
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。サーベイは組織の見える化から、うまく活用できれば現場の人材力を高めて、売上・利益を人事主導で伸ばしていけます。
- 目次
- サーベイとは
- サーベイの目的
- サーベイの流れ
- サーベイができること(効果・メリット)
- サーベイ実施は意味がない?(デメリット)
- サーベイを行うシステム
- サーベイシステムの導入から活用までのステップ
- サーベイの回答率を高める方法
- サーベイ導入後の注意点
サーベイとは
サーベイ(survey)とは、簡単に言えば調査に関わる行動全てを総称した言葉。
調査項目の設計から実施、そして回収などの一連の行為を広い意味でサーベイと呼びます。
そのため、サーベイ=調査という意味で覚えると分かりやすいですね。
サーベイの種類
サーベイは調査を実施するうえで使われる言葉ですが、調査範囲が広すぎて使いづらいので、もう少し限定して使われています。
あなたも「〇〇サーベイ」と見聞きしたことはありませんか?
〇〇の部分が、サーベイの対象になりますが、色々な種類があるんです。
名称 | 定義 | 回数 |
---|---|---|
〇〇サーベイ | ||
組織サーベイ | 組織の状態を診断するための調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
従業員サーベイ | 従業員のメンタル・体調・エンゲージメントを診断するための調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
モラールサーベイ | 従業員のモチベーションを診断するための調査※モラールとは労働意欲・会社に対する忠誠心など | 年1回 or 数カ月ごと |
パルスサーベイ | 断続的に最新の状態を診断していく調査 | 毎日 or 週1 or 月1 |
エンゲージメントサーベイ | 従業員の帰属意識や愛社精神を診断するための調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
エンプロイーサーベイ | 従業員の満足度や愛社精神などを診断するための調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
その他の調査名 | ||
アンケート | 質問項目に沿って回答してもらう調査 | 都度 |
リサーチ | ある特定の事柄を調べるために行う調査 | 都度 |
組織アセスメント | 組織の状態を客観的に評価すること※この過程で調査が行われる | 年1回 or 数カ月ごと |
従業員満足度調査 | 従業員個々が感じる仕事・会社に対する満足度の調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
ストレスチェック | 従業員が感じる心理的負担を調べるための調査 | 年1回 or 数カ月ごと |
どのサーベイ・調査も軸は多少違えど、調べたいことに対して調査を行うことには変わりありません。
しかし、その多くはビジネス文脈なので、組織や人に関わる調査としてサーベイが使われる機会が多い。
そのため、下記の内容は主に会社・組織・従業員に関わる調査をサーベイとして説明していきます。
サーベイの目的
各企業さんでサーベイを取り入れており、私が働く会社でも月1度の組織サーベイが行われています。
あなたも実施したいと考えているなら、なぜみんなが使っているのか、その目的を知っておきたいですよね。
当然、何かしらの課題があるからこそ、解決のためにサーベイは行われていますが、どのような目的で行われているのか。
サーベイの目的はたった1つ
サーベイの目的は、人事が起点となり「経営」と「現場」をつなぐこと。
抽出できたデータで課題を浮き彫りにしたり、分析・施策・改善も行えますが、一番は上下間におけるコミュニケーションの促進だと思います。

経営と人材が分断されている、または繋がっていない場合には、さまざまな「人」の問題を発生させます。
- 離職
- 理念の浸透不足
- エンゲージメントの低下
など起きますが、逆に経営と現場のコミュニケーションがなめらかに繋がっているのであれば、組織・個の成長により業績が上がる。
人事問題は業績と連動するので、経営と切り離しては考えられません。
そのため、経営に直結する人事を行うために、サーベイが行われます。
人事問題は後手後手の対応が多かった
- 体調不良によって休みがち、または長期離脱が起こる
- 退職願いを出される
など、何か"事"が起こってから人事側で対応するシーンが多いですよね。
これらは未然に防げるものでもあるのに、キッカケに気づけないからこそ見逃して、後手後手の対応となってしまう。
サーベイが行えると、過去と現在を定量データで比較し、コメントなどの定性データから、問題が発生前に気づき先回りして対処できるようになります。
特に、定性的な主観がデータとなって見える化できるのは、非常に役立つ。
サーベイの良さ
サーベイの良さを一言でまとめると、従業員が感じる「現実」と「期待」のギャップが計れること。
現実と期待の差が広がっていると、
∟会社や業務に対するエンゲージメントが低くなる
∟エンゲージメントが低くなるとお客様満足が下がる
∟働く意味を見失うことで離職が増える
∟離職によるマイナスで採用もうまくいかない
結果として、組織が疲弊し競争力を失い売上・利益も下がっていきます。
ポイント!
