いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。DXのことを、まだ知り始めたばかり、または聞くようになってきたあなたに見てもらいたい情報をまとめています。
「DXってよく聞くけど、一体なんなの…?」
あなたの会社の上司や社長、または営業先やSNSなどでも、聞かない日はないくらいDXに関係するお話が出ていますよね。
すでに社内で「DX推進課」なんて呼ばれる部署ができている場合もあるかと思います。
これだけ流行っているから、知ったかしていようかな…もしくは知らなくてもいいかな、こんな状態ではいられません。
周りに聞けないあなたが、こっそりとDXについて理解できるようまとめたので、この情報がお役に立てられれば嬉しいです。
- 目次
- DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
- 企業にとって、なぜDXが必要なのか?
- DXを推進する前に知っておきたい問題の数々
- 海外のDX化はうまくいってるけど、日本のDX化は難しい?
- DXに不安を感じているあなたへ
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXとは、デジタルトランスフォーメーションの略語で、企業でデータを活用したりデジタル化を進めて、企業内改革を行い成長や競争力を維持・向上させること。
経済産業省はDXレポートと呼ばれる資料の中で、
この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性(2025年の崖)。引用:経済産業省 DXレポート
このような危機感を前面に出した資料を公開しており、連日様々な場所でもDX関連のセミナーや相談が繰り広げられています。
そして、なぜデジタル化が必要かと言えば、今こんな弊害が生まれています。
- 単純に情報を入力するだけのシステムを使っている
- 更新やアップデートをするのに手間がかかっている
- 古い技術なので対応できる人がいない
- そもそも処理速度が遅くて無駄に時間がかかっている
毎日発生する作業に5時間かかっていた場合、月間だと100時間くらいが発生しています。
本来であれば、もっと効率化ができ、生産性をあげられるのですが、古いシステムを使い続けることで、作業に時間がかかり続ける。
世の中が求めていることが、ものすごいスピードで変わり、ビジネスの現場が大きく動いている状況なのに、ずっと無駄に時間をかけ続けることは、競合他社に負けることを意味しています。
もっと利益を生み出すことに時間を使えるよう、無駄をどんどん省いていくことがDXの基本と言えるかもしれません。
例えば、毎日5時間かかっていた作業が10分に変わったらどうでしょうか?
仮に計算をしたら、
5時間 × 20日 = 100時間
10分 × 20日 = 3時間
100時間 × 時給1000円 = 100,000円
3時間 × 時給1000円 = 3,000円
10人 × 100,000円 = 1,000,000円
10人 × 3,000円 = 30,000円
単純計算ですが、90万円以上の差が出てきます。※ 数値は仮で計算
企業のデジタル化を進めていくことで、
- 人件費の節約にもなる
- 作業のストレスが大きく緩和される
- スタッフさんのモチベーションも上がる
- 浮いた時間を別に回せる
このように、仕事環境や就業の満足度に対しても大きな変化が起きる。
一人だけでは恩恵も少ないですが、十人百人と合わせれば、それだけ大きな好影響を受けることができます。
日本企業が、今後も戦っていくには、DXが欠かせません。
企業にとって、なぜDXが必要なのか?
企業内のデジタル化を推進していくことで、メリットを感じることはできますが、なぜDXをしなくてはいけないのか。
DXを単純なIT化だと思っていると、失敗する可能性があり、現場に大混乱が起きて売り上げや利益が減ってしまう恐れもある。
そのため、なぜDXが必要なのかを改めて見てみたいと思います。
理由としては、
- 1. 労働集約型からの脱却
- 2. 人口減少
- 3. システムを調整できる人がいなくなる
- 4. 経営層の危機意識の薄さ
- 5. 企業内のIT人材の少なさ
- 6. 変化する顧客ニーズへ対応できない
- 7. 現状のビジネスモデルが合わなくなってきている
これらが単純なIT化で、DXができるわけではないことを示しています。
大事なことなので、それぞれをもう少し詳しく見てみましょう。
1. 労働集約型からの脱却
日本は昔から、労働集約型と呼ばれる人間をたくさん使った労働によって仕事をするスタイルをとってきました。
工場でたくさんの人が手作業で仕事をしていたり、とにかく数を使って現場を回して利益を出そうとする方法です。
しかし、労働集約型のビジネスでは、人間を大量に確保して作業量の多さを担保できないと、うまく回せていけません。
昔は「お国のために」精神があったり、労働集約型のビジネスでバブルと呼ばれる好景気によって大きな成功を納めた時期もありました。
今はバブルが弾けて、景気が減速していると言われていますが、未だに過去の栄光を信じて、その成功を守ろうと、または成功にしがみつく経営者も多い。
