
プレゼン資料を作る際に、基本的な知識を持っているだけで受注角度も高められます。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)
「プレゼン資料ってどうやって作ればいいの…?」
今まで対面で行っていたプレゼン、今ではその多くがweb会議ツールなどオンライン対面に変わってきたので、プレゼン資料の作り方も変化しています。
しかし、相手が見えづらい・空気感が分からない中で、今まで通りの作り方では、せっかくのチャンスを逃す場合も。
オンラインで使う営業資料作りがうまい人は、基礎を知っているからこそ強いため、資料作りに不安が一つでもあれば、基礎をまとめて見てみましょう。
- 目次
- プレゼン資料(営業資料)の作り方の基礎まとめ
- 営業用プレゼン資料の作成心構え
- ゴールの明確化
- プレゼン相手の解像度を高める
- プレゼンシーンをイメージする
- 制作のポイントを知る
- 文章
- デザイン
- 構成(アウトライン・文脈・ストーリー)
- 引用・出典
- チェック
- 資料作成に悩みがある方へ

プレゼン資料(営業資料)の作り方の基礎まとめ
プレゼン資料を作っている時に「これだけ頑張って作ったのだから、絶対に受注できるだろう!」と思ったものの、結果が振るわなかったことありませんか?
実はその頑張り、お客様の意識を妨げる頑張りになっていた可能性も…。
一度でもプレゼンが思うように進められなかった、またはお客様からいい反応が得られなかったら、資料の作り方を見直すことも大事です。
資料作成の基礎として、
- 営業用のプレゼン資料作成の心構え
- ゴールの明確化
- プレゼン相手の解像度を高める
- プレゼンシーンをイメージする
- 制作のポイントを知る
- 文章
- デザイン
- 構成・アウトライン・文脈・ストーリー
- 引用・出典・データ
- チェック
前半は営業用のプレゼン資料を作るための事前準備で、後半は実際の制作ポイントになります。
あなたの受注率がUPして、周りからも注目される営業マンになるための情報になれれば嬉しいです。
資料作りの前提のお話
良い資料としてたくさんの型も存在しているため、インターネットで探せばたくさん出てきます。しかし、あなたがプレゼンしたいお客様の状況は誰もが違うため、覚えたとおりに資料を作るのではなく、お客様に合わせた資料作りがプレゼン力・受注をUPさせます。逆に、どんなに良い資料でも、お客様の状況に合わなければ記憶にも残らず失注の可能性を高めてしまう。
営業用プレゼン資料の作成心構え
プレゼンや資料作成がうまい人、これらを単純に「センスがあるからだよ」と言いたくなるかもしれませんが、センスとは一体何者でしょうか。
センスとは、そのほとんどが情報量の差によって変わってきます。
人間誰しも、自分の記憶を頼りに会話をし、文章を書き、コミュニケーションをとっていますが、自分が知らないことは思いつきたくても思い付けませんし、情報としても出せなことが多い。
情報を持っていても的確なタイミングで取り出せるかは別のお話。
しかし、知っている情報が多ければ、記憶から引き出しやすいだけでなく、情報同士または新しく見知った情報をかけ合わせて、さらに良いものを作っていける。
あなたの身近で受注を連続獲得している営業さんは、情報を多く持っていたり、お客様の解像度を高めて、求められている価値を可視化できているだけかもしれません。
プレゼン資料作成が今よりもうまくなるには、あなたもちょっとした情報を知るだけで、その中身を変えることができます。
ゴールの明確化
営業のために用意するプレゼン資料ですが、作っている途中で「作ること」が目的となり、見た目に固執してしまって余計な時間をかけてしまった事はありませんか?
集中して作るからこそ、手段が目的になってしまう場合もありますよね。
そのため、プレゼン資料を作る場合は改めて、プレゼン後のゴールがどこかを強く意識しておくのがオススメです。
- 初対面の相手に印象を強く残すため
- 担当者から経営層へ繋げてもらうため
- 今回のプレゼンで受注角度を高めるため
状況によって変わると思いますが、目的を叶えるための資料作りを心がけましょう。
しかし、受注を意識しすぎて、プレゼン相手が求めていた価値を提供できなくなったら本末転倒なので、あなたの目的は意識しつつも、お客様の解像度を高めて求められている価値を見極めることが大切です。
プレゼン相手の解像度を高める
プレゼン相手が誰なのか、そんな事「知っているのは当然でしょ?」と思われるかもしれませんが、実はプレゼン相手への解像度が低い状態だからこそ、相手に響かないプレゼン資料を作ってしまっている場合があります。
今までプレゼン後にいい評価をもらえなかったり、結果的に失注が続いているのは、やはり解像度が低いのかもしれません。
解像度とは、誰が・いつ・何を・どうして・求めているのか?を具体的にあなた自身で答えられる状態。
ここが少しでもぼやけている・曖昧だと、相手から求められている価値を理解できない、または適切なプレゼンの方法を間違える確率が高く、失注を量産している結果に。
相手を知ること、プレゼン資料作りは事前準備で大きく品質が変わり、ガンガン受注している人は解像度を高めるアクションを必ずとっています。
キーマンの把握
一生懸命作ったプレゼン資料、情報収集をしている担当者向けに作ってしまい、本来決裁を決めるキーマンへ届く前に商談が終わってしまったことありませんか?
