8%28.3%1.9%11.3%

結果まとめ

1兆円以上の売上を誇る大企業においては、2020年:37.7%、2021年:61.5%と約2倍の導入率になっている。

他はあまり変化がないものの、多くの企業で導入が徐々に、そして確実に増えている傾向が見て取れます。

人数が多く人材確保・維持・育成の意識が強い会社ほど、どんどんタレントマネジメントを導入している様子があり、この流れは他の企業にも広がってきている。

近い将来、タレントマネジメントが、マネジメントの基本になっていくと言えます。

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タレントマネジメントと人事評価システムの違いとは?

タレントマネジメントを考えていくと、今まで広まっていた人事評価システムとの違いがイメージしずらいですよね。

どちらもマネジメントに関係することなので、一体何が違うのか。

分かりやすいよう表にしてみたので、比較をしてみましょう。

比較人事評価システムタレントマネジメント
分類人事業務の効率化人的資本の活用
テーマ健全な評価個人の成長
データ可視化がメイン活用がメイン
人材抜擢時間がかかるすぐに対応可能
コスト年間100万円前後年間100万円前後

人事評価システムは人材データの見える化により、評価者・非評価者の間で納得の評価を行い、給与を健全化させることに強みを持っています。

タレントマネジメントは、人事評価システムの先を見据えたものであり、主にデータ化して分析から活用を促進させます。

似ているようで違うため、ここの違いは分かっておくといいかもしれません。

タレントマネジメントを行う上で必要な機能

実際にタレントマネジメントを行うには、それに必要な機能がさまざまあります。

まず、どのような機能があればいいのか知る前に、人材データには大きく分けて2種類あることを確認しておきましょう。

タレントマネジメントを行う上で必要なデータは属性データと行動データの2種類

属性データ:従業員それぞれに属した情報(基本情報)
行動データ:日々の行動で変化する情報

この二つを日々吸い上げながら、活用していくのがタレントマネジメント。

そして各機能を使って、これらのデータを使える形へ持っていきます。

機能データ分類説明
人材情報のデータベース化属性データ従業員の基本的なデータ(年齢・部署・スキルなど)を集計し溜めて置ける機能
目標管理機能属性データ給与に直結する目標作成・管理・進捗追いができる機能
人事評価機能属性データ・行動データデータをもとに適正な評価ができる機能(1on1、360度評価なども含む)
ダッシュボード機能(検索機能)属性データ・行動データ日々取得しているデータを一覧で見れる仕組み、さらには欲しいデータを簡単に抽出できる検索機能
分析機能属性データ・行動データデータをグラフ化、または数値・マッピングしたり掛け合わせて、求めている情報がすぐ可視化できる機能
アンケートまたはサーベイ機能行動データ毎日のコンディション(心・体の不調など)確認や、業務・人間関係・会社に対するエンゲージメントなど、その都度回収できる機能
シミュレーション機能属性データ従業員の配置をシミュレーションして組織作りの検証ができる機能
セキュリティレベル属性データ・行動データ個人情報が大量に入っているため外部に漏れない仕組み(SSO・二段階承認など)どのくらい安心が保たれているのか
カスタマイズ性属性データ・行動データ必要・不要になったタイミングでムダに課金しないよう柔軟にカスタマイズできる機能があるか
サポート機能-導入から定着まで進めるのは骨が折れます。それだけ大変なので、運営側のサポートにどこまで入ってもらえるのか

タレントマネジメントシステムを提供している各社で、機能の呼び方はそれぞれ違うため混乱するかもしれませんが、統一すると上記の表に書かれた機能となります。

お勧めのタレントマネジメントシステム

タレントマネジメントを行いたい場合、実施をサポートしてくれるシステムの導入が欠かせません。

しかし、インターネットで調べると各社がそれぞれの表現でアピールしているため、どれがタレントマネジメントシステムなのか分かりにくい状況…。

そのため、約60個ほど事前に人事システムを調べた結果、タレントマネジメントとして活用できるシステムをいくつかご紹介しますね。

タイプ特徴該当システム
オールジャンル人事に関わる包括的な問題を解決スマカンHRBrain
マーケティング人材データの分析・活用による意思決定が強まるタレントパレット
人的資本の情報開示あらゆる人的資本のデータが集められるカオナビ
仕組み化人材のあらゆる情報を仕組化で活用するHRMOSタレントマネジメント

