今後3年以内に社内ベンチャーや新規事業をしたい人の教科書

  • | 公開 2020年09月25日
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今後3年以内に社内ベンチャーや新規事業をしたい人の教科書

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。この記事は、何個も新規事業を立ち上げた百戦錬磨のスペシャリストではなく、企業内で泥臭くコツコツと事業を育てたリアルな体験を元にしている情報になります。

「次の事業の柱が作れなくて悩んでいる。」

新しいことをしたい、イノベーションを起こしたい、そう思ってもノウハウがなければ、何から進めればいいのかさえ分かりませんよね。

社内で経験がなかったり、あったとしても全て失敗している状態であれば、何を信用したらいいのかも選べなくなっている。

しかし、市場が成熟してしまったり、競合が乱立してきたら、新しい事業が会社にとって必要不可欠な存在にもなります。

社内ベンチャー制度を使う、または新規事業を新しく立ち上げるのもいいですが、これらは一勝九敗と呼ばれているように、失敗する確率がとても高いんです。

そんな状態なのに、失敗してキャリアに傷がついてしまって降格や、上司・社長からの激怒が飛んできてはたまったものではありません。

失敗する問題、または進め方など、基礎的なものから専門情報を含めて持っておくと、失敗する確率を少しでも減らせます。

私の経験も含めて情報をまとめてみたので、あなたのお役に少しでも立てられれば嬉しいです。

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社内ベンチャー・新規事業が抱えている問題は山積み

今後3年以内に社内ベンチャーや新規事業をしたい人の教科書

新たな収益の柱を作りたいと思っても、簡単に作れるわけではありませんよね。

新しい事業を作るためには、社長や上司から指令が降りてくるトップダウン型や、社内ベンチャー制度を活用したり選抜チームを編成して新規事業に当たるボトムアップ型などの方法を用いて、新しい事業を作るのが多いかもしれません。※ トップダウン型だと、現場発信ではないためモチベーションも低く、必然的に失敗を繰り返す傾向。

社内ベンチャー制度とは?
社内でプレゼンやアイデアの応募から選定して、事業を形にしていく方法です。そのプロセスは企業によってそれぞれ異なります。

しかし、そう簡単には新しい収益の柱を作ることはできず、様々な企業が下記のような問題に阻まれ、新規事業を作っても撤退してしまっている状況。

問題詳細
企業体制の問題そもそも新しい事業を作るマインドが育っていなかったり、体制が整っていないことで失敗するケース。
人の問題モチベーション管理、またはキャリアなど人事制度的な評価に、新規事業を作ることの指標が組み込まれていない。また、どんなに優秀な社内のエースを投入しても、成功しないことも多い。
練習できない問題事業を作るには時間もお金もかかりますが、失敗するリスクは常にあり、無駄になることもあります。そのため、簡単に練習もできず「やるなら必ず成功!」のような強烈なプレッシャーのなかで自滅していくことも多いです。
過剰な期待「絶対できる!」「この人ならいける!」過剰な期待を寄せすぎてメンタル的・肉体的なストレスを増やしてしまうことで、事業が育たなくなる場合もあります。
他人事問題責任者や現場に対しては強く成果を求めるのに、社内は挑戦させといて、動きを鈍らせることなど、他人事のような関わり方がされることもあり、これが失敗する問題になることもあります。
費用回収を急ぐ問題コストがかかるのだからと、すぐに費用対効果を求め、価値が出せていない状態で利益主義になり、結果的に自滅するパターンもあります。
幹部が報告を受けるのみ問題会社の幹部が、既存事業に関して常に結果のみを受ける企業体制になっていると、新規事業も同じ感覚で接してしまうため、結果がでるものだと思って対応することで、現場とのズレが発生して失敗するケース。
失敗の思考が蔓延している問題企業内で失敗に対して極端に憶病になっていたり、何もしない方がいいというマインドになっている場合、事業を新たに起こしても、成果を出せることは少ない可能性があります。
失敗には「価値無し」問題失敗=キャリアに傷がつくような企業文化があると、そもそも新しいことに尽力してくれるスタッフは現れません。
部署間の障害問題社内リソースが使えるからと言って、チームメンバー以外の労働力や知識を当てにしていると、だんだん部署間のトラブルに発展することも。
予算があっても何していいか分からない問題予算が確保できたとしても、0→1を作るためのノウハウがなければ、その予算を十分に活用することができず、無駄にすることもあります。
流行りに乗ってしまう問題「今はこれが主流だから。」「次はこれがきてるみたい!」流行りに乗ってしまい、何も信念がないまま進んでしまう事で、結果的に継続できないような状態にもなります。
育て方が分かってない問題予算があれば最初から大きく始めてしまい、細かい調整が効かないために潰れていくこともあります。
顧客ニーズ、マーケットに合っているのか検証しない問題現場には優秀な人材が集まり、ビジネスモデルも完璧だと思ったのに、市場に受け入れられなくて失敗するケースもあります。
コンサルティングにまかせっきり問題新規事業作りを得意としているコンサルティング会社に入ってもらったのはいいものの、自社の問題なのに自スタッフが動かず、結果的に成長させられない場合もあります。
良い意思決定ができない、スピードが遅い問題臨機応変に対応が求められる新規事業ですが、都度都度で事業にとって良い選択を行い、スピーディーに実行するための行動の速さも必要ですが、悪い選択・遅い状況が続き、成長させられない場合もあります。
大企業だから問題すでに成功している状態なので、新しいこともすぐできると思っていると、大企業ならではの承認や意思決定の遅さから、スタートアップにシェアを取られてしまったりすることも多いです。大企業の市場は成熟していることもあり、新しいことを作り出すのではなく、運用を回すことに意識が強いことも関係しています。