プレゼン相手がどの立場の人なのか、プロジェクトの最終的な決裁をとる人は誰なのか。
決裁権を持つキーマンを把握していないと、プレゼン資料の内容が大きく変わります。
担当者向け:話を決裁者へ進めるための資料作り
決裁者向け:決裁者が意思決定するための資料作り
プレゼン相手に対して「自分事」になる情報を盛り込めないと、その情報は「他人事」になり話が進みません。
キーマンの把握が、プレゼン資料の品質を高めてくれます。
気持ちのフェーズを計る
プレゼン相手が、今どのタイミングなのか、気持ちのフェーズを計ることが大切です。
・単なる情報収集のみ
・パートナー先を決めたい
∟ 半年後以降
∟ 1~3ヶ月後
∟ 今すぐ
前提として、プレゼンが行われる=直近の課題を解決したい状態だと思うので、比較的早いタイミングでパートナー先を探していると仮定できます。
しかし、その時期を見極められず「クロージング」が早すぎると、プレゼン相手からは営業感が強すぎるのを懸念して、候補から外されてしまう場合も。
また、プレゼン者とプレゼン相手の温度感の違いに差がありすぎると、ミスマッチを起こす場合もあるため、気持ちのフェーズを計ることが資料作りでは大切です。
比較対象の存在を意識する
プレゼン機会を頂けた場合、お客様としては比較検討するためにプレゼン機会を作っているため、競合他社が数社同じようにプレゼンをしている状況だと考えられます。
例え、同じタイミングでプレゼンが行われなくても、あとで追加される場合もあるので、複数社の存在がお客様の中にあるのは意識しておきましょう。
そのため、比較されることを前提に考え、競合がやってきそうなことをイメージして、それ以下になるプレゼン資料だけは避けたいところ。
- そもそもプレゼン資料は作らず口頭やテキストベースで伝えた
- 言われた通りの内容だけで作成した
- よく使われているフリー素材などを使いオリジナリティがない
他にもありますが、比較されるのが前提として考えると、作り手側が手間をかけない場合、競合他社よりも資料品質が劣る場合もあります。
手間ばかりかけても意味はないですが、手間はかかりつつも勝ちパターンを見つけて勝率を高めたり、プレゼンがうまい人ほど勝てる資料作りを行っています。
リテラシーの把握
自分の当たり前は相手の当たり前ではない。
分かってはいるものの、この前提を忘れてしまって、プレゼン資料の中で難しい言葉を使ってお客様に伝わらない場合もありますよね。
プレゼン=営業なのでガンガン売り込みをかけたり、専門知識を証明するため難しい言葉を使いたいですが、話を聞いているお客様に理解してもらえなければ、全く意味がありません。
理解できない → 他人事になって記憶にも残らない
理解ができる → 自分事になって記憶に残り候補として選択肢に入る
依頼側のお客様は、お願いしたいからこそプレゼンを頼んでいるわけなので、お願いしたいことに関しては専門知識がないことも多いです。
例えば、あなた自身が友人から全く興味のない、事前知識もない話を延々と聞かされた場合はどうでしょうか?
これをプレゼン資料に置き換えると、業界用語だらけで理解できないプレゼン資料は、新たに学ぶことも多くてストレスしか感じません。
プレゼン相手のリテラシー(事前の知識レベル)をある程度分かっておくと、伝わるプレゼン資料を作りやすくなります。
プレゼンを受ける側の心の動きを理解する
「プレゼン資料は求められている内容が全て入っていればいい。」
確かに入っている情報品質が良ければいいと思うのですが、やはり情報の読み手は人間なので、感情(心の動き)に対する配慮も考えているのがプレゼン資料作りのうまい人。
ケース | 作り手側 | 読み手側 |
---|---|---|
よく見る素材が使われていた | 手間が省けて嬉しい | 「新鮮味」が薄れる |
文章が入りすぎている | たくさん説明したい | 読む気になれない |
解説がすべて文章 | 文章の方が分かる | 図解の方が分かる |
簡潔に枚数を少なめにする | 伝わりやすい | 量で熱意が低いと感じる(その逆もある) |
色数が多い | 目立たせている | 何が大事なのか分かりづらい |
ちょっとした事でお客様の心はマイナスにもプラスにも動くため、良い方向へ動かすにはどうすればいいのか、心の動き方も考えておきたいところです。
プレゼンシーンをイメージする
プレゼン資料はどれも同じではなく、状況によって変わってきます。
例えば、あまりお客様の状況が分かっていない状態で60分の時間を頂いた場合、時間いっぱいプレゼンに当ててしまっては、良いプレゼンはできません。
情報が少ない中でプレゼンを行うより、自社の簡易的な紹介にとどめ、ヒアリング時間を設けて、再プレゼンの時に勝負をかける方がいい場合も。
状況が違えば必要なプレゼン資料が変わるため、事前にプレゼンシーンを考えておくのも大切です。
状況によるプレゼン資料の違い
ケース | 必要なプレゼン資料例 |
---|---|
提出のみ | 口頭説明がないので資料内の説明を増やす。 |
対面商談 | 大型モニターやスクリーンを使うが説明しながらスライドを見るため多くは語れないのと表示資料の文字が小さいと見えない。そのため資料内の説明は極力減らす。 |
オンライン商談 | 通常のパソコンサイズのモニターで各々資料を見るのと、web会議ツール内でスライドを見ると文字が小さくなるため、情報量は少なくして文字は大きくする。 |
印刷の配布 | 印刷した資料を見ながらプレセンをする場合は、綴じ方に気をつけたり、ずっと資料に集中しやすくなるためお客様の表情が見えにくい。 |
事前提出後のプレゼン | 事前に資料を提出してからプレゼンに望む場合は、資料自体は情報量を多くしておき、当日細かい話はせず質問事項などヒアリングを中心に行う。 |
プレゼンのシーン次第で求められる資料が変わってきます。
それだけでなく、決裁権を持たない担当者が見るのか、決裁権を持つ担当者が見るのかによっても、必要な情報が違う。