経営層と現場では期待度に大きく差がでることも。ギャップが開きすぎている場合は、エンゲージメントの低下を招いているはずなので、解決したいところ。
エンゲージメントが企業成長に直結している
たとえば、今までもサーベイ・アンケートなどを行い、従業員が思っていること、悩んでいることなど吸い上げてきた場合、会社全体としての状態は分かるものの、組織ごと、チームごとでは分かりづらく、打ち手も見いだせない状態の方が多かったのではないのかなと。
そうこうしているうちに、会社の魅力が失われ(または伝えられず)、働く意味や気力が減退し、全体に広がることで売上・利益の減少に繋がる。
つまり、エンゲージメントは企業成長に直結していると言えます。
サーベイによって会社と従業員の距離を近づける
人数が少ない状態であれば、まだ社長さんや経営層と従業員の距離が近く、阿吽の呼吸で進められます。
それが多様な価値観を受け入れ、組織を拡大していくと、途端に会社と従業員の距離が離れていく。
見えないことが多くなり、見えないことをそのままにしておくことで、会社と従業員の対話の機会が薄れ、どんどん気持ちも離れていきます。
サーベイによって、従業員は本音を伝え、会社はそれを受け止める機会となり、関係が改善していける。
会社と現場が理解しあい、現実と期待のギャップの差を縮め、エンゲージメントを高めるための打ち手を見つけるのがサーベイです。
サーベイの流れ
あなたが社内アンケートなど行った経験があれば、サーベイを実施する流れも大きく変わりません。
ただ、サーベイを実施するためには、システム(またはツール)を使うことが一般的なので、私がいつも会社で受けているサーベイの流れをもとに書き出してみます。
- サーベイの質問を設定(またはシステムで用意された項目を使う)
- 従業員のメールに回答依頼が届く
- 回答が行われる(回答期限までに回答を呼びかける)
- データがリアルタイムで集計され確認できる(グラフ化など)
流れとしてはとても簡単で、サーベイのデータが簡単にグラフ化や一覧で見れるのは、手間がなくて助かりますよね。
サーベイができること(効果・メリット)
サーベイを本格的に、またはお試しで導入していきたい。
そう思っても、社内を説得したり説明材料が少なければ、なかなか始められません。
下記にサーベイができること、そしてどのような効果を感じられるのかまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 可視化しずらいエンゲージメントが計れる
- 入社からの早期退職が防げる
- 理念を浸透させられる
- 課題が分かり施策と優先度が決まる
- 開始後にすぐ集計と分析ができる
- 組織の状態を主観ではなく俯瞰して見れる
- 定量・定性データにより科学的なエビデンスが取得できる
- 現場マネージャーと人事・経営層で共通認識が持てる
- 従業員へ真摯に向き合える
- 人的資本が開示できる
① 可視化しずらいエンゲージメントが計れる
設定した質問項目にもよりますが、従業員が普段から感じている率直な感情・意見をもとに回答してもらえると、システム自体に組み込まれた計算方法によって、さまざまな指標で数値が出てきます。
- エンゲージメントの総合評価
- 仕事について
- 自己成長について
- 心理的・身体的な健康について
- 会社・上司・同僚からの支援について
- 人間関係について
- 会社について
など、これらの導き出された指標によって、組織の状態から従業員個々のエンゲージメントまで計ることができます。※ 導入するシステムによって指標が変わってきます
普段の会話だけでは分からなかったものが、さまざまな質問を通して知れるのは便利ですよね。
② 入社からの早期退職が防げる
毎日・毎週・毎月と、タイミングは会社ごとで異なりますが、定期的なサーベイの実施によって、過去データが溜まっていきます。
たとえば、年間を通してエンゲージメントの総合点を、折れ線グラフなどで可視化できるため、急に下降したタイミングがあれば、心体の不調が考えられます。
