
顧客にとって最適なタイミングで、最善のホワイトペーパーが出せれば、マーケティングがもっとうまく回っていきます。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)
「作ってみたけど、見込み顧客が全然増えない…。」
みんなや競合がしているからと思い、とりあえずホワイトペーパーを作って試してはみたものの、なかなか見込み顧客が増えないこともありますよね。
もしかしたらその状況、見込み顧客側が「ほしい!」と思っているタイミングではなく、必要な情報も提供できていない可能性もあります。
私も最初に作ったホワイトペーパーは、反響も無く、CVが取れたとしてもアプローチ後にお断りばかりが続き、タイミングと内容の重要さを身に染みて知りました…。
ホワイトペーパーにはいくつか種類があり、それぞれ打ち出すタイミングも違うので、ちょっとしたズレを修正するだけで、成果を高めることも可能です。
タイミングと種類をセットで覚えやすいよう、それぞれまとめたので、こちらの情報があなたのマーケティング活動のお役に立てられれば嬉しいです。
- 目次
- ホワイトペーパーを活かす最適なタイミングと種類
- 送信時に使うメールの文章は種類ごとに変える
- ホワイトペーパーの間違った用意の仕方
- ホワイトペーパーのよくあるトラブル
- ホワイトペーパー作りに不安を感じているあなたへ

ホワイトペーパーを活かす最適なタイミングと種類
前提として、ホワイトペーパーはマーケティング活動のほんの一部分でしかなく、コンテンツ・CTA(コールトゥーアクション)・メールなど、全ての総力戦で当たらないと、私の実体験から見込み顧客を増やすことは難しいと思っています。
言い換えると、総合格闘技のような、臨機応変になんでも使って勝ちにいく。
また、ホワイトペーパーを「作る」ことが目的になってしまったり、顧客都合ではなく自社都合の自分勝手な施策になることもあり、どのような思考を持って取り組むかマインドセットも大事。
顧客に喜んでもらい、むしろ「これがほしかった!」と言ってもらえるような状態を作れるかが勝負の分かれ目だと思います。
そのため、顧客理解とともに、タイミングと、その時に必要なホワイトペーパーの種類をセットで覚えて頂ける情報をまとめたので、見て頂けると嬉しいです。
タイミングとは?
顧客がホワイトペーパーをほしいと思うタイミングは、全て検索キーワードを元に考えています。ちょっとしたズレが期待を下回り、自分事にならず、興味を失うこともあるのと、私を含めて顧客みんなは自分が知りたいことしか知りたくないので、その意識を前提に考えなければいけません。
- ホワイトペーパーの種類
- 第1フェーズ:問題意識の芽生え(~を知りたい)
- 初心者系のホワイトペーパー
- 手順系のホワイトペーパー
- 最新情報系のホワイトペーパー
- セミナーレポート系のホワイトペーパー
- データ系(統計・調査内容)のホワイトペーパー
- 第2フェーズ:興味関心・魅了(~をもっと知りたい)
- 独自ノウハウ系のホワイトペーパー
- 診断・チェックリストのホワイトペーパー
- 比較系のホワイトペーパー
- 問題定義系のホワイトペーパー
- 第3フェーズ:理由探し(~したい・~してほしい)
- 物語系のホワイトペーパー
- 事例紹介系のホワイトペーパー
各フェーズについて
情報を検索している状況や気持ちのタイミングをもとにフェーズ分けしています。
参考:ホワイトペーパーを活用したリード獲得〜顧客化までの流れ
第1フェーズ:問題意識の芽生え(~を知りたい)

ユーザーさんがキーワードを検索する最初の理由は、自分にとって新たな問題・課題を意識したタイミング。
その問題・課題に対しての深い知識は持っていない状態なので「何だろう?」と、軽い気持ちで情報に触れようとしている状況です。
第1フェーズの顧客心理
- 事前知識は持ってない
- 情報の全体像が把握できていない
- 不安がある
- 何をすればいいのか分からない
- 何が分からないのか分からない
第1フェーズの顧客状況
- 見込み顧客:多い
- 購入・契約:少ない
この、問題を意識したタイミングで必要なホワイトペーパーが下記になります。
初心者系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- ~とは(意味や意図の解説)