そのため、事前にプレゼン相手の解像度を高めておかなければ、不要な情報を入れてしまったり、情報に不足があったりと、十分な営業資料が作れないため、作る前に解像度を上げることが大事です。
制作のポイントを知る
実際にプレゼン資料を作る前に、覚えておきたいポイントがいくつもあります。
あなたにとっては先輩や上司から、何度も聞かされてきたことかもしれませんが、改めて確認の意味も込めて見て頂くといいかもしれません。
基準を上回る
プレゼンを受けるお客様は、その業界の話を初めて聞いたり、事前知識を持っていない状態が多いです。
そのため、初めて聞いたプレゼンの内容がお客様の中で基準となり、後のプレゼンが比較されていく。
つまり、基準より高いプレゼンができれば受注できる確率が高い。
提案した会社1社目:資料無しで情報を伝えた
提案した会社2社目:資料有りで情報を伝えた
この場合、資料有りの2社目の方が優位になりやすいです。
あなた自身が最初のプレゼンなのか、後のプレゼンなのか順番も意識して、お客様の中の基準を超えるプレゼン情報を用意する意識を常に持つことが大切です。
1スライド1メッセージ
1スライド1メッセージに収める、かなり言われていることですが、なぜここまで情報量を抑えることが言われ続けているのか。
情報過多による弊害の例
・10個以上のボールを同時に投げられたらキャッチできるのはせいぜい2~3つ
・街中至るところにある広告で印象に残ったものは?と聞かれてもすぐに答えられない
・人間が短期的に記憶できる数は7±2だと言われている
など、一気に情報を渡されても、全てを処理しきれなくて覚えられないのが人間です。
他にも自分が関心のある、または自分の状況に合う「自分事」の情報であれば意識が向きますが、自分に関係ない情報だと「他人事」になって記憶にすら残らない。
記憶に残らない情報は、そもそも信用できず、これをプレゼン資料に当てはめると、情報が無駄に多すぎるスライドはプレゼンの失敗を意味します。(多いことで熱意を感じる場合もある)
シンプルに作る
シンプルと聞いて思い浮かべるのは、数が少ないことですよね。
あれもこれも大事なんです!と伝えたら、本当は何が大切なの?と疑いたくもなります。
他にも何かを説明したい時に、
画像1枚で伝える
文章1,000字で伝える
伝えている内容は同じですが、瞬間的に理解できるのは画像なので、内容によっては可視化して伝えることも大事。
このように、多くを語らずシンプルに伝えることの意識が資料作りのコツです。
ピークエンドの法則
プレゼン資料全体を丁寧に作るのも大切ですが、印象に残らないスライドがずっと続いても、プレゼン相手であるお客様の心には残りません。
そのため、意図的にプレゼン資料の中でもっとも盛り上がるポイント(ピーク)を最終段階(エンド)にもってくれば、プレゼン相手の記憶に強く残り、選定先の候補としても入りやすくなります。
最後を「ご清聴ありがとうございました。」などお礼だけ伝えている場合もありますが、ピークエンドの法則から言うと最後の締めが弱いので、効果を半減させている場合も。
プレゼンが上手な人ほど、ピークエンドの法則を意識しています。※ 「終わりよければ全てよし」とも似ています。
相手の理解度に合わせて作るのが基本
プレゼン相手の理解度に合わせて、スライド内容を考えるのが基本です。
お客様の普段を意識
普段使わない言葉がある → 理解できず分かったつもりになり記憶にも残らない
普段使っている言葉がある → 内容が理解できるので自分事で聞いてられる
このように、理解できるかできないか、ちょっとしたことですがプレゼン相手が感じるストレス度合いも変わってきます。
自分の当たり前を相手の当たり前だと考えず、相手に合わせた内容を心がけましょう。
カクテルパーティー効果
騒がしい中でも興味ある話しは耳に入ってきたり、あなたの名前が呼ばれたらすぐに反応できた経験はありませんか?
これらはカクテルパーティー効果と呼ばれており、人間は日々膨大な量の情報を受け取っていますが、全部吸収しているとパンクするため、自分の意識に引っかかる情報だけを取得しやすい状態になっています。
つまり、理解度を高めてプレゼン相手がどこに意識を向けているのか分かれば、前のめりで見てもらえる資料にできるわけです。
簡単な話しではありませんが、少しでもお客様のことを知る時間を増やすことが大事。
テンプレートを用意しておく
プレゼン資料を作るには、事前の準備に時間もかかるため、実際のスライド作成には時間がかけられない場合もあります。
しかし、伝わりやすいデザインや型は存在しているため、予めテンプレートを用意しておくのがオススメ。
テンプレートを用意しておけば、特定の型に情報を流し込んでいくだけで、一定品質のスライドが作れるため、時間も節約できます。
また、説明を増やしたいと思っても型から外れれば入り切らないため、必然的に情報制限もできる。(1スライド1メッセージにしやすい)
あなたに合うテンプレートを用意しておくだけで、効率的にプレゼン資料が作れます。
文章
プレゼン資料のスライドの多くは文章で成り立っており、情報の9割は文章だと言えるため、文章の入れ方に気をつけることが、品質を高めてくれる。
気をつけたいポイントを一つ一つ見てみましょう。
語尾
文章の語尾を何にするかで、印象も変わってきます。
- ~です / ~ます
- ~だ / ~である
- ~ですよね
- ~ください
- ~しましょう
- ~◯◯(体言止め)
基本は「です・ます調」でいいですが、ずっと同じ語尾を使っていると、文章のリズムがとても悪いです。
悪い例)ます調が続く
プレゼン資料の作り方にはコツがあります。誰でも少し学ぶだけで覚えられます。失注が続いている場合は、コツを知ると資料作りの見直しができます。このホワイトペーパーを読むのがオススメです。
良い例)同じ語尾を連続させずに単調さを無くす
プレゼン資料の作り方にはコツがあり、誰でも少し学ぶだけで覚えられます。失注が続いている場合は、コツを知るだけで資料作りの見直しが可能。簡単に覚えられるので、このホワイトペーパーを読むのがオススメです。
たった一箇所の語尾を調整しただけで、全体の印象が変わりませんか?