普段からよく話す、または注視できていない限り、従業員の変化には気づきにくものがあるので、サーベイを通して変化を見える化。
特に、入社したての方は、会社へ慣れるのに必死で、普段よりも余計に疲れやすい状態のため、変化が起きやすい。
気づいてすぐにフォローができるため、早期退職も未然に防げるのです。
③ 理念を浸透させられる
毎回サーベイを通して、理念や会社に対する回答を求める。
返ってきた回答の中で、理念に対する数値が低ければ、その従業員に対して改めて理念を説明したりフォローを実行。
また、会社としても理念の低さを打開すべく、新たな施策を実行する動機にもなり、この繰り返しによって従業員へ理念がどんどん浸透していきます。
その継続によって会社の風土や文化として定着し、普段から意識できるくらいの存在にもなっていく効果が得られます。
④ 課題が分かり施策と優先度が決まる
サーベイが実施できるシステムの多くは、回答のデータ化によって、科学的にさまざまな指標を可視化してくれるため、何が悪いのか課題が明確化します。
課題へたどり着くまでが早いため、すぐに優先度を決めて解決すべき課題を定める。
そして、その課題に対する打ち手を考えるまでがとても速い。
人の問題を迅速に解決するために、サーベイは欠かせない存在です。
⑤ 開始後にすぐ集計と分析ができる
単なるアンケートでは、質問の設計・発送・回収・分析・フォードバックまでの間に、それぞれ人力による手間があるため、回答後数カ月たって結果が公表されるような状態に。
作業自体がたいへんなので、分析や打ち手を考える前に疲弊して止まってしまう。
しかし、サーベイのシステムは完全にデジタル化されており、瞬時に回答結果をデータへ変換して、すぐに利用者に対して見える形で提供してくれます。
余計な手間がかからないため、余裕を持って分析が行えます。
⑥ 組織の状態を主観ではなく俯瞰して見れる
今までは「なんとなく雰囲気が悪いな」と思っていたものは、言葉では表しずらいものの、空気感として認識していた。
ただ、確証がないためにそのままにしていたら、組織内の各場所でトラブルが発生していることもあります。
主観で捉えていた組織の状態を、サーベイによるデータ収集と可視化によって、客観的に見れるようになる。
そこから俯瞰して、冷静な目で組織を眺めることができるため、根拠を持って打ち手を選び改善していけます。
⑦ 定量・定性データにより科学的なエビデンスが取得できる
アンケートをとっても、他社と比較をしたことがないために、良いのか悪いのかさえ分からない場合もあると思います。
また、質問設計を間違えると満足「している」「していない」のような短絡的な回答で、本音が見えないことも。
サーベイのシステムを利用すると、科学的に根拠のあるデータ取得ができるよう最初から設計されているため、定量・定性の両方のデータによって、信頼に足る情報が手に入ります。
ハッキリと数値として表れるため、意思決定の材料にもできますし、何より分かりやすい。
現在の組織・従業員の現実が見えてきます。
⑧ 現場マネージャーと人事・経営層で共通認識が持てる
「うちの部署は大丈夫!」と、断固として取り合ってくれない現場のマネージャーもたまにいますよね。
本人が面倒を見ているからこそ、きちんと出来ていると思ってしまいやすい。
しかし、サーベイを行うことで、数値として状況が分かるため、何がダメなのかが一目瞭然に。
現場マネージャー・人事・経営層は、情報の可視化によって共通認識がとれて、お互い歩み寄りやすくなります。
社長など一人のカリスマの力だけでは難しくなっている
社長に圧倒的な魅力があり、誰もが付いていきたい状況であれば、サーベイも必要ないかもしれません。しかし、現在は多用な働き方や価値観を許容しながら業務に励んでもらうためには、会社全体を通して目線を同じにしていかないといけない。そのキッカケとなるのがサーベイによる従業員からの本音回答です。
⑨ 従業員へ真摯に向き合える
サーベイは、ただ質問に回答してもらうための施策ではなく、回答して頂いた情報から会社(マネージャー・人事・経営層・社長など)が現状を把握し、何をすべきか見つめ直す機会の場でもあります。
最近は、テレワーク・リモートワークによって見えない部分が増えてきたり、新しい制度は取り入れたものの、古い制度・ルールが残ったままで疲弊してしまう従業員も多い。
今、何に困って、どうしたいと思っているのか。
定期的に現場からの本音を引き出し、会社と従業員の距離を近づけ、会社と従業員の関係を改めるための情報収集がサーベイで行えます。
⑩ 人的資本が開示できる
2018年12月に国際標準化機構から、企業は従業員だけでなく外部の株主・顧客などあらゆる関係先にも、人材情報の開示を行うガイドラインが発表されました。※ 人材情報の開示ガイドラインをISO30414(アイエスオーサンゼロヨンイチヨン)と言います。
人材情報とは人的資本と呼ばれており、人材に関わるさまざまな指標の開示が求められています。
- リーダーシップ
- 上司部下の信頼
- エンゲージメント
- 健康、安全
など、複数データの公開が必要であり、サーベイは人的資本を示すデータが多く取得できるため、投資家を求める企業などは、すでに人的資本の開示準備のため、サーベイを取り入れ始めています。
サーベイ実施は意味がない?(デメリット)
サーベイを行うことで、組織・人材の現状を把握できると共に、個の才能発掘・開花によって、業績を高める動きができます。
そう言われると、死角などは無く、やらない理由はないように思えますが、実はちゃんとデメリットも存在している。
ここを分かっておかないと、サーベイでいくら良い数値がとれても、見せかけの数値になっている場合もあるため、ネガティブな部分も確認しておきましょう。
- 本音で回答してもらえない
- 強制的な回答によって反発が生まれる
- 定期的な回答の意味を見失って適当になる
- フィードバックがないと回答する気さえ起きない
- 回答者の思考・性質によって判断が難しい
この5つに絞ってまとめてみました。
本音で回答してもらえない
サーベイは基本的に、本音で回答してもらえるであろう性善説で成り立っているところがあります。
現場のみんなが適当に回答をしていたら、そもそもやっても意味がないですよね…。
しかし、実際には下記のようなことで、本音回答をもらえないことも多い。
・忙しいから回答する時間がもったいない
→適当に回答する
・上司が嫌いだから回答なんてしたくない
→ネガティブな感情のままだから点数が低くなる
・会社への信頼がない
→会社からの依頼なんて受けたくない(だから適当回答になる)
本音が言えない・言いたくない状況が多々あるため、本当の意味で生きているデータを収集するのが、難しい場合もあります。
システムがカバーしてくれている
前提として本音回答が集まりにくいため、点数を5段階や10段階など幅を持たせたり、回答しやすい操作画面などシステム側でカバーしてくれています。
強制的な回答によって反発が生まれる
サーベイをすれば、かなりの確率で発生するのが「上から数字を良くしろと言われた」問題があります。
これは、サーベイの結果が悪いため、経営層から各組織へ改善命令が入り、そのことを各マネージャーが現場へ横流しのように伝えてしまうことで、現場が強制されているような感覚になり、本音ではなく「上からの命令で数字をあげないといけない」思考になってしまうこと。
結果が良くなれば、横やりは入らず、いつも通りの業務が行えるため、意識的・無意識的にも高い点数を付けやすくなる。
このような雰囲気になった時点で、サーベイの意味は失われます。
定期的な回答の意味を見失って適当になる
サーベイの種類で、年1・月1・毎週・毎日など回数はそれぞれ違うものの、定期的な回答をすることは共通しています。
回答をすること自体はいいのですが、現場が何のためにわざわざ自分の時間を使ってまで回答しないといけないのか、意味・意義が分からないと、結果的に適当な回答が増えていく。
「数十問くらいの回答であれば出来るよね」この感覚は経営層やサーベイを出す側の発想であり、現場としては「ムダなことはしたくない」感覚になっている。