- 〇〇〇(キーワード単体)
顧客心理
不安や悩みを感じ始めているが、何も知識が無いので、どうしたらいいのか分からない状態。
事前知識が無い状態で、初めて情報を検索するユーザーさんには、より優しく、より丁寧に、コミュニケーションがとれるコンテンツを作り、心理的距離を近づけます。
その結果、信頼できる人物(情報源)だと認識されて、ホワイトペーパーもダウンロードしてもらいやすくなります。
項目 | 詳細 |
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作成時のポイント | 初めて調べるキーワード(単語・情報)なので、何も事前の情報を持っていない状態。たどり着いたコンテンツで基礎的な情報は分かったが、分からないことだらけなので、基礎的な情報をさらにまとめた詳しいホワイトペーパーが有効。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・文章少なめ ・イラスト、図解多め ・漫画(有効) |
案内メールのポイント | 初めてのことで不安を感じていると想定できるため、ユーザーさんの心情を察するような、寄り添う文章を使う。 |
CTA例 | ・無料~ ・~を確認してみる など、関係性がまだできていない状態であり、見込みの初期フェーズなので、ダウンロードを躊躇するような敷居が高くない文章を使い、フォームの入力内容も多くしない。 |
注意点
ユーザーさんの心理状況を無視して、強制的または危機感を煽ってフォーム入力をさせるような施策はいれず、あくまでも寄り添いの意識が大切。
手順系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- ~やり方
- ~レシピ
- ~の方法
- ~の使い方
顧客心理
事前情報が無いのと、無いからこそ正しい進め方が分からず困っている状態。
最初から手順書やマニュアルなど何も見ずに進めようとする人もいますが、一度やったけど出来なくて、困っているからこそ正しい方法を知りたいと思っていることも多く、一度失敗していることで不安も強く感じている可能性はあります。
難しい言葉を使ったり、こんなのできるよね?と上から目線では、相手の心には響かないので、不安を理解しつつ寄り添った説明がオススメです。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 正しい進め方が分からない、一度やってみたが出来なかったなど、失敗をしない正しい進め方を探しているので、手順が簡潔で分かりやすく説明されたホワイトペーパーが有効。 |
枚数 | 10~20枚 |
構成例 | ・手順を一から十説明(省かない) ・キャプチャ、またはイラストを必ず ・専門用語は使わない |
案内メールのポイント | 正しい手順で得られるメリットを伝える。手順が分かった次に必要な行動など、ちょっと先の未来の情報も伝えてあげると、ユーザーさんがどんどん前に進めるようになります。 |
CTA例 | ・正しい~を確認する ・~を見てみる ・簡単に~ 「してみようかな」と軽い気持ちで進められるような言葉使いがオススメです。やり方や手順などは、どうしても手間を感じてしまうため、簡単なこと、すぐにできることなどを分かってもらえる言葉を選びましょう。 |
注意点
ユーザーさんの実際の行動に沿った内容で情報にまとめなければいけないので、作り手自身が正しく進め方を理解しなければ作れません。
最新情報系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- ~ トレンド
- ~ 動向
- ~ 流行
- ~ 流行り
- ~ 傾向
顧客心理
新しい情報を入手して、ビジネスに活かしたいと思っている状態。
最新情報を取りにいくのは大変ですが、何か大変な苦労をして得たノウハウなどではなく、あくまで時間的な速さが価値となっているため、情報さえ取れてしまえば扱えるテーマです。