同じ語尾を続けると単調になり、読みづらくなるため、同じ語尾は連続させずに体言止めを入れたり語尾を変えて、リズムを作ってみましょう。
同じ語尾は3度までと覚えると分かりやすいと思います。
一行の長さ
スライド内に文章を入れるとき、スライド幅いっぱいに文章を入れがちですが、実は読み手にとっては見づらい入れ方なんです。
悪い例)一行の長さがバラバラ
一行の長さがバラバラだと見た目として凹凸が作られてしまいます。
見栄えが悪いのと読み手は一行を読む長さがそれぞれ違うためストレスに感じることも。
一行の長さを揃えることが読みやすさを作ります。
良い例)一行の長さが揃っている
一行の長さがバラバラだと見た目として凹凸が作られてしまいます。
見栄えが悪いのと長さがそれぞれ違うためストレスに感じることも。
一行の長さを揃えることが読みやすさだけでなく信用も作ります。
人間は揃っている方がキレイだと感じるため、文章の長さを揃えるのも、プレゼン資料の品質を高めるポイントです。
読点(とうてん)
文章で必ず使われる「、」読点(とうてん)ですが、文脈を壊すような使い方をしていないか確認しておきましょう。
悪い例)意味が途中で切れている
スライドの中に文章だけでなく画像を、入れることで読み手の理解度が高まります。
良い例)繋がることで意味を作れている
スライドの中に文章だけでなく画像を入れることで、読み手の理解度が高まります。
繋げることで意味が成されるのに、意味を分断させるような読点の使い方をしていないか気をつけるだけでも、読みやすい文章になります。
箇条書き
文章にするより、箇条書きにしたほうが伝わる内容もあります。
例えば、一行で2つ以上について言及する場合は、文章ではなく箇条書きの方が分かりやすいため、プレゼン相手に分かりやすい方を選びましょう。
悪い例)一行で複数について言及している
プレゼン資料は文章・デザイン・構成の3つを意識すると作りやすいです。
良い例)分かりやすく箇条書きに直している
プレゼン資料は3つのポイントを意識すると作りやすいです。
・文章
・デザイン
・構成
文章の中に入れ込めればいいですが、分けて箇条書き(リスト)にして表した方が理解しやすいので、無理に文章化するのではなく、箇条書きに変換することも検討して頂くのがオススメ。
一文字だけ段落の落ちを作らない
文章の文字数や長さを意識して作れている人はすごいですが、なかなか決まった長さで収めるのは高等テクニックなので難しいです。
そのため、文章を作成する仮定で、たった一文字だけ段落から落ちてしまう場合もあり、見栄えもよくないので調整しておきましょう。
悪い例)一文字だけ段落の落ちがある
文章を作っている内に一文字だけ段落が落ちてしまうこともありま
す。
良い例)一文字だけ段落の落ちはない
文章を作っている内に一文字だけ段落が落ちてしまうこともあります。
資料作成ツールでそのまま文章を入れるのではなく、文章のみ別で作って当て込む際に、このようなことが起こりやすいです。
専門用語
プレゼンしたい相手の知識量にもよりますが、専門用語だらけのプレゼン資料は、カッコいい反面、読み手としては理解できずストレスを感じます。
また、あなたとプレゼン相手が同じ単語なのに解釈が違う場合もあるため、混乱させるキッカケにも。
悪い例)専門用語だらけで理解しづらい
本日はソリューション営業に強い3名をアサインしてます。参加要請については各々の上長からコンセンサスを取っております。
良い例)噛み砕いて説明している
本日は問題解決に強い営業3名に参加頂いています。参加要請については各々の上長から合意は得ております。
たとえプレゼン相手があなたと同じ解釈をしていても、同じく聞いていた別の方は違う解釈をしているかもしれません。
解釈の間違いが起きないよう意味が分かりやすい優しい言葉を選びましょう。
漢字
漢字の使いすぎは読みづらさを生むため、気をつけたいポイントの一つ。
悪い例)一行の中に漢字が多すぎる
今回作成した資料を提案で使用するには明日の会議で上長の承認を得る必要があります。
良い例)漢字だけでなくひらがな・カタカナを適度に使っている
私が作成したプレゼン資料を提案で使うためには、明日行われる会議で上長から使用許可をもらう必要があります。
漢字ばかりだと窮屈な印象、または読み疲れが発生するため、ひらがな・カタカナ・数字などを盛り込んで、読みやすくしましょう。
文量
スライドに入れる文字の量、どのぐらいまで入れていいのか判断つかない場合も多いですよね。
プレゼンシーンを考えると、スライド一つ一つに入れた文章を全て読み上げるのは非効率ですし、聞いている側も資料で見ている内容と、説明の内容がまったく同じなので飽きる場合もあります。
また、時間が限られている中で行うプレゼンなのと、情報が多すぎても理解が追いつかず聞き流されてしまう場合もあるため、情報を絞って大事なことだけを文章として入れる。
そのため、16~20ptを基本の文字サイズとして考えて、1スライドに200~400文字ぐらいが丁度いいかもしれません。
具体的な表現
言葉にあいまいさを残すと、意図しない解釈が生まれたり、勘違いしたままプレゼンが終わって、後で困ることもあります。
時間・時期
悪い例)あいまいな表現
あの時、最近、今後、将来的に
→ いつのことだか分からない
良い例)具体的な表現
2020年度、3日前
→ 具体的に時期がイメージできる
「時期」を例で出しましたが、この場合は時間軸が人の解釈で変わってくるため、もう少し明確な時期を言葉にしてあげることで、分かりやすくなります。
数字
曖昧な表現で誤解を生むこともあるため、数字を使って具体的にイメージできる情報を入れましょう。
悪い例)いっぱい、たくさんなど曖昧な表現
先月はたくさんのお客様からご発注を頂きました。
良い例)具体的な数字で表現
先月は20社のお客様からご発注を頂きました。
総量を示す場合も曖昧になりやすいので、数字をうまく使って具体的に表現していきましょう。
英語の使い方
英語を入れると、プレゼン資料がかっこよく見えますよね。
私自身もスライドに入れていますが、気をつけたいのが翻訳について。
英語に堪能ならそのまま出せると思いますが、Google翻訳・DeepL翻訳などのツールを使えば誰でも簡単に日本語から英語訳も出せます。
しかし、英語の意味は微妙に違うこともあり、使いたい意図に合っていない場合も見受けられる。