このようになっている時点で、経営と現場にコミュニケーションズレが発生しているため、まずは現場へ丁寧に、回答することへの意味・意義を説明していくことが大切です。(啓蒙活動)
フィードバックがないと回答する気さえ起きない
サーベイは、人事が設計した質問に対して回答していきますが、基本は選択式で最後にコメントを書けるような設計にしている場合が多いと思います。
たとえばコメントに、経営・人事へ思っていることを記入したり、改善のアイデアを入れる方も。
それらの情報は人事が吸い上げて、参考にしながら改善に役立てていくものの、回答した側に何もフィードバックが行われなければ「せっかく書いたのに…」と、モチベーションの低下を招きます。
コメントではなく、通常の回答も同じくですが、一部の管理者のみがその結果を見て、現場に情報を共有しない場合は、回答側からしたら回答損でしかないので、だんだんと回答する気も起きなくなる。
経営・人事・現場のコミュニケーションを滑らかにするのがサーベイの目的でもあるので、データの開示など含めて相互コミュニケーションが成せる状態にするのがオススメです。
回答者の思考・性質によって判断が難しい
回答の中には、そのままの点数で捉えていいか判断が迷うものもあります。
パターン1:自分に厳しい人は点数がマイナス傾向になる
パターン2:業務外のことで悩みがあるとマイナス傾向になる
これらは、従業員のことを理解していないと、判断を誤ってしまう。
常日ごろから、タレントマネジメントを実践していないと分からないことでもあるので、サーベイの結果だけで判断してはいけない場合もあります。
サーベイを行うシステム
サーベイを行う場合、一番簡単なのがGooleフォームを使ったアンケート回収。
しかし、複雑な質問設計やその後の分析・活用を考えると、サーベイに特化したシステムを使うのがオススメです。
① 社内向け
② 社外向け
大きく分けると2種類あるので、それぞれどのようなシステムがあるのか確認してみましょう。
① 社内向けのサーベイシステム
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システム名 | スマカン |
運営会社 | スマカン株式会社 |
特徴 | 社内向けに、満足度調査・研修乾燥調査・理解度テスト・テレワーク調査・エンゲージメント調査・業務報告書・身上調査・ハラスメント調査など、さまざま行えます |
スマカンは、人事のお困りごとが解決できる人材管理・育成可能なクラウド型のシステムです。
人材把握のため、さまざまな調査が可能であり、サーベイを行い現場のリアルを確認したい方ほどオススメ。
「ヒト」に関わる問題に向き合うのであれば、サーベイを含めて複数機能によって解決できます。
その他サーベイ機能があるシステム
システム名 | 運営会社 |
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HRBrain 組織診断サーベイ | 株式会社HRBrain |
wevox(ウィボックス) | 株式会社アトラエ |
Geppo(ゲッポウ) | 株式会社リクルート |
モチベーションクラウド | 株式会社リンクアンドモチベーション |
② 社外向けのサーベイシステム
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システム名 | サーベロイド |
運営会社 | 株式会社マーケティングアプリケーションズ |
特徴 | セルフ型で広範囲にアンケート調査ができるツール |
350万人の回答者に対して、あなたが調べたい質問を投げかけることで、多くの回答が得られます。
サーベイで取得したデータは、そのまま付属の集計ツールによって、求めた形へ整形し、分析に役立てられる。
質問を作り、送信すれば後は待つだけで、簡単に調査が行えるオススメツールが「サーベロイド」。
その他外部向けのサーベイシステム
システム名 | 運営会社 |
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Freeasy(フリージー) | アイブリッジ株式会社 |