戦略人事をサポートする決定版「スマカン」

タレントマネジメントシステム:スマカン出典:スマカン
システム名スマカン
運営会社スマカン株式会社
設立2008年10月1日
分類オールジャンルタイプ

「スマカン」は、評価・育成・配置・目標管理など、人材活用を考える上で、データ収集から活用までのプロセスを、効率化してくれるタレントマネジメントシステム。

これ一つでタレントマネジメントに関わる基礎から応用までをこなせます。

単なる効率化ではなく、従業員(タレント)を活かした組織を作りたい方に勧め。

個性・才能を発掘する「カオナビ」

タレントマネジメントシステム:カオナビ出典:カオナビ
システム名カオナビ
運営会社株式会社カオナビ
設立2008年5月27日
分類人的資本の情報開示タイプ

カオナビは、従業員一人一人の個性や能力などのダイバーシティに関わる情報から、個々に備わっているスキル・能力まで可視化。※ダイバーシティとは、年齢・性別・性格・価値観などが多様なこと

さらに、組織の状態も定期的なアンケートによって状況の確認、過去との比較による推移など、社内のあらゆる情報が見える化も可能。

自社の強み・弱みのあぶり出し、シミュレーションによって組織の未来を予測できるタレントマネジメントシステムです。

人事の欲しいが揃ってる「タレントパレット」

タレントマネジメントシステム:タレントパレット出典:タレントパレット
システム名タレントパレット
運営会社株式会社プラスアルファ・コンサルティング
設立2006年12月25日
分類マーケティングタイプ

タレントパレットは、マーケティング思考でデータの分析から、ヒトでは認知できないような小さい従業員の変化を日々抽出して、全てを見える化できる。

これらのデータは、戦略策定やシミュレーションに活用できるだけでなく、経営の全てに根拠を持って意思決定が可能。

成功の再現性を高めて、継続的に従業員・組織が成長し続けられるタレントマネジメントシステムです。

仕組みで成長させる「HRMOSタレントマネジメント」

タレントマネジメントシステム:HRMOSタレントマネジメント出典:HRMOSタレントマネジメント
システム名HRMOSタレントマネジメント
運営会社株式会社ビズリーチ
設立2007年08月
分類仕組み化タイプ

HRMOSタレントマネジメントは、従業員データを仕組みにより機能全てへ連結させ、滑らかなデータ利用ができます。

そこに加え、日々従業員同士が活動することで得られるコミュニケーションデータを掛け合わせ、あらゆる視点から従業員・組織の状態が確認できる。

止まったデータではなく、活きたデータを活用できることで、従業員だけでなく組織自体のパフォーマンスが高められます。

2,000社導入実績あり「HRBrain」

タレントマネジメントシステム:HRBrain出典:HRBrain
システム名HRBrain(エイチアールブレイン)
運営会社株式会社HRBrain
設立2016年03月
分類オールジャンルタイプ

HRBrainは人事業務のデジタル化により、効率化と生産性を高めるシステムです。

従業員のコンディションからスキルも隅々把握しながら、1on1ミーティングのサポートなどを通して、タレントマネジメントも実践できる。

人事に関わる課題の数々を、シンプルに解決していきたい場合に活用できます。

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タレントマネジメントシステムの導入ステップ

タレントマネジメントを実践すべく、システムを導入するなら、失敗は避けたいところ…。(たぶんみんなが思うことですよね)

ただシステムを比較して安いものを入れる、でもいいですが、これは失敗する原因の一つでもあります。

各工程に気を付けながら、あなたの会社にピッタリなタレントマネジメントシステムが導入できるよう流れを見ておきましょう。

  1. タレントマネジメントの特性を理解する
  2. 自社の状態を明らかにする
  3. 導入目的を定める
  4. システムを調べる
  5. システムを比較する
  6. システムを試す
  7. システムの契約をする
  8. システムを導入する
  9. システムを定着できるよう啓蒙する
  10. システムを活用・分析する体制を整え改善サイクルを回す