単語ならいいですが、文章にすると間違っている場合もあるため、自信がない翻訳については使わないのがオススメです。
行間
行間(文章と文章の隙間のこと)まで細かい部分を気にする人が、プレゼンを成功させているかもしれません。
悪い例)隙間が空きすぎてまとまりがない
良い例)段落ごとにまとまりがある
文章の上下の間隔が整っていないと、情報としてのまとまりが無くなり、文章は続いているのに別のことを表しているようにも見えてしまいます。
ちょっとした差ですが、プレゼンを受けているお客様にとっては、読みづらく理解しにくい情報にストレスも感じて、印象が悪くなる場合も。
改行の位置
改行位置が中途半端で、文章を読みづらくさせている場合もあります。
悪い例)文章を読みづらくさせている改行
改行の位置が悪いと文章を読んでくれる
人に意味が通じないこともあります。
良い例)文章を読みづらくさせない改行
改行の位置が悪いと文章を読んでくれる人に
意味が通じないこともあります。
プレゼンは時間が限られており、そんな中で読みづらさを感じると、候補から外されてしまう場合も。※ これらは無意識に感じるストレス
デザイン
デザインはプレゼンの受注角度を高めるポイントの一つ。
しかし、見た目に固執するあまり、目的を忘れて見た目作りに没頭してしまう場合も。
プレゼンがうまい人は、大切な要素だけを理解して、見た目を整えています。
作成ツール
プレゼン資料を作るのに、どんなツールを使えばいいかお悩みの場合もあるかもしれませんが、基本は下記のツールを使っていれば大丈夫です。
デザイン系ツールの使用経験がない場合のオススメ
PowerPoint(パワーポイント)※拡張子はpptx
Googleスライド
デザイナーとしてツールの使用経験がある場合のオススメ
Illustrator(イラストレーター)※拡張子はai
Canva(カンバ)
数字情報が多い場合
EXCEL(エクセル)※拡張子はxlsx
状況に応じて資料制作のツールを使えばいいですが、Googleアカウントさえ持っていればGoogleスライドが使えるため、PowerPointなどMicrosoftのアカウントがなくても資料作成は誰でも簡単に作り始められます。
デザインの基本の型
プレゼン資料に必要な情報としては、基本的に下記の3つが入っていれば大丈夫です。
- タイトル(または見出し)
- 本文(文章・画像・グラフ・表など)
- ページ番号(スライド番号)
ページ番号については、プレゼン側のあなたと、プレゼンを受ける側のお客様が、質疑応答する際にどのスライドについて聞きたいか、ページ番号があればすぐに両者が同じ認識を持てるため、コミュニケーションが早くなります。
ブリッジスライドを入れる
ブリッジスライドとは、記事で言えば段落の切れ目を表しています。
悪い例)最初から最後までずっと説明スライドが続く
良い例)一区切りごとにブリッジスライドが入る
誰でも、一気に情報が渡されると処理しきれなくなるのと、細かく文脈の一区切りをスライド上で演出できると、見る側も気持ちを落ち着かせて見ることができます。
スライド時に要素の位置を固定
プレゼンの際に、情報の位置が固定されていないと、スライドが変わる度にどこを見ていいのか迷い、プレゼンを受けているお客様にストレスを与えてしまいます。
悪い例)スライドする度に特定情報の位置が変わる
良い例)スライドしても基本的に情報の位置が変わらない
資料を調整してく際に、だんだん微妙にズレていく場合もありますが、その小さいズレが相手のストレスになる場合もあるため、なるべく同じ情報は位置を固定させるのがオススメです。
ダサい、オシャレの境界線
プレゼン資料がダサい・オシャレ、この印象は作り方一つでガラリと変わってきます。

このページでは、ちょっとした工夫でダサい資料からオシャレな資料にできる方法も書かれているため、デザインの基礎を見ておくのがオススメです。
数字を出す場合は必ず目立たせる
プレゼン相手が合理的な判断をしようと、意識に引っかかりやすい情報が数字。

悪い例)数字の打ち出しが弱い
文章の中にさらっと入れる
良い例)数字の打ち出しが強い
・数字だけ取り出し大きく表示
・グラフを付ける
数字の見せ方一つで、決裁者の心が大きく動くため、数字の出し方には工夫が必要です。
出したい数字が多い場合
特に意識してもらいたい数字が1つや2つならいいですが、それが5つ6つとなると、また話が違ってきます。
基本的には何の数字か説明する補足と数字がセットで記載されることが多いと思いますが、それだと数字の威力を半減させてしまう。

上記図のように、複数の数字を出す場合には、補足の文章を小さく、数字を大きくして対比を付けるのがオススメです。
ブランドを体現(統一感)
資料作りへ夢中になって忘れがちなのが、自社のブランドを資料で体現すること。

悪い例)ブランドカラーを使っていない
ブランドカラーは「黄色」なのに「カラフル」な色を使っている
良い例)ブランドカラーを使っている
ブランドカラーが「黄色」なのでこの色をメインに使っている
例えば、プレゼン相手のお客様が、あなたの会社の色を認識していた場合、資料が別の色で表現されているとそのギャップに違和感を感じます。
他にもロゴやキャッチコピーから柔らかいイメージを出している会社なのに、資料が鋭角でカッコいい雰囲気を出している。
資料は資料、ではなく、資料も会社を表現する一つのツールであり、全てが繋がっている意識を持ち、資料でもブランドの軸を踏み外さない形で作るようにしましょう。
フォント
資料内の文字は、それぞれフォントごと違う形で表現されます。
カッコいい文字、オシャレな文字にしたいお気持ちも分かりますが、実は資料内の文字フォント、パソコンに入っているフォントでしか表現できないため、プレゼン相手であるお客様のパソコンに、資料で使っているフォントが入っていなければ違うフォントで表示されてしまいます。
悪い例)お客様のパソコンに入っていない特殊なフォントを使っている
良い例)お客様のパソコンに入っているフォントを使っている
どのフォントがパソコンに入っているかは分からないため、基本的な以下のフォントを使うのがオススメです。
- メイリオ
- 游ゴシック
メイリオであれば、どのパソコンでも必ず表示でき読みやすいため、プレゼン時とお客様が自分のパソコンで見た時の印象は同じにできる。
フォントの違いで資料の印象は大きく変わってしまうため、お客様に合わせた無難なフォントを選びましょう。※ どうしてもオシャレなフォントを使いたい場合は画像化する
