いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。お客様を「意図的に支配する」のではなく、心情を深く理解するための情報として、心理効果の一覧をまとめています。
「広告を出したのに反応が悪い…」
「お客様から断られてばかり…」
「売上があがらない…」
何をどうすればお客様の気持ちを動かし、実際の行動へ移してもらえるのか。
営業・マーケター・デザイナー・ライターなど、売上と密接に繋がっている仕事は、お客様の心理を理解する必要がありますよね。
相手がどのような気持ちになりやすいのか、そしてどこのポイントを押せば行動に移してもらえるのか。
少しでも行動を後押しできる、心理的効果をまとめてみました。
こんな方にオススメ!
・今の仕事がうまくいっていない方
・売上を少しでも伸ばしたい方
・最後の一押しができる方法が知りたい方
ネームコーリング効果
ネームコーリング効果とは、自分の名前を呼ばれると、呼んだ相手に好意を感じてしまう心理現象のこと。
名前は、その人の存在そのものを示す、本人にとっては大切な言葉であるため、名前を呼ばれることで自己を認識してもらえると感じます。
自分を認めてくれる人を、好印象に思うのは必然的ですよね。
使い方の例
会話
→〇〇さん、おはようございます!
ビジネスメール
→〇〇様、本日はお時間頂きありがとうございます。
手紙
→〇〇さん、お元気ですか?
単純ですが、相手の名前を入れ込みコミュニケーションを行うことで、ネームコーリング効果を期待できます。
効果
- 繰り返されることで親近感が沸く
- 相手に対する心理的ハードルが下がる
- お互いが歩み寄りやすくなる
注意点
- たった1度や2度で効果は発揮されない
- 必要以上に名前を呼びすぎると逆効果
- 距離感を間違えていきなり踏み込みすぎてはいけない
ハロー効果
ハロー効果とは、意思決定・行動するか判断を見極める際に、ある一定方向から受けた目立つ評価によって、印象が左右されてしまうこと。
たとえ何かが悪くても、ある特定の良い印象が強ければ「良い」という評価をされやすい。※ 終わり良ければ総て良しの状態
使い方の例
ポジティブな印象が目立つ:評価が上がる
→性格は怒りっぽいのに有名大学を卒業しているため「優秀」だと判断されやすい
ネガティブな印象が目立つ:評価が下がる
→仕事ができる人なのに遅刻の回数が目立つので社内評価が低い
印象の強い評価が、最終的なイメージとして定着しやすい心理現象のことです。本来評価されるべきポイントが人の認知によって歪められ、正しい評価を受けられていない人・製品・サービスもたくさん。
効果
- デメリットを目立つメリットで覆い隠せる
- 最後にポジティブな印象を与えられると全体評価が高まりやすい
- ヒト、製品、サービスなどどんなシーンでも活用できる
注意点
- メリットを目立たせようと嘘は付かないこと
- 印象を操作して本来の価値以上に見せないこと
- 他社/他人を貶めないこと
類似性の法則
類似性の法則とは、自分と似ている共通点を見つけることで、親近感を覚える心理現象のこと。
たとえば、同じ趣味を持つ方を好意的に思ったり、価値観などに類似点があると、相手に対する警戒心が下がり、心の距離が近づきやすくなります。※ 趣味嗜好だけでなく、性別などの身体的特徴から、国籍・年齢などの属性などさまざまある。
フットサルサークル・料理教室・オンラインサロンなど、同じ目的同士で集まっているコミュニティも、類似性の法則に当てはまるため仲良くなりやすい。※ 類は友を呼ぶ
使い方の例
商談時
→お客様と共通の話で盛り上がって警戒心を下げていく
アイドル
→昔は雲の上の存在だったアイドルを「会いに行けるアイドル」にしたのがAKB48
効果
- 無関心から関心へ代わり会話が進む
- 相手の自己開示が進んで深い話ができる
- 仕事、恋愛などさまざまなシーンで活用できる
注意点
- ネガティブな類似性を広げると炎上する可能性も
- 無理に作り上げた類似性はあとでバレやすい
ディドロ効果
ディドロ効果とは、理想としていたモノ・環境を手に入れた時、さらに理想へ近づけるため身の回りの生活レベルを引き上げようとする心理現象のこと。※ 理想 > 現実
たとえばブランド品のバックを手に入れたら、洋服からアクセサリーまで全身を、ブランドで一貫・統一したくなる心情を指しています。