たくさん出してみましたが、これは嘘のようで本当の話。

これでも問題の一部に過ぎず、何が原因で「失敗」するか「潰れる」か分からない…。

企業文化・スタッフさん個々のスキル・市場の変化などが違うため、複数社同じ事業を計画しても、全社うまくいかないことだってあります。

常に何かしらの問題を抱えており、完全に取り除くことはできないので、社内ベンチャー・新規事業を進めるには、それなりの苦労があるんです。

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社内ベンチャー・新規事業で発生する問題を分解

新しい事業を作り育てる際に発生する問題には、大きく分けて2つ存在しています。

1. 事業を作る前から発生している問題
企業の体制や、新規事業に対する社内のマインドが整っていない。

2. 事業を作り始めてから発生する問題
顧客や市場のニーズに合わせていったり、現場で細々発生する問題など。

どちらも明確な解決策はなく、それぞれの企業や現場に合った解決方法が求められます。

しかし、予め何が新規事業の成長を阻むのか分かっておくことで、対策はとれる。

もう少しそれぞれの問題ごとで、詳しい内容を見てみたいと思います。

1. 事業を作る前から発生している問題

主に、企業内の社内ベンチャー・新規事業に対する考え方や、解釈の仕方に問題があるケースです。

多くの企業が売上を落とせず、既存事業へ意識が向けられることは当然で、新しいことに対して余力を回せる体力もなければ、思考も回らない。

「新しい事業の柱がほしい」と思っていても、経営幹部は既存事業に忙しくて、本気で新規事業を望んでいないこともあります。

0→1が得意な会社は多くはなく、だからこそ新しいことを成し遂げる土壌(下地)が無いのが現状だと思います。

そもそも、既存事業を育てるのも大変でコストをかけている記憶が経営幹部にはあるため、10個やって1個当たればいいレベル感を認識している。

ユニクロを展開し、あれだけ成功しているファーストリテイリングの柳井さんも、『一勝九敗』という本で、新規事業を成功させるには、いかに大変か書かれています。一勝九敗 (新潮文庫) 柳井 正

企画書を入念に作ったとしても、計画通りに進むことは、そもそもないので、常に常識の壁にぶつかり、資金の問題もある。

失敗する確率が高いからといって、社内ベンチャー・新規事業に携わるスタッフさんの頑張りを「無」にするような人事制度が組まれている場合もあります。

とくに、社内でエース級・キャリアを持つスタッフさんにとっては、成功させた時のメリットは大きいですがリスクも高く、今まで築き上げてきた実績に傷を付けたくないので、本気で新規事業に取り組んでもらえないことも。

新規事業を作る前の問題が解決できていないと、かけた想いや時間を無駄にすることもあり、社内の問題と新規事業の問題は切り離せないことを覚えて頂くのがオススメです。

そんな煩わしいことが嫌な優秀な人は、転職をしてしまったり、独立して自分で事業を立てることを選ぶこともあります。

例えば、スタートアップに比べて企業内の社内ベンチャー・新規事業では固定給があったり、仮に失敗したとしても生活に大きな支障が及ばないため、危機感や熱意に差があるかもしれませんが、得られる個人的な利益も少ない。

スタートアップでは、IPOを目指したり、M&AでのEXITをする際の見返りが大きいため、そういった報酬のためにモチベーションを持つ人もいる。※ IPOとは、株式公開をすること。
※ M&Aとは、企業や、何かしらの事業を売却して買ってもらうこと。
※ EXITとは、株式を公開したり事業売却(バイアウト)を行い費用を回収(利益を手に)すること。

スタートアップとは?
企業内ではなく、独立した人が新会社・新規事業を立ち上げて短期間のうちに急成長を目指す会社。社内ベンチャーは失敗しても会社が守ってくれるため甘えが出やすいですが、スタートアップは独自の資金で運営するため危機感や熱意が比べ物にならないくらい高い場合が多いです。

このような得られる報酬の大きさによっても「失敗」「成功」も変わってくるため、いかにしてスタッフさんのやる気や熱意を引き出し、自分事として本気で取り組んでもらえる環境にできるかも、企業側にとっては解決すべき問題となります。

2. 事業を作り始めてから発生する問題

今まで既存事業を行っていたスタッフさん達がチームを組み、新しいことに挑戦していくので、本来であればみんなが初めての体験となるため、関係性としてもフラットになりやすいです。

しかし、すでに社内で役職が付いていると、偉い人は偉い人のまま、新規事業に対しての知見がないのにも関わらずチームに加えられてしまうこともある。

既存事業のように部下を使う、または報告をもらうだけになると、現場の実行力が落ち、それだけで成功は遠ざかっていく…。

他にも、期待はされつつも、既存事業のようにすぐ費用が回収できるイメージを持っていると、数字のプレッシャーを強めたり責任だけは大きくなるのですが、見返りが保証されていなかったり報酬が曖昧。

失敗した時のペナルティやデメリットの方が大きいと、現場は動いてくれません。

利益主義は、顧客へ提供する価値が低下することもあり、新規事業を作り慣れていない人は、既存事業と同じく、すぐに費用を回収できるものだと思うので、その認識違いが現場を壊す場合もあります。

リスクが高いからこそ弱腰になり、投資しているのに低成長になる場合も。

また、人の問題も大きいのが新規事業。

既存事業で優秀な人が新規事業で成果を出せるかと言ったらまた別の話。

さらには、

  • メンバーとの相性
  • オーナシップが取れるか
  • モチベーションの継続性

など、さまざまな要素も必要になるため、優秀な人が責任者となっても、メンタルや体力的な問題が発生して衰退していくこともあります。

社内がダメなら社外からコンサルティングを雇って入れたとしても、結局は臨機応変に現場でスピーディーに対応していかなければいけないのと、社外の人は極論事業が潰れてしまっても、痛手は負わないので、どこか他人事にもなりやすい。

ビジネスモデルがいかに優れていても、現場で働く人材が、新規事業を成功させるかのカギになるため、どのようにして新規事業を作っている現場をフォローできるかが重要なポイントです。

たとえば、顧客や市場のニーズにフィットするよう動きたくても、社内の承認や決済が遅ければ、それだけ対応スピードも遅くなる。

そもそも、意思決定や決済をする幹部と現場のスピード感が、まったく違う場合も多いと思っています。

幹部 → 自分の仕事で忙しい、あとでいいかな。
現場 → 今すぐ!

時間の流れが違うため、時間軸のズレがどんどんフラストレーションにもなる。(私の場合はこれでした)

新規事業は生き物のように代わる代わる変化しているため、新会社という扱い方が理想だと、個人的には感じました。

もしこれらの問題がなければ、今頃社内ベンチャー・新規事業を行っている企業からは、成功例がポンポン飛び出しているような状況だと思うのですが、実際はそうではないですよね。

作る前、または作った後にサポートが入ったとしても、状況がそれぞれ違うので、新規事業を作り上げていくことは、本当に難しいです。

私が新規事業で苦労したこと

経験なし・スキル無し・予算無しで進めたマッチングサイト事業で、片手間で2~3年間ほどデザインのみで携わりましたが、まったくの成果ゼロ。

売上もなければ、オウンドメディアのアクセス数も年間で10万PVほど。

いづれ閉鎖の可能性がありましたが勝手に選任となり事業を一から育て直して、

本当に毎日、分からないことだらけ、問題解決をし続けて、顧客と市場のニーズにコツコツと合わせていったおかげで、なんとか形に残せるような状態まで持っていけました。

0→1を作る中で、上記の表に書かれている問題にも多数直面し、なんとかやってこれたのは何より、チームが作れてメンバーが育ってくれたからだと思っています。

1人の強い想いや、優秀なスキルである程度はいけるかもしれませんが、やはり様々な問題に対処しながら、上を向き続けて突き進むには、チームで支え合う必要がある。

何者でもない私なら尚更、1人で新規事業に立ち向かうことはできませんでした。

1人ではできないことも、複数人合わされば、より大きなこともできるので、社内ベンチャー・新規事業で手に入れたことの中で一番の成功は、チームを手に入れたことだと言いたいです。

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本当に、新しい事業が必要?

「新規事業を作らなければ。」
「新しい収益の柱がほしい!」

経営者である社長さんであれば、こんな気持ちをずっと抱えて、新しいことを始めなければいけない呪縛に囚われている場合も。

また、ある程度既存事業が軌道に乗り始めると、少し飽きがきたりして、新しいことを始めたい気持ちが出てくるかもしれません。

そんな時、本当に新規事業が必要なのか、それより既存事業を伸ばす方法が別にあるのかを考えることも必要。

まだまだ既存事業を伸ばすことができるのに、何か強迫観念のように「新しい事業」に固執してしまっては、みすみす成長チャンスを逃すこともあるので、まだ行っていない施策を思い出してみませんか?

  • デジタルマーケティング
  • ブランディング

この2つで詳しく見ていきたいと思います。

デジタルマーケティング、出来ていますか?

デジタルマーケティングは、

  • ウェブサイト
  • オウンドメディア
  • SEO、SXO
  • 有料広告(リスティング広告など)
  • イラスト、漫画、動画
  • CRM、カスタマーサクセス

など、インターネットを活用したマーケティング活動のことを指しますが、今は様々な手法を組み合わせて、総合的にデジタルマーケティングを行っていく考えが必要です。

マーケティングとは言えないかもしれませんが、SNSもその一つ。

自社のウェブサイトまたはオウンドメディアの集客が増えるだけで、売上にも大きなインパクトを出すことができるため、集客施策が十分にできていない場合は、新規事業でリスクを抱えるよりも、まずは集客を増やすことに注力するのもオススメ。

私の事例にはなりますが、集客が増えたことで、事業が成長に向かっていったので、集客改善には効果があると思っています。

参考:オウンドメディアの成功事例を運営方法もあわせて解説

実行した施策は主にコンテンツマーケティングで、オウンドメディアに対してユーザーさんのニーズに応えるコンテンツを作り、検索から自然なトラフィックを集めること。

すぐに効果が出る施策ではないので、新規事業の特徴にも似ていますが、資産を積み重ねていける施策なので、半年後・一年後・三年後など、長期的な思考で考えると、非常にメリットがあります。

新規事業や既存事業もそうですが、集客の多くを有料広告などに頼っていると、有料広告で得られる瞬間的な価値に慣れてしまい、お金を使い続けることにもなります。

お金ありきで考えていると、資金がショートしてしまった場合は巻き返しが難しくなる。

有料広告が悪いのではなく、お金のかけ方を、スポットからストックへ変えることも、事業にとってはメリットが多いというお話。

まずはデジタルマーケティングの見直しで、さらに事業基盤をどっしりと安定させるのもオススメです。

社内ベンチャー・新規事業においてもデジタルマーケティングは必須です。

ブランディング、出来ていますか?

本格的なブランディングは大変なので、気軽に言えることではないのですが……あなたの会社はブランディングが出来ていると言えますか?

企業におけるブランドは「らしさ」と表現できますが、「らしさ」とは様々なブランド要素で創り出されています。

  • ロゴ
  • ブランドカラー
  • フォント(書体)
  • タグライン
  • キャッチコピー
  • コンテンツ
  • 広告スタイル
  • スタッフ

などを、企業とのタッチポイント(接点)から感じ取り、ブランドを認識しています。※ タッチポイントとは、テレビ・ウェブサイト・チラシ・野外広告・口コミなど、企業と接触する機会のこと。

ブランドが強まると何かを選ぶ際に、選択肢として優先的に呼び起こされるので、それが売上や利益にも繋がってくる。

つまりブランドが強まれば強まるほど、自社にとっての有利になるんです。

昔はロゴを変えたり、カッコいいいキャッチコピーを作ることがブランディングだと思われていましたが、本来のブランディングはそんな単純なものではなく、自社の奥底に眠っている概念を可視化して、届けたい人に分かる形で届けていくことでもあるので、お金もかかるし大変。

広め方としては、コンテンツマーケティングを行ったり、ここでもデジタルマーケティングが役立ちます。

もし、ブランディングのことをもっと知りたい場合は、私も資格を持っているブランドプランナー協会を見ていただくのもオススメです。

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社内ベンチャー・新規事業に失敗するパターンとは?

社内ベンチャー・新規事業の問題点は色々ありますが、失敗するケースもさらに見ておくと安心かもしれません。

状況は様々なので、下記に書かせてもらった状態でも成功させている場合もあります。

情報収集で満足してしまうパターン
調査する、セミナーにいく、本買う、フレームワーク使う…けどなんか違うなと思い、再度調査する…この繰り返しで前に進めず、いつの間にか熱が冷めて既存案件にリソースが流れていく。

形を作って満足してしまうパターン
ウェブサイト、SNS、ビジネスモデル考案など何か見た目を作ったことで成し遂げた感を出してしまって先に進まなくなる。

運用が片手間のパターン
仕組みを作り人員を配置し動いたが、中核メンバーが既存業務と並行して片手間となり、結局グロースさせることができないで終了になるパターン。

マーケットにフィットできないパターン
市場や顧客のニーズを把握しきれず、気持ちに応えられない状態が続き、収益があがらずに終了になるパターン。

スピード不足で追い抜かれるパターン
先にサービスまたは商品展開していたのにも関わらず社内間の意思決定スピード、行動スピードの遅延が目立ち競合に離されて断念するパターン。

自社のミッションに合わないテーマを選び継続できなくなるパターン
自社ブランドや方針に合わないテーマを選んだことで、社内の協力が得られなくなり伸びないパターン。

利益を求めすぎて現場が疲弊するパターン
自社都合でモノゴトを動かすことで顧客に受け入れられず終了になるパターン。

モチベーションの低い人員が対応するパターン
想いや本気度は無く、命令されたから仕事をしていると状態だと、成果が出ず結果的に終了になるパターン。

一時的に伸びたが継続できないパターン
一旦収益化にはこぎつけたが、運用方法や社内の問題もあり利益を出し続けることが難しくなるパターン。

キーマンが抜けたことで進まなくなるパターン
事業の中心人物が抜けたことで、想いやモチベーションなどの低下によって低成長になるパターン。

もし、確実に成功する方法があれば、今頃もっと多くの企業で社内ベンチャーや新規事業が成功しているはずだが、実際はそうではない。

たとえ何か成功法則があったとしても、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのような確定したプログラムで動いていくわけではなく、感情もあれば世の中の動きなどもあり、人が一人変わっただけでも社内ベンチャー・新規事業は崩壊もするし成功もする。

ちょっとの違いが命運を分けることも多いので、みんなが苦労している状況なんです。

私自身も以前の会社では、すぐに思い出せる新規事業だけでも7、8以上は失敗に終わっている…。

数百数千万円かけたとしても失敗しているので、大企業が多額の予算を持っていたとしても、難しいのかなと思っています。

失敗するパターンをいくつか出してみましたが、これはほんの一部であり、現場ごとで様々な事件や緊急事態が発生して潰れているので、失敗原因も一定ではないことを覚えておくのがオススメ。

だからこそ、臨機応変に対応できるスキル、または毎回スピード解決が社内ベンチャー・新規事業では求められています。

それでも社内ベンチャー・新規事業を進めていくには?

失敗するリスクがあったとしても、既存事業を育てるのではなく新規事業へと踏み出していくのであれば、進めるにあたって必要な情報を持って頂くのがオススメ。

情報を持っていればいるほど、いいとは思うのですが、全てがそのまますぐ役立つわけではなく、進めるごとに問題や課題が出てくるので、それらを臨機応変に対応し、スピーディーに解決するための情報を持つことには、意義があります。

必要な情報の中でも、私自身の体験からもっとも必要だと思った、下記3つの内容を詳しく見て頂きたいと思っています。

  • 心構え
  • 社内との向き合い方
  • 進め方

現場で動いてきた人間として、この3つを最初から知っていたら、もっと早い成長ができたのになぁ、と思う内容なので見て頂けると嬉しいです。

心構え

「新しいことやるぞ!」
「社内ベンチャー、ワクワクするな。」

このように前向きな感情があればいいですが、正直言って、ここに行きつくまでが大変だと思っています。

理由としては、そもそも既存事業の仕事でいっぱいいっぱいだったり、新しいことをやりたいという発想が、会社の文化だったり、圧力によって失われていることもあるから。

また「新しいことがしたい」と思い進んでみたものの、

  • 結局はどんなことをしたいのか?
  • やったら大変ではないのか?
  • 失敗したら給料が下がるのではないか?

心配なことの方が方が勝ってしまう場合もあります。

社内ベンチャー・新規事業共に「事業」を作ることになるのですが、言ってしまえば会社を立ち上げるようなもの。

「無」から「有」を必然的に創り出すため、たいへんな労力がかかります。

どんな労力かと言えば、お母さんが赤ちゃんにミルクを飲んでもらうために何度も夜中に起きたり、夜泣きやで眠れない中おむつを替えて、何か変なものを食べないように、または家の危ないところにぶつからないよう、常に意識を集中し24時間体制で見守っている状態と同じなんです。

そのくらいの覚悟で接しなければいけない。

赤ちゃんが一ヶ月で成人になることがないのと同じように、新規事業も一ヶ月や数か月で大きな成長をさせるのは難しいです。

インスタグラム
・2010年6月:サービス開始
・2017年4月:7億人を突破(アクティブユーザー)
参考:Instagram、成長速度を上げてMAU7億人を突破

note
・2014年:サービス開始
・2020年:6300万MAU
参考:noteの月間アクティブユーザーが6,300万突破。法人利用も半年で倍増の1,600件に。

このように、今メジャーなサービスになっているものも、数年間かけて、事業をブラッシュアップし、顧客や市場のニーズに合わせて、試行錯誤を繰り返している状況です。

社内ベンチャー・新規事業を成功させるには、

熱量 × 本気 × 自分事 × 人材 × 意思統一 × 忍耐 × ハングリーさ

この他にも、色々な要素をフルに掛け合わせていく必要がある。

しかしながら、オーナーシップを発揮し、チームを鼓舞して進められる人がいればいいですが、社内ベンチャー・新規事業だと、どうしても社内リソースをあてにしてしまったり、逆に社内の影響によって進みが乱される場合もあります。

何かのはずみで簡単に壊れてしまう場合もあり、その都度都度で、良い意思決定を行い、迅速に解決していく。

そのくらい大変ですが、やりがいや、熱量を持って仕事ができることは、また幸運だと思うので、片手間ではなく十分な対応ができるのであれば、ぜひオススメしたいです。

また、新しいことを始めるのに早いも遅いもありません。

ケンタッキーフライドチキンを作ったカーネルサンダースさんは、起業したとき65歳だったと言われています。

自分が培ってきた、スキルや仲間や人脈など全てをつぎ込み、何度失敗しそうになっても不屈の精神で突き進む。

そういった熱い気持ちを持ち続けられる人が、社内ベンチャー・新規事業には合うかもしれないですね。

他にも、自分中心的な考えから生まれた事業よりも、顧客が不安に思っていることの解決だったり、世のため人のためになる考えも必要です。

成し遂げたい世の中・人の課題を明確にする

自分たちが何のために事業を作りたいか明確にしておきます。

何かを課題に感じた、不便を感じたような原体験があるとなおいいですが、原体験がなくても大丈夫。

社内ベンチャーが社会のためにどういう存在であるのか強く意識して、進むべき方向性を決めることで、なぜ新規事業を作ろうとしているのか軸がぶれなくなります。

事業とはチーム

新規事業では、関わるスタッフさん全員が、当事者として、経営者としての意識をもち主体的に行動していくことが求められます。

今までのような上司と部下の関係では進みが遅く、一人一人の圧倒的な行動量が必要。

そこには上司も部下も関係なく、ただ一つの目的を達成するために動き、一人の力も余すことなく進めることが成功を引き寄せます。

感情論だけで語ることはできませんが、それでも一人一人の想いの強さが力となり、苦労を乗り越えていけます。

今はスタートアップも多く存在しており、圧倒的な熱意と行動力で進んでいるため、そこに劣るレベルでは太刀打ちができない。スタートアップ以上の動きをするためにも、チームで支え合い進んでいきましょう。

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社内との向き合い方

企業内で、社内ベンチャー制度のような、新規事業を継続的に生み出そうとする文化があればいいのですが、多くの企業では新規事業へ向き合う余力はあまりない。

そのため、新しいことを生み出すことではなく、既存事業をどのように成長させようか考えることの方が多いのかなと思っています。

失敗した時のデメリットを考えると、どうしても既存事業を伸ばすことが優先されるため、スタッフさんみんなの思考も既存事業へ向けられやすくなる。

たとえ新しい事業を作りたいと思うスタッフさんが現れても、企業的にNGだったり、新しい収益の柱を作ることへの危機感が薄いと、予算を回してもらえないことも多いです。

社長の好みの事業でなければ、そもそも話を聞いてもらえない場合だってあります。

他に極端な言い方をすると、社内ベンチャーとしては立ち上げられるが、周りが敵だらけのような状態になることも。

成功したとしても、そもそも会社の持ち物なので、事業としての売値が高ければ、現場が今まで頑張ってきた功績や感情を全く無視してバイアウトされてしまったり、会社都合で振り回されることがあるかもしれません。

自分が誠心誠意、そして愛情と時間をかけて育ててきた子供を、いきなり奪われるようなものです…本当に辛い…。

それでも社内ベンチャーとして進むのであれば、このような理不尽な目に合うことは、ある程度覚悟しておいた方がいいと思います。(私も何度振り回されたことか…。)

怒りを覚えることもあるかもしれませんが、お給料をもらい会社の設備や資本を使いながらの事業運営となるので、仕方のないこと。

それが嫌だからと独立して、自己資本だけで頑張ろうと思っても、成功する確率が高くないので生活を考えるとリスクだけしかない。

社内ベンチャーはある意味、経営を学んだり、新規事業を作るための経験をさせてもらえる場だと、割り切ることも大事です。

たとえバイアウトされたとしても、そこまで成長させた経験や知識、またバイアウトしたという事実は、きっとあなたのキャリアを押し上げる情報にもなるはず。

全ては経験を得られる。
この一点のみを考え、社内ベンチャーを進めて頂くのがオススメです。

資金提供の違いで成長の違いもでてくる

運営資金は当然、会社が出してくれます。

ここがスタートアップと社内ベンチャーの違いで、

スタートアップの資金調達
自己資金、ベンチャーキャピタルなどから資金を集める。
投資家に気に入られなければ資金を得られないため撤退を余儀無くされる場合がある。
※ ベンチャーキャピタルとは、まだ上場していないが、将来的に上場しそうな優秀なスタートアップに投資とサポートを行い、上場してから株を売ったり事業売却で利益を得る会社です。(投資前より投資後の方が多く利益を得ることをキャピタルゲインという)

社内ベンチャーの資金調達
会社から援助をしてもらう。
比較的簡単に運営資金が手に入る。(危機感は薄い)
※ 銀行から融資を受けることもできますが、いづれ返さなくてはいけません。

このような違いがあり、それぞれで本気度が違います。

スタートアップの方が断然、自分たちの生き死にがかかっていると思うくらいの危機感を抱いているため、より熱心に、より早く動こうとします。

逆に社内ベンチャーは、お給料が毎月固定で受け取れるのと、仮に失敗したとしても、会社負担となるため、気持ちが緩んだり甘くなることも。

自分を厳しく追い込めるか、そういったことも事業成功のポイントになったりします。

進め方

社内ベンチャーで新規事業を作っていくためには、

  • なぜしたいのか
  • 誰に、何に対して役立ちたいのか
  • そこに対してどのような価値を提供できるのか
  • どのようなオペレーションが必要なのか
  • 収益はどのような形で獲得するのか

様々なことを考えなくてはいけません。

さらに、社内ベンチャー制度を活用して、新規事業を立ち上げたいと思っても、企業の多くは失敗したくないので、本当に価値が出せるのか?儲かるのか?計画をしっかり立ててから提案するプロセスが取られることもあります。

しかし、不確実性が多い世の中で、最初から計画通りに進んだり、仮説や狙ったことが外れることは日常茶飯事。

不確実性が高いことをまとめてVUCA(ブーカ)と呼んだりします。
変動性 → Volatility
不確実性 → Uncertainty
複雑性 → Complexity
曖昧性 → Ambiguity

提案をするために情報を集めて、資料を作り経営幹部に提案したとしても、既存事業の延長で考えられてしまうことや、短期的なコスト回収の意識が強く、話が前に進まなかったり頓挫してしまうことも多い。

それでも前に進むために、新規事業を作るための強力な味方になってくれるツールや考え方などもあるので、下記を見て頂きたいです。

ビジネスモデルキャンバス(BMC)を使う

ビジネスモデルキャンバスの図解

ビジネスモデルキャンバスとは、新規事業または既存事業など、事業の構造を可視化するための思考整理テンプレート(フレームワーク)の一つ。

事業をそれぞれの価値へ分解し、どのような構造になって、価値を作り・提供し・回収しているのか流れも分かるようになります。

新規事業・既存事業はもちろん、競合や顧客に対しての事業をビジネスモデルキャンバスへ落とし込むことで、ビジネスの構造が分かり、連携や共創が可能な場合もある。

色々なビジネスの進め方を知ると、わざわざ新しい発想で事業を作る必要もなく、既存のビジネスモデルを真似て、自分達に合う形でカスタマイズして活用した事業を作ることもできます。

市場規模を考察してみる

どの市場が良さそうか、何かしらのデータがあればいいですが、簡単に見つけられないこともありますよね。

そんな時は、パッと簡単に出せる数値データがあると便利。

以下は簡単な市場規模の計算式なので、使ってみてください。

人 × 頻度 × 値段 = 潜在的な市場規模

例:牛乳を飲む
1000万人 × 週3で飲む(年間約50回購入) × 150円 = 750億円

あくまで仮説となりますが、ざっとの数値があるだけで、どんな情報を調べれば、もっと詳しい情報が分かるのか検討がつくので、むやみに調べる範囲を広げなくても大丈夫になります。

時代に合っているか

昔はモノを持てるのが喜びだった。

ちょっと前までは、機能やデザインが良いものが求められた。

今ではモノが飽和して、誰もが簡単に手に入れられるのと、似たような製品やサービスも多く出回っている状態のため、消費者側で選択肢が大量にある状態です。

そのような事態で、機能ばかり、見た目ばかりに焦点をあてた事業を作っても、時代に合わないことで、結局うまくいかない場合もある。

時代がどのような移り変わりをして、今後どんなことに価値を感じていくのかを見極め、そして変化させていける事業にできないと、継続できないかもしれません。

今だけを考えるのではなく、少し先の時代も見据えて考えて頂くのがオススメです。

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社内ベンチャーで新規事業を立ち上げるメリット・デメリット

たとえ会社がサポートしてくれたとしても、0→1は相当大変なお仕事です。

しかし、大変だからこそ得られる経験には計り知れない価値がある。

あなたがもし、社内ベンチャーで新規事業を作りたいと思っているなら、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

今まで書いてあることと少し重複もありますが、改めて確認頂くのがオススメです。

メリット

社内の活性化に繋がる?

最初は少人数のチームで動いていたものが、熱意を持って様々取り組んでいる姿を見ると、自然と周りのスタッフさんたちも感化されていきます。

また売り上げを伸ばしていった場合、社内の中から活性化した風を送りこめることで、会社全体も明るくなっていく。

新規事業は成功するだけが成功ではなく、社内の活性化など副次的な効果も期待することができます。

新しい収益の柱ができる?

既存事業だけでなく、新しい収益の柱を作れると、さらに安定した会社運営ができるようになり、それがスタッフさんのモチベーションを高めることにもなる。

収益が上がれば、また違う事業に挑戦しようと思う人たちも出てくるかもしれません。

スタッフさんのレベルアップが図れる?

新規事業を進めるには、普段しなかったこと、知らなかったことを、数多く対応していく必要があります。

それだけでなく、突然発生した問題への対処や、関係各所との連携もしていくため、スキルが大幅にレベルアップしていく。

また、今まで特定の分野の仕事しかしてないスタッフさんが、いきなり開花することもあります。

視座が高くなり、今後の経営幹部となるスタッフさんも現れてくるかもしれません。

通用する新たな事業領域を見つけられる?

既存事業ばかりに目を向けていると視野が狭くなっているため、本当は攻め込めた領域に気づかないことも多いです。

新規事業を作る際に、様々な事業や市場も研究する過程で、自社のノウハウを活用して戦える領域を見つけることができるかもしれません。

そこでたとえ失敗しても、次に目指すべき領域がわかっただけでも成果としては十分な場合もあります。

資金が出しやすい?

ベンチャーキャピタルや銀行から借り入れをする必要もなく、比較的簡単に会社のお金を使うことができます。

親会社の知名度や認知を利用できる(ブランド)?

すでに会社の方で構築している知名度などブランドの力を借りることで、新規事業としては初速を早めることができます。

失敗しても固定給はもらえる?

たとえ新規事業に失敗したとしても、会社のお金が無くなるだけ。

サラリーマンとして、毎月の固定給は受け取れます。

スタートアップのように自己資金を投じることもないので、給料の心配なく安定的に事業に取り組めます。

成功すればそのまま子会社して社長になれる?