一度、労働集約型で成功していた場合、なぜ変えないといけないの?と変革に後ろ向きな人もいますよね。
過去の栄光を忘れられない企業が多いことで、世界的な競争力を失っているからこそ、デジタル化を推進して内部から変革を起こしていくことが必要だと言われています。
2. 人口減少
総務省のホームページには、人口の推移グラフが掲載されていますが、日本はどんどん人口が減少すると書かれています。
15歳から64歳の生産年齢人口は2017年の7,596万人(総人口に占める割合は60.0%)が2040年には5,978万人(53.9%)と減少することが推計されている。出典:総務省 第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長
労働集約型のビジネスで世界的な戦いを挑んできた日本にとって、人口減少はそのまま競争力の減退を意味します。
今までのように、人をたくさん使う前提の仕事の仕方が通用しないのは明確。
少ない人数でも業務を回していく方法が、作業の効率化であり、それが生産性の向上に繋がることで、ビジネスを強くしていきます。
デジタル化によって、人口減少に対応していくのも狙いの一つ。
3. システムを調整できる人がいなくなる
今の日本を作ってきたのは、1986年12月から1991年2月までに起こったバブル景気による恩恵は強いと思います。
しかし、1947〜1949年生まれの団塊世代、1960年代生まれの新人類、1965~69年頃生まれのバブル世代たちが、作って使ってきた企業内のシステムを、調整できる世代たちの大量退職が2020年以降に発生。
企業にとってビジネスの根幹とも言えるシステムの調整や開発ができる人がいなくなった、どうなるでしょうか?
- 調整したくてもできない
- 追加したくてもできない
- 辞めたくても辞められない
負のスパイラルに陥ります。
すでに、仕様が把握できる人がいなくなり、システムが調整できなくて、ブラックボックス化している企業もたくさんあるはずです。
労働集約型のビジネスによって労働力はたくさんあったため、企業それぞれでスクラッチと呼ばれる、人をたくさん使った独自開発を行っており、同じような業務を行うシステムでも、他社と仕様が全然違うといったことが起きています。
企業それぞれで規格や仕様が違ければ、直せる人も限られてくるのに、調整できる人たちがどんどん辞めていく。
分からないものを使い続けるほど、怖いものはないですよね…。
これをレガシー問題(古いことで支障をきたすこと)と呼び、DXを政府が推し進めている理由になります。
経済産業省も自らDXを進めている
行政手続きを簡単にしたり、ただハンコを押すだけの仕事を無くしたりと、経産省もDXへ挑戦しています。参考:経産省の新たな挑戦 経産省のデジタル・トランスフォーメーション
4. 経営層の危機意識の薄さ
企業内部のシステムが古くなっている、調整できる人がいなくなってきている。
この状況を経営層が把握して危機感を持っていれば、DXを推進していくのは早いかもしれませんが、そんな企業ばかりではありません。
DXを進めると、一度成功していることを崩しかねない状況にもなるため、なかなか積極的に動けない人もいれば、今大丈夫なんだから変更する必要はないよね?と現状維持の考えを持っている経営者も。
しかし、ビジネスのあり方が、すごいスピードで変わっている状況で、現状維持は衰退と同じです。
その危機感の薄さがDXを進められていない理由でもある。
また、経営者自身が、現場スタッフが普段行なっている業務やシステムに関する情報を持っていないことも危機感の薄さに繋がっていることも。
例えば、自分自身で使いづらいシステムを使っていれば、変えたい意識が芽生えますが、そもそも使っていないため、その使いづらさも手間によるストレスも感じていません。
だからこそ、経営がうまくいっていると、システムや現場の業務効率化への意識がなかったりします。
レガシー問題が発生していることに気づけなかったり、今まで通りを続ける意識が強いと、変わらないことの心地よさから、変わることへの恐怖心で進んでいけないのかもしれません。
5. 企業内のIT人材の少なさ
IT企業でなければ、ホームページのweb担当者ぐらいしか、IT関連の情報に精通している人材はいないかもしれませんね。
DXを推進していくためには、社内間を横断して進められる人はもちろんですが、デジタルに強い人材が不可欠です。
しかしながら、デジタル人材をそれぞれの企業で確保できているかと言えば違う。
新しく雇用したいと思っても、すぐにできなかったり、いざ雇用できたとしても、社内のデジタル化の反対に逢って、辞めてしまうかもしれません。
IT人材の少なさもそうですが、企業内のデジタルを浸透させる方が大変。
例えば、海外のDXに関係する情報や書籍では、リーダー自らがオーナーシップを発揮して、推し進めることでDXができると書かれていることが多いです。
しかしながらこの成功は、経営者自身がITを推し進めることができるからこそなので、社内浸透させられる人物が鍵と言えます。
IT人材の確保と合わせて、デジタルを社内に取り入れられる環境を作っていくことも大事なDXとなっています。
6. 変化する顧客ニーズへ対応できない
インターネットが発達して数十年経っていますが、あなたも今のような便利な世界を想像できましたか?