この順番で見ていきます。

① タレントマネジメントの特性を理解する

タレントマネジメントを入れたからと、全ての人事問題が簡単に片付くわけではなく、できないこともあります。

まずは「タレントマネジメントとは」何であるのか、できること・できないことを理解したうえで、導入を検討頂くのがお勧めです。

簡単にメリット・デメリットをまとめてみると、

メリット
・多様性が生まれイノベーションが起きやすくなる
・従業員がイキイキ働ける環境作りに役立つ
・人的資本経営を実践できるため株価にも好影響

デメリット
・人数が少ないと費用対効果を感じづらい
・人材データが増えすぎて活用しきれない
・人数によって月額/年額が増えていく

どのくらいの企業がタレントマネジメントを使っているか説明した章でも見て頂いた通り、売上規模が1兆円に満たない企業では、あまり導入が加速していません。

その逆で1兆円以上の大企業の場合は1年で2倍も増えている。

人数であったり、予算の関係によっても、導入タイミングや得られる効果が変わってくるため、導入時期の見極めは大切です。

② 自社の状態を明らかにする

「離職を減らしたい…」
「紙・Excelの人事業務を無くしたい…」
「一人で人事を回しているため時間が足りない…」

タレントマネジメントを考えだしている、あなたのキッカケは色々あると思いますが、改めて人材に関わる状況を可視化してみましょう。

タレントマネジメントを導入すると、人事に関わるあらゆる課題が解決に進んでいきますが、導入後に一部分の機能しか活用できず持て余してしまう場合も。

過去・現在であれば、課題を見つけやすいですが、未来にも目を向けて、今後発生しうる課題を先取りしておく。

状況を明らかにしていくことで、タレントマネジメントの活用方法がより具体的になり、それによって求めたいシステム・機能も変わってくるため、可視化はすごく大切です。

③ 導入目的を定める

課題はいくつもあるものの、大きな目標として、導入後にどのような組織・会社にしていきたいのか明確化する。

システム選びをする際に、必ずシステム提供会社の方に聞かれますので、答えられるようにしておく。

なぜここが大切かと言えば、目的がハッキリしないまま相談しても、返答にズレが起きたり、導入後に「こんなはずではなかった…」と時間をムダにしないためです。

何がしたいのか分からなければ、その解像度の低さによって、先方の提案力も下がり、結果として余計なオプションを付けたりムダな買い物にもなりかねません。

④ システムを調べる

タレントマネジメントのシステム選びは少し難しいかもしれません。

それは、人事システムを開発・提供してくれている企業によって、表現の仕方が違うからです。

各社表現の例
A社:タレントマネジメントシステム
B社:人事評価システム
C社:人事評価システム(タレントマネジメント機能もあるよ)
D社:人事業務の効率化システム

タレントマネジメントとアピールしてくれるところは分かりやすいですが、求めている機能が入っていても、打ち出していない場合もある。

また、他の表現で言っているのに、実際にはタレントマネジメント機能が含まれているシステムもあります。

他にも、オールジャンルで基本を全て網羅しているシステムもあれば、評価・目標などに寄っているものも。

あなたが解決したい課題の優先度によっても、選ぶべきシステムが変わってくるので、まずは可能性を確かめるためにも2~3個ではなく、せめて5個以上のシステムは把握しておくのがお勧めです。

>>迷ったらコレ!厳選した人事評価システム7つと選び方

⑤ システムを比較する

タレントマネジメントが可能な複数のシステムを探し出した後は、それぞれ比較してもう少し件数を絞っていきます。

比較のポイント
・目的に合う機能が含まれているか
・自社の使い方に合うか
・口コミだけで選ばない
・サポートは充実しているか

注意したいのが、機能の「あり」「なし」や、金額の「高い」「安い」、システム自体の「人気」で決めてしまうこと。

特にCMで見たり、よく見聞きするタレントマネジメントシステムの方が安心感があって、選びやすくなるのも分かりますが、それが自社やあなたの状況に合うかは別のお話。

一度、先方に話を聞いてみるのもいいですが、単純な認知度だけで決めない方がいいかもしれません。

選び方の詳しい内容は、下記のページで別途説明していますので、見て頂けるとうれしいです。

>>迷ったらコレ!厳選した人事評価システム7つと選び方

システムは2種類ある?
オンプレミス:自社サーバーに導入して利用
クラウド  :クラウドに上がっているソフトウェアへ接続して利用
大きく分けてこの2種類があるため、自社の状況に合わせて選んでいきます。

⑥ システムを試す

5~7個ほどから、さらに選別して2~3つまで絞り込めたら、さっそく色々試してみましょう。

もちろん、全部のシステムを試してみないと違いは分からないので、調べたタレントマネジメントシステムを提供企業に使わせてもらうのもいい。

時間がなかったり、すでに目的が明確に定まっている場合は、必要な機能・サポートをしてくれるシステムは絞り込まれているはずなので、結果として多くを試さずとも絞り込んだ数だけでも大丈夫かと思います。