ゴシック体か明朝体か
フォントにも種類があり、特徴もそれぞれなので、プレゼンシーンによっても使い所が変わってきます。

ゴシック体
特徴:太くて見やすく力強い
状況:情報の見やすさを重視したプレゼンに最適(基本的なプレゼン)
明朝体
特徴:細くて見づらいが雰囲気を出せる
状況:感情的な印象深いプレゼンをする時に最適
基本はゴシック体を選ぶのがいいかと思います。
フォントの数
ゴシック体と明朝体の2種類のフォントを使いますが、片方だけ使うか、両方使うかで印象も変わってきます。
悪い例)両方使って印象がブレる
良い例)片方だけ使って統一感を出す
プレゼンの資料作りがうまい人は、どちらか片方だけにして、全体的な統一感を出しています。
ジャンプ率(メリハリ)
ジャンプ率とはメリハリのことで、文字の大きさの違いにより、情報の読み取りやすさが大きく変わってきます。

悪い例)見出しも本文も同じ大きさ
良い例)見出しが大きく本文はそれよりも小さく
特に、プレゼン時は時間がないのと、多くの情報を一気にお客様へ伝えるため、覚えきれません。
そのためジャンプ率などを活用して、重要な情報を意識させやすい状況を作り、お客様の記憶に残せる工夫をするのが資料作りでは大切です。
画像
画像はプレゼンの時間が無い中で、一瞬の内に多くの情報を提供できるため、大きな役割を持っています。
しかし、使い方を間違えると意味を誤解させてしまったり、印象を悪くさせる場合もあるので、気をつけたいポイント。
図解
下記のような状況では、文章を図解・イラストに変換して見てもらう方がストレスなく見れます。
- 文章を読んだだけでは分からない
- 文章だけだとスライド内がパンパンになってしまう
図解にするだけで情報がぎゅっと圧縮して入れられるため、情報が多い場合は図解にしましょう。
アイコン
細かい図解や画像でなくとも、一つの単語をアイコン化して表現する方が分かりやすい場合もあります。
言葉だけで3列アイコンありの3列また、本文が文章だけだと見づらさもあるため、小さくてもアイコンを入れることで、プレゼン相手の負担が減ります。
フリー素材・画像
フリー素材(写真・イラストなど)はプレゼン資料を作る時の強い味方。
使いやすさはあるものの、よく使われているフリー素材を使いまわしで使っている場合、こんなことが起きるかもしれません。
競合他社も同じフリー素材を使っている
→ 印象が似てしまうためお客様の記憶に残りづらい
競合他社は図解・イラストをオリジナルで作っている
→ 比較された時に優劣が付けられてしまう
簡単に使えるフリー素材ですが、使うことでデメリットになるため、使いすぎは注意が必要です。
スライド内の文章と画像の意味を合わせる
文章と画像を入れる場合に気をつけたいのが、情報の意味を合わせること。
悪い例)文章と画像の意味が合わない
文章:この人はプレゼンをしている人です。
画像:風景画像
良い例)文書と画像の意味が合う
文章:この人はプレゼンをしている人です。
画像:プレゼンしている雰囲気を感じる画像
文章と画像の意味が合っていないと、言っている事とやっている事が違う印象になり、プレゼン相手からしたらストレスでしかありません。
情報の意味は合わせるようにしましょう。(関係ない画像は入れない!)
サンプル
プレゼンで提案したい内容の中には、確実なことではなく「数字がこのくらいになります。」「売上へこのくらい貢献できます。」など、仮定の話で進めないといけない場合もありますよね。
曖昧な表現は控えたいですが、それでも確実なことが言えないことも多いので、イメージが付きやすいよう、サンプル画像を付けるのがオススメです。
悪い例)将来的なことを文章だけで説明する
良い例)将来的な状態をイメージ図としてサンプル表示する
人はイメージできない情報は、理解しづらく、記憶にも残りません。
なるべくイメージ図をサンプルとして付けてあげることで、お客様の理解を手助けしてくれます。
比較(対比)
どのくらい効果があるのか、比べると何が違うのか、比較(対比)を図にすると分かりやすいです。
悪い例)文章だけで違いを見せるが理解されづらい
良い例)図解して可視化すると理解されやすい
比較する対象が存在する場合、図にして表現するとお客様も理解しやすくなります。
グラフ
数字を用いて説明したい時は、グラフを積極的に使っていきます。
悪い例)数字を文章のみで伝えた
良い例)数字をグラフ化して伝えた
文章のみだと単なる数でしかありませんが、グラフにすることで、数に対して具体的に量をイメージできます。
具体的なイメージが持てると、理解度が高まるため、グラフ化は大事なポイント。
色
色は見た人の印象を左右する大事なポイントで、使い方次第で良くも悪くもなるため、色いについて気をつけたいことを見ておきましょう。
色数
色数をいくつ使っていいのか判断基準がないと、たくさん使ってしまいがちですが、基本は3色前後で抑えるのがオススメです。
悪い例)色を3種類以上使っている
良い例)色は3種類以内におさえている
色数が多すぎると、せっかくブランドカラーがあるのに会社の「らしさ」も感じず、ただただバラバラな印象しか感じません。
- メイン(一番多く入る色)
- ベース(基本的に使う色)
- アクセント(目立たせたい時に使う色)
基本は3~4つに色数を抑えて、全体的にまとまりのある印象を作ることが大切です。
文字色
文字色は基本的に「黒」を使い、ブランドカラーに合わせて調整していきます。
これは好みかもしれませんが、真っ黒を使うと文字の発色が強すぎて、読むのが疲れてしまう。
そのため、私の場合は少しグレーがかった黒に色を落として、見続けても疲れない色合いを選んでいます。
背景色
スライドの背景は基本的に「白」がオススメです。
色数を絞ったとしても、単調なデザインにしないよう色を使う機会は多いため、なるべく通常の本文では背景を白にして、文字色を黒で読みやすい状態を作る。
背景色を入れる場合は、
- 表紙
- 見出し
- 本文とは異なる見せ方をしたい場合の文章
など、注目させたい時に使っていきます。
視認性
視認性とは、見た目的な見やすさのこと。
悪い例)文字が薄すぎて見れない
良い例)文字がハッキリ見える
見やすさが損なわれると、途端にプレゼン資料の質を悪く感じて、お客様の評価は下がってしまいます。
自分とプレゼン相手の視力違いなど、細かい配慮もされた資料を目指しましょう。
