
ホワイトペーパーの制作会社を選ぶには、どんな注意点があるのか、選び方の基準などもまとめています。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)
「もっとデザイン資料を作りたいのに、社内だけじゃ限界がある…。」
ホワイトペーパー(eBook)を内製していたけど、社内リソース不足や制作母数を増やそうと、外注先(制作代行会社)を探したい場合もありますよね。
社内事情により、内製から外注へ切り替えたいけど、どうやって選んだらいいのか分からないことも多いと思います。
制作会社の選び方から、どんなポイントに注意して依頼や制作を進めればいいのかまとめたので、あなたにのお役に立てられれば嬉しいです。
こんな方にお勧め!
・ホワイトペーパーマーケティングを始めたい
・将来的な自社の資産となる資料を用意したい
・リード数をもっと増やしていきたい
- 目次
- ホワイトペーパーの内製・外注の違い
- 制作代行を依頼する前に、改めて内製で対応できないか考えておきたいこと
- 制作代行の依頼先の種類
- 制作代行会社の選び方
- 制作代行会社の見極め方
- 制作会社選びの注意点
- 制作代行へ依頼する際の費用
- ホワイトペーパー制作に不安を感じているあなたへ

ホワイトペーパーの内製・外注の違い
ホワイトペーパーを作るには、企画・情報収集・ライティング・インタビュー・デザインなど、複数の工程も合わさって、思ったより時間がかかりますよね。
社内だけでは対応できないこともありますが、まずは内製と外注の大きな違いを見てみましょう。
項目 | 内製 | 外注 |
---|---|---|
コスト | 追加では増えない | 追加で増える |
リソース | 限られている | 費用の使い方次第で増やしやすい |
ノウハウ | 身に付ける必要がある | すでに持っている |
経験値 | 貯まっていく | 貯まらない |
スタッフ対応 | 他業務と兼務になりやすい | 専門家が対応してくれる |
例えば、やりたいことに対して、社内ではそもそもノウハウが無く対応できなかったり、物理的な時間の制約もあるため、リソースを増やしてスキルも借りれる外注はメリットが高いと言えます。
しかし、外注に頼っていると自社でノウハウが溜まらずスタッフさんが育てられなかったり、デメリットもある。
時間がない時や本業に集中したい場合は外注でもいいですが、長期的に自社の資産としてノウハウなどを貯めていきたい場合は、内製で対応する方がいい。
状況によって、取るべき戦略が変わってきます。
制作代行を依頼する前に、改めて内製で対応できないか考えておきたいこと
せっかくホワイトペーパーの外注化を考えている時に、惑わすようなことを言うのですが…制作するのであれば、できるだけ内製にするのをオススメしたいと思っています。
ホワイトペーパーの制作は今後もついて回ってくるため、今の内から自社のスキルの一つとして確立した方が、長期的なことを考えればメリットが大きい。
そのため、まずは現状を見直して内製で対応できないか改めて考えて頂き、制作代行が本当に必要か考えるキッカケになればと思っています。
デザインの問題
制作代行したいのは、デザイン面で今まで満足いかなかったことが、理由の一つではないですか?
しかし、本当にデザインが悪いのか?を考えないまま、外注化を進めるのは、効果の薄いホワイトペーパーを作る原因になる場合も。
競合他社のホワイトペーパーを見るとデザインの不安が襲ってくる
ライバル企業さんもホワイトペーパーを出していると思いますが、お金をかけて見た目がいいものを作っていると「負けられない!自分達も!」と不安になって、デザインの外注化を考えるキッカケになることも多いかもしれません。
しかし、見た目がどんなに良いホワイトペーパーも、実際はユーザーさんに見られてすぐゴミ箱行きになっている可能性だってある。
ホワイトペーパーは、企業が出せる情報に対して、ユーザーさんが期待を感じてダウンロードする流れのため、そもそもの期待に応えられていなければ意味がないんです。
表紙がとってもカッコよくおしゃれなのに、数ページしかなかったり、内容も薄くて期待外れだった場合は、マイナスブランディングになっている場合も。
まず見直すのは見た目ではなく、ダウンロードしてくれたユーザーさんに対して、きちんと価値を提供できているか考えることが大事です。
デザイン問題を、ユーザー目線で考えられているか。もし、見た目より内容が求められているのであれば、内容を厚くする方にリソースを回せるようにするのがオススメです。
シンプルにしてデザインフォーマットを簡略化する
ホワイトペーパーは、ユーザーさんの期待や求めに応じて、ある程度の種類と数も必要にはなります。
一つ一つにコストをかけて作ってもいいですが、実際の現場はそんな時間をとれない場合もある。
時間が無い=外注化、この発想もいいですが、コストがかかるので、デザインに手間がかからないようシンプルにダウングレードさせることも、ぜひ考えてみてほしいです。
逆に、デザイン的な要素が入りすぎて「見づらい」「分かりづらい」状態になっていたら本末転倒ですよね。
デザインに対する不安は尽きませんが、ユーザーさんはまず、見た目よりも中身を知りたいので、見た目主義から脱却しましょう。
コンテンツの問題
あなたがホワイトペーパーを作りたいのは、リードを増やしてマーケティング活動に役立てるのも、理由の一つではないでしょうか。
その逆で、ユーザーさんがホワイトペーパーが欲しい理由は、情報に価値があると感じるからこそ、ダウンロードしてまで手に入れようとしてくれている。
ここで両者の温度感にギャップが生まれると、そもそもホワイトペーパーの効果が低下します。
意識の違いが品質を落とす原因に。
外注化しても、そもそも「作り手」と「受け取り手」の意識がズレていると、読まれたとしてもすぐに忘れ去られてしまうホワイトペーパーになります。
例えばフォームを入力してまで手に入れた資料なのに、読み応えがなかったり、期待外れだった場合、個人情報入力と資料品質を天秤にかけられて、損得勘定が発生。
それだけでなく、結果的に記憶にも残らない、または不満がSNSで拡散されて、さらにブランドを下げる場合もある。
コンテンツ品質が伴わないホワイトペーパーを制作代行しても、無駄になる可能性を高めてしまいます。
参考:ホワイトペーパーとは?行動モデル・特徴・使い方などの基礎知識
ユーザーさんに対して、価値ファーストの意識をもち、コンテンツとして十分な情報を提供できるか。まずは外注化する前に考えておきたい大事なポイントでもあります。
成約が低い問題に発展
ホワイトペーパーは十分にある、コンバージョンも取れている、なのに本当に欲しい結果(成約・受注)が得られていない。
こんな状況は不安で「もっと資料作らないと!」という発想になりやすいかもしれませんが、少し見直したいポイントがあります。
ユーザーの気持ちに応えているか?
コンバージョンが取れれば企業としては嬉しい、資料が見れればユーザーさんとしても嬉しい、winwinの関係だと思われがちですが、実際のところは違う場合も。
資料がダウンロードされる=見込みがあると考えるのは早くて、企業には興味はなく情報にしか興味がない人に、電話・メールでアプローチしても、すぐに連絡をシャットアウトされてしまいます。
情報だけにしか興味を持ってなかった方には、品質の高い資料を見てもらうことで企業への興味関心を向上させる。
まずは満足してもらってからが始まりなので、ユーザーさんの気持ちに応えられる品質を用意できているかを、制作代行を依頼する前に見直してもらうのがオススメです。
フォームの問題
フォームを入力するって、意外と怖いですよね、個人情報を入れるわけなので…。
ユーザーさんの多くはフォームに対して、警戒心や不安を無意識・意識的に感じ取っています。
そのため、今ホワイトペーパーがダウンロードされていないのは、デザインやコンテンツの問題ではなく、フォームの問題かもしれません。
心理的ハードルを低くする
「この資料って、無料なの?有料なの?」
「この資料の中身は、どんな内容が入っているの?」
「フォーム送信したら、何か変なことに使われないかな?」
フォームを設置している側は、何を提供しているか理解しているから怖くありませんが、ユーザー側は何をされるのか理解してないことが多いです。
その不安が入力を途中で止め、ホワイトペーパーをダウンロードしない理由となり、結果的にリードが獲得できなくなる。
少しでもフォーム入力側の気持ちを理解し、フォローする文章を入れるなどして心理的ハードルを低くして、ダウンロードしてもらいやすい環境を作ることが大切です。
ホワイトペーパー側ではなく、webサイト側の問題によって、ホワイトペーパーマーケティングが行えていないことも多いため、見直せるポイントが実は多かったりもします。
制作代行の依頼先の種類
ホワイトペーパーを初めて外注したい場合、どの制作代行会社さんにお願いしたらいいか、正直分からないですよね。
PowerPointが使える、またはデザインスキルがある個人の方でも制作を請け負うことはできるため、選び先は多数ある。
まずはタイプ別に分けたので、あなたに合うタイプはどんな依頼先なのか、選ぶ前に確認しておきましょう。
分類 | タイプ | 費用 | 範囲 |
---|---|---|---|
何でもできるマルチ型 | 総合力 | 高い | 企画・制作 |
webコンテンツ特化型 | 品質 | 普通 | 企画(webと連動)・制作 |
ホワイトペーパー特化型 | 品質・スピード | 安い | 制作 |
グラフィックデザイン型 | 品質 | 安い | 制作 |
フリーランス型 | スピード | 安い | 制作 |
※ 一般的な観点からの表となります |
幅広い範囲を対応できるマルチ型から、ホワイトペーパー特化した会社などもあります。
依頼するなら「ホワイトペーパーに特化した会社じゃないの?」と思われるかもしれませんが、それは依頼側の要望・状況次第になりますので、もう少し詳しくそれぞれを見ていきます。
何でもできるマルチ型
状況:予算が潤沢で大きな戦略を回していける場合に最適
・広告代理店
・大手制作会社
・コンサルティング会社
会社の規模も大きく、大きな案件を対応している会社さんたち。
総合的な企画のもと進められることが多いので、ホワイトペーパー単体で作りたい場合には向いていませんが、ホワイトペーパーをフックにして大きな戦略を動かしていきたい場合には、頼れる存在。
費用は高いですが、動画やwebサイト、広告なども色々な手法を組み合わせた総合力でリード獲得を目指したい場合にオススメ。
注意点としては、会社が大きくなればなるほど、制作部隊を外注している場合があるため、どのような制作体制をとっているか確認しておきましょう。
webコンテンツ特化型
状況:webと連動してホワイトペーパーマーケティングをしたい場合に最適
・webサイト制作会社
・webコンテンツ制作会社
大小さまざまありますが、webコンテンツを作ってきた会社は、ホワイトペーパーの制作だけでなく、ダウンロードしやすい環境作りから、ナーチャリングなども行い、見込み度を引き上げていくのが得意です。
webと関連する施策や企画を一緒に提案してくれるため、作って終わりではなく、計画→制作→評価→改善のPDCAアクションを回しやすく、成果を高めていきやすい。
ホワイトペーパー特化型
状況:その他の提案はいらず、制作リソースがほしい場合に最適
・ホワイトペーパー制作会社
ホワイトペーパーの制作に特化しており、多くの制作事例を持ってはいますが、制作以外は難しい場合も。
しかし、色々なパターンを教えてくれたり、効果の高いデザインノウハウなども活用しながら作ってくれるのと、ホワイトペーパーの知見が多いため、制作スピードも速いことが予想されます。(1つ制作するのに一週間以内など)
グラフィックデザイン型
状況:とにかく見た目の品質を高めたい場合に最適
・エディトリアルデザイン会社
・グラフィックデザイン会社
さらにアーティスティックなホワイトペーパーを作りたい場合は、グラフィックデザインに強い制作会社へ依頼するのもオススメです。
webコンテンツ型・ホワイトペーパー特化型とは異なり、デザインに強みを発揮するタイプですが、ライティングだったり中身には弱い場合もあるので注意が必要です。
フリーランス型
状況:今後も何人ものパートナーと連携しながら作っていきたい場合に最適
・フリーランス
・副業
個人が請け負っているため、費用は安く済みますが、万が一体調不良や納期遅れなどがあってもフォローがされないため、トラブルになる場合も。
たった一人のフリーランスに任せるのではなく、フリーランスの方を何名かパートナー化しておいて、社外に制作チームを作っておけると安心できます。
制作代行会社の選び方
あなたがホワイトペーパーに求めている期待、または制作代行をしてもらう目的を踏まえつつ、どんな選び方をすればいいのか。
大きく分けると、
① 制作リソースのみを求めている
② 制作会社と一緒になって資料を作りたい
③ 資料に関わるweb戦略をまとめて変えていきたい
この3つの目的ごとに選び方も変わるため、詳しく見てみましょう。
目的別の選び方
① 制作リソースのみを求めている
状況
予算 少なめ
見込 リードが少ない
目的 自社スタッフは本業にリソースを回したい
課題 制作ノウハウは無い、ホワイトペーパーの効果が悪い
制作 作りたいものは決まっている
コスト 安く多く作りたい
優先度 ホワイトペーパーの優先度は低い(費用対効果を実感できていない)
流れ
STEP1 目的・認識のすり合わせ
STEP2 情報提供(依頼側から)
STEP3 制作
STEP4 調整
STEP5 納品
すでに作りたいものは決まっているが、社内リソースがうまく回せていない状況なら、ガンガン低価格でホワイトペーパーを量産してくれる、ホワイトペーパー制作に特化した会社がオススメ。
ホワイトペーパーマーケティングを始めだした、リードを増やし始めるタイミングでも、力になってくれます。
制作の流れも、入念な打ち合わせをするより、依頼側から要件をまとめたものを伝えて、それの通りに作ってもらう。
どちらかと言えば、一緒に作り上げるよりも、制作リソースを制作会社へ期待している場合のパターンです。
② 制作会社と一緒になって資料を作りたい
状況
予算 比較的ある
見込 リードからSQLに進められない
目的 制作会社のノウハウをフル活用したい
課題 成約・受注が増えない
制作 はっきり決まってない
コスト 費用がかかることは意識している
優先度 ホワイトペーパーの効果は分かっており優先度は高め
流れ
STEP1 ヒアリング
STEP2 目的のすり合わせ
STEP3 資料化できる価値を改めて見つけ出す
STEP4 企画・構成
STEP5 制作
STEP6 調整
STEP7 納品
ホワイトペーパーでリードは十分獲得できているが、商談や見積もりなど、その先の段階へ進められる機会が少ないのであれば、内容を根本から見つめ直すwebコンテンツ会社に頼むのがオススメ。
特に、文章の扱いを得意としている表現力を持った会社をパートナーに選ぶことで、内容の見直しが行えます。
どんなに良い情報が自社にあったとしても、その情報をターゲットに対して理解してもらえる形に噛み砕いて説明できるかは別の話。
ホワイトペーパーは情報を「伝えた」ではなく「伝わった」にできないと意味がないので、コンテンツ制作力が強い会社の力を借りましょう。
③ 資料に関わるweb戦略をまとめて変えていきたい
状況
予算 多めに使える
見込 さらにリードの活用を拡大させたい
目的 戦略の見直しからさらなる発展を希望
課題 部分最適ではなく全体最適を目指したい
制作 はっきり決まってない
コスト 費用がかかってもしたい
優先度 ホワイトペーパー以外にも意識が向けられている
流れ
STEP1 ヒアリング
STEP2 目的のすり合わせ
STEP3 戦略策定
STEP4 資料化できる価値を改めて見つけ出す
STEP5 企画・構成
STEP6 制作
STEP7 調整
STEP8 納品
ホワイトペーパー単体で見ているわけではなく、webサイトやユーザーさんと関わるタッチポイントすべてを含めたホワイトペーパーマーケティングの戦略を取りたい場合は、webコンテンツ制作会社か大手制作会社がオススメ。
施策をかけ合わせて総合的な力でホワイトペーパーマーケティングを推し進めていく過程で、webに関わる広い範囲の知見が必要となります。
webサイト・SNS・外部プラットフォーム・広告など、より広い範囲へ向けてホワイトペーパーの活用を目指すなら、資料制作の知識以外も必要になります。
制作代行会社の見極め方
目的別で、どんな選び方をすればいいのか分かったとしても、実際に何を指標にして選べばいいのか…基準がなければ難しいですよね。
すでにあなたの中で選ぶ基準があればいいですが、なければ下記の内容を参考にして頂けると嬉しいです。
ポイント | 詳細 |
---|---|
フロントの営業 | レスポンスの速さ、質問に対する的確な回答、回答できないものは後日しっかりと回答など、曖昧さがない受け答えができるか確認する |
ヒアリング | ヒアリングの段階で制作者も同席して聞いてくれるのもポイント |
制作事例 | デザインセンス、または作りたいデザインが作れそうかを確かめるため(大手の案件を受けている、だけではなくその結果まで聞く) |
制作体制 | 内製か外部パートナーか、外部を使っている場合はどのような管理方法を行っているのかを確かめる |
条件とのマッチング度 | ホワイトペーパーの代行制作に求める条件にどれだけ合うか、またはどのレベルまで合わせてくれるか(言ったことを鵜呑みにするのではなく提案で返してくれるか) |
プロジェクト管理の方法 | プロジェクトの進捗把握は依頼側にとっては必要不可欠なので、リアルタイムで進捗が追える仕組みがあるか確認(例:バックログ) |
どの段階を成果と見ているのか | 納品をゴールと考えているのか、または制作してから目的達成までを成果と考えているか、どの段階を成果と考えているのかによって、制作レベルを見ることもできます |
特に最後の「どの段階を成果と見ているのか」が大事だと思っています。
納品物のみに意識が向けられている
→ 最初から結果は出やすいが最終的な成果が低い(リードだけが増える)
納品物の効果に意識が向けられている
→ 最初は結果が出にくいが最終的な成果は高い(リードと受注が増える)
制作に対するこだわりを、制作会社から聞いておくのもオススメです。
制作会社選びの注意点
気に入った外注先をやっと選べたとしても、望んではいないのにトラブルが舞い込んでくる時ってありますよね。
ホワイトペーパーの制作代行会社を選ぶ際も同じで、注意しなければ「○○問題」が発生する場合もある。
依頼金額の大きさ関係なく、会社間のトラブルは避けたいので、問題になりそうなことは早めに潰しておけるといいかもしれません。
デザイン気に入らない問題
気をつけたとしても起こりやすいのが「なんか見た目が気に入らないな…。」と、この感覚から発生するデザイン問題です。
調査・ヒアリング・デザインなど、複数の工程を経て完成するホワイトペーパーですが、その中でも誰でもなんでも言いやすいのが見た目のこと。
- 見た目は個人の主観で発言されることが多い
- 見た目の派手さがないと「こんなので費用取られるの!?」と思ってしまう
むしろ「自分たちで、このくらいはできたんじゃない?」と、デザインされた資料と支払うