2,000社以上を調べて見えてきたSaaS開発3つの型

  • | 公開 2021年12月16日
SaaS
2,000社以上を調べて見えてきたSaaS開発3つの型

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。SaaS企業さんに共通するポイントをまとめて「型」として3つに分類してみました。

業務効率化に繋がるSaaS、データを可視化してくれるSaaS、オンライン業務をサポートしてくれるSaaSなど、たくさんのSaaSが存在しています。

ビジネスモデルの中心がSaaSに成り代わってきましたが、新しく開発しようと思ったら、何をどうすればいいのか分からないこともある。

記事を作る過程で2,000社以上のSaaSを見て、共通した「型」を見つけたので、新規事業としてSaaS開発をしたい場合の参考になれれば嬉しいです。

調査してきたSaaS(一例)
国内SaaSのカオスマップ(約1,600社分)
【業界別】バーティカルSaaS一覧
【SaaS業界レポート】導入社数の一覧(ランキング表あり)
SaaS系キーワードのトレンドから見る2022年度の注目市場

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【一の型】必要とされる範囲

SaaSがどんな状況で必要とされるのか。

まずは大まかに6つに分けた状況から、SaaS化できる範囲を見てみます。

範囲個人チーム部署全体
社内(一部分)-
社内 ⬅➡ 社内-
社内 ⬅➡ 社外--
社内 ⬅➡ 顧客--
顧客 ⬅➡ 社内 ⬅➡ 社外--
顧客 ⬅➡ 社内 ⬅➡ 顧客--

それぞれ必要とされるSaaSジャンルの参考は下記。

社内(一部分)       例:SFA、リモートワーク、セキュリティ
社内 ⬅➡ 社内      例:勤怠管理、日程調整、経費精算
社内 ⬅➡ 社外      例:プロジェクト管理電子契約
社内 ⬅➡ 顧客      例:チャットボットコミュニケーション
顧客 ⬅➡ 社内 ⬅➡ 社外 例:三者間のプラットフォーム
顧客 ⬅➡ 社内 ⬅➡ 顧客 例:三者間のプラットフォーム

関わる範囲が変われば当然、必要とされるSaaSの種類も違ってきます。

また、みんなが同じ業務をしていればいいですが、業務内容・フローは各社で違うのと、業界によっても特別なルール・慣習があるので、どんなに良いSaaSだったとしても合わない場合も出てくる。

SaaSは機能やジャンルではなく、実際使う側の利用シーンに合わせて考えると失敗しにくいかもしれませんね。

業務シーンごとの違い

どの企業さんもミッション・ビジョンはあるものの、組織を発展・維持するためには、売上・利益を伸ばし続ける必要がありますよね。

そのため、売上作りを基本とした場合の、必要なSaaS例を見てみます。

業務シーンごとに必要なSaaSの違い業務シーンの一例
売上・利益:認知➡リード➡検討➡商談➡契約➡実行➡利益➡継続

必要なSaaS例
フロント :調査、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス
ミドル  :プロジェクト管理
バック  :採用、組織、労務、人事、契約、法務、データ、セキュリティ
ALL   :連絡、共有、コンテンツ、カスタマーサクセス

今まで「チャットボットを入れたい」「勤怠管理を入れたい」と、SaaSの種類から導入を検討する機会は多かったと思いますが、これはこれで業界認知が上がっているので良いこと。

しかし、名称・期待・状況がマッチングするかはまた違うため、業務・業態などお客様の利用シーンに合わせて開発していく必要ががる。

SaaSは少額で初期投資なども抑えて導入しやすく、たとえ合わなかったとしても切り替えしやすいですが、お客様側に大きなスイッチングコストが発生しています。

フィットするよう自分たちの開発プロダクトで「出来ること」を的確に伝える必要もありますが、誰に使ってもらいたいのか、お客様と業務シーンの解像度を高めていくことが、SaaS開発では求められています。

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【二の型】解決対象

SaaSを開発する時、起業家や開発者の「想い」や「狂気」が大きく影響すると思いますが、どのような不安・不満・不便・不快を感じて開発に至ったのか。

SaaSを使った解決対象の項目例
対象解決
手数複数業務を連結し自動化RPA
共有情報共有ナレッジ管理、マニュアル
手間手作業を少なく文字起こし、OCR
時間リアルタイムリアルタイム映像分析
分散紙ではなくクラウドで集約一元管理
連携API連携やアカウントを繋げるSSO(シングルサインオン)
時間時間に縛られないMA(オートメーション化)
技術熟練度・知識不要動画制作、ノーコード
距離物理的な距離を無くすweb会議・面接
機会タイミングを早める給料の即日払い
状況オフラインからオンラインリモートワーク
記録行動データの取得入退室管理システム
調査大量取得webアンケート、ネットリサーチ
物質物質をデジタル化ペーパーレス・電子署名
精神ネガティブをポジティブへES調査
分析データ分析BIツール

不満足を感じやすいこれらの対象、SaaS化によって対処できる可能性があります。

SaaS化を考えるキッカケとして、この表を眺めてもらうと、解決したい課題を見つけやすいかもしれません。

SaaS化したことで生まれる問題

「SaaSが全て解決してくれる!」は嘘で、新しいツールを導入した場合は、今までと働き方も変わるため、その影響で新たな問題が発生する場合もあります。

例:オフラインからオンラインへ移行
リモートワークでスタッフさんの行動が見えなくなる
結果、監視ツールなどの需要が高まった

例:DXを目指す
導入SaaSが増えすぎてしまってアカウントが管理しきれない
結果、SSOなどアカウントを一元管理するSaaSが必要になった

例:導入したSaaSが進化
部分的に使っていた別々のSaaSが進化して同じ機能を持ち始めた
結果、機能が重複するようになって使い分けが曖昧になってきた

例:SaaSが導入しやすい
個人やチームで何のSaaSを入れているか分からない(シャドーIT)
結果、SaaS for SaaSと呼ばれるSaaS管理のツールが必要になった

例:SaaSで得られる情報が増えた
情報は増えたが活用の仕方が分からない
結果、導入したSaaSを活かしきれていない

業務の多くをSaaSに置き換えるほうが楽になり導入は加速していますが、SaaSが増えたことでトラブルも増えやすくなり、そのトラブルを解決するSaaSも生まれている…。

課題解決のサイクル

SaaS導入が目的になって、あとで困った状況になる企業さんも多いため、提供側もしっかりと導入後の活用方法をレクチャーしたり、想定した上で進める必要もあります。

SaaS導入後の理想的な流れ
1 データを取得(取り込みも含む)
2 取得したデータを一元管理
3 集約したデータを分析
4 分析結果を元に改善

たとえば、データを集約して管理するまでの機能しかなければ、結果的にデータを十分に活用できないため、宝の持ち腐れになってしまう場合も。

管理だけで済む業務であればいいですが、SaaS導入で社内データが多く集まるようになり、取得➡管理➡分析➡改善までのサイクルが行えないと、SaaSを最大限活かしきれない状態に。

他にも、どの企業さんもデジタル化(社内DX)へ取り組み始めたばかりなので、まだ限定的な課題解決できる機能だけでもいいかもしれませんが、SaaSが当たり前になった場合は情報取得や管理だけでは機能が足らなくなってきます。

SaaSが増えて新たな問題も出てきますが、データをどう扱うかが勝負になってくるので、開発するSaaSはお客様が想定する一歩先を考えるくらいがいいかもしれません。

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【三の型】細分化

契約管理・オンライン学習・採用管理など、SaaSは色々ありますが、ジャンルが変わっても基本的に取得・管理・分析・改善などSaaSはデータを扱うことに変わりない。

そのため、全てデータの取得方法・活用方法の違いがSaaSの違いと言えそうです。

すでに市場でシェアを大きく広げているSaaSプロダクトに戦いを挑んでも勝ちにくいため、各社それぞれ軸をズラしたり細分化して、SaaS開発を行っています。

例:従業員さんのコンディション把握のSaaS
A社SaaSの場合
実施:半年に1回設問数が多い20~30分くらいのサーベイ
問題:設問が長い、半年に1度だとデータが増えない

B社SaaSの場合
実施:設問数を少なくした月ごとのサーベイ
問題:回答回数が増えるので適当に付ける人がでてくる

C社SaaSの場合
実施:設問数を少なくした毎日のサーベイ(パルスサーベイ)
問題:回答が手間に感じる

D社SaaSの場合
実施:回答ではなくチャットからコンディションを分析(エンプロイーサクセス)