Qooker(クッカー) | 株式会社ソフトエイジェンシー |
CREATIVE SURVEY(クリエイティブサーベイ) | クリエイティブサーベイ株式会社 |
SurveyMonkey(サーベイモンキー) | Momentive |
サーベイシステムの導入から活用までのステップ
実際にサーベイシステムの導入から活用の手順をまとめてみました。
- 社内に点在する課題を把握
- 解決課題の優先度を決める
- サーベイシステム選び
- サーベイシステムのお試し
- サーベイシステムの契約・導入
- サーベイの設計
- サーベイの送信
- サーベイの分析
- サーベイデータの活用
導入後は手順7~9を定期的に行い、経営と現場のコミュニケーションを整え活性化していきます。
1.社内に点在する課題を把握
社内を見渡すと、あちらこちらに問題が出ていますよね。
たとえば、特定の部署だけ毎回離職が続いていたり、同じ部署なのに残業ばかりの方もいればすぐ帰る方もいる。
サーベイを行えば、組織や個人ごとのエンゲージメントを測定できますが、まずはサーベイの活用をイメージするため、解決対象の課題を予めまとめておく。
やみくもに進むより、ある程度指針が定まっていた方が、サーベイシステムを選ぶ時も、運用方法を考える上でも役立ちます。
2.解決課題の優先度を決める
ある程度課題を洗い出せたら、経営にどれだけインパクトするか、それぞれ優先順位を決めていきます。
サーベイを行ったら、新たな課題が見つかるかもしれません。(むしろ見つかってしまう…)
しかし、サーベイで解決できない人事問題も多くあるため、課題整理のためにも優先度をつけておくのがオススメです。
3.サーベイシステム選び
サーベイを実施するためのシステム選びでは、注意すべきことが色々あります。
1つ目:自社に合うシステムを探す
2つ目:口コミだけでは選ばない
3つ目:サポートの期間や内容を確かめる
それぞれを詳しく見ていきます。
1つ目:自社に合うシステムを探す
あなたの目的が「サーベイ」単体、または複合的な人事問題を解決したい場合で、選ぶべきシステムが変わってきます。
状況 | 詳細 |
---|---|
単体で使いたい | サーベイ機能単体で選ぶ |
他の人事問題も解決したい | 人事評価またはタレントマネジメントを含むシステムで選ぶ |
最初のステップで、課題をあらかた抽出してもらうのは、あとで選ぶべきシステムが変わってくるから。
サーベイシステムには、単体提供されているものもあれば、他の機能とセットで提供される2パターンが存在しています。
たとえば、今だけサーベイを行いたいのであれば、機能単体で提供される方が使い勝手はいいものの、その他多くの人事問題を抱えているのに、サーベイだけでは対応ができない場合も。
そんな時は、人事評価・目標管理・採用管理・人材育成・離職防止などの機能もセットで入っているシステムの方がいい。
後から別システムを使おうとすれば、それだけ費用もかかりますし、同じく人事のことなのにシステムが別に分かれていることで、使い勝手が悪い。
あなたや会社の状況、そして発生している問題によっても選ぶべきシステムが変わってくるので、見極めは慎重に行いましょう。
2つ目:口コミだけでは選ばない
サーベイシステムもたくさん存在しているので、正直どれを選べばいいのか迷うはずです。
機能も値段も同じくらいであれば、尚更何を選べばいいか分からない。
そのようなときは、他社・他者の口コミを参考にしますが、ここで注意したいことがあります。
口コミとは、その人の状況・立場だからこそ感じた、主観的な評価であり、あなたの状況には合わない可能性があること。
単純に口コミで☆5つ獲得しているシステムであっても、結果として課題解決に繋がらないこともあるため、参考にするのはいいですが、意思決定の材料にはしないのがオススメです。
3つ目:サポートの期間や内容を確かめる
サーベイのイメージは、質問を一斉に送って、一斉に回答してもらう。そんなイメージを持っていませんか?
