初心者でも流れが掴める!オウンドメディアの戦略・設計マニュアル

  • | 公開 2020.10.30

オウンドメディアの戦略とは、未来を見つつ過去と向き合い、その覚悟を可視化したものだと思っています。
著者:sugiyama

戦略設計が大事だと言われても、どうしたらいいのか、分からない事も多いですよね。

オウンドメディアの戦略・設計は、一つとして同じもの無く、オウンドメディアの事業フェーズ、会社の方針や動いてくれるチームの特性などでも違うため、完全にオーダーメイドで設計する必要があります。

しかし、進め方の型は存在しているため、チームと一緒に私が携わっていたメディアの売却経験も元に、改めてまとめてみました。※ 売却に関しての情報はFISCOさんのページで確認できます。
※ 私自身は子会社の株式会社ファングリーへ転籍しています。(コンテンツ事業へ注力するため)

この情報が、あなたのお役に少しでも立てられれば嬉しいです。

言葉としての説明が多くなっているため、すぐに戦略の立て方を見たい場合はオウンドメディアの戦略を設計する流れからご確認頂ければと思います。

オウンドメディアとは?
このページで解説しているオウンドメディアとは、企業の公式サイトやキュレーションメディアだけでなく個人で行うブログなども含め、インターネット上に掲載されているwebページをもつ媒体全てに対してのことになります。

オウンドメディアの戦略・設計とは?

オウンドメディアの戦略・設計とは、使えるリソースを最大限活用して、自社が求める最高の結果を出すための方針や進むべき道だと言えます。

例えばジャングルの中、道がなければ右往左往して、結局目的地までたどり着けないだけでなく、無駄な体力や資源も消費してしまいますよね。

また、個人個人がバラバラな動きをしていては、力が分散してしまいますが、指針があることでみんなが同じ方角を向いて一緒に進んでいける。

目的地に行くためには、今もっている情報や資源を最大限活かすための指針が必要であり、向かうべき方向が分かるからこそ、ものすごいパワーを生み出します。

戦略・設計とは、オウンドメディアのパワーの源なんです。

戦略・設計で目指すべき事とは?

戦略・設計をする理由としては、オウンドメディアを活用して効率よく売上・利益を向上させることだと思います。

商品やサービスの販売であれば直接的、採用やブランディングは間接的だと言えますが、どちらも最終的に目指すところは、売上・利益に集約されるはず。

そして利益追求が前提だとしても、自分達だけが儲ける、こんな考えはしませんよね。

しかし、オウンドメディアの成長は特殊で、成果が出せるまでにかかるコストが高いため、むしろ利益を追求するからこそ、相手の利益ではなく自社の利益を最優先に考えてしまうことが多いんです。

稼げた利益は誰のお金かを考えると、自分達が自ら錬金術でお金を生み出しているわけではなく、お客様から頂いているので、鋼の錬金術師のエドワード・エルリックさんから言わせれば”等価交換”が原則。※ 鋼の錬金術師とは、荒川弘さんのマンガのこと。見てない方はぜひオススメ!

つまりユーザーさん(または顧客)への価値・利益を生みだせたからこそ、自分達も利益を得られる。

順番から考えれば、相手が先で、自分達が後。

オウンドメディアの成功は、ユーザーさんが得た・感じた成功の大きさによって変わっていくとも言えます。

自社のために始めたオウンドメディアは、他者のために運用することで成果が上がる。

戦略を作るには、この視点が大事になってきます。

オウンドメディア戦略の課題

戦略を立てる場合、売上をKGIにして、その他売上を達成するための細かい指標をKPIとして設計することも多いです。

KGI(Key Goal Indicator)
KGIとは、最終的な目標を指します。
例:売上月間500万円

KPI(Key Performance Indicator)
KPIとは、KGIを達成するための、細かい指標を指します。
例:問い合わせ件数100件

戦略を作る過程で、細かく設定している会社もあれば、サイボウズさんのようにPVなどは追わずに、トコトン記事の品質、ユーザーさんに必要とされる記事コンテンツを作り続けることで成功している場合もある。※ 参考:サイボウズ式

私自身も、KPIなど細かい指標は作らず、サイボウズさんのような記事品質を磨き上げる方針で、メディア運営を進めていることが多いです。

KPIの良い点としては、何を目指すべきか可視化されるため動きやすいのですが、その反面数値の落とし穴にはまってしまう場合も。

例えば、最終的な目標であるKGIを達成することが大事なのに、KPIを達成するための無駄なKPIを作ってしまうこともあります。

KPIの罠
例:売上向上を目標にしているのに、KPIが上がるからと言って、受注見込みが低いコンバージョンを大量に獲得する方針にしてしまった。

これだと「KPIをクリアできてよかったね!」のような話にはならず、結局は現場の負担が増えるだけでなく、見込みも低いので売上目標も達成できない…。

いつの間にか間違えてしまっているKPI設計は日本の至る所で発生しており、あなたも経験したことはありませんか?

気を付けないと、仕事をするための仕事を作ってしまう事もあるため、戦略設計は簡単に済ましていいものではないんです。

また戦略を立てたけどうまく行かない場合の原因は、

  • 全てにおいて完璧を目指している
  • 成果が出るまでやっていない
  • 設計した戦略が間違っている
  • 社内の温度感が下がっている

このように様々あります。

メディアのテーマ、関わるスタッフさん、事業方針など、会社ごとで全てが違ってくるので、他社の成功事例を当てはめても効果がないことも多く、完全にオーダーメイドで戦略を作る必要があります。

また、Googleの評価アルゴリズムやコンテンツの品質、誰かがリンクを付けてくれた被リンクなどが常に変化している状況。

そのためオウンドメディアは”生き物”であるとも言えます。

不確実性が高いからこそ、常に変化を前提に考え、変わることが当たり前の意識でオウンドメディアを成長させていく必要があります。

人間を相手にしていることの意識が薄れる

データドリブン、この言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、データなど事実を元にした数値で、運用改善を行っていくことですが、数値ばかりだと人間を相手にしていることを忘れてしまう場合もあります。

数値は確かに有効な情報ですが、人間は数値だけでは測れない存在。

オウンドメディアの戦略を立てると、PV(ページビュー)やSS(セッション)と行った数値を目標にすることが多く、これ自体は悪くはないのですが、私の経験上、数値だけを追うとオウンドメディアの効果を高めていけないと思っています。

例えばGoogleアナリティクスやサーチコンソールといったweb上のユーザー行動を可視化するツールは、大変ありがたい存在。

しかし、その数字だけで、コンテンツを読んでくれた人が何を思い、どんな気分になり、どうしたいと思っているのかは見えにくいですよね。

可視化された数字は確かに、人がどう動いているのか、その履歴を追っていけますが、それは全ての人が合理的に判断してコンテンツ見ていることが前提です。

実際はそんなことはなく、多くの人は非合理でアクションを決定している。

「今すごく悲しい気持ちだから…。」
「その文書に惹かれた。」
「あ、ここだと信頼できそうだな。」

多くは感情の高低に、行動が左右されています。

オウンドメディアの戦略設計は、将来的な成功を達成するために行われますが、どうしても仮定の話にもなる。

その数値を、単なる数でしか考えていないと、戦略自体がユーザーさんにフィットしない考え方となるため、設計に失敗してしまうこともあります。

運営スタッフも人間である

戦略で立てた数値を達成させようとするのは基本かもしれませんが、そこには大事な視点が抜けています。

継続的に成長させていくためには、関わるスタッフさんが、ずっと同じレベルまたは上のレベルになることが条件。

しかし、数値だけを目標に設計すると、現場の状況がずっと同じように続くことを前提に考えているため、あとで困ることになることもあるんです。

そもそも運営スタッフさんが、機械のようにずっと同じパフォーマンスを発揮できるわけではなく、必ず上がったり下がったりする。

事業の成長を数値だけで考えていると、現場が機能しなくなりトラブルまたは崩壊にも繋がるため、現場スタッフさんにも意識を向けた戦略を立てる必要があります。

歴史を簡単に振り返る。今までとこれからのオウンドメディア戦略

オウンドメディアが知られだしたのは、Googleトレンドで調べてみると2014年ごろ。

オウンドメディアが知られだしたのは、Googleトレンドで調べてみると2014年ごろ

アフィリエイトや広告をメインにしたオウンドメディアも多く登場して一時期「ブーム」が発生していたほどです。

今までのオウンドメディア戦略は、

2010年頃~ 記事の大量投入
2015年頃~ コンテンツの品質
2020年頃~ 複合的なチャネルの創出

簡単に表わすとこのような形となっており、近年はさらにレベルの高い戦いにもなっています。

例えば、今までアフィリエイトで年間数千万円稼いでいた人が、Googleの評価方針が変わってアクセスを稼げなくなり撤退…なんてお話しもよく聞くようになりました。

GoogleはE-A-Tと呼ばれる専門性・権威性・信頼性を記事の品質として評価すると公表しており、情報品質はどんどん右肩で伸びているため、周りを上回るレベルの品質を担保しなければ戦っていけない状態に。