情報の速さがビジネスに与える影響は大きいため、見込み顧客を増やすためには有効なホワイトペーパーの種類。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 情報が古いままだと、ビジネスに大きな後れが出るため、最新情報や技術のトレンドなどをいち早くまとめられたホワイトペーパーが有効。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・グラフ、図解 ・根拠を示す情報 ・専門用語の解説 |
案内メールのポイント | 最新であること、または情報の信頼性を確認できる情報もセットにして、情報の価値があることを分かってもらえるようなメール。 |
CTA例 | ・〇〇〇〇年度 ・今知っておきたい! ・最新 |
注意点
少し時間が経てば、最新情報という扱いはできなくなるので、賞味期限も早いホワイトペーパーになります。継続的には使えないことは覚えておきましょう。
セミナーレポート系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- ~セミナー
- ~イベント
- ~ウェビナー
顧客心理
出席や参加できなかったセミナー・イベントに関する情報は、分からないからこそ見たい心理が働いている状態。
セミナーの実施など、人的な手間や、スケジューリングも大変なことはありますが、その時にしかできないイベントには価値を感じやすくなります。
興味がなければ話は別ですが、自分が興味のあるテーマで、しかも何人も来ているようなイベントがあったら、情報を知りたいと思う気持ちは、自然にでてくると思います。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 各種セミナーは、その場に出るからこそ取得できる情報が多いので、出れなかった=情報を取得できなかったと考えると悔やまれる。また「セミナー」と聞くだけで、何か有益な情報が発信されているのではないかと考えてしまいます。情報発信の場が限定されているからこそ価値があるので、セミナー系を実施したら発信した情報をホワイトペーパーにします。 |
枚数 | 5~20枚 |
構成例 | ・セミナーの流れ ・セミナーの内容 ・今まで実施してきたセミナー歴 ・次回のセミナー(あれば) |
案内メールのポイント | どんなテーマで、誰が登壇して、何人来たセミナーなのか、そのセミナーがいかに人気でみんなが求めていたのかを、嫌らしくない範囲で伝えたメールで、期待感を上げられる文章にする。 |
CTA例 | ・〇〇〇人が参加した! ・登壇者に〇〇さんが |
注意点
有料セミナーなど、お金を頂く形で行ったセミナーに関しては、ホワイトペーパー化はオススメできません。もしお金を払ってくれてまで来てくれた人が、そのホワイトペーパーを見た時、あなたの会社のブランドは下がる場合もあります。
データ系(統計・調査内容)のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- ~の最新データ
- ~の利用者数
- ~のアンケート結果
顧客心理
一からデータを調べたり、まとまっている情報を作ると時間も手間もかかるため、すでに用意されている情報があれば見たいと思っている。
データを探したり、アンケートを実施するなど、情報の取得と集計の手間はありますが、手間がかかることをしたくないユーザーさんにとっては、手軽に情報が手に入るところに価値を感じます。
誰かの手間を肩代わりすることで、有効なホワイトペーパーが作れるんです。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 集計するのに時間がかかったり、最新情報が常に変わっていくデータを、毎回調べ直したり追っていくのは大変。だからこそ代わりに手間のかかることを行いホワイトペーパー化すれば価値は高まります。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・調査データ ・調査を元にした考察 ・調査方法 ・最新のデータであることを証明 |
案内メールのポイント | 何のデータなのか、このデータの活用の仕方なども加えると、見込み顧客に気付きも与えられて満足度が高まります。 |
CTA例 | ・〇〇〇〇〇人を調査 ・無料ダウンロード |
注意点
テーマやジャンルによっては、常に最新を追っていく必要もあるため、そのような場合はホワイトペーパーではなくウェブサイト上に表示させるような形がいいかもしれません。