誰もが一度引き上げた質を下げたくないのと、身の回りに質が低いモノを置いておくと居心地が悪くなるため、理想に合わせて行動しようとします。
使い方の例
引っ越し
→きれいな引っ越し先の家に古い家電を置きたくないので買い替える
念願のディズニーグッズを購入
→家の中をディズニー関連で揃えたくなる
今までよりもワンランク質を高めた場合、その質に合わせて身の回りも整えていくため、必然的に類似製品の購入が促されていきます。
効果
- リピーターが増えていく
- 購入商品の累計金額が高まっていく(セット、シリーズ販売など)
- ブランドのファンが増えていく
注意点
- 顧客の状況に合わない無理なオススメは逆効果
- ブランド力が低いと他社/他製品への乗り換えが発生
マッチングリスク意識
マッチングリスク意識とは、製品・サービスの購入前に感じる心理的な不安のこと。
金額の大小はあるものの、どちらであっても「本当に買っていいのか?」と損を回避したい気持ちが出てくる。
その反対に、マッチングリスク意識を感じさせない状態が作れれば、お客様から買ってもらえる確率が高くなります。
使い方の例
コンビニでお弁当を買う時
→腹ペコ具合と値段は「本当に釣り合うのか?」と購入を躊躇する
住宅購入時
→「この値段で30年以上保てるのか」事前にリスクを考える
買いたいものと出会ったけど、購入後に損をしないか考えます。リスクが大きいと感じたら買いませんし、リスクがない、またはリスクが低いと感じれば買います。
効果
- マッチングリスク意識を除外できれば購入してくれる人が増える
注意点
- 人それぞれで何にマッチングリスク意識を感じているか違う
- データばかりの分析ではお客様の心情を見誤りやすい
プライミング効果
プライミング効果とは、事前に受け取った情報が無意識に取り込まれ、その後の決断・行動に影響を与えること。
私たちは、意識して何かを買おうと思っているつもりでも、直前に入ってきた文字・画像・映像・音声・匂い・手触りなどに影響されて、行動を変化させています。
表に出ている意識ではなく、普段表には出てこない無意識によって、決断・行動が導かれていると言えます。
使い方の例
飲食店
→赤い部屋で食事をするとが食欲が高まるので注文が増えやすい
スーパー
→買うつもりもなかった焼き芋のイイ匂いがして買ってしまった
「なぜその行動をしたのか」明確に答えられない時は、無意識に入り込んでいた情報によって、行動を変化させている証拠だと言えます。
効果
- 無意識に入り込んだ情報に対する関連情報を連想しやすくなる
- 無意識に入り込んだ情報に対しての反応速度が高まる
- 買う気がない人にも購入を促しやすい
注意点
- プライミング効果を狙ったからと言って確実に成功するわけではない
- 売り込みのしすぎは広告だと捉えられて意識外に飛ばされる
バーダー・マインホフ現象
バーダー・マインホフ現象とは、新しく取り入れた情報によって意識の変化が起きると、そこに関連する情報ばかりを無意識に求めてしまう心理現象のこと。
たとえば普段は気にも留めなかったのに、桜の開花宣言をテレビで聞いた途端、街中を歩く際には桜の木が目に付くようになったり。
情報過多の世の中なので、ある程度はセーブして脳に取り込んでいきますが、驚き・喜び・恐怖など、刺激が強い新しい情報が入ってくると、その情報に対する知識欲が発動してどんどん探してしまいます。
注意点
新しい情報だとしても心を動かされ自分事に感じなければバーダー・マインホフ現象は起こらない
両面提示
両面提示とは、メリット・デメリットなど表裏両方を説明すること。※ メリットのみ、デメリットのみ、片方だけを提示することを「片面提示」と言います。
イイ事ばかり伝えられても「裏があるんじゃないか…」と心配になりますし、デメリットだけなら恐怖が増して拒否反応が出やすくなる。
効果
両面を伝える側 :隠しごとはせず正直さを感じてもらえる
両面を伝えてもらう側:比較検討ができ最適な意思決定ができる
お互いメリットになるので、何か情報を伝える場合は両面提示を心がけるのがオススメです。
注意点
- 良い/悪いに極端な差を付けてしまうと逆に怪しくなる
- 相手に理解できない言葉で説明しない
- 感情的な人に対して論理的な両面提示は合わない
アフォーダンス効果
アフォーダンス効果とは、過去の経験・体験で得られた情報によって、同じような状況になった場合でも、すでに記憶している情報を駆使すれば行動・思考のショートカットができること。
たとえばiPhoneの[〇]ボタンを押すとホーム画面へ移動しますが、Androidも同じように[〇]ボタンがあり、状況が変わっても過去の体験から同じような現象が起こせると判断できます。
固定概念にも近しい考え方ですが、過去の情報から共通性を見出して活用することを指します。
使い方
矢印の意味をしっている
→エレベーターに乗った時、上は昇り、下は下ると、矢印の向きで判断できる
他のwebサイトで同じような体験をしている
→三本線(ハンバーガーメニュー)はメニューを開くボタンだと推測できる
すでに他で類似の経験・体験をしているのであれば、同じ状況なら同じ結果が得られると推測しやすい。人の行動を妨げないためには、アフォーダンスが効きやすい状況を作ることが大切です。
効果
- 初めての体験でも過去の類似体験を思い出し適用してもらいやすい
- 細かい説明をしなくてもいい
- デザインに幅を持たせられる
注意点
- まったく新しい概念を取り入れると過去情報が使えず理解されない
- 人それぞれで情報に対する「定義」が異なるため結果がズレる場合がある
アンダードッグ効果
アンダードッグ効果とは、追い込まれている弱い立場の方を、応援したくなる心理現象のこと。
単に不利な状況だとしても効果は得られず、負けている側の姿や行動が、見る人の心を動かした際に発動します。
大きい存在へ立ち向かっている様子や一生懸命さなど、自然と「頑張れ~~~!」と思ってしまう状況で、アンダードック効果が表れます。
使い方の例
スポーツ観戦
→負けているがひたむきに頑張る姿に感動して応援したくなる
効果
- 声援/応援が力になって逆転勝ちすることがある
注意点
- 負けが決定しているような状況では効果が発揮されない
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、人気・有名であったり、有利な状況を手にしている側へ便乗しようとする心理現象のこと。
誰もが負けたくない、損をしたくないと思うため、すでに勝ちそうな側へ付いて損失を回避したいと思う心があります。
自分の力ではなく、他者の力に頼る前提ですが、無理せず勝てる道があるなら、そちら側にいくのは当然の心理です。
効果
- 自分に力がなくても勝てる側に付くことで恩恵が受けられる
- "勝ち馬"に乗る人が増えるためさらに勝率も高まっていく
- バンドワゴン効果が得られると選んでもらえる確率が高まる
注意点
- 虚像による"勝ち馬"の演出はあとで批判は必須
- 万が一負けた場合は共倒れになる
確証バイアス
確証バイアスとは、自分の正しさを証明するための情報ばかりを、無意識に集めてしまうこと。※ バイアスとは偏りのこと
少しでも都合が悪い情報は無視をして、自分の思い通りに話を進めたい。
確証バイアスは誰にでも起こりうることですが、悪いものに蓋をしてしまうことで、根本的な原因を見逃したり、結果として状況が悪くなってしまう場合も。
使い方の例
ビジネスシーン
→企画を通したいがために都合の悪い情報は資料に載せなかった
人間関係
→先入観として金髪はヤンキーだと思っており怖くて話しかけられない(実際に話すといい人ばかり)
現状維持バイアス
現状維持バイアスとは、新しいものを受け入れず変化も拒み、自分の当たり前を崩したくないと思う心理作用のこと。
変化への対応は時間も労力もかかるため、心理的ストレスを急激に高めます。
誰もが望んで面倒なことをしたいわけではなく、むしろ回避したいと思っている。
そのため、現状維持を望んで心にも体にも負担をかけたくないと思う心理が働き、変化への拒否反応となって出てしまうのです。
内集団バイアス
内集団バイアスとは、自分が属しているグループ・コミュニティ内の方に対して、好意的な印象を持ちやすい心理現象のこと。
たとえば、家族外の人よりも家族、または知らない人よりも友人を大切に思い、自分の身近な存在ほど好意的に思う傾向があります。
簡単に言えば身内となりますが、心の距離や関係性が深い対象を、高く評価します。
使い方の例
学校
→他クラスよりも所属する自分のクラスの方がいい
会社
→管理していないメンバーより管理しているチームメンバーの評価を高くしやすい
同調バイアス