下記は普及が5,000万人に達するまでの時間を表したものです。
5000万人まで普及にかかった年数表 | |||
---|---|---|---|
普及対象 | 経過年数 | ||
飛行機 | 68年 | ||
車 | 62年 | ||
電話 | 50年 | ||
電気 | 46年 | ||
クレジットカード | 28年 | ||
テレビ | 22年 | ||
ATM | 18年 | ||
パソコン | 14年 | ||
携帯電話 | 12年 | ||
インターネット | 7年 | ||
iPods | 4年 | ||
2年 | |||
ポケモンGO | 19日 | ||
※ 参考:How long does it take Steemit to hit 50.000.000 USERS :) |
さらに、物からサービスへ、所有から共有へ、リアルからデジタルへ。
どんどん世の中は変わっていき、そのスピードは格段に早くなっています。
もし、今使い続けている、動きも遅い、手間もかかる、連携もできない、そんなレガシーなシステムを使っていては、世の中の動きに取り残されてしまい、ビジネスチャンスを失うどころか、衰退が加速してしまう場合も。
お客様が求めていることをいち早くキャッチして、その情報を素早く活かしたビジネスを展開していかなければ、競合他社から置いてけぼりにされるだけでなく、顧客に見向きもされなくなってしまいます。
今までデジタルは手段として考えられていましたが、デジタルがそのまま日常となり、当たり前の世界になっていく。
企業のデジタル化(DX)は、必要不可欠と言えます。
7. 現状のビジネスモデルが合わなくなってきている
今は、単純に大量生産すれば売れていた時代はとうの昔に過ぎ去っています。
マーケティングも必要、ブランディングも必要、新規開発も必要、売ることに対して様々な施策が必要となっている。
例えば小売で言えば、目の前のお客様に対して売るだけでよかった、すでに販路もたくさんあったからよかったのに、Amazonによってインターネットの大型ショッピングモールが作られてしまったため、実際の店舗での購入は格段に減っていきました。
しかし最高のビジネスだと思われていたAmazonも、Shopify(ショッピファイ)と呼ばれる個人や企業が独自に開設できるネットショップサービスによって、侵食されつつある。
継続的に安定して売り上げと利益を作り続けられる企業は一つも存在しておらず、いずれ破壊的な革新事業を起こした企業によって、どんどん駆逐されていきます。
すでに既存のビジネスモデルは古く、新しく革新的なビジネスモデルを作り上げた企業に取って代わられる可能性があることを自覚しなくてはいけません。
労働集約型のビジネスを展開していては、たくさんの人を一気に動かしたり整備する時間や費用も必要であり、迅速な対応ができない。
そのために、企業内部のデジタル化を行い、多くの人を動かさなくても最小限の動きで、変化し続けられる状態にすることが大切です。
DXを推進する前に知っておきたい問題の数々
お国がこんなにも焦っているのなら、自分たちは大変なんじゃないのか!?と感じたあなたは、下記のようなことを思うかもしれませんね。
「DX早く進めなきゃ!」
「ITサービス導入したいけど、何使えばいいの!?」
と不安や恐怖から、すぐに何かしらの行動に移したいと考えているかも。
しかし、単純に部分的な業務をIT化すればDXができたかと言われれば全然違くて、むしろ混乱が起きかねません。
DXに関するトラブルを事前に知っておくだけでも、失敗する確率を減らせるため、まずは知っておきたいDXトラブルの各種を見ておきましょう。
- 何が問題か把握できていない
- 権限がないDX推進課の発足
- 社内にデジタルを浸透させられない
- 部分的なIT化(ITサービス入れればDXできたと勘違い問題)
- ITサービスが多すぎる
- 部署ごとで使っているITサービスが違くて管理できていない
- DXの他人事化(他人任せ)
他にもたくさんありますが、これらのトラブルがDXによって発生しやすいです。
特に、DXを単なる部分的なIT化だと誤認識している場合は、大きなトラブルになる場合もあるのと、ITを使う側の意識改革も必要なのがDXの特徴。
なぜDXが必要なのかを社内でよく理解し、適切にデジタル化していくことが大切です。
何が問題か把握できていない
自社の問題を誰も把握できていないこと。もしかしたら、これが一番の問題かもしれません…。
「今までうまくいってたじゃん。」
「部署ごとでどんなシステムを使っているか知らない。」