第2フェーズ:知的欲求・魅了(~をもっと知りたい)

第1フェーズのホワイトペーパーを読んで満足してくれたり、コンテンツによって顧客の問題解決が進んでいる場合は、書き手(またはサイト)に対して信頼を感じるため、信頼できるとこから発信されている情報をもっと見たいと思って頂けます。
検索キーワードで言えば、複合キーワードなど、知りたい内容がある程度、絞り込めてきている状態が第2フェーズ。
第2フェーズの顧客心理
- 多少の知識はあるが、さらに深めたいと思っている
- 何をすればいいのか分かってきた
- 情報の全体像を見渡せるようになってきた
第2フェーズの顧客状況
- 見込み顧客:少ない
- 購入・契約:多くなる
この、情報をもっと知りたいタイミングで必要なホワイトペーパーが下記になります。
検索時に入力されるキーワード(単語)が多くなればなるほど、調べたいことが明確になっているため、その気持ちに合わせてホワイトペーパーを作ることが見込み顧客の獲得増に繋がっていきます。
独自ノウハウ系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- コンバージョン 増やし方
- webサイト 運用改善
顧客心理
もっと情報を知りたい、さらに高いレベルの情報がほしいと考えているが、どこにその情報があるのか分からない状態。
事前に信頼を得ているか、またはコンテンツを見てもらえたことで新たに信頼を獲得できると、次の段階に進んでもらえます。
すでに複合キーワードで検索し、目的が明確化してきている状態なので、検索キーワードと連動する内容のホワイトペーパーが有効的です。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 顧客が知りたいことに対して、他社と比べても圧倒的、または技術レベルの高い再現性がある情報を、難しい言葉は使わず説明したホワイトペーパー。 |
枚数 | 10枚以上~ 説明をするためにある程度のページ数は必要になってくる。 |
構成例 | ・ノウハウで得られるメリット ・ノウハウの実績 ・ノウハウの詳細 |
案内メールのポイント | ダウンロードしてもらう情報が、何に裏付けされた内容なのか、またはこの情報を知ると、どんなメリットがあるのか簡潔に記載するのが適度な期待感を持って読んでもらえるようになります。 |
CTA例 | ・〇〇〇〇件ダウンロードされた ・お役立ち情報 数字的な根拠を入れて成果を可視化させたり、役立つ情報であることを伝える文章を入れる。 |
注意点
「50倍の成果!」など、タイトルで煽っておきながら、実際の中身が大したことがなかった場合、期待を下回ったと感じてしまい、結果的に見込みから外れてしまいます。タイトルと中身の違いが大きくならないようにしましょう。
診断・チェックリストのホワイトペーパー
流入キーワードの例
- webサイト チェック
- コンテンツ 品質
- SEO 診断
顧客心理
今やっていることが正しいのか、合っているのか、判断基準が分からないと進められない状態。
診断やチェックを求めているのは、責任がかかることに対して、知らない間に不安やストレスが強くなっている状況でもあるため、ここでユーザーさんを安心させてあげられるようなホワイトペーパーが作れれば、見込みが高くなる可能性も。
また、何が正しいのか判断できなくなっていることもあり、何を指針にすればいいのか明確に示せれば、信頼を得られて次に繋がりやすくなります。
項目 | 詳細 |
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作成時のポイント | 何かしらの判断基準が欲しい状況は、ある程度モノゴトが進んでいる状態なので、その判断ができないと止まってしまう。そのまま進める不安や恐怖から、少し緊急度も高い状態なので、有益な診断・チェックリストの存在を伝えられるホワイトペーパーが有効的。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・診断、チェックの意図 ・確認リスト |
案内メールのポイント | 不安な感情を理解して、優しく丁寧な文章から入り、何に裏付けされた診断・チェック方法なのか要約を入れておく。 |