たしかに仕組み自体は簡単ですが、自社に合わせての質問設計であったり、得られたデータの活用方法が分からないと、宝の持ち腐れにもなる。
サーベイを提供してくれているソフトウェア会社の多くは、導入から活用までをサポートしてくれるスタッフを付けてくれる場合があります。
定期的に行い、改善を繰り返すことで効果がある施策なので、ノウハウをたっぷり持つスタッフさんに、どれだけサポートしてもらえるのかが重要です。
4.サーベイシステムのお試し
システム自体、何十種類も存在しているため、最初は5~7つくらい広く選んでおき、最終的に2~3つへ絞る。
もちろん、気になったものは全部試してもらうのもいいですが、時間との相談ですかね…。
そこまで余裕がなければ、絞り込んだうえで試して頂くのがオススメ。
各サーベイシステムは、14日間~30日間の無料お試し期間を用意してくれている場合が多く、この期間を利用して使い勝手を確かめていきます。
お試しのポイント!
サーベイ実施の主導は、人事のあなた自身だと思いますが、回答者である従業員が毎回回答してくれるかは、システム自体の簡易性が重要。本当に少しの手間があるだけでも回答率が減っていくため、使い勝手の良さはとっても大切。
5.サーベイシステムの契約・導入
絞り込み、試して、利用イメージが固まったサーベイシステムをご契約。
システム次第ですが、一月事もあれば年間契約になることもあるので、契約前にしっかりと確認が必要です。
たとえば、年間契約であれば途中で切り替えできず、合わなかったら現場にも浸透せず、使えない・使わないのに費用だけが増えていってしまう…。
利用料をムダにしないためにも、改めて慎重に選びましょう。
6.サーベイの設計
実際にサーベイシステムを導入したあとは、質問項目や回答頻度の設計なども行っていきます。
特別に聞きたい項目もあるかもしれませんが、0から全ての質問を設計するのはたいへん…。
多くは、質問のテンプレートを用意してくれていたり、サポートスタッフがお手伝いして、サーベイを実施するまで伴走してくれます。(提供会社によるので、事前にご確認を!)
サーベイの頻度と目安
質問が多い(50~100個):年1回
質問が少ない(5~20個):月1回
質問が少ない(3~5個) :毎日
7.サーベイの送信
サーベイの設定や配信先が決まったら、さっそくシステムを介して配信。
システムにもよりますが、それぞれ回答画面へ遷移するURLをメールで一斉に送信します。
案内メールの内容
・サーベイの説明(何に利用するのか)
・回答画面へ遷移するURLまたはボタン
・回答期日
・回答時の注意事項(匿名、実名、誰が見ているかなど)
他にも便利な機能
・回答されていない場合はリマインダーメール
・回答後は集計スコアの確認メール
このような機能もあるので、回答率を高める仕組みが入っているかも事前確認するのがオススメ。
8.サーベイの分析
サーベイの回答が集まったら、会社全体・組織・個人などに分けて状況を確認。
- 先月と比較
- さらに過去を遡って比較
他にも、出ているスコアに対して、どのような状態だと、何が起きているのか、サーベイシステムの提供側からアドバイスがもらえる場合も。(さまざまな観点でスコアを表示してくれる)
今まで一方的な視点で見ていたものが、サーベイにより多角的な視点で状況が把握できるようになり、気づきが増えていきます。
9.サーベイデータの活用
スコアが悪くなっていたポイントを改善するため、施策を新たに考える。
集計・分析・施策・実施・改善を繰り返すことで、どんどん経営と現場が繋がっていき、骨太の組織にもなっていきます。
また、一人一人の従業員へサーベイを行っているため、個人の状況をより理解できるようになる。