各社のお試し利用には、日数の上限が定められており、7日間・14日間・30日間のいずれかがだいたい設けられています。

やはり使って見てみないと分からないこともあるので、同時進行でもいいですが、めいいっぱい自社で利用するイメージを膨らませながら試すのがお勧めです。

お試しトライアルの時は何を確かめる?
・目的の機能の有り無し
・操作の簡易さ
・操作の軽快さ
・一連の流れを通してなめらかに進めるか
特に、従業員の多くに使ってもらうのなら、マニュアルを見ずとも使える状態でないと、全部の質問が人事・導入担当であるあなたに届いて、回答しなくてはいけない状況に…。

⑦ システムの契約をする

お試しが終わって、根拠を持って意思決定できる状態になったら、ご契約へ。

タレントマネジメントシステムの多くは、1か月ごとではなく、年間契約が基本となっているため、一度契約すると365日は利用する形になる。

また、1年も使っていれば、システム内部に多くの従業員データが溜まっているはずなので、システムを切り替えるとなっても相当大変です。

切り替える手間・コストも考えると、切り替えしないで済むシステムを選びたいので、そのことも念頭に置いて慎重に決めましょう。

⑧ システムを導入する

タレントマネジメントシステムの導入初期に、もっとも大変なのが初期設定。

  • 従業員の基本データを入れる
  • 組織図、グループ、権限周りを設定
  • 人事評価制度や戦略の設定
  • 必要なデータ選定や設定
  • マネジメント層へのレクチャー

など、さすがに人事だけでは進めないことも多いです。※ 中にはCSVで一気に取り込める場合も

そのため、導入時には必ず、システム提供会社からどのようなサポートを受けられるのか、確認しておくのがお勧めです。

ここで躓くのが多く、結果として1か月…2カ月…と導入がずれ込んでいく。

使えない状態が長くなればなるほど、せっかくの人材育成・発掘の機会なども失われるので、サポートを頼りながら迅速に導入を進められる状態を作りましょう。

導入時の注意点をおさらい
・一度入れてしまうと切り替えが難しい
・利用後のシステム変更は時間がかかる
・人数が多いほど初期設定は時間がかかる

⑨ システムを定着できるよう啓蒙する

「導入したから使ってね」は、結構乱暴ですよね。

そんな進め方では、現場からの反発は必至。

システム利用を定着させ、文化としても根付かせるためには、最初に啓蒙活動が必要な場合もあります。

もしくは、導入前に従業員へ対して「なぜ導入するのか」「導入して何をしたいのか」など、丁寧に説明をしているなら、強力してもらえるかもしれません。

どちらにしても、使い続けてもらう必要性があるため、使ってもらうための啓蒙活動は大切です。

⑩ システムを活用・分析する体制を整え改善サイクルを回す

タレントマネジメントを導入するのも、大変な思いをするかもしれませんが、その後に得られる価値は計り知れません。

しかし、せっかく導入したのに、データが活用しきれないことが多々あります。

「どのデータを見ればいいか分からない…」
「データの抜け漏れがあって活用できない…」
「そもそもデータの活用の仕方が分からない…」

分析・活用の体制がないと、データが活かしきれず、ムダにもなってしまう。

導入のことで頭がいっぱいになるかもしれませんが、導入はあくまでも入口であり、その後の活用がもっとも大切。

  • データを正しく回収する(漏れ、重複、ミスなどを防ぐ)
  • データを使える形へ整形する
  • データの分析方法を覚える

データはあくまで、過去と現在の情報を可視化しただけ。

たとえば改善はマイナスをゼロにするような作業なので、プラスになるよう未来を先取りしていかないといけません。

改善の影響力もそれぞれ違うので、優先度をつけてもっとも影響力が高まる課題の解決から手を付けていく。

これらを行うにも、分析・活用の体制がないとできないため、導入後はリソースを割り振っていき、活用が進む体制を作っていくのがお勧めです。

タレントマネジメントを実践したいあなたへ

採用がうまくいかないのも、離職が続いてしまうのも、会社としての売上が増えないのも、すべては人に起因しています。

人材活用によって、結果が大きく変わってくる。

タレントマネジメントは、人材管理だけでなく、発展させるためのマネジメント手法であり、明日には何が起こるか分からない、これからの変化の時代には必須であると言えます。

まずは慎重に、各社の公式サイトを見たり、システム説明が書かれた資料を読み、あせらず徐々に進めて頂くのがお勧めです。

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は資料サービス「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツの制作から運用、100社以上のお客様支援を実施。そこで得たノウハウをコラムとして投稿中。
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