同調バイアスとは、他者の意見・行動を無意識のうちに取り入れてしまい、調子を合わせてしまう心理現象のこと。
たとえば、権威がある方、上司や声の大きい方などの発言には、一種の正しさを感じてしまい「これを選べば間違いないかも…」と思ってしまう心理が出てきます。
誰もが自分の選択を間違えたくないと思っているため、多くの方が意見・行動しているものは正しいと思い、失敗の回避のためにも同調が起きやすい。
また、自分1人だけ違う意見・行動をとるのは勇気もいるため、合わせることで心理的ストレスを軽減させています。
信念バイアス
信念バイアスとは、結果・結論が正しければ、仮定も同じく正しく感じてしまう心理現象のこと。
つまり「終わりよければすべてよし」。
仮定に対して深く考えようとせず、最終的な高評価が全体に影響している状態。
ジンクピリチオン効果
ジンクピリチオン効果とは、聞きなれない単語やカタカナ言葉を使われると、よく分からないけど「凄そう」と、相手の評価を上げてしまう心理現象のこと。
分からないからこそ、相手が分かって使っていると思い込み、勝手に格上の存在だと思い権威性を感じてしまう。
専門用語など、あえて使うことで知識人を示し、自分にとって有利な状況を作れる場合もあります。
使い方の例
商談時にあえて難しい単語を入れてみる
→専門性を感じて交渉を有利に進められる
効果
- 専門情報の提供によって専門家として認知される
- 分からない言葉をぶつけることで衝撃を与えて印象に残りやすくなる
注意点
- 相手が分からない言葉を使いすぎると逆効果
- 説明が不十分と見なされてあとでクレームが入ることもある
- いい所を見せようと口から出まかせはメッキが剥がれやすい
ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、情報提供したい側が直接伝えるよりも、近しい友人・知人や他者から伝えられた情報の方が、信頼性を感じやすい心理現象のこと。
たとえば信頼している人から「これオススメだよ」と言われれば、このような構図になります。
通常 :商品
ウィンザー効果:商品 + 他者の信頼性
つまり「この人も言ってるから安心できる」という、他者の信頼性が付与されることで、その情報自体の信頼性が底上げされる。
さらに信頼している人から言われた情報であれば、高い信頼性が加わるため、効果も高くなります。
使い方の例
インフルエンサーが商品をPR
→身近な信頼できる人からの情報なので買いたくなる
書籍を出版する際に有名人の推薦文を掲載する
→他者からの推薦によって「買っても大丈夫」のお墨付きが得られる
効果
- 他者の評価によって調べる手間が省かれ意思決定/行動が早まる
- お客様の声や事例が増えると会社としての信頼性が高まる
注意点
- 利害関係の無さが重要だがステルスマーケティングが発覚すると炎上
- 誰でもいいわけでなく信頼している人から伝えられた方が効果的
- 都合のいい情報だけが出回っても逆に信頼を落とすことになる
おとり効果
おとり効果とは、選択肢が2つある中で、明らかに劣った選択肢を追加すると、既存の選択肢の良さが際立つことで選びやすくなる心理現象のこと。
おとりとは誘いよせることで、意図した選択肢を選ばせる確率を高めます。
例1
商品A:◎
商品B:〇
差があまりないため比較が難しい
例2
商品A:◎
商品B:〇
商品C:×(追加の選択肢)
商品Aの存在が際立つため選ばれやすくなる
効果
- 選ばせたい選択肢を選んでもらえる確率が高まる
注意点
- 極端に劣った選択肢を追加すると疑わしく思われてしまう
- 差を感じない選択肢を追加すると比較が難しくなる
損失回避性
損失回避性とは、「得」することよりも、「損」をすることに負担を感じる心理作用のこと。
例
パターン1:1万円を手に入れる
パターン2:1万円を失う
パターン1は、もともと存在しない状態から追加されるものですが、パターン2はすでに保有している中から失うため、強いストレス(恐怖・不安など)を感じて損失を回避しようとする心理が働きます。
希少性の法則
希少性の法則とは、市場で求められている量より、提供できる量が少ない場合、「手に入りにくい」と思う心理から価値を高く感じてしまう心理作用を指します。(または市場における経済的原理)
例
需要が高く、供給が少ない → 価値が高くなり値段も高くなる
需要が低く、供給が多い → 価値が低くなり値段も安くなる
求めているのに手に入らないと、「何としてでも欲しい」と思う欲求・欲望が高まっていくため、価値がある感じやすく値段もそれ相応に変わっていきます。
スノッブ効果
スノッブ効果とは、すでに出回っているモノに対して「時代遅れ」と感じたり、自分らしさの追求から他人と同じモノを買い控える心理現象のこと。
「流行」や「みんなと一緒」に惑わされず、自分だけの価値観を信じて、1点ものや限定品など希少価値が高いモノを好む傾向があります。
例
人気商品 → みんなが持っているから買いたくない
限定品 → みんなが持っていないから買いたい
個性を発揮するためにも、周りと同じになることを嫌がるのが特徴。
効果
- 購入者の心理的満足によってファンになってもらいやすい
- 入手難易度が高くても強い欲求によって購入まであきらめない
注意点
- 希少性を保つために供給量は増やせない
- 希少性は高単価になりやすいため買える人が限られる
テンションリダクション効果
テンションリダクション効果とは、心理的な負荷が大きくかかった後に解放されると、緊張の糸が緩んで注意力・警戒心が下がる心理現象のこと。
たとえば高額商品を買った後、「これくらいならいいかな」と思い低価格商品もついでに買ってしまいやすかったり、提案されるとついつい承諾してしまった経験はありませんか?
本当は不要なのに、注意力・警戒心が維持できない状態になっているため、正常な判断ができないまま購入を決めてしまう。
精神的な緩みによって、提案側の有利な状態となります。
シャンパルティエ効果
シャンパルティエ効果とは、大きいと軽く、小さいと重く感じる錯覚のこと。
項目 | わたあめ | ダンベル |
---|---|---|
重さ | 10Kg | 10Kg |
体積 | 大きい | 小さい |
言葉のイメージ | 軽い | 重い |
同じ10Kgだとしても、重く感じるのはダンベルの方ではないですか?
これは、言葉のイメージが大きく関係しており、ふわふわな「砂糖菓子」と、重量感のある「鉄」のイメージから感じる重さの違いが、大きく影響しています。
活用方法
シャンパルティエ効果はこのような形で活用できます。
パターン1:ビタミンC配合のドリンクが100円
パターン2:ビタミンC配合のドリンク(レモン200個分)が100円
より価値の高さを感じるのは、パターン2の方ですよね。
パターン2は、モノ的には小さいのに、ぎっしりと成分が入っていることをイメージできるため、お得感を感じてもらえます。
プラセボ効果(プラシーボ効果)
プラセボ効果とは、本当はそのような効果がないのに、思い込みや信じ込むことで、求めた効果が得られること。
たとえばお医者さんに「〇〇に効く成分が入っている薬」と言われたが、実は有効成分などは入っていないのに飲んでいる本人は「効果がある」と信じ切っているため、段々と症状が直ってきたり緩和を感じてくる。
思い込みが体に作用して、自然治癒力を高めて直してくれると考えられています。
フレーミング効果
フレーミング効果とは、強調された情報によって意識の柔軟性が無くなり、意思決定が片方に寄ってしまう心理現象のこと。
強調された情報で、下記のように影響が入ります。
強調:ポジティブな面
思考:何も失ってない状態から考える(基準点0からプラスで考える)
心理:確実性を求めて失敗したくない心理になる
例 :「10人中1人」よりも「10人中8人」が選んでいる商品を選ぶ
強調:ネガティブな面
思考:失っている状態から考える(基準点100からマイナスで考える)
心理:リスクを取ってでもこれ以上損失を増やしたくない心理になる
例 :パチンコで負けていても「次は…」とさらにお金をつぎ込んでしまう
ウェブレン効果
ウェブレン効果とは、値段の高さに比例して価値が上がっていき、求められる頻度が増えていく現象のこと。
たとえば生活用品など、普段使いの商品であれば安い方が求められるものの、車・時計・アクセサリーなど嗜好品に関しては、値段が高いほど保有者の社会的身分の格上げが起きるため、求められやすくなる。
お金持ちがブランド品をこぞって買う現象でもあります。
使い方の例
- 手に入りにくい商品の値段を高める
効果
- 値段の高さによって希少性を感じてもらえる
- 手に入りにくい状態になるためスノッブ効果も得られる
注意点
- 単純に値段を高くすればいいわけではない
- 高さの理由を示さないといけない
- 今はSDGsやサスティナブルなどの社会問題に配慮しないといけない
返報性の原理
返報性の原理とは、親切にしてくれた相手へ、自分も何かお返し・お礼をしないと悪いと感じてしまう心理現象。
日本人は義理人情を持ち合わせているため、受けた恩に反応しやすく、何もしないと罪悪感が芽生えやすい。
つまり「何も返さない自分は悪者だ」と感じる心理が、おのずとお返しを誘発します。
使い方の例
スーパー
→試食を配ると食べた側は申し訳なく思い商品を買ってくれやすくなる
ビジネスシーン
→親切にしてくれた担当者へ追加発注をしたい気持ちになってくる
効果
- 買う気を起こしてくれる
- 意識をこちらへ向けてくれるキッカケになる
- 両者の心理的距離が近づく
注意点
- 恩着せがましい態度は原理が働かない
- 好意は好意で返され、敵意は敵意で返される
- お返しを強要すると不信感となり逆効果
保有効果
保有効果とは、自分が所有しているモノに対して、価値を上乗せしてしまう心理現象のこと。
- 自ら手に入れた(自己満足)
- 頑張って手に入れた(苦労)
- 持っている期間が長い(愛着)
- 失いたくない(恐怖)
など、さまざまな感情によって、モノの価値が高まっていく。
他者にとっては無価値でも、本人は価値を感じているため、一度所有してもらえれば、長く保持してもらえる確率が高まります。
例
ペット
→一緒に暮らし始めると欠かせない存在になっていく
漫画
→1冊買うと続きを揃えたくなっていく
アンカリング
アンカリングとは、最初に与えられた情報(数字など)に、判断軸が寄ってしまう心理現象のこと。
先に受け取った情報がアンカー(固定された基準)となり、そこからモノゴトを判断するようになる。
つまり、印象付けたい情報を、相手の判断前に提供することで、提供側の思惑にのせやすくなります。
使い方の例
スーパーの例
お一人様リンゴは2個まで:最大2個買えると認識
お一人様リンゴは5個まで:最大5個買えると認識
※ 基準点を与えることでそこまでの数で考える
洋服店の例
今なら5千円 → どのくらい安くなっているのか分かりづらい
今なら1万円が5千円 → 元の価格が分かった中での割引なので安さを感じやすい
※ 基準点からどのくらい安くなったのかを見せると効果的
効果
- 情報提供側は有利な状況が作りやすい
- 誰に対しても一定の効果が得られる
- アンカリングを変えて試しやすい
注意点
- 同じアンカリングを使い続けると効果を失う
- アンカリングの効果を高めようと虚偽はダメ(景品表示法にも反しやすい)
- 論理的な思考を常に持つ方には通用しずらい
決定回避の法則
決定回避の法則とは、選択肢が多すぎると情報量が増えてしまって、逆に選べなくなってしまう心理現象のこと。
判断・意思決定はしたいけど、一つ一つを検討・比較するには時間も思考力も必要になってくるので、無意識でかなりのストレスを感じます。
決断力が鈍るので、結果として「選ばない」選択をとってしまう場合もある。
例
選択肢が10個 → 数が多いので選びにくい
選択肢が3個 → 数が少ないので選びやすい
もちろん、時間が十分にあって、一つ一つ判断するための情報を探せる場合はいいですが、私たちは日々そこまで時間をかけてはいられません。
そのため、選択肢の多さは選べない原因にもなってしまいます。
単純接触効果(ザイオンス効果)
単純接触効果とは、無関心であったモノ・ヒト・コトに対して、接触回数が増えるほど関心を寄せるようになる心理現象のこと。
別の言い方をすれば、接触回数に比例して、その対象に対する心理的ハードルが下がっていくため、親近感や親密さが増して好意に発展していくことだと言えます。
視覚・触覚・味覚・嗅覚・聴覚など五感による情報取得で発動し、何か特別なことをしなくても、単純に会う回数が増えたり、見聞きする回数が増えれば、単純接触効果が発動。
購入したモノ → 愛着が沸いて手放せなくなる
異性の友人 → 好意を抱き、その気持ちが発展して好きになってしまう
※ 発動条件は「繰り返し接触する」ことだけ。
ツァイガルニック効果
ツァイガルニック効果とは、本人または他者の影響によって、最後までやり切れなかったことが、ネガティブな記憶として強く残る心理現象のこと。
たとえば、途中で中断してしまう状況は、不完全燃焼・負けて悔しい気持ち・別れて悲しい気持ちなど、行き場のない心の負として残ります。
ネガティブな体験ほど、感情が大きく動くため記憶にもこびりついてしまう。
人間の習性としても、生き残るために危険・悪い体験にはすぐ反応し回避できるようになっているため、ネガティブな情報ほど記憶に刻み付けられるようになっています。
例
恋愛:まだ一緒にいたいタイミングで解散すると相手のことが気になってしまう
部活:試合で負けて途中敗退の記憶が残り続けている
カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、してはいけないことや、命令され止められていることなど、反発心から逆の行動をとってしまう心理現象。
禁止されていると興味関心が引かれてしまい、さらには制限されたことで感じるストレスを、開放したい気持ちから実際に行動も起こしてしまいます。
ダメと言われるほど、人間は強い反応を示す。
ホーン効果
ホーン効果とは、モノゴトの価値を見極めたい時に、一つでも都合の悪い情報を知ってしまうと、そちらに意識が寄ってしまう心理現象のこと。
たとえば、どんなに口コミの高い商品であっても、マイナス評価を見てしまうと、買うのをためらってしまいます。
ネガティブな意見があると、全体としては数が少なかったとしても、失敗を恐れる習性から重く感じてとってしまうため、無意識的に回避しようとする。
バーナム効果
バーナム効果とは、世間一般の方に当てはまる占い・血液型・性別・出身など用いた説明をされると、自分事だと感じてしまう心理現象のこと。
本当は、多くの人に該当することなので、自分以外も対象者であるのにも関わらず、自分だけのことだと感じやすい。
なぜならば、自分の特徴を言い当てられると「この人は、私のことを分かってくれている!」と感じることから、心理的ハードルが下がり心の距離が近づいていきます。
早い段階で信頼を感じるようになるため、その後さまざまなことを説明されても、納得しやすい状態になってしまう。
チアリーダー効果
チアリーダー効果とは、女性の前では男性の思考・行動が大胆になって、カッコつけたり魅力をアピールしたくなる心理現象のこと。
女性の存在そのものが、男性をポジティブにさせる原動力にもなっています。
人間の生存本能、求愛行動にも近しいかもしれませんね。
迷信行動
迷信行動とは、偶然起こした行動と、得られた結果の2つ合わさることで、関連性があると思い込んでしまう心理現象のこと。
たとえば、スポーツ選手が重要なタイミングの前に同じ行動を取ったり、試合へ勝つために勝負飯として「カツ丼」を食べたりするのも、迷信行動と言えます。
良い結果が出たタイミングで行っていた特定行動を紐づけて記憶している。
結果が出ると、改めて特定行動による再現性を信じて、繰り返すようになります。
悪い結果の場合も同じで、行動と悪い結果が合わさると、その行動を取らないようになる。
疑似相関
疑似相関(ぎじそうかん)とは、本当は何も関わり合っていないのに、2つ以上の事象の間には、何か意味のある関係性が存在すると推測されてしまっていること。
はっきりと見えないからこそ、何かしらの関係性があると感じてしまい、見せかけの因果関係を作ってしまう。
思い込みや先入観によって、ありえない結びつきを作ってしまいます。
使い方の例
- 雨が降る確率とビジネスマンの出社率
- パソコンの売上と住宅ローンの減税率
スリーパー効果
スリーパー効果とは、信用できない人や媒体から得た情報でも、時間が経つと信頼性の低さを忘れて、内容だけが記憶に残ってしまう心理現象のこと。
信頼性・信憑性などは、その当時感じていた度合いであるため、時間が経過するほど当時の度合いも変化していたり、思い出せなくなっています。
たとえば営業しすぎて何度も嫌な顔をされたとしても、1年後など時間を置いて再度アタックしてみると、意外と怒られずにすんなり話を聞いてもらえたりする。
特に、悪い印象を持たれている場合は、時間を置くことがオススメです。
選択的注意(カクテルパーティー効果)
選択的注意とは、多種多様な情報が飛び交っている状況でも、本人に関する情報だけは無意識に知覚できる脳の機能のこと。
たとえば、病院でたくさんの人がいる中でも、自分の名前を呼ばれるとすぐ反応ができます。
意識的に情報を捉えているわけではなく、無意識で自分に関する情報がキャッチしやすいようになっています。