たとえば、やる気が高まっているなら新しいプロジェクトへ抜擢をし、興味関心がある学びを提供することで能力の向上・開花を促進させる。
個の成長によって「組織」へ「会社」へ還元され業績が高まっていきます。
サーベイの回答率を高める方法
従業員にとっては、サーベイの回答時間をムダと感じる方や、そのまま普段の忙しさから回答を忘れてしまう方もいます。
送れば回答してもらえる、そんな簡単なものではないため、少しでも回答してもらいやすい状況を作る必要がある。
ちょっとしたコツや配慮で回答率が上がるなら、やらない手はないと思うので、少しまとめてみました。
回答のフィードバックを約束する
会社によっては、経営層・管理層・人事だけが見たいと思って、結果を公表しない方針にしているところもあるかと思います。
それは会社ごとの方針なのでいいのですが、回答側からしたらやはり気になる…。
自分がやっていることは意味があるのか?役に立っているのか?結果が出ているのか?
実施とフィードバックがセットになると、やったことに対して反応があるため、モチベーションにもなります。
隠したいものはあるものの、公表できる部分はどんどん隠さず見せていくのもいいかもしれません。
匿名回答を可にする
システムを通せば、誰が回答しているのか分かりますが、名前が「匿名」か「実名」かによっても、回答側の心理的負担が変わってくる。
たとえば、名前を書くことによって、自分のスコアやコメントにマイナスが含まれていた場合、あとで直接指摘される恐れを感じてしまう。
回答の心理的安全性を保ち、負担軽減をするだけで回答率は上がっていきます。
回答数を少なくする
回答する内容が多ければ多いほど、時間もかかりますし、一つ一つの質問に対して正直に答える時間を確保できなくなります。
たとえば、毎月100問くらいのサーベイを実施した場合、従業員としては意味も分からずただ時間だけがとられるサーベイに疲弊し、会社に対するエンゲージメントを下げる結果にも。
頻度と回数にもよりますが、回答数を少なくして瞬発的に回答が可能な状態になれば、定期的なサーベイであっても耐えてくれるため、質問数は色々試してもらうのがオススメです。
サーベイ送信のタイミング
時間がない時は、誰だって回答をしたくないため、従業員に手間がかかりにくいタイミングで送信したいですよね。
月初:忙しい
月中:普通
月末:忙しい
状況は会社・職種によっても変わりますが、月中ごろであれば、そこまで切羽詰まった忙しさはないと推測できるため、回答時間が確保できるタイミングを狙って送信するのがオススメです。
サーベイ導入後の注意点
本格的にサーベイを始める前は、会社全体の課題はなんとなく分かっていたものの、それを組織や個人へ落とした際に、解像度が悪い状態にもなっていました。
サーベイを行うと、会社全体はもちろん、組織・チーム・個人と、どんどん細分化して状況を把握できるようになるため、見える化が進んでいく。
すごく良い状況にはなるのですが、見える過ぎるあまり、粗探しのような観点で見てしまう。
または、多様性を目指したいのに、理念への共感が低く違う方向性を向いてしまっている人を、排除するような動きになってしまう、すごくもったいない状況にも。
これからは、既存のやり方を捨て、どんどん新しいことを見つけていかなければいけない状況の中、会社に合わない考え方を持っている方も、いかに尊重し許容して、組織へ取り込み活躍してもらえるかを考えることが重要にもなっています。
人を活かすための方法として取り入れ、個の成長・開花によって会社の業績を高め、経営と現場をつなげるために組織サーベイを活用していくのがオススメです。