このように、問題を問題と認識できていないことが問題です。
特に、昔から使っていたシステムがあって、手間だけどそれに慣れてしまっている場合、問題を問題と認識できないことも。
現場の人間がそう思っているなら、実際に古いシステムを使っていない経営層は多いため、さらに問題への気づきが遅くなる。
知らない間に、古いシステムに対しての管理や運用で、コストの多くを払って浪費し続けている場合もあります。
権限がないDX推進課の発足
社内のDXを進めようとして、部署として「DX推進課」「DXチーム」を作って、まずは形から進めようとする場合もあるかと思います。
しかし、部署やチームを作っただけでは簡単にDXは推進できない。
- 社内の協力が得られない
- 今までの成功を崩したくない
- 変わることに拒否感を持つ
とにかく、社内の抵抗にあうことになるはずです。
DXは誰かスペシャリストがいない領域なので、誰もが素人や初めて体験することであり、新規事業と一緒で、うまくいかないことの方が多いと思います。
名ばかりの部署だったり、権限が与えられていないと、ただの社内のトラブル解決屋さんになってしまう場合も。
DXを推進していくには、まずは会社のトップが「なぜDXを推進するのか」を理解し、それをスタッフさん全員に説明したり、社内教育なども必要になってきます。
部署やチームがあれば進むでしょ?といった考えを持っていると、何も進まず失敗に終わる場合もあることは覚えておきましょう。
社内にデジタルを浸透させられない
社内のデジタル化を進めていくのであれば、当然今までやってきた仕事のやり方や、既存のビジネスモデルに大きな影響がありますよね。
人間誰しも、手間だと思っていても、今まで慣れ親しんできたやり方を壊せず、続けることに安心感を覚えるもの。
また、既存のビジネスモデルを維持しながら売り上げや利益を作っていく部署があった場合、大きな変革は邪魔でしかありません。
DXの必要性は分かっていても、協力してくれないこともあります。
こんな状態を続けていると、DXを推進してきたメンバーの疲弊によって活動が鈍り、退職などによって止まってしまう場合も。
社内を巻き込んでDXを進めることができず、推し進められない企業もたくさんいるため、社内を横断してやりとりできる人物の人選がとっても大事です。
部分的なIT化(ITサービス入れればDXできたと勘違い問題)
「DXってIT化することでしょ?」と考えていると、間違ったDXを進めてしまう場合も。
例えば、書類にハンコを押すだけの業務をなくすため、電子契約のサービスを導入した。この場合はDXと言えるでしょうか?
部分的にはDXと言えますが、これだけでは社内のデジタル化は不十分なのと、一部署しかデジタル化の恩恵がないため、結局は会社にとっての競争力や成長は生まれません。
DX=IT化ではなく、DXがもたらしてくれるのは、もっと違うこと。
今まで凝り固まっていた発想を柔軟にすることであったり、顧客のデータを活かした新規事業の開発、もっと業務効率をあげて生産性をあげるような、意識と行動を大きく変えることがDXの本質です。
もっと別の言い方をすれば、企業を変革し生まれ変わらせるのがDX。
部分的なIT化がDXだと思うのだけはヤメておきましょう。
ITサービスが多すぎる
今はSaaS(サース)と呼ばれる、部分的な業務に特化したITサービスや、業務全般で使えるITサービスがたくさん存在しており、どれも費用対効果を見れば安い金額で導入することができます。
どんなSaaSがあるかは「31種類の中から使いたい業務効率化ツールが見つかる!」のページで見てほしいですが、業務ごとにサービスがあるため、いろんな問題が解決できる。
しかしその反面、どのITサービスを導入したらいいのか分からないことも。
比較をするにも、まずはどんな業務に対して、どのITサービスが合うのか、または自分たちで開発したほうがいいのか検討から始めなければいけません。
実際にDXを進めていくには、社内調査〜問題特定〜システムの条件検討〜ITサービスの比較〜検討〜検証〜導入といった手順を踏んでいくため、実際に導入するまで時間がかかります。
ここでさらにトラブルになるのが、ITサービスの多くは年契約で設定しているため、自社にとって合わないITサービスを入れてしまっても、すぐに乗り換えられないこと。
ITサービスの多さは、DXを難しくさせている原因でもあります。
部署ごとで使っているITサービスが違くて管理できていない
DXを進める前に、実は部署ごとで色々なITサービスを使っている場合があります。
マーケティングの部署は、データ管理のツールを。
デザインなど制作部署は、デザイン作成ツールを。
経理や管理などの部署は、会計システムを。
部署ごとでDXをかじったような動きはしていることもありますが、それはあくまで部署にとって必要なことだから導入しているため、会社全体を見たときに必要かと言われれば違います。
また、ITツールのノウハウを部署間や会社全体で共有できておらず、同じツールを導入してたり、無駄が発生している場合も。
DXが機能していれば、社内間の情報共有はできており、無駄な導入も少なくなっているはずです。
単純に部分的なIT化をしても、DXにならない理由はここにあったりします。
DXの他人事化(他人任せ)
DX推進課を作ったり、チームでの推進活動をしても、一緒に進めるスタッフさん、またはDXが必要な他スタッフさんが同じように必要性や有効性を理解していないと、知らないからこそ他人事として受け止められてしまう。
社内間を横断して取り組むことになるため、DXを進めていくには、社内間の協力が絶対的に必要です。
どこかの部署が他人事になっていたり、上司や社長など幹部が他人事のままだと、結局はDXに失敗する可能性を高めてしまう。
DXは不確実性の高い、企業ごとで進め方も違う難しい取り組みです。
推進する人が自分事になって進めていかなければ、太刀打ちできないため、他人事をやめることから始めましょう。
海外のDX化はうまくいってるけど、日本のDX化は難しい?
デジタルネイティブ企業と呼ばれる、インターネットやITを駆使した企業は海外に多いため、海外の方はDXが進んでいます。
それを示すかのように、IMD(国際経営開発研究所)が発表した世界デジタル競争力ランキング2020年度で、日本は昨年の2019年より4位落ちて27位。
世界デジタル競争力ランキング2020年の結果 | |||
---|---|---|---|
国 | 順位 | 国 | 順位 |
米国 | 1位 | 中国 | 16位 |
シンガポール | 2位 | オーストリア | 17位 |
デンマーク | 3位 | ドイツ | 18位 |
スウェーデン | 4位 | イスラエル | 19位 |
香港 | 5位 | アイルランド | 20位 |
スイス | 6位 | エストニア | 21位 |
オランダ | 7位 | ニュージーランド | 22位 |
韓国 | 8位 | アイスランド | 23位 |
ノルウェー | 9位 | フランス | 24位 |
フィンランド | 10位 | ベルギー | 25位 |
台湾 | 11位 | マレーシア | 26位 |
カナダ | 12位 | 日本 | 27位 |
イギリス | 13位 | ルクセンブルク | 28位 |
アラブ首長国連邦 | 14位 | リトアニア | 29位 |
オーストラリア | 15位 | カタール | 30位 |
※ 参考:IMD世界デジタル競争力ランキング2020の結果 |
海外と日本では、文化も環境もDXが進んできた背景も全く異なるため、同じように比較できませんが、それでも世界から見れば日本はデジタル化が遅いと認識されている国…。
例えば1位のアメリカは、土地も広大で人も多いため、ビジネスを展開するためには、訪問営業のような足を使った営業は難しいです。
そのため、インターネットやITを駆使したデジタルを活用してビジネスを進めてきた背景があり、個人的な成果主義の世界だからこそ、デジタル化とも相性がよかった。
他にも中国のような、政府が完全主導できる国であれば、デジタル化を強制的に推し進めることもできる。
日本はというと、土地が狭くて、ちょっとした移動で営業にいけたり、バブルを経験したことで、昔の成功を引きづるようになりました。
好景気の時に考えたシステムを使い続け、今ではビジネスで成果から遅れをとっている。
既存のレガシーシステムが存在することで、ビジネス展開を遅くさせ、リスクも課題も山積みの日本では、DXが急務でもあります。
DXに不安を感じているあなたへ
DXとは何なのか、なぜみんながここまでDXを推進するのか見て頂けたと思います。
私自身はといえば、正直他人事だと思っていましたが、様々情報を調べるうちに、DXこそ今自分がやるべきことだと感じています。
あなたも自分事にDXを感じていただき、自社の成長を高める知識として、このページの情報を活用頂けると嬉しいです。
「DX」と見慣れない言葉を聞いて不安だったかと思いますが、少しだけでも情報を知るだけで、その不安は消えたかと思います。ここからがDXに向けた初めの一歩ですね。