出回っている情報量も多くなっているため、ユーザーさんへ”にわか知識”を提供しても「それ、すでに知ってるんだけど」と反応はいまいちにもなります。

2020年以降はさらに、書き手の権威性や専門性、そしてオリジナリティが加えられた情報が必要になってくる。

求められるのが単なる情報としてのコンテンツから、人に結びついたコンテンツへと変わりつつあると言えるかもしれません。※ 人(パーソン)とは、情報単体ではなく人に結び付いたオリジナル性の高い情報という意味です。

圧倒的な情報提供が求められている

2015年以降から、個人や企業のノウハウを出し惜しみせず公開することで、信頼感を得ようとする流れが加速しています。

ニッチな市場であれば、まだユーザーさんが知り得ていない、出回っていない情報がたくさんあるので、ある程度の情報でも価値を作ることはできる。

しかし、ニーズが高かったり、関わる人が多い市場であれば、それらの情報はすでに多く出回っている関係で ちょっとした内容をコンテンツ化しても太刀打ちはできない。

情報が多く出されている市場ほど、レベルが高くなって難しい状況になっています。

特にwebに関する情報は、年々レベルが高くなっており、圧倒的でなおかつ無料公開されている企業に対しての信頼が集まっている。

コンテンツの品質をどう高めるか、さらにその品質を向上させつつ維持していくにはどうすればいいのか、オウンドメディアの戦略を考える上では欠かせないポイントです。

ファネルではなく循環モデルで考える

ファネルとは、マーケティング業界で言えば、逆三角形上の形で上から下に向かっていくごとに、消費者が減っていく図式になります。

しかし、ファネルで考えていては、一度ファネルから外れてしまった消費者、また検討段階や将来的に必要となる見込みユーザーさんの取りこぼしも発生する可能性がある。

そのため、ユーザーさんと継続的にコミュニケーションが取れる、循環モデルで考えることが大切です。

ファネルと循環モデルの違いを示した図

循環モデルで考えれば、常に関わり続けていくことができ、タイミングを見計らって何度もアプローチが可能。

循環モデルの参考
参考①:Hubspotのフライホール
参考②:ユニクロの事業戦略

循環モデルに意識を切り替える理由としては、ユーザーさんは”情報を知りたいタイミング”や”欲しい品質レベル”が一人一人違っており、企業都合で提供した情報を毛嫌いするため、タイミングと適切な情報を見極めて提供していく必要があります。

ユーザーさんに嫌われないためにも、ユーザーさんが欲しい情報と状況を理解する。

これからはもっと情報で溢れかえっていくため、ユーザーさんに寄り添い、ずっと関わり続けていく覚悟など、意識を変えていくことが必要なんです。

オウンドメディアの効果とは?戦略前の不安を解決

オウンドメディアをやったことがない、または運営しているけど効果が出ていないと、やるべき事業なのか?予算をかけてもいいのか不安を持っているかもしれませんね。

私の話で申し訳ないのですが…オウンドメディアの成長によって、数人でやっていたスモールビジネスが、会社の事業としても本格的になり、他の企業に価値を認められて売却までいけました。※ 売却に関しての情報はFISCOさんのページで確認できます。
※ 私自身は子会社の株式会社ファングリーへ転籍しています。(コンテンツ事業へ注力するため)

オウンドメディアの成長は、会社に大きな変化を起こすキッカケにもなる。

私は自信を持って、オウンドメディアにはやるべき価値があるとお伝えできます。

例えば、年間リード100件だったものが、数千件にもなったら、売り上げも増えて社内の活気も出てくる。

最初は、本当に効果があるのか疑心暗鬼で進むかもしれませんが、将来的には会社としても本気で取り組むだけのメリットがあると思っています。

しかし、最初はどうしても運営にコストがかかるため、忍耐や葛藤を感じるかもしれませんが、長期的な視点で戦略を立てて、ブレずに進んでいくことが大切です。

オウンドメディアは資産となる

何か一瞬で終わってしまうものもあれば、ずっと残り続けるものもあり、オウンドメディアで言えば後者に当たります。

スポット
単発で得られる成果(例:広告、商品販売などで得られる短期的な成果)

ストック
継続的に得られる成果(例:オウンドメディアで得られる信頼)

なぜこの話をしたかと言えば、オウンドメディアが継続的にユーザーさんの信頼を獲得し続け、さらにGoogleの評価を受けて検索上のメリットが発生し、ビジネスに大きく貢献してくれるから。

ブランディングの効果とも似ているのですが、

  • 認知が獲得できる
  • 継続的な接点を持てる
  • 何者かを理解してもらえる
  • 信頼を感じてもらえる

これらがオウンドメディアを運営することで得られ、特に信頼を獲得できることが非常に大きなメリットになっています。

オウンドメディアで信頼を得られると、

オウンドメディアで資産が積み重なっていく図

図のように積み重ねていけて、一定の信頼度を越えると、縦に伸びていたものが横にも広がっていきます。

一度積み重ねられた信頼は効力を発揮し続け、ビジネスを加速させるために大きく貢献してくれる。(逆に信頼を失うのは一瞬)

何かモノを買うのも、選ぶのも、選択していいのか信頼がなければ決められませんよね?

つまり、獲得した信頼(資産)を運用して、その運用益が利益となって返ってきます。

オウンドメディアは資産を作る場所でもあり、その資産を事業で活用すると売り上げを増やすことができるため、しっかりと戦略を持って進めることには意義があるんです。

相手からの信頼を得ることは何よりも難しい、だからこそオウンドメディアで作れる信頼には価値があります。

オウンドメディアの戦略を設計する流れ

戦略を立てても、うまく機能しなければ、理論だけで終わってしまう。

そのため、戦略の精度を高めるための事前調査、さらに戦略を実行するための組織や運営指標などもセットで考えていくのがオススメです。

下記の流れは、私の経験を元にしたものなので、方法論の一つでしかありませんが、参考になれれば嬉しいです。

1. 自分達のことを知る

オウンドメディアの戦略設計の流れとして、一番最初に考えてほしいのが、自分達がなぜオウンドメディアをやるのか。

なぜやるのか?については、売り上げを作ることが大前提であるため、ここは外します。

これは私自身が長年運用に携わり出た答えの一つでもあるため、あまり必要そうでなければ、全然読み飛ばして頂いても大丈夫です。

自分達のこととは、会社のこと、組織のこと、チームのこと、そしてオウンドメディアに携わる一人一人のこと。

自分達のことを知らなければ、戦略を設計することはできないと思っています。

自分達はどんな価値を持っているのか?
その価値を誰が求めているのか?
どうやって価値を提供するのか?

このページの最初の方で、オウンドメディアの戦略設計は、企業ごとで条件が異なるため、オーダーメイドで作る必要があると書いていたのですが、ここに繋がってきます。

例えば、どこかの会社が「これをしたから成功しました!」と言っていた事例を真似て実行したとしても、思うような結果にならなかったこと、ありませんか?

どこかの誰かが成功した方法は、その人、その組織、その会社だからこそ実現できたわけで、再現性が高くないのがほとんどです。

料理のレシピがあったからといって、それを完全再現して、同じような美味しさにするのが難しいのと一緒。

作る人が違う、思考が違う、作るスキルが違う。

初めてなのに、何もかも違うのに、同じような成功が得られるわけがないんです。

戦略も同じことが言えて、その会社、組織、一人一人のスタッフさんにフィットする考え方、そして戦略を実行するための新しい意識に作り変えることが必要です。

また、会社として目指す方向が左なのに、オウンドメディアが目指す方向は右。

これも失敗する確率を高くするため、進むべき道(戦略)を考える前に、誰がその道を進むのか考える必要がある。

どんなに良いアイデアも、どんなに素敵な制度も、どんなに素晴らしい考え方も、自分達に合わなければ意味がない。

オウンドメディアは、総合格闘技のように、全てを掛け合わせて挑まなければ、成果が出ないため、誰が実行する戦略なのか考えることには、意味があるんです。

戦略が大事なのではなく、自分達に合う戦略を設計できたからこそ、成果が出せる。

そのための「自分達を知る」です。

2. マインドセット

マインドセットとは、意思決定に影響する思考や概念を指します。

なぜオウンドメディアの戦略設計でマインドセットが必要かと言えば、普段の思考や意識が設計にも、戦略の実行にも影響してくるから。

マインドセットの例として、

① 自分達だけが儲かればいい
完全に自社を優先にした思考をもち、その思考が周りみんなを汚染していると、オウンドメディアから放たれる雰囲気は、嫌なものになります。
例:煽る言葉ばかり、営業感がすごい、誇張して嘘くさいなど

② 相手を儲からせるからこそ、自分達も儲かる。
常に相手の利益を考え行動する意識を、携わるメンバーみんなが持っていると、価値が生まれやすい
例:優しい言葉、必要な情報の提供、相談したくなる雰囲気など

オウンドメディアの心理として、自社のために開始しますが、他社(者)のために運用することによって、価値が生まれます。

まずはユーザーさん、または顧客のためを想ってコンテンツを作ることで価値が生まれ、その価値を感じてもらえると信頼が生まれる。

その信頼を活用してビジネスをしていくのが、オウンドメディアの正しい活用方法です。(私はこう考えています)

普段の思考が行動を作り、普段の行動が成果を作っていく。

思考も行動も、マインドセットによって作られていくため、下記のような視点を持っておくのがオススメです。

  • ユーザー視点
  • 信用を作ることを第一に

この二つは、自社都合の排除を意味しています。

ユーザーさんの意識から離れれば離れるだけ成長は遅く、成果も獲得できない。

また、オウンドメディアの成長は遅いので、成果がなかなか出せないと自分達のやっていることが意味のないものではないのか?と、不安や葛藤との闘いが続くので、その都度心の安定を保つためにも、何ために働いているのかすぐ思い出せるようにしておきます。

マインドセットは、オウンドメディアの戦略設計から実行、そして運用中の全てにも当てはまることなので、正しい意思決定を良くするマインドセットは必要です。

根本的なこと
オウンドメディアのビジネスモデルは、人間を中心とした設計にしなければ機能しないため、ユーザーさんに対して意識をどう向けるかが鍵だと言えます。

3. できることを理解する

オウンドメディアは資産となる」でも少し書かせてもらったのですが、オウンドメディアでは何ができるのか知ることが、戦略作りでは大切です。

そもそも何ができるのか分かっていなければ、戦略も立てられません。

すでにあなたもオウンドメディアの効果は知っていると思いますが、改めて見直してみませんか?

戦略家やコンテンツマーケターそれぞれで、何ができるのか把握している情報も様々なので、私が実体験で得たオウンドメディアで出来ることも、参考として見てもらえると嬉しいです。

また、オウンドメディアは、企業側から情報発信をするだけの存在だと思われがちですが、実はまだまだたくさんの役割を担っています。

① タッチポイントが増える(接触機会の拡大)
② 情報の受発信ができる(現場を知れる)
③ 市場との関わり合い方が見えてくる(市場へのフィット)
④ 存在の認知(ブランドの確立)
⑤ 流入の受け皿になる(ハブ化)

情報発信はあくまで一つの側面でしかなく、オウンドメディアは色々なことが可能。

上記の5つとも全部大事なのですが、私がその中でも一番大事だと思うのが③つ目の、市場との関わり合い方が見えてくる部分。

事業フェーズや企業方針でも変わるかもしれませんが、相手が何を求めているのか、ここが本当に大切。

事前の調査だったり戦略を立てる時ペルソナを作ったりもしますが、どれも仮説の域を出ません。

結局は実際の現場に出て、見聞きしていくことが大事です。

これはオウンドメディアに限らずですが、自社にとっての顧客が何を求めているのか分かれば、新サービスを立ち上げたり、品質を高めるための情報としても活用できるため、オウンドメディアで得られる情報は、かなりお宝物だと思っています。

タッチポイントとは
ユーザーさんまたは顧客と関わる接触機会、例えばwebサイト、電車広告、口コミなど、情報に接触するポイントを指します。

4. 目的の明確化

オウンドメディアの目的は、何にしたとしても最終的には売上・利益に繋がるため、ここはあまり考えません。

売上・利益以外で目的を大まかに分類してみると、

  • リード獲得(問い合わせなど)
  • 販売促進
  • ブランディング
  • 採用

この4つのいずれか、または複合的に考えていくことになると思います。

オウンドメディアのテーマや、何を成し遂げたいかによって、必要な戦略も変わってきますが、ずっと同じ目的を目指し続けるのではなく、事業フェーズによって変わってくるため、段階的な目的設定をするのがいいかもしれません。

例えば立ち上げ初期で、いきなり、リード獲得を目指したとしても、月間1件取れるか取れないか。

達成が難しい目的を掲げても、現場が疲弊するだけですし、何より会社に対してのオウンドメディアの見られ方が悪くなります。

先月も未達成、今月も未達成、そしたらこのオウンドメディア必要ですか?となり、コスト削減の対象とされて、運営すら続けられなくなる。

状況によって目的を定め、どんどん変えていく形がオススメです。

オウンドメディアのゴールへの勘違い

オウンドメディアの目的、最終的なゴールを考えたいですが、果たしてそれだけでいいのでしょうか。

例えばゴールを「オウンドメディアで月間100万円の利益を出すこと」と決めた場合、100万円を出したら一旦終わってしまいます。

次は200万円、さらにそのつぎは300万円。これを永遠に繰り返していく。

しかし、これらは自社のゴールであって、ユーザーさんや顧客のゴールではありません。

戦略・設計が何のためにあるかと言えば、利益を作り出すことですが、ユーザーさんの成功の大きさによって自社の成功が変わるのであれば、100万円などのゴール設定では不十分だと言えます。

オウンドメディアの運営者が考えなければいけないのは、ユーザーさん(顧客)のゴールであり、それがあって初めて自社のゴールにも到達できる。

まずはユーザーさんのゴールを考えることが、自分達のゴールに繋がることを理解する必要があります。

目的の明確化とは、自社のゴールよりも先に、ユーザーさん(顧客)のゴールを考えることが健全な思考だと考えています。

5. 戦える市場を調査

自社のビジネスや事業によって、すでにオウンドメディアのテーマが決まっている場合もありますよね。

例えば、住宅系のソフトウェア(SaaSなど)の事業を展開している状態で、オウンドメディアを使ったBtoBtoCのメディアを持ちたいと考えた場合、住宅系のテーマにすることは必然的に決まってくるかと思います。

すでにテーマは決まっているのに、改めて市場や競合を調査する意味があるのかと言われれば、不自然?かもしれませんね。

しかし、既存ビジネスと、オウンドメディアで繋がりたい人を全く同じように考えることはできず、むしろズレていることが多いと思います。

戦略設計を本格的に進める前に、改めて調査という時間を設けることによって、自分達の思考と市場のズレを直したり、戦略に必要な情報収集をするためにも、調査を行っておきましょう。

そして調査をする最大の利点としては、顧客心理に近づけること。

何を思い、何を考え、どんな感情を抱いているのか。

そこを調査をする過程で理解していくことが大切です。

全ての調査をする必要性はない?
調査方法は色々あると思いますが、全てを調査する必要はないと思っています。一番は、向き合うべきユーザーさんは誰なのか、何に困って、何を解決したいために情報を調べているのかを理解できれば大丈夫です。

自社で集められる情報

外を探さなくても、あなたの会社ですでに大量の情報が眠っているはずです。

まずは、自分達の情報をまとめることがオススメ。

例えば、実際の顧客対応をしている営業さんに話を聞く、またはデータとしてまとまっているならそれを活用する。

まずは外ではなく内に目を向けて、調査をしてみましょう。

ユーザーさんの本音調査

いきなりマーケティングのフレームワーク・カスタマージャーニー・ペルソナを使ってもいいですが、まずはユーザーさんの生の声を調べるのがオススメです。

誰に向き合うべきなのか、戦略を作る上で大切な情報。

直接インタビューで聞くのもいいですが、たくさんのQ&Aサイトがあるので、これらの情報などを活用させて頂きます。

直接インタビューする場合は、

  • ネットアンケート
  • グループインタビュー
  • デプスインタビュー
  • 業界に精通した人に話を聞く(例:スポットコンサル)

など、口コミや他社の事例やを見たり、インタビューを実施してオウンドメディアの対象となりそうな人が、何を考えどんな気持ちを抱えているのか調べていきます。

ネットアンケート・インタビューの費用感について
私の場合は、インターネット調査会社を使った調査で1,000サンプルを収集、インタビューの場合は謝礼なども含めて10人前後で10〜20万円ほどで何度か実施しました。予算に余裕があれば、ぜひオススメです。

カスタマージャーニーの作成

オウンドメディア戦略で必要なカスタマージャーニーマップ

上記のような、ユーザーさんがオウンドメディアに接触する前と後の流れを表したものは、カスタマージャーニーマップと言って、どのタイミングで、何が起きているのかを図式化したもの。

一連の流れを可視化したものを作ると、どのタイミングで、どんな打ち手を出せばいいのか分かってくるので、戦略作りでは役立ちます。

カスタマージャーニーマップでは、実際のユーザーさんを想定する、もしくはペルソナ(架空の人物)を作って、フロー化していきます。

ペルソナの落とし穴

ペルソナとは、年齢は?住まいは?趣味は?など、自分達がターゲットとする人物を架空で作り、それを元に色々シミュレーションするための存在です。

しかし、実際のターゲット理解ができてない段階で、架空の存在であるペルソナを作ると、理想論で作ってしまうことが多く、〜なはず、〜だよねと、実際のターゲットとズレていくことがあります。

それに気づかず進めると、オウンドメディアの戦略も大きくズレる可能性があるため、ペルソナを作るときは十分注意が必要です。

統計情報を使う

企業や人口など、国の調査機関などでデータが公表されているものも多い。

例えばe-Stat 政府統計の総合窓口では、様々な統計情報を確認できるため、私もよく使わせてもらっており、非常に助かっています。

このサイト以外にもあるのですが、情報に説得力を与える引用・出典先の一覧をまとめてみたのページに掲載しているので、こちらも参考にして頂ければと思います。

統計情報の集め方として、テーマごとで例を見てみたいと思います。

食系のメディア
食物の輸出・輸入、漁獲量、献立、野菜消費量、食品ロスなど

身体系のメディア
寿命、健康、身長・体重、食事、病気など

仕事系のメディア
人口、退職者数、退職理由、転職時期など

恋愛系メディア
夫婦、離婚、子供、性など

住宅系のメディア
戸建て、人口、訪問販売、延床面積など

全部を拾い上げる必要はないのと、最初の戦略設計時にどの情報が必要かも見分けが付きにくいため、気になった情報のみ集められれば大丈夫です。

コンテンツ制作を本格化してから、もっと様々な情報が必要になってくると思うので、そのタイミングでさらに詳細な情報を調べていくのがオススメ。

競合メディアを調べる

競合となるオウンドメディアはどこになるのか、気になる場合は調べておいた方がいいかと思っています。

あまり過度な競合調査をするとデメリットが高くなるため、私はあまり競合調査をしないようにしてきました。

最低限行う内容としては、

  • メディアの存在を確認
  • どんな方針で運営しているか

特にどんな言葉を使っているかは注意して見ています。

使っている言葉で、そのオウンドメディアの方針や考え方が見えてくるので、そこだけはしっかりチェックするのがいいかもしれません。

絶対注意!!!
競合メディアを調査すると「競合がこれをしているから、この施策を入れたい」「あっちがやってるならうちも!」とこんな思考が出てきますが、これは完全な悪手です。自社が関わりたいユーザーさんを見ずに、競合を見て戦略を考えても失敗確率を高めるだけなので、その危険性だけは覚えてほしいです。

競合情報を可視化するフレームワーク
オウンドメディア戦略で必要な競合情報を可視化するフレームワーク
コトラーの競争地位

コトラーの競争地位とは、競合との力関係を把握するためのフレームワーク。

ポジショニングマップとも似ていますが、自社が始めるオウンドメディアと周りにいる競合の力関係を理解しておくと、取るべき戦略も見えてきます。

リーダー:市場の中でトップの実力を持つ
チャレンジャー:市場で2番目の実力を持つ
ニッチャー:ニッチな市場で差別化を図っている
フォロワー:リーダーとチャレンジャーの下の位置(立ち上げ初期はここ)

自社の戦略も大事ですが、力関係の把握による競合の打ち手も推測できる状態にしておくといいかもしれません。

SWOT分析(スウォット)

SWOT分析とは、内部要因と外部要因を抽出し、自社にとって最適な打ち手を見つけるための分析フレームワーク。

これを競合に対して行うことで、どこから攻めるべきなのかが見えてきます。

意識を向けるべきはユーザーさん(未来の顧客)ではありますが、競合にずっと負けっぱなしでもいられないので、相手の弱みを見つけて、自社でそこを攻めていく戦略もありだと思います。

6. 顧客の見極め

最初は単なる情報を知りたいだけのユーザーさんだったのが、いずれは自社の顧客になってくれる。

これが理想の形かと思います。

正直言えば、今すぐ自社の「顧客」となってくれる人だけを引き寄せられる戦略が立てられれば一番いいのですが、そんなうまい方法はありません。

オウンドメディアの初期フェーズなら尚更。

さらに競合他社も、しのぎを削って、すぐに顧客となってくれる人を取りにきているので、なかなか「自分達だけ」というのも難しい状況。

そのため、今すぐに顧客となってくれる人だけなく、まだ適切なタイミングではないけど、情報を求めている人にも、見にきてもらえるような配慮が戦略には必要です。

誰でもいいわけではなく、考えなければいけないのは、オウンドメディアを運営するのは自社の経営課題を解決するためなので、課題解決に該当する人は誰かを見極めること。

経営課題に紐づかない顧客を引き寄せても、あまり意味がないため、ここの意識は大事だと思っています。

下記の図は、経営課題の解決に紐付く、顧客を見極める考え方の一つ。

良いキーワード選びマトリクス

参考:良いキーワード選びマトリクス

優先度1:経営課題が解決でき、PVやCVが増やせる人
優先度2:経営課題が解決でき、PVやCVが増やしにくい人
優先度3:経営課題が解決できないが、PVやCVが増やせる人
優先度4:経営課題が解決できないし、PVやCVも増やせない人

このように優先度をつけると、どんなユーザーさんに対して意識を向ければいいのか、方向性が見つけやすくなります。

もう一つ大事な見極め方として、ユーザーさんの緊急度で考えてみることです。

ユーザーの緊急度(感情の度合)でコンテンツを考える事が大切

参考:緊急度で分けて考える

緊急度とは、どのくらいその情報が欲しいのか、または心に強い痛みや不安を抱えており、解決したい度合のこと。

何かを論理的に考え、合理的な行動をしていると思いがちな人類ですが、実は感情の起伏だったり、突発的なことを起点に、モノゴトを選んでいることが多いです。

あなたも、喉がカラカラで、今すぐ水が飲みたい!と思ったら、水道に早足で向かったり、コンビニに寄ったりと、行動に現れていませんか?

急いで何かを解決したい状況であれば、その心理を理解することで、顧客となってもらえる可能性も高いため、戦略として見逃せない意識です。

緊急度の注意点
緊急度が低くても、突然「今すぐ」になる場合があります。例えば普段は必要ないけど、急に怪我をして必要になった。このように何が起こるか分からないため、ユーザーさんの緊急度も突然変わる可能性があることは覚えておきましょう。

失敗感情を理解することが顧客を制す

あなたはオウンドメディアが「成功」するのと「失敗」では、どちらがいいですか?

答えは当然、成功することだと思いますが、失敗をしたくないからこそ、成功したいと思っているはずです。

みんな誰もが大小問わず「成功」したいと思っていますが、成功したことがない事だと、イメージも湧かないので、なかなか感情的にも高まりません。

しかし、失敗は別で、何かを失ったり心に痛みや不安を感じることはイメージしやすく、その可能性をどうしても考えてしまうため避けたいと思うもの。

自分の責任で失敗したくはないと思っていることも多いかもしれませんね。

だからこそ情報に対して、

  • 信頼性
  • 権威性
  • 信頼性

を求めて、自分の代わりに意思決定してくれる存在を望んでいる人も、いると思っています。(自分では決められない人)※ 参考:信頼性・権威性・信頼性を表すE-A-Tについて

「失敗したくない」に関する情報は、ユーザーさんを強く引き付けるため、この感情を抱くポイントを見つけて戦略に組み込むのがオススメです。

将来的なターゲットの拡張性を考えておく

誰に向けて、コンテンツを用意して集客をすればいいか、考え方は様々ありますが、その中でも顕在層と潜在層の考え方は戦略を立てる上では大事な情報。

顕在層
すでに意識として認識できている
例:キーワード検索をする際に言葉として表現できる

潜在層
意識として認識できていないが深層意識にはある
例:直接調べたいキーワードが思い浮かばない

まずは、キーワードを検索できる顕在層向けのコンテンツを用意するのが基本。

検索する言葉として思い浮かばない、このようなキーワードでコンテンツを作っても、ユーザーさんからは認識されず、存在しないのと同じことなので、オウンドメディア戦略としては慎重に扱う必要があります。

しかし、いずれ検索される可能性があるならば、今のうちにコンテンツ化しておくことも重要。

今だけを見るのか、または将来の可能性も考えるのか、これでも戦略が変わってきます。

その例として、

通常、SEOでは、すでに多く検索されているキーワードを狙って施策を行うことが多いですが、自ら検索市場を作るというのは、最強のSEOだと思いました。引用:急成長の背景はゲーム好きだからこそ作れるコンテンツ GameWith社SEO事例

ゲームメディアを運営しているGameWithさんは、2016年の時点で月間7億PVものアクセスを叩き出しているようなので、顕在層だけを意識したコンテンツではなく、潜在層や自ら検索市場を作り出すことも、多くのメリットがあることを教えてくれました。

顕在層と潜在層を図で表すと下記のようになります。

顕在層と潜在層のボリュームの違いを表す図

言い表すとしたら氷山の一角といった言葉が合いそうです。

戦略を立てる時、色々な情報を集めている関係で、知っているからこそ視野が狭くなって、顕在層の一部しか見えていない場合もあります。

そもそも、考え方次第で、どのようにも広げていけるため、凝り固まった思考のフィルターを外して、顕在層だけでなく潜在層も狙っていけるようにしましょう。

ポジションを作りにいく思考が必要

ブランディング戦略にも関わってくるのですが、ユーザーさんの中のどんなポジションになれるかを考えることが大事です。

もっと簡単に言えば、ユーザーさんにどんなオウンドメディアとして認識されたいのか。

  • 安心できるメディアなのか
  • 情報がたくさんあるメディアなのか
  • デザイン的な魅力のあるメディアなのか

上記はほんの一例ですが。ユーザーさんの中で「このメディアはこれ!」という認識を取りにく。

例えば、友人の田中くんはおっとりしてる人だから話しやすい、上司の鈴木さんは高圧的だから喋りにくい。

こんな人格とも言えるかもしれません。

コーヒーならスターバックス、ハンバーガーならマクドナルド、◯◯◯ならあなたのオウンドメディア。

このような形で、ユーザーさんの中のポジションを作りにくことが必要なんです。

世の中は、たくさんの情報で溢れかえっているため、情報がただ掲載されているだけのオウンドメディアでは弱い。

「この情報ならあなたのオウンドメディアだよね」と認識を持たれるくらいにならなければ、周りの競合やその他雑多な情報の海に埋もれてしまいます。

数ある中から頭ひとつ抜け出すためにも、ユーザーさんの中のポジションを取りに行く思考を持っておきましょう。

その思考が、戦略を決める上での、大事な指針にもなります。

7. 戦略に必要な情報やスキルの確認

オウンドメディアの戦略を設計していくためには、あらゆる知識が必要です。

これまでのステップは、ある意味、頑張ればなんとかできますが、ここから先は専門知識がもっと必要にもなるため、改めて戦略設計に必要な情報が何であるかを確かめておきましょう。

  • サイト構築(システム含む)
  • デザイン(web・エディトリアル・UI・UX)
  • SEO、SXO
  • コンテンツ作成
  • マーケティング
  • 分析、解析
  • SNS
  • 広告
  • ブランディング
  • 評価(事業、人事)
  • インサイドセールス
  • 成功・失敗体験
  • 広報、PR

これだけではありませんが、状況に応じて複合的に掛け合わせていく必要があります。

例えば「自社にこれらのノウハウがないから代行やコンサルティングを入れよう」と思ったとしても、その会社も全ての知識を持っていない場合もある。

そのため、今回オウンドメディアで達成したい目的に合わせて、どんな知識やスキルが必要なのか改めて考え進めていきます。

ノウハウがない場合は?
自社だけでは、必要なノウハウが集まらなそうな場合、外部を頼ることも検討しなければなりません。
・コンテンツマーケティングのコンサルティング
・オウンドメディアのコンサルティング
参考情報も別にあるので、そちらも読んで頂ければ嬉しいです。

8. キーワードの選定

オウンドメディアで可能な集客は、自然検索(オーガニック)と呼ばれる方法で見に来てくれたユーザーさんがメインになります。※ 自然検索とは、検索ブラウザを利用して検索する行為のこと。

広告・SNS・ブログプラットフォームなど、様々な流入経路は考えられますが、基本は自然検索で考える。

そのため、記事コンテンツを作って集客を行なっていきますが、作成にはキーワードを選択する必要があります。

キーワードは、単なる言葉ではなく、以下の要素が含まれている。

  • 不安や悩み(心に感じる痛み)
  • 抱えている課題(解決したいこと)
  • 選択するための情報(良い意思決定)

これらを合わせると、人間の「〜したい」と思う欲が具現化された言葉がキーワード。

欲をベースに考えると、ユーザーさんを引き付けるのはもちろん、Googleなどの検索エンジン提供会社に対して、オウンドメディアのテーマを認識させ、そのテーマに関連するキーワードが検索された際、上位に表示してもらう検索上のメリットもある。

キーワードの選択次第で、戦略も大きく変わっていくことになります。

流れとしては、

① テーマに関するキーワードの全体像を把握
② グルーピングを行う
③ 優先度を設定する

この3つは基本的に行っておくといいかもしれません。

6. 顧客の見極め」が行われていることが前提ですが、誰に対してコンテンツを届けたいのかによって、選ぶべきキーワードも変わってくるのが面白いところ。

上記のような流れを必ずしもとる必要はなく、書きたいものを書く!といった方針でもいいと思っています。

コンテンツ制作を本格的に進めて行く際、スケジュールを決めていたとしても、どうしても別のキーワードで書きたい場合も出てくる。

そこで感情を無視して、スケジュールを完全に徹底する方がいいのか?と言われたら、私はNOと言いたいです。

実は、オウンドメディアを運用し、コンテンツを作り続けるには、書き手のモチベーションや感情が非常に関係してくる。

例えば、ネガティブな時に書いた文章はネガティブ寄りになり、ポジティブな時に書けばポジティブ寄りな文章になりやすい。

生み出される”言葉”は人間の感情によって、大きく変わってきます。

いくら具体的で問題解決もできる情報が入っていたとしても、読み手であるユーザーさんが文章から感じる印象がネガティブでマイナスなイメージだと、その後のリード獲得や問い合わせに繋がりにくくもなる。

それだけ書き手の感情が大きく作用されるため、これを書きたい!と言った感情はないがしろにせず、そのまま書いてもいいような方針にして頂くのがオススメです。※ ライティングを外注ではなく内製で行う場合。

少し話がそれましたが、①〜③をもう少し詳しく見てみたいと思います。

① テーマに関するキーワードの全体像を把握

キーワード戦略を行うためには、まず何がどのくらいあるのか、オウンドメディアのテーマに関するキーワードの全体像を確かめるのがオススメ。

もちろん、最初に調べた後も、どんどんキーワードが見つかると思うのですが、最初はできるだけ調べられるだけ調べておきます。

調査ツールの鉄板としては、

これらほぼ無料で使えるので、使えるツールでキーワードをたくさん調べていきます。※ キーワードプランナーのみ、広告設定しなければ詳細が調べられないようになっています。

有料の超高性能なツールもたくさんあり、ミエルカSEARCH WRITEキーワードマップSEMrushAhrefs、これらが使えると、かなり調査時間が短縮されて便利かもしれません。(だいたい月間5万円以上〜なのでお高いですが…。)

調べていくうちに、あなた自身では思いもよらない、関連キーワードも出てくる場合もあります。

キーワードを調べるのは、正直言って手間だと思いますが、あなたがこれから向き合おうとしている領域、またはユーザーさんがどのような不安・悩みを抱えているのかを知るためには大切なこと。

相手を理解するための準備として、必要な工程です。

どのくらい調べればいいの?
テーマにもよりますが、スプレットシート(またはエクセル)であれば、10,000行は軽く超えると思います。そのくらいのキーワードがあるんです。

② グルーピングを行う

集めたキーワードをいくつかのグループに分けます。

分け方としては下記のような4種類あります。

STEP1:分類で分ける
STEP2:検索の動機で分ける
STEP3:緊急度で分ける
STEP4:自社の経営課題に関連するかで分ける

分け方は、オウンドメディアの戦略家によって違うと思いますので、必要な分け方を取り入れて頂くのがいいかと思います。

全ての分類を行わないといけない?
全て行うことで、対策すべきキーワードが見えてきますが、手間がかかるので、SETP2の検索動機まで調べてもらえるだけで、ある程度は分かってきます。

STEP1:分類で分ける

分類分けは初歩的な分け方なので、誰でも比較的簡単に分けられると思います。

例えば仕事に関するテーマで調べたのであれば、

  • 転職
  • 副業
  • 退職
  • 休職

など、キーワードに属する分類で分けていく。

STEP2:検索の動機で分ける

もう一つは検索の動機で、

  • 〜したい(DOクエリ)
  • 〜知りたい(KNOWクエリ)
  • 〜行きたい(GOクエリ)
  • 〜買いたい(BUYクエリ)

ユーザーさんが何をしたいキーワードなのか動機で分けます。

STEP3:緊急度で分ける

キーワードを調べているユーザーさんの状況を加味したグルーピングも行っておきます。

  • 今すぐ
  • 数ヶ月後
  • 数年後
  • 3年以上後〜

なぜそのキーワードを入力してまで調べたいと思ったのか、ユーザーさんが置かれている状況、または感情がどうなっているのか、緊急度として表します。

緊急度が必要な理由としては、すぐに解決を求めているのであれば、必要な情報を最適なタイミングで提供できれば、単なるユーザーからファン、または顧客になってもらえる可能性が高いから。

とても大事な分類なので、できればグルーピングしておくのがオススメです。

STEP4:自社の経営課題に関連するかで分ける

最後のグルーピングは、自社の経営課題を解決するのに、どれだけ貢献してくれるか。

例えば自社の経営課題が「商品販売の向上」だった場合、そこに繋がるキーワードの方が優先度は高くなります。

逆に、商品販売に関連しづらいキーワードの優先度は低くなる。

自社の経営課題を解決するための影響度合いを下記のように入れていきます。

  • 課題が解決できる
  • まぁまぁ課題が解決できる
  • 課題は解決できない
  • 全く課題は解決できない

③ 優先度を設定する

キーワードを抽出し、必要な分類に分けたら、経営課題を解決できる確率が高いキーワードに絞って、優先度を設定していきます。

表にすると下記のような形です。※ 下記には仮の数値を入れています。

運営:転職系のアフィリエイトサイト
課題:転職サイトへの誘導がうまくいかない

キーワードボリューム分類動機緊急度
①転職サイト3,000転職〜知りたい
②仕事 辞めたい2,000退職〜したい
③退職 方法100退職〜知りたい
④仕事 うつ300病気〜したい
⑤上司 嫌い100人間関係〜知りたい

この中で対策すべきキーワードの優先度としては、下記の順番。

優先度1: ②仕事 辞めたい
優先度2: ①転職サイト
優先度3: ④仕事 うつ、③退職 方法
優先度4: ⑤上司 嫌い

判断する方程式として、

ボリューム × 動機 × 緊急度 = 優先度

計算する点数は下記のように設定しています。

動機点数緊急度点数
〜したい33
〜買いたい22
〜行きたい11
〜知りたい0不明0

①転職サイト
3,000 × (0) × 2 = 6,000

②仕事 辞めたい
2,000 × 3 × 3 = 18,000

③退職 方法
100 × (0) × 3 = 300

④仕事 うつ
300 × 3 × 3 = 2,700

⑤上司 嫌い
100 × (0) × 1 = 100

判断基準が分からない場合は、このように付けたラベルに点数を付けて、計算式に落とし込んでみる。

これはあくまで、私の考えの一つのため、他の判断基準もあるかと思いますが、あなたの考えに合うようであれば、参考にして頂けると嬉しいです。

キーワードの難易度でも分けておくと便利
調査ツールの中には、キーワードに対する難易度が分かるものもあります。アルゴリズムは様々ですが、対策すべきキーワードの優先度や選定をする上では、良い指標にもなります。

9. マーケティング施策の策定

マーケティングとは、何かふわふわしている言葉だとも思っています。

そしてあなたの方がマーケティングに精通しているかもしれませんが…改めてオウンドメディアに必要なマーケティングを考えてみたいと思います。

オウンドメディアにおけるマーケティングとは、何かフレームワークを使った情報整理や調査をするだけではなく、確実に実行して継続して成果を上げていくものでなければいけません。