仮に新規事業が成功したら、責任者のポジションからそのまま子会社の社長に抜擢される場合も。

社内の知見を借りられる?

スタートアップと一緒で、社内ベンチャーも最初は情報やノウハウが足りません。

しかし、社内ベンチャーの場合は、社内スタッフから必要な情報を聞けるので、困った時にすぐ助けてもらえる場合があります。

足りないリソースを社内で埋められる?

社内ベンチャーを立ち上げたばかりは、足りないことの方が多いです。

そのため、足りない部分を社内リソースから借りて進めることも可能。

デメリット

収益の目処が立たず撤退しやすい?

チームの相性が悪かったり、みんなが既存事業に忙しくて片手間のような状態であれば、結果的に収益も作れず撤退する場合もあります。

一人の熱意あるスタッフさんがいるだけで状況が変わる場合もありますが、そもそも社内で新規事業に対しての風当たりが強い文化だと、必要な人材も出てこないです。

スタッフさんに失敗の烙印が押されてしまう?

新規事業は成功しない確率の方が高いので、もし失敗してしまった場合、その先もずっと失敗の烙印を押されたままになる。

社内が失敗を歓迎しない文化であれば尚更、肩身の狭い思いをするので、積極的に新規事業に携わりたいスタッフさんは現れない場合もあります。

スタッフさんの退職がでる?

チームが不仲になったり、成果が出ない責任を押し付けるような状態があれば、どんなに優秀なスタッフさんでも退職の選択をしてしまう場合も。

優秀なスタッフさんの独立志向が強まり退職してしまう?

新規事業を成功させたり、そのプロセスでレベルアップしたスタッフさんは、かなりの自信と実力を手にしていると思います。

ただ、社内ベンチャーとしての動きづらさや、理不尽な経験を多くしていると、会社に所属している意味を見出せなくなったり、会社からの報酬の少なさにあきれてしまう事も。

独立志向が強まっていくのは避けられないため、サポートや社内体制が十分でないと、優秀な人材がどんどん去ってしまう場合もあります。

そう簡単に事業化できそうなアイデアは生まれてこない?

「新規」という名前であったり、社内からの期待やプレッシャー、または既存事業の考えから脱却できないことも多く、なかなかいいビジネスアイデアが生まれてこない場合もあります。

また、経営幹部こそ既存ビジネスの思考から脱却できない場合もある。

部署間のトラブルが発生しやすい?

社内ベンチャーは、足りない情報やスキルも多く、ついつい社内リソースをあてにしてしまうことも。

手伝ってもらうケースが多くなると、だんだんと他部署の発言力が強くなったり、部署間トラブルも増えていきます。

社内への報告義務が多い?

会社のお金を使っているわけなので、使った費用に対しての報告は都度あります。報告をしない方が少ないかもしれません。

その度に、報告のためのリソースがとられ、本来新規事業に当てるべき時間がとられてしまうことも。

リスク無しで新規事業を考えてしまう?

新規事業は必ず成功するものではないため、リスクが潜んでいます。

しかし既存事業を伸ばすことだけをやってきた思考や体制からだと、新規事業もなんだか簡単に成功できるようなイメージを持ってしまっている。

リスクが無いと考え、すぐに費用が回収できると考えてしまう経営幹部もいるかもしれません。

その場合、失敗したときの言及が計り知れない場合もあります。

個人の才能とモチベーションへ依存して社内の文化や落とし込みができない?

成功する新規事業では、精力的にオーナーシップを発揮するキーマンが存在していることが多いです。

そのスタッフさんがいるからこそ、成長をけん引できていることもありますが、キーマンが辞めてしまったり、会社へのノウハウ還元ができていないこともあります。

分からない状態で進むため判断ができず権力や発言力の高い人物の意見が通る?

何をすればいいのか、どう解決すればいいのか。

不確実性が多い中で良い意思決定を、継続して行っていくのは、かなり難しいこと。

そのため、知識やスキルがないけど、役職が上の人だったり、発言力の大きな人の流れに身を任せてしまうこともあります。

逆に判断が遅くなって、スピードを出せないこともあります。

成功の定義が曖昧?

何をもって成功とするのか、曖昧なまま進んでいく場合があります。

現場では成功していると思っていても、経営幹部は「こんなんじゃまだまだ」と判断し、さらなる要求をしてくる場合も、またその逆もあります。

認識違いによって、事業運営が止まってしまう場合も往々にしてあります。

最後に。

すごく偉そうなことを書いてしまっていると思います…。

それでも新規事業を行ってきた大変さと、楽しさをなんとかして伝えたいと思い、色々書かせて頂きました。

何かを新しく作ったり、考えたりすることは難しく、生みの苦しみがずっと新規事業では続きます。

しかし、その過程で得られた知識や経験は、何物にも代えがたい、あなたにとって大切な体験となるため、ぜひ新しいことへの挑戦して頂くのをオススメしたいです。

少しでもこの情報が、あなたの新規事業を進めるうえで、役立てられれば嬉しいです。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は資料サービス「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツの制作から運用、100社以上のお客様支援を実施。そこで得たノウハウをコラムとして投稿中。
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