CTA例 | ・〇〇〇個のチェックリスト ・これだけ確認すれば大丈夫! チェックの個数、診断が簡単なことなど、このホワイトペーパーを使う事のメリットが伝えられるようにします。 |
注意点
ある程度は誰でも「診断」や「チェックリスト」は作れてしまうため、なぜそのチェックをするのか根拠をしっかり記載しておくだけでなく、なぜ有効なのか示せる情報も入れておくのがオススメです。
比較系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- BASE STORES
- note wordpress
顧客心理
比較系は何かを選ぶタイミング、またはその意識があると推測できるが、決め手などが分からず困っている状態。
状況的に選ばなければいけない意識は持っていますが、選びきれてないのは情報が横並びで比較できる状態ではないからです。
読み手にとって比較しやすい情報を作り、何を選ぶべきなのか示すことが大事。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 選びたいけど選べない状況。それがビジネスを大きく左右したり、高い買い物であれば慎重にもなります。事前情報が少なければ間違って選んでしまい失敗の可能性もある。慎重になるほど比較が有効なので、違いを明確に伝えて決め手を与えられるホワイトペーパーを作る。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・比較表 ・比較対象のメリット、デメリット ・著者としてのお勧め |
案内メールのポイント | 比較をする上で、どんな判断基準を持ち、どのように比較をすればいいのかコツも一緒に記載してメールを送るのがオススメです。 |
CTA例 | ・~と~どっちがオススメ? ・~を徹底比較 比較対象が多いほど迷うため、ユーザーさんには何が合うのか判断できるホワイトペーパーだと示せる内容にする。 |
注意点
比較対象が多ければ多いほど情報を集めるのが難しくなり、調査期間が短かったり、調査視点が甘いと、すでに出回っている比較情報と同じになるため注意。調査にはしっかりと時間をかけて、あなたのオリジナルな視点も含めて情報化しましょう。
問題定義系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- マーケティング 新常識
- 貯金 悪習慣
顧客心理
普段意識はしていないが、無意識に感じているモヤモヤを解決したいと思っている状態。
ある程度の知識を持ち、手法やノウハウを最初から求めていない人に対して、方法論を伝えても反応はないので「なぜこの情報が必要なのか」と問いを出し、考えるきっかけを与えて、意識上に引っ張り出すことが大事です。
問題は抱えているけど、何かをしたいと思っている人ばかりではないですが、改めて意識させることができれば、今まで獲得できなかった見込み層を増やすこともできます。
項目 | 詳細 |
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作成時のポイント | 問いを出されて初めて、無意識に感じていた問題に気づく。一般的に知られてはいるが実際は良く知らない、または今までとは違う解釈で臨まなければいけないことなど、新しい発想を提供するホワイトペーパー。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・問い(問題点の再認識・解釈) ・理由 ・解決方法 |
案内メールのポイント | まずは疑問形で始めて、改めて問題意識を感じてもらうことが大事です。 |
CTA例 | ・実は〇〇? ・間違いだらけの 問題があることを指摘し、解決が必要なことを訴求します。 |
注意点
意識的または無意識すら感じていない「問い」に関しては無関心なので、見込み顧客を見極めたテーマ設定が大事です。
第3フェーズ:理由探し(~したい・~してほしい)

第2フェーズのホワイトペーパーを読んで満足してくれたり、検索キーワードで言えば、3~4つの複合キーワードで検索している、明確な目的を持っている状態が第3フェーズ。
また、ものすごい強い痛み・不安を感じており、解決はしたいけど、失敗しないまたは安心できると思える理由が見つけていられない状態。