このページのマーケティングの定義
マーケティングとは、人の心や行動を動かす理由を与え、信頼を得ていくこと。※ オウンドメディアに対しての考え方となります。

基本的な思考としては「ファネルではなく循環モデルで考える」で書かせてもらったような、ユーザーさんまたは顧客と継続的に関わり続けること。

SNSの広告を打つ、キャンペーンを企画する、このような施策はマーケティングでは手段の一つでしかありませんので、総合的に考えていきたいと思います。

オウンドメディアでは下記の図ように、ユーザーさんとの様々なタッチポイント(接触機会)があるため、まずはここを理解しないといけません。

オウンドメディアに関わるタッチポイントを示す図

オウンドメディアが中心となってハブ的機能を持ち、様々な方面と繋がっている図です。

テーマにもよりますが、どの繋がりを強くすれば、オウンドメディアとしての機能が最大限活かせるのか考える必要がある。

基本のマーケティング戦略

立ち上げ当初は、オウンドメディアに対してGoogleの評価も定まっていない、世の中にも認知されていない状態なので、期待するアクセス数を確保するのは難しい状況。

そのため下記をポイントにして動いていくのがオススメです。

  • SNS
  • コンテンツ企画

いきなり成果を求めていきたい気持ちは分かるのですが、数千万の大規模な予算が取れない限りは、地道にユーザーさんとGoogleからの信用を得るための動きをしていくのがいいと思います。

例えばGoogleからの自然検索ではない、複数の流入経路を作る動き。

オウンドメディアが中心となって周りにSNSとかタッチポイントを描いた図 の初期フェーズの部分以外は薄くした画像

Googleに評価してもらうためには、被リンクと呼ばれる他者が自分のオウンドメディアに対して言及してくれる数の多さが重要だと言われており、自然な形で被リンクを作っていきます。

方法としてはオウンドメディアと相性の良い、

  • Pinterest(ピンタレスト)
  • note(ノート)
  • Twitter

この3つを軸に、マーケティング戦略を考えていきます。

Pinterestとnoteに関しては、投稿内にURLを貼り付けることができるので、多少の被リンク効果を得ることができます。(Search Consoleで確認済み)※ Twitterは被リンクとして直接関係ないとは言われています

Search Consoleの被リンクのスクリーンショット

単純に被リンクを多くしていくのではなく、オウンドメディアに関連する内容を投稿していき、関連性を高めていく。

また、Twitterに関しては拡散力が非常に高いため、初期フェーズに関してはTwitterユーザーに求められるようなコンテンツを企画して投稿していくのもいいかもしれません。

例えば他の人がやりたがらない手間のかかる調査を代わりに行ったり、情報への意識は高いが普段時間が取れなくてできていないユーザーさんに対しての企画など。

オウンドメディア自体での集客が初期フェーズでは難しいため、周りを利用してアクセスや認知を増やしていくのがオススメだと思います。

10. 差別化

もしかしたら、あなたも周りから、上司から、口がすっぱくなるほど「差別化が大事」だと言われているかもしれませんね。

確かに差別化は大事ですが、差別化の意識ばかりを先行させてしまい、ユーザーさんを置き去りにしてしまうと本末転倒です。

差別化が大事ではありますが、向き合うべきはユーザーさんであることは忘れないようにしましょう。

そして、オウンドメディアにおける差別化戦略で大事なのは、ユーザーさんの中の、どのポジションに入れるか。

オウンドメディアで大事な差別化戦略:どのポジションを獲得するのか

上記はポジショニングマップと呼ばれる、競合他社と市場における居場所を表したものですが、このような形でイメージを作ってみるとわかりやすいかもしれません。

二つの指標を用いて、マトリクス図として表してみる。

差別化と聞くと他社と違ければいいと思って、

  • テーマが違う
  • メインカラーが違う
  • 使っているフォントが違う
  • デザインが違う
  • 文章の構成が違う
  • …etc

など、違うことを見つけてそれを選んでいくことだと思ってしまいがちですが、これは本質的ではない差別化だと思っています。

そもそも、競合も似たようなテーマでオウンドメディアを運用しているため、多少なりとも被ってしまう部分は必ず発生してくる。

これがダメ、あれがダメ、このような思考でいると、最初にも少しお伝えしたのですが、競合他社への意識が強くなり、ユーザーさんへの意識が薄まってしまう。

オウンドメディアで差別化をするのであれば、見た目・テーマではなく、一番大事なのがユーザーさんの中でどう思われるかのポジションの違い。

小手先の違いなんて、ユーザーさんは気にしていません。

例えば、あなたがお肉を食べたいと思ったら、焼肉なら叙々苑、ハンバーグならびっくりドンキー、すぐに思い浮かべられるようなポジションに入れることが重要です。

ユーザーさんの中でのポジションが得られないのであれば、永遠にただ情報を見られて終わりの媒体にしかなりません。

オウンドメディアの目的は、最終的に売上向上をサポートすることなので、情報を見て終わりで去られてしまっては意味がないんです。

◯◯だからこそ、あのオウンドメディアを見たい。
◯◯には、自分が必要な情報がある。

このようなポジション作りの差別化が大事。

その思考があって初めて、カラーは何にしようか?デザインはどんなのがいいのか?細かい部分の違いを調整していきます。

最初から細かい違いを作るのではなく、まずはユーザーさんの中のポジションの違いを差別化として作っていきましょう。

差別化ポイント

細かい差別化は後回しでもいいと書いたのですが、オウンドメディアのタイトルなどは、非常に重要な差別化ポイントです。

例えば、

タイトル① SEO Technology
タイトル② SEO相談室、SEOお助け屋さん

選ぶとしたら②のようなダサい感じのがいい(BtoC BtoBtoCの場合は特に)。

あまり誤解のないように書いておくと、カッコいい名前や目新しさは、向き合うべきユーザーさんからしたら合わないことが多いんです。

もっと心理的距離が近くなる、ターゲットとなるユーザーさんが日常会話で発しているような言葉を使うのがオススメ。

相手に分かりやすい表現は、オウンドメディアにとって、ものすごく大切なので、この意識も持って頂けるといいかもしれません。

11. フェーズごとで違う戦略設計

事業のフェーズによっても戦略を変えていくことが大事だと思っています。

合わないタイミングで、無理な計画を立てても、噛み合わずにうまくいかないですからね。(本当に…。)

立ち上げ初期から考えて、フェーズごとの事業戦略を見てみたいと思います。

条件が変われば戦略も変わる?
会社の方針、関わるスタッフさん、メディアのテーマ、運用方法などによっても変わってくるため、一般的な流れとして下記をご確認ください。

立ち上げ〜運用低減〜成長減速

新規立ち上げ(初期)

まったくの立ち上げ初期の場合は、少しでも成長を早めるためのアクションが優先になるかと思います。

例えば、デザインが仕上がるまで、サイトが公開できない理由は一つもないので、記事コンテンツだけは先に投稿していく。※ 記事投稿ができるCMSとしてwordpressなどを利用する前提

他にも、成果が出にくいことが分かっているので、成果を人事評価にするのではなく、やったことに対しての実行評価にしておく。

SNSと連動させて、様々な流入経路(チャネル)を作っていくなど、広げていくこと・認知を獲得することを重視。

もちろん、記事コンテンツの品質が高いことが前提です。

もし、web担当者さんが一人で対応しなければいけない場合などは、そこまで多くのリソース(時間)は使えないと思うので、記事品質を高めることだけに注力してもいいと思います。

とにかく初期フェーズでは、全くのゼロからの出発なので、信用も認知もない状態のため実行力が求められる。

色々優先させることはありますが、実行力がカギでもあるため、やる気やモチベーションが高いスタッフさんを確保することが先決かもしれません。

そして、十分に集中して業務に取り組める環境を作ってあげることが大事です。

初期フェーズで実行すること
・メディアの専門性の確立
・希少性の提供
・被リンクの獲得

立ち上げから半年~1年(運用低減期)

運用を始めて半年が過ぎると、実行してきた成果が徐々に現れてきます。

しかし、十分な時間が取れなかったり、立ち上げ初期から全然運用が回せてない状態だと、半年が過ぎても成果が出ていなかったり、オウンドメディアに関わる組織が機能していないことも。