可読性
可読性は、読みやすさのこと。
色、余白、形、などが全て適切に揃ってないと、そもそも文章や情報が読みづらい。
悪い例)枠内にギュウギュウに文章が詰まっている
良い例)適度な余白の中に文章が入っている
読み取りやすさは、そのままプレゼン相手の理解度を高めてくれるため、可読性への意識も大切です。
判読性
判読性とは、情報の理解のしやすさであり、誤解を生まないこと。
視認性・可読性が前提としてあり、さらに情報を読んだ時に理解しやすいか。
悪い例)普段使わないような難しい言葉だらけ
良い例)普段使うような簡単な言葉で理解しやすい
プレゼンは、お客様に伝えた情報を理解してもらえなければ、存在しないのと一緒なので、判読性を高めることが必須です。
アニメーション
PowerPointやGoogleスライドなど、プレゼンを魅力的に演出できるよう、情報を動かすアニメーション機能が搭載されています。
プレゼン時にアニメーションを使われる方も多いかと思いますが、私としては使わないのがオススメ。
メリット
・アニメーションさせているだけで魅力的に映る
・誰でも簡単にアニメーションを取り入れられる
・資料の作った感が出る
デメリット
・表示されるまで待たないといけないのでストレスを感じる
・時間がない中のプレゼンで無駄な時間を使ってしまう
・アニメーションの微調整で時間がかかる
アニメーションにはメリット・デメリットの両方ありますが、やはりプレゼンを受ける側で考えると、表現で時間を使うのではなく、もっとお互い建設的な話で時間を使いたいと思っています。
そのため、私の場合は時間を少しでも無駄にするアニメーションは使いません。
グルーピング
デザインの基本として、同じ情報の仲間は近づけて、仲間が違うなら物理的な距離を離します。

悪い例)分類が違う情報だけど全てまとめている
良い例)分類が違う情報は余白を使って離している
しっかりと情報のグルーピングができていると、読み取りやすくなるため、少しの気遣いがプレゼンの印象を強く残してくれます。
表(テーブル)
表は、プレゼン時に必須のスライドの一つですよね。
しかし、表組みをすると線が増えるので見づらくなっている場合も。

悪い例)線が多くて見づらい
良い例)線が少なく見やすい
掲載情報に集中してもらいたいのに、線が多くなると見るべき情報量が多くなって、お客様のストレスになるため、表を使う場合は線を少なくしましょう。
揃える・整列
位置やデザインなど揃えることも判読性を高めます。

悪い例)情報の位置がバラバラで見づらい
良い例)情報の位置が揃って見やすい
お客様に余計なストレスを与えないよう、違和感を与えないようにするため、情報の位置やデザインに統一感をも持たせます。
余白
情報同士の隙間が詰まっていると、見づらい、読みづらい、理解しづらい、何もいいことがありません。

悪い例)余白がないため詰まって見える
良い例)余白があるため見やすい
スペースをうまく使って、お客様に対する見やすさを向上させましょう。
囲み線の中の文字の位置
枠の中に文章を入れたい場合は、その位置によってデザインの印象が大きく変わります。

悪い例)上や右左に寄っている
良い例)中心・中央で揃えている
囲みを使った場合は、情報の位置にズレがあることで印象を悪くするため、中心・中央へ配置するようにしましょう。
構成(アウトライン・文脈・ストーリー)
スライドの順番や、盛り込みたい内容など、プレゼン資料の構成に悩むことも多くないですか?
何を入れればいいか分からず、無駄に時間を過ごしてしまう場合もあるため、スライドに入れたい情報の基本を見てみましょう。※ 状況に応じてスライドを組み替えていきます。
表紙
表紙は、プレゼンの印象を決める大事な1枚目のスライド。
デザイン的な観点も必要ですが、今から始まるプレゼン内容を端的に表し、お客様が「自分事」になる瞬間を作り出していきます。
あなたとお客様のスタートラインでもあるので、必ず用意しましょう。
目次(アジェンダ)
資料を見せる前に、先が見えないと人間は不安になるため、資料ボリュームを伝えるためにも、目次として大まかなページ構成をまとめておきます。
目次によって資料の概要が分かり、ページ数も書いてあれば、お客様は大まかにプレゼン資料のボリュームが分かるため「いつ終わるのかな…」「長いな…」こんな気持を湧きづらくさせます。
自己紹介・挨拶文
あなたと担当者は見知った中でも、プレゼンの場にあなたを知らない方もいるかもしれません。
いきなり誰か知らない人から、延々と説明を受けるよりも、どこの誰なのかを示しておくことで、余計な不安を作らせない工夫も大事です。
お客様の立場で考えて、必要なら自己紹介・挨拶文を入れておきましょう。
背景・課題・悩み
今回のプレゼンが行われる背景、または事前にヒアリングができている場合は課題を改めて、両社の認識として可視化させます。
また、お互い話し合うテーマの共通認識がとれると、話しが早くなるので、改めて認識合わせをしておきましょう。
解決施策
課題に対して、どのような施策を提案したいのか示します。
ロードマップ
ロードマップとは、施策をどのように取り入れて、課題解決を促していくのか流れを示すもの。
部分的な施策だけではなく、中長期的な視野を持ちながら、お客様が抱える問題を解決するためプロジェクトをどう進めて、最終的なゴールへ導くのか可視化させた情報です。
効果測定・分析
施策を行うだけでなく、成果をどのように判断していくのか、効果測定・分析に関する方法をお伝えします。
施策のやりっぱなしは、何が良くて悪いのか分からず、かけたお金が無駄になる場合も。
お客様としては、かけた費用を無駄にしたくない、またはノウハウを貯めてさらなる改善をしていきたいと考えているため、必ずPDCAを回せる提案を行います。
得られる成果
提案する施策を行えば、どのような成果が得られるのか。
具体的な数値など出せない場合もありますが、お客様の中に成功イメージが作れる情報を入れておきます。
事例(ビフォー・アフターなど)
今回のプロジェクトに似た事例を社内から集め、お客様に対して本プロジェクトが対応できる実績を持っていることを示します。
また、あなたが携わった(または会社が)ことで、どのような変化を起こせたのか、ビフォー・アフターで示せると尚良いと思います。
嘘ではなく事実として、お客様に期待感を感じてもらえる情報を掲載しましょう。
選ばれる理由(メリット・デメリット)