上記はES調査の例ですが、「選択肢」を使った回答だと、意図的に本心を見せないよう嘘回答をする場合もでてくるため、回答は求めず普段の業務チャットから、コンディション・メンタル状況を分析するまで部分特化しています。※ ES調査とは、従業員満足度調査のこと。

他にも、ログインが必要だったものをログイン不要にしたり、どんどん手間を無くしてきている。

しかし、競合もそのまま負けてはいられないため、同じような機能を開発し、差が開いたと思ったら近づいて、この繰り返しになっています。

SaaSの機能開発の追いかけっこ状態持続的な開発力を持たないSaaSが厳しい状況に。

持続的な競争優位性を作っていかないと、SaaSで勝てない時代にもなっています。

SaaSの戦い方

SaaSでの戦い方には、各社悩みが尽きないと思います。

たとえ他社で成功した方法を真似たとしても、スタッフさんが違えば、意思決定者の思考が違えば、タイミングが違えば再現できないことも多い。

そのため、状況によって臨機応変に進め方を変えていくことが求められています。

特定の業界・業種・業務に特化

各社さんで、それぞれ業務フローが違うため、自分たちで開発しないかぎり「自社特化したSaaS」は存在しないものの、誰もが共通して困っていることがあります。

たとえば勤怠管理や経費精算、または普段コミュニケーションを取っているチャットツールなどがその代表的な存在。

しかしながら、業界特有のルールや進め方があり、比較的どの企業さんにも合うようなSaaSが導入できない場合も。

そこをチャンスと捉えて、業界・業種に特化させたバーティカルSaaSで勝負しているSaaS企業さんもいます。

バーティカルSaaSの参考
建設:SynQ Remote(ビデオ通話)
警備:コマイヌ(管制自動化)
洋服:シタテルクラウド(ワークフロー)
飲食:スマレジ(POSレジ)
店舗:Hansoku Cloud(店舗オペレーション)

合併・買収・統合

部分特化しているSaaS、市場は小さいかもしれませんが、特化しているだけあって「機能」も「使い勝手」も優秀ですよね。

しかし、部分特化しすぎてスケールしずらい状況だと、今まで垂直に高めていった機能を横に広げていくか、グループウェア化などを目指すSaaSに吸収合併、または親会社との事業統合などの道もあります。

合併・買収・事業統合したSaaSの参考
Salesforce + Slack(買収)
jinjer + Calling(ブランド統合)
freee + NINJA SIGN(連結子会社化)
moneyforward + スマートキャンプ(子会社化)
Adobe + マルケト(買収)

強いSaaS企業がさらに強くなっていく構図に。

特化から広げていく

最初はもっとも課題だと思われるポイントのみを解決するSaaSを開発し、お客様の満足度を高めていく。

しかし、競合他社も「売れる」と分かったら、どんどん参入してくるため、同じ機能のままではお客様が離れていってしまいます。

どんなに良いシステムでも、同じ状態が続けばお客様の期待値は薄れ、他のSaaSへ切り替えを考えてしまうため、徐々に求められている機能を広げていきます。

機能が増えればメンテナンスや、既存機能との連携などにも問題が発生してきますが、継続的に「できる範囲」を広げているSaaSが市場でのシェアをとっているような状態に。

特化から機能を広げていったSaaSの参考
HRBrain(人事評価+労務管理など)
ANDPAD(施工管理+受発注など)
ジョブカン(勤怠管理+採用管理など)

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他SaaSと連携前提

新しい市場を作るためSaaS開発していくのも魅力的…ですが簡単ではないですよね。

だからと言って、競合ひしめくレッドオーシャンの中に飛び込んでいくのも勇気がいる。※ レッドオーシャンとは、競合がたくさんいる市場のこと

しかし、参入したい市場でインフラとなっているSaaSを見つけ、API連携を前提としたSaaSも伸びている傾向です。

連携を前提としたSaaSの参考(SaaS for SaaS)
Yesod
Zapier
NiceCloud
Databeat
メタップスクラウド

インフラSaaSとの連携前提のSaaSは魅力的?

多くの企業さんが使っているSaaSプロダクトに対して、真正面でぶつかっていくと太刀打ちできませんが、並走するような状態が築けるとチャンスが生まれます。

たとえばツイッターに対する分析ツール(SocialDog)だったり、Wrodpressのプラグインとして販売機能(codoc)を付けたりと、すでにシェアをとっているSaaSに対してお客様の部分的なサポートをしていく。

インフラSaaSとの並走は、すでに市場が作られてお客様が存在していることが明確になっているため、恩恵を受けやすい。

仮に1,000万人規模の中から、1割でも使ってもらえれば100万人に使ってもらえると予測も立てられ、計画がしやすくなります。

API連携を可能にする

自社SaaSだけで、すべてお客様の課題解決が網羅できればいいですが、開発力・採用力・現場力など、さまざまなパワーが必要になってきます。

気持ちに応えたいものの、それに応えられない場合もあって、歯がゆい思いをしているSaaS企業さんは多いのかなと。

また、自社SaaSだけを考えたいですが、お客様としては複数のSaaSを使っているため、連携が「できる」「できない」で選択肢に「入る」か「入らない」かも変わってくる。

伸びているSaaS企業さんの多くは、他社SaaSとの連携を考えてAPIを用意して、連携を見越して開発していることが多いです。

市場に対して独自ポジションを築く

市場に対して、独自のポジションを築くことで、成長を伸ばしているSaaSもあります。

認知してもらう大変さはありますが、先発優位性(先行優位性)の恩恵もあるので、受け入れられた時は大きなメリットがある。

独自ポジションを築いているSaaSの参考
デスクレスSaaS(カミナシ
情報共有ツール(Notion
簡易データベース(Airtable
チームワーク(サイボウズ
※ 独自ポジションは、筆者が独自に調べた情報を元に掲載しています。

タレントさんの活用

SaaS開発も難しいですが、そこから出たばかりのプロダクトを売り込んでいくのはもっと大変。

なによりも認知度が無い状態から始めなければいけないので、SaaSは認知度を高めていくのが戦術としても組み込まれると思います。

そこで強力な助っ人になるのがタレントさんの力。

タレントさんを活用したSaaSの参考
テレシー(福岡みなみさん:2021年12月17日時点)
Green(滝藤 賢一さん:2021年12月17日時点)
b→dash(霜降り明星さん:2021年12月17日時点)
クラウドサーカス(指原莉乃さん:2021年12月17日時点)
Trust 360(今田美桜さん:2021年12月17日時点)
※ 契約期間など時期によってタレントさんの活用状況は変わってきます。

参考:今すぐ真似たいSaaSプロダクトのサイトデザイン(分類別)

価格設定

SaaSの価格設定、すごく悩むポイントだと思います。

しかし、機能がたくさんあっても使い切れず、費用対効果をあまり感じていない人たちもいますよね。

そういった場合には、機能を絞り込んで、本当に必要な部分だけにして、割安で提供すると、お客様に喜んでもらえる。

他にも、単純に高すぎて手が出せない企業さんも多いため、安易な安さは自分の首を絞めますが、安さによって使ってくれる企業さんが増える場合もあります。

戦略的に高める

機能を拡充したり、認知度・人気度などの高まりを見計らって、一段回価格を高めるSaaSもあります。

価格の上昇で離れていく企業さんもいますが、きちんとSaaSのメリットを理解してファンになっている、使い続けたいと思う企業さんは残り、さらに継続して使ってくれる。

理由なき値上げはダメですが、あとから値上げをしているSaaS企業さんは多いので、ABテストや競合の価格を踏まえながら試してみましょう。

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ビックテックを避ける

世の中の課題を見つけ、いざSaaS化!と進んでみたものの、たとえばビックテックと呼ばれるIT大手の企業さんが似たような機能を無料で公開してしまう場合もあります。

ビックテックの例
Microsoft:Power Automate Desktop(RPA)をMicrosoftユーザーに無料解放
Google  :Gmail、スプレットシート、文字起こしなど

機能単体であれば、資金力を持っている企業さんの方が強く、太刀打ちできません。

避けたとしても、あとから追従してくる可能性はありますが、ビックテックと重ならない領域を心がけ、またはぶつかるのではなくビックテックに寄り添う形のSaaSを開発している企業さんもいます。

ビックテックのすきを突いて成長するSaaSもある

ビックテックはお金もたくさん、人員もたくさん、開発力は底なしかもしれません。

しかし、システムの状況や方針が合わず、追加機能として盛り込めていないことも。

そういったお客様の課題感を見逃さず、巨大化したビックテックのすきを突いて、一気に開発を進めて食い込んでいくSaaSもあるので、戦い方次第ではビックテックにも負けないSaaSが登場しています。

自社ノウハウのSaaS化

人材管理・メール配信など、どんな仕事をしても合うホリゾンタルSaaSから、業界・業種にそれぞれ特化した課題を解決するバーティカルSaaSもあります。

その中でも、業務シーンから開発SaaSの着想を得るのではなく、今まで別サービスで収益を上げながら培ってきた自社ノウハウを起点にSaaS化して、間接的に知識提供している企業さんも増えています。

溜め込んできた自社ノウハウを活用したSaaSの参考
ブランド(ブランディングバンク)
web改善(KAIZEN VIDEO)
組織経営(識学クラウド)
人材管理(HRMOS)

量⬅➡質

SaaS開発はプロダクトを磨くことが重要視されていますよね。

しかし、マッチング系SaaSの場合、プロダクトの「質」だけでなく、プラットフォーム内の「量」も同時に求められています。

両方を高めていくのは大変ですが、「質」も「量」も高めているSaaS企業さんが成長している傾向。

「質」と「量」を獲得しているSaaS企業さんの参考
ビザスク(国内アドバイザー:120,000人超)
カクトク(登録営業職数:11,000人超)
note(6,300万)
※ 数値に関しては2021年12月17日時点の情報

自社で確保している顧客情報を活用

SaaSを売り出したい時、売り込みたい企業さんを探すために、営業リストツールを使ってメール営業をしたり、電話でアポイントを取ったりする場合もあります。

そこのように、まずはアウトバウンドのプッシュ型営業をしますが、名も売れていない状態での営業は、とても大変ですよね…。(そもそも話を聞いてくれない)

確かにまだ世の中に名前も知られていないようなプロダクトは、お客様の立場から考えれば「不信感」を感じやすいため、どんなにメリットや業務シーンに合うか説明しても聞いてもらえない場合も。

しかし、すでに自社が今まで獲得した顧客情報をたくさん持っている企業さんの場合、自社に対して「信頼」と「営業先」の確保が同時にできている状態なので、新しいプロダクトも売り込みやすい状態があります。

顧客基盤を活用したSaaS企業さんの参考
株式会社リクルートさん
パーソルホールディングス株式会社さん
エン・ジャパン株式会社さん

カスタマーサクセスによる伴走型

SaaSは機能の設計やUIなどの見た目、使い勝手まで全てを見られた上でお客様に評価されます。

そこに金額なども含まれてきますが、SaaSを導入した時に「ただ渡された」だけか、または「サポート」が入っているかでは、体験する価値に雲泥の差が生まれてくる。

単なる顧客サポートではなく、SaaS業界ではカスタマーサクセスと呼ばれる、お客様の成功を一緒になって推し進めていくスタッフさんの存在が、解約防止・継続率の向上からアップセル・クロスセルまで繋がっています。

カスタマーサクセスを部署として設けている企業さんもあれば、会社の方針そのものとしてカスタマーサクセスを取り入れている場合もあり、カスタマーサクセスの質によってSaaSの成長が大きく変わってきます。

カスタマーサクセスに定評があるSaaS企業さんの参考
株式会社SmartHRさん
アルプ株式会社さん
株式会社プラスアルファ・コンサルティングさん
oVice株式会社さん
株式会社ベーシックさん

最後に。

SaaS企業さんの共通事項をまとめて「型」と表しましたが、状況に合わせて瞬時に切り替えを行い、すばやく突き進めている企業さんほど成長していました。

導入がしやすい反面、切り替え前提でSaaSは選ばれやすいため、プロダクトだけでなく継続して使ってもらえるようカスタマーサクセスの概念を重要な位置に、どの企業さんも配置している様子。

今まで売り切りだった思考ではなく、企業と顧客がずっと並走しながら共に発展する持続的な関係性が求められており、逆にそれができないとSaaSとしては成功が難しいほど。

PLG(Product-Led Growth)やCLG(Community-led-growth)など、SaaSに特化したセールス思考も出てきているので、今後もSaaS業界からは目が離せませんね!

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は資料サービス「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツの制作から運用、100社以上のお客様支援を実施。そこで得たノウハウをコラムとして投稿中。
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