運用機能が低下している場合は、改めてオウンドメディアの戦略や組織体制を見直すことが必要です。

  • 戦略、組織の見直し
  • コンテンツの見直し
  • インハウス化(内製化)を強化するためのサポートを受ける
  • 広告の活用
  • 新たなマーケティング施策の取り入れ

今までがダメなのであれば、大きな意識改革や行動改革を決断する。

自社にノウハウがなくて進められていないのであれば、コンサルティングやサポートを外部から受けるのもいいと思います。

何より、成果が出せないことで、せっかく始めたオウンドメディアをこのままにしていては、非常にもったいない。

私が携わっていたメディアは、みんなが片手間になっていたので、運用に本腰を入れて改めて意識を入れ替え行動を変えたことで、事業として収益が立てられるまでの成長を、チームのみんなと一緒に経験できました。

参考:オウンドメディアの成功事例を運営方法もあわせて解説

立ち上げ初期から成果が出ていないと、悲しさや虚しさが増えてしまっているかもしれませんが、やり方次第で成果を変えることはできます。

オウンドメディアはいくらでも生まれ変わらせることができるので、運用が機能していないのであれば、改めて熱を入れてほしいです。

第二フェーズで実行すること
・戦略の調整
・市場とのマッチング調整
・運用改善

立ち上げ1年~(成長減速期)

オウンドメディアを運用して数年が経過していると、今までやってきたことだけでは、さらに成長できない時期になっている場合も。

ユーザーさんに求められる情報をコンテンツ化し、品質にこだわって投稿していたとしても、減速するタイミングはやってきます。

常にアクセスが上がり続ける状態を作るのが、いかに難しいか…。

また、最初に描いていた戦略が、ユーザーさんや時代の変化によって合わなくなっていることも考えられます。

成長が落ち着いてしまってきたら、改めて挑戦をする意味でも新しいことをやり出していくのがオススメ。

むやみに新しいことをするのではなく、溜まりに溜まった各種のデータを活かしていく。

  • アクセスデータ
  • 調査データ
  • 営業からのお願い
  • 顧客からの要望

などなど、運営してきた期間で、たくさんのデータが揃っているはずです。

溜めてきたデータを使ってプレスリリースを配信する。
企画や記事コンテンツに活かす。
セミナーを開催する。

新しいことは、過去にやってきたことの延長線上で考えていきます。

そうすると、今までやってきたことが全て無駄にならず、新たに活用することができるので、骨まで美味しいオウンドメディアの運用が作れる。

常に未来を向きつつ、過去を活かして進むのがオウンドメディアなので、全ては繋がっていることを意識すると、現状を改善する策が思いつきやすくなると思います。

第三フェーズで実行すること
・データ、ノウハウを活かす
・新しい成長戦略を立てていく

売却に至ったメディアの戦略

私が携わったメディア・サービスの価値を他社に理解して頂き、売却まで至った戦略も参考にして頂ければと思います。※ 売却に関しての情報はFISCOさんのページで確認できます。
※ 私自身は子会社の株式会社ファングリーへ転籍しています。(コンテンツ事業へ注力するため)

初期フェーズ
集客がなければ始まらないので、コンテンツ品質を軸にした戦略を立て、ひたすらコンテンツ作りに没頭。一年で10倍の成長ができたことで、オウンドメディアを多くの人に知ってもらえる状況を作れた。

第二フェーズ
ユーザーさんのニーズを細かく把握するため、多数のコンバージョンポイントを作り、どの形、どのテーマだとコンバージョンが増やせるか検証。

第三フェーズ
成約に結びつきやすいコンバージョンポイントだけを残して、集中と選択を実行。さらにコンバージョンポイントへ誘導する導線の強化を行う。

まとめると、集客向上 → コンバージョン拡大 → コンバージョン精査 の流れ。

まず集客を改善させてから、実際の売り上げの元になるコンバージョン(リード)獲得へシフトして、さらに成約率を高くしていく流れで、オウンドメディア事業を進めた結果、買収されるに至りました。

あまり細かい話は契約上できませんが、オウンドメディアの成長によって、会社にとっても大きな影響を与えることができたため、やり方次第で自社の事業に大きな影響を与えることが可能です。

フェーズによって目指すべき目標も変わり、そのための戦略も変わってきます。

全部をいっぺんにはできないため、一つ一つクリアしていくことになると思いますが、集客=コンバージョンではないことだけは覚えておかないと危険です。

いくら集客ができたからといって、コンバージョン(リード)獲得をするための思考や施策はまた別物。

繋がってはいますが、施策としては違うので、そこだけは間違えないようにしましょう。

12. 戦略実行に必要な組織編成

オウンドメディアの組織とは、自社の人員だけではなく、関わってくれる全ての人のことを指します。

自社スタッフさん、フリーランス、制作会社、コンサルタントなど、様々な人が関わっている場合もありますが、これらをバラバラに考えるのではなく、全て一つのチームとして考える。

関わってくれる全員が合わさって、オウンドメディアを成長させるプロジェクトが実行できるため、一人として無駄な人選はできません。

また、他社で成功した編成だったり施策を自社で行なったとしても、同じような成果が得られるとは限らない。

組織やチームの特性によっても相性があるため、戦略も変わってきます。

だからこそ「1. 自分達のことを知る」や「2. マインドセット」で見て頂いた内容が大事になるんです。

オウンドメディアは片手間で成長させられるような代物ではなく、関わるみんなが同じ方向を向き、全力を出していかなければ伸びていかない。

自分事として捉え、オーナシップを発揮し、お互いがチームを引っ張っていく。

人材定義や採用から入っていかなければいけません。

単純にコンテンツ制作をするだけがオウンドメディアではないため、社内の様々な部署と協力しながら、組織・マーケティング・制作・運用など、全力を持って当たることが必要です。

13. 運用

戦略設計では必ず、運用について考える必要があります。

この運用こそ、もっとも大事だと言える内容。

オウンドメディアは、最初に作った状態を維持するだけで、そのまま成長するわけではなく、ユーザーさんが求める情報をコンテンツ化し、投稿し続けていくことが基本です。

いかにして、ユーザーさんに満足してもらえるコンテンツを多く揃えていけるか。

コンテンツを分解してみると、

  • キーワード
  • 熱量
  • かける時間
  • スタッフのスキル
  • ユーザーへの理解度
  • 専門知識の深さ

などで構成されており、事前の調査が必要、人材の確保が必要、ユーザーさんへの理解が必要、専門知識が必要…コンテンツを作るだけで、かなりのレベル感が求められます。

これを継続していくには、運用が継続できる組織と環境を用意し、一定の品質を保つためのルールやマニュアルを作ることも必要になってくる。

また、市場に対してオウンドメディアが合っているかを常に確認するため、ユーザーさんからの生の声を収集する仕組み(NPSなど)や、生の声に触れる機会もあるといいと思います。

オウンドメディアの一番多い失敗原因は継続できないこと。

たとえ継続できたとしても、その継続レベルが低ければ、成長もまた遅くなる。

続けながら品質を保ち続けていくことがいかに難しいか、だからこそオウンドメディアは会社の全力を持って当たらなければ成功することが難しいんです。

運用は、オウンドメディアの成功確率を高めるための戦略となります。

オウンドメディアの戦略に不安を感じていませんか?

オウンドメディアの戦略設計は、未来を作っていくことでもあるので、きっとワクワクするかもしれませんね。

しかし、ノウハウがなければ、本当にこれでいいのか?競合の真似をした方がいいのではないか?と不安を常に感じる場合もあるかと思います。

会社の方針や、組織などによっても、合う戦略はバラバラなのと、何が合うのかある程度進めていかなければ分からない事も多い。

そのため、初期に設計する戦略は70%前後の完成度であり、常に状況に合わせて変化をさせていくため、完璧な100%にはならないことを知って頂ければと思います。

状況を見ながら、自社に合った方法を確立させていくことで、戦略の完成度は高くなっていきます。
著者:sugiyama

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