なぜあなたの会社が選ばれているのか、他社が何を基準にしてあなたの会社を選んでいるのか示す情報を可視化。
あなたと担当者との相性、金額的魅力、ノウハウなど、選ぶメリットはたくさんあるかもしれませんが、お客様にとっての判断基準はまた別のところにあるかもしれません。
事前にヒアリングが行え、何が求められているのか見極められていれば、求められる内容をベースにメリットとして打ち出し、見極められていない状態なら、自社が打ち出せるメリットを伝えておきましょう。
スケジュール
プロジェクトをゴールまで導くための、詳細な期間を含めたスケジュールを提示します。
お客様の状況によっては、求めたい期限もありますが、あなたの状況だとその期間内での可動が難しい場合も。
お互いの状況を確認しつつ、プロジェクト進めるために、まずは全体的なスケジュールを可視化しておきます。
料金表・見積もり・値引き
実際にあなたの会社が対応する場合の費用感を伝えます。
既に固定の料金がある、または本プロジェクトを行うために算出した見積もりなど、状況は様々ですがかかるコストを可視化。
競合他社も金額は伝えていると思いますが、計算方法が違う場合もあるため、お客様が比較しやすい料金計算で伝えてあげるのがオススメです。※ なるべく見積もりの内訳は細かく出して頂くと親切だと思います。
体制図
本プロジェクトを遂行するため、社内的にどのような体制で望むのか、体制図を付けておきましょう。
誰が、どのように進めるのか分からないと、不安になる方も多いです。
実際に対応するスタッフの写真を含めたり、お客様が不安を感じるポイントに配慮して、資料を作っていきます。
よくあるご質問・回答
対面でのプレゼンならその場で質疑応答はできますが、資料提出だけの場合など、資料内の説明に対して疑問が生まれたら、すぐ解決できない場合も。
よく質問される質問・回答を掲載しておき、お客様が不安に感じやすいことは、すぐフォローできるようにしておくのもオススメです。
その他サービス紹介
今回のプレゼンでは、お客様が感じている課題に対することですが、あなたの会社では別の課題を解決する手段を持っている場合もありますよね。
お客様側で、まだその対応は必要ない場合もありますが、今後発生した時に、自社ができることを伝えておくと、別の機会でも繋がりを持てる場合も。
お問い合わせ(CTA)
資料を見てもらって、お客様の心が動いて次のアクションへ進みたい場合に、すぐ連絡を取れる方法を用意しておきます。
他にも、いつも連絡を取っていた担当者が離れてしまったり、別の部署が見た時にも、誰に連絡をしていいか分からずチャンスを逃す場合もあります。
お問い合わせ先(担当者・メールアドレス・電話番号など)を必ず残し、少しでもチャンスを広げていきましょう。
会社概要
今回プレゼンした相手が誰なのか、会社概要を載せておきます。
引用・出典
スライドに入れたい情報があるのに、自社データとして出せない場合は「引用」「出典」などを用います。
引用とは、他者が作った著作物(記事・データなど)を使わせてもらうこと
出典とは、引用した元情報の存在を示すこと
引用ができるからといって、スライド1枚の中にまるまる引用情報を使うのはダメで、あくまでも引用の範囲は副次的な扱いのみ。
- 世に公表されている情報のみが引用対象
- 引用先の著作者に敬意を持つこと
- 引用情報は変更しない
- 引用内容を掲載情報のメイン扱いにさせない
他にも引用条件はありますが、カギ括弧・囲み・余白などを用いて、引用であることを分かりやすく伝える必要もある。※ 引用を使う場合は著作権法32条1項を改めてご確認ください
使ってはいいものの、扱い方を間違えれば著作権侵害にもなるため、プレゼン資料に入れる際は気をつけましょう。
チェック
プレゼン資料を頑張って作成した後には、思わぬ見落としが多く潜んでいる場合も。
作ってきたあなただからこそ気づかない事もあるため、行っておきたいチェックを見ておきましょう。
誤字脱字(ダブルチェック)
資料チェックの基本はまず、文字や言葉の間違えがないか誤字脱字チェック。
作っている本人が見直すと、問題無さそうな文章も、他人が見るとおかしい・間違っている使い方に気づく場合もあります。
私の場合は直したと思っても、後日見つけることが多いため、資料作成した翌日に改めてチェックすることを心がけています。
音読
プレゼン中は、あなた自身または資料を受け取ったお客様が、誰かメンバーへ説明する際に資料を読み上げる場合があります。
誤字脱字のチェックをした後は、実際声に出して資料を読んでみることで、読み上げづらいポイントが発見される場合も多い。
読みづらさはストレスを感じる原因にもなり、それが比較された際の優劣を決めてしまうかもしれません。
念には念を入れて、確認しておきましょう。
プレゼンシーンを想定して見え方を確認する
大きなスクリーンに移す、パソコンのモニターで見せる、オンラインMTGツール内で見せる、事前に提出するなど、プレゼンシーンは様々です。
資料作成の時は問題なかったのに、いざスクリーンに移したら字が小さすぎて見えなかった…こんな事もあるため、なるべく想定されるプレゼン状況を再現して、資料の見え方をチェックしておきます。
字が見えづらい、図が見えづらい、これらはマイナス要素にしかならないため、確認頂くのがオススメです。
著作権の確認
文章・画像・データなど、他者の著作物を引用している場合は、改めて確認しておきましょう。
特定のプレゼンだけで使うつもりだったのに、著作権を理解していない社内の誰かが、資料に入れていた著作物を間違った使い方をしてしまう場合も。
社内で著作物に関する利用ルールを定めることも大事ですが、自分自身が作った資料への著作物を入れる場合は責任も発生するため、気をつけなければいけません。社内だけでなくお客様へ提出する場合も同じです。
資料作成に悩みがある方へ
プレゼン資料を作り込みたいですが、作り込む時間がとれない場合も多いですよね。
特にあなたが営業さんの場合は、提案先もたくさん・資料作りもたくさんで、時間に追われている場合も。
資料作成では基本なポイントを抑えつつ、まず最小限で作ることが大事なので、このページで基本を見て頂けると嬉しいです。
資料を作っていると「これでいいのかな?」と不安になることも多いですが、一番はプレゼン相手を「自分事」にさせることなので、お客様理解に一番時間をかけるのがオススメです。
エンプレス編集部:sugiyama