第3フェーズの顧客心理
- 誰かに頼りたいと思っている
- 決めたいが納得できる理由がない
第3フェーズの顧客状況
- 見込み顧客:少ない
- 購入・契約:多くなる
~したい、~してほしいと強く願っているこの状況は、そこまで多くありませんが、選ぶ理由を探しているタイミング。
第3フェーズまでくると、ホワイトペーパーをダウンロードするよりも、そのまま直接電話やメールで問い合わせが入ってくる状態も多いです。
物語系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- 〇〇会社 会社概要
- 〇〇会社 ビジョン
- 〇〇会社 スタッフ
- 〇〇会社 取り組み
顧客心理
選びたいけど最終的なひと押し、何か単純な機能やサービスではない、心に感じる決め手がほしいと思っている状態。
商品・サービス品質はもちろんですが、今やどこも品質が均一化しており、明確な差が生みにくい状態です。
品質が同じなら、あとはどこで判断するかと言えば、会社の目指しているビジョンであったり、スタッフさんの魅力。
意思決定の基準に、会社の内面を取り入れるしかないので、情緒を感じられる物語を発信することが大切なんです。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 単純な金額だけ、機能や品質の違いだけでなく、ビジネス的な関係性以外が最終的な決め手になることも多い。そのため、自社で行っている取り組みであったり、現場スタッフさんの魅力的なエピソードで、情緒的な物語を記載した内容にする。このテーマの場合はフォーム式で提供するのではなく、ページへ直に入れて誰でも見れる形にするのがオススメです。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・なぜしているのか ・なにをしているのか 「なぜしているのか」を先に見せることで、選ぶ理由となりやすい、明確な意思や企業スタンスを知ってもらえます。 |
案内メールのポイント | – |
CTA例 | – |
会社の人格そのものを感じる情報となるので、ビジネスライクのような一歩引いた関係性だと捉えられてしまう文章ではなく「あなたと一緒にやっていきたい」と真心が込められた文章にするのがオススメです。
注意点
「~しました。」のような事後報告的な内容ではなく、登場人物が数名出てきて色々な視点から語られたり、困難なことに立ち向かっているようなストーリーがおすすめ。
事例紹介系のホワイトペーパー
流入キーワードの例
- 〇〇会社 事例
- 〇〇会社 お客様の声
顧客心理
依頼したいと思っている会社が、実際にどのような価値を提供しているのか、他のお客様はどのように評価しているのか知りたいと思っている状態。
事例では「何をやったのか」も大切ですが、これは企業目線の情報なので、企業側がどのような姿勢で向き合い、どうやって想いに応えて、結果的にどのような成果を受けられたのか顧客目線の情報が大事。
実績を出せた事実に加えて、情緒的な感情を高める情報を入れたホワイトペーパーにすると効果的です。
項目 | 詳細 |
---|---|
作成時のポイント | 事例やお客様の声は、選ぶ理由を強力に後押ししてくれる情報。大きなプロジェクトも小さなプロジェクトも大小両方の事例と、サービスを体験している企業の声も記載したホワイトペーパーを作る形がオススメ。 |
枚数 | 5~10枚 |
構成例 | ・結果 ・依頼された背景 ・関わりが時系列で分かる情報 ・依頼した企業の感想 |
案内メールのポイント | 大きいプロジェクトも、小さいプロジェクトも、真摯に対応してきた事実を簡潔に伝えられるといいかもしれません。 |
CTA例 | ・売上を〇〇倍伸ばした~ ・成長率〇〇〇% 依頼した側が、どのような恩恵を受けたのか、明確に打ち出すのがオススメです。 |
注意点
「事例」をただの「事後報告」のような、感情のない情報にしてしまうのはもったいない。「事例」ではなく「お客様とのコミュニケーションの履歴」だと意識するのがポイントです。
送信時に使うメールの文章は種類ごとに変える
URL付き、またはPDFが添付されたメールを送る際、ホワイトペーパーの種類が違うのに、全て同じ文章で送ろうとしていませんか?
もしくは今現在、全部同じような文面で最初のメール(ファーストメール)を送っていたら、それが原因で見込み顧客を逃している場合も。
例えば、ウェブサイトのチェックリストのホワイトペーパーを、ダウンロードしてもらう場合を想定してみます。
Aパターン
送信頂きありがとうございました。こちらのURLからホワイトペーパーがダウンロードできます。
これだと、他の種類のホワイトペーパーをダウンロードした時にも使えますが、見込み顧客の状況や感情を無視しており、冷たい印象を受けます。
「企業対企業なのだから、それでいいのでは?」と思われるかもしれませんが、企業対企業の前に人対人。
Bパターン
公開後のトラブルが無いように、ウェブサイトをチェックする判断基準が分からないと不安ですよね。こちらの〇〇個のチェックリストを使って頂くと、弊社が行っている実際の制作フローと同じチェックができますので、安心して公開して頂けると思います。
どうでしょうか? 私の場合だったらBの文章の方が嬉しいと思ってしまいます。
見込み顧客が何かしらの問題・課題を認識したからこそ、検索をしてまで調べようとしているのと、人は自分が知りたいことだけを知りたいと思っており、関係ない情報があればすぐに別を探しにいってしまいますよね。
上記の例だと「ウェブサイト チェック」がずっと意識の中にあるため、
キーワード検索
→ コンテンツ確認
→ → ホワイトペーパーの認知
→ → → 案内メール
→ → → → ホワイトペーパーの確認
この流れの中で、ずっと「ウェブサイト チェック」の意識が外れないようにして、見込み顧客には自分事の情報だと認識させ続ける必要があります。
ホワイトペーパーだけ、メールだけと、部分的な考えではなく、全てが繋がっていると認識し、それぞれホワイトペーパーの種類ごとで、最適なメールの文章に調整していくのがオススメです。
ホワイトペーパーの間違った用意の仕方
検索されたキーワードによって、ユーザーさんが求めている情報は全く違ってきます。
検索キーワード
コンテンツマーケティング コンサルティング
用意したホワイトペーパー
コンサルティング事例
上記の場合は大丈夫ですが、
検索キーワード
コンテンツマーケティング コンサルティング
用意したホワイトペーパー
コンテンツの作り方
このホワイトペーパーになると、ちょっと求めている内容と違ってきませんか?
ユーザーさんはコンテンツマーケティングのコンサルティング会社を探しているので、コンテンツの作り方を知りたいのではなく、実績や信頼が確認できるコンサルティング事例の方だと言えます。
ホワイトペーパーを使った見込み顧客の獲得がうまくいってない場合、このような検索キーワードとホワイトペーパーの種類が噛み合っていない場合もあるんです。
検索キーワードに合わせて用意しないと「顧客と向き合っていない」ことにもなるため、ユーザーさんが求めている情報を的確に提供できる形にしましょう。
ホワイトペーパーのよくあるトラブル
競合と同じような内容になってしまう?
独自のノウハウや専門性を取り入れず、安い費用で簡単に作ろうとすると、競合他社も同じようなテーマでホワイトペーパーを作れてしまうため、内容が似てしまうことが往々にしてあります。
競合と同じようなホワイトペーパーであれば、その時点で選ばれる確率は下がるため、品質にはこだわって作るのがオススメです。
顧客が求めるホワイトペーパーが用意できない?
顧客が何に悩み、不安を感じているのか理解できなければ、本当の意味で顧客が喜んでダウンロードしてくれるホワイトペーパーは作れません。
また、顧客を理解することが、どんな種類のホワイトペーパーを作ればいいのか判断軸にもなるため、事前理解はとても大切です。
部分的に作ってしまう?
コンテンツだけ、ホワイトペーパーだけ、見込み顧客に送信されるメールの文章だけなど、部分視点で作ろうとすると、一貫性が失われ伝えたいことが伝わらなくなります。
ユーザーさんが辿る道を、分かれ道なく一本のキレイな道に整えてあげましょう。
ユーザーさんに合う種類のホワイトペーパーを、きちんと作ることが大事。
全ては繋がっている意識を持って頂けると、ホワイトペーパーを使ったマーケティングは機能します。
ホワイトペーパー作りに不安を感じているあなたへ
どんなホワイトペーパーを作れば、見込み顧客が喜んでダウンロードしてくれるのか。
それは、検索キーワードに合った内容で用意することです。
検索キーワードがたくさんあるように、作った方がいいホワイトペーパーの種類もたくさんある。
見込み顧客の気持ちやタイミングに合わせて、最適な情報を用意できれば、きっとあなたのマーケティング活動が、もっと良くなっていくと思います。
エンプレス編集部:sugiyama