サブリミナル効果
サブリミナル効果とは、人間が意識的に捉えられるギリギリの情報を見せることで、無意識の中にこっそり刷り込ませること。
たとえば、ある映像を流している最中に、ほんの数秒だけ特定のメッセージを瞬間的に何度も忍ばせると、無意識の中に入り込み無意識でメッセージに書かれた行動を起こしてしまう。
サブリミナルは「潜在意識の」という意味。
認知的不協和
認知的不協和(にんちてきふきょうわ)とは、ネガティブな本音があるのに、そこを認めたくないために、ポジティブな思考・行動を無意識に取ろうとする状態。
たとえばブラック企業で本当はツライのに、不快感を抱えていられないため「忙しいのはやりがいがあっていいものだ」と、認知を逆転させて見せかけのポジティブ化を行います。
マイナスをプラスで考えますが、本音としてはツライので、心の中では様々な意見があるため葛藤により精神衛生上悪い状態になっています。
吊り橋効果
吊り橋効果とは、心臓がドキドキしているタイミングで、本来好意を抱く人へ感じるドキドキと心臓のドキドキを紐づけて、同じだと考えてしまう心理現象のこと。
たとえば、男女でホラー映画を見たら、心拍数の上昇と共に相手への好意も上昇していると錯覚することで、恋愛感情へ発展しやすくなります。
実際に体験した出来事が、そのまま感情へ作用するというもの。
気分一致効果
気分一致効果とは、記憶したい内容と感情が一致していると、より鮮明に記憶できること。
たとえば、ポジティブな出来事と感情、ネガティブな出来事と感情が、それぞれマッチすると後で思い出しやすくなります。
また、気分の上下によって見える面も変わってくる。
ポジティブな時:良い面が目に付きやすくなる
ネガティブな時:悪い面が面に付きやすくなる
気分と行動が密接に繋がっていることを指しています。
注意の瞬き
注意の瞬きとは、短時間の中で集中しなければいけない対象が増えると、少し前に集中した対象が意識から外れてしまう心理現象のこと。
私たちの注意力は有限ではなく、限度があるものです。
1度に大量の情報が送り込まれても、脳が全てを処理しきれず、もっとも新しい情報にのみ注意力が回っていきます。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、他者からの期待によって、その気持ちに応えたいと思う心理から、普段よりも力を発揮できて成果が出しやすくなる心理効果のこと。
人は自分のためよりも、自分以外の他者のために動く方が力を出しやすい傾向があります。
ただし、過剰な期待を寄せたり、信頼関係がない状態で期待をしても、相手の心には火が付かないため効果は出ません。
知識の呪縛
知識の呪縛とは、知る前と知ってしまった後では、知る前の状況や感情が理解できなくなる現象のこと。
これはどの分野でも起こり得ることで、知っている人は、知らない人の立場からモノゴトを見れない。
知識を持つ側は、「自分の当たり前」を「相手も当たり前」だと思ってしまいやすいため、改めて初心に帰ることが大切です。
ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)
ギャンブラーの誤謬とは、ある特定の期間内で、特定の事象が起きたのであれば、次は別の事象が起こるだろうと勝手な期待をしてしまう心理現象のこと。
たとえば、パチンコで負け続けたけど、次は絶対に大当たりが出るはずだと、何も根拠がないのにお金をつぎ込んで損をしてしまうような状況を指します。
一定期間の連続した確率をもとに判断しますが、本当は1回ごとの確率の方が大切。
ギャンブルなど特殊な条件化では、冷静な判断ができない場合もあるので、ギャンブラーの誤謬と呼ばれています。
チェリー・ピッキング
チェリー・ピッキングとは、自分に都合のいい情報だけを見て、相手にとっても都合のいい情報だけを見せたいと思う心理現象のこと。
不都合な情報は全て無視して、見たいものだけを見る・見せることを指します。
無意識で行われている部分もありますが、情報を見せる側で考えると、意図的に不都合な事実は隠して、良い面だけを見せ有利に進めようとする魂胆が見えます。
いい事ばかりが並んだ情報を見たこともあると思いますが、その裏には関らず悪い情報も存在している。
お客様へ不信感を抱かれないように、メリット・デメリットの両方を提示することで、信頼性を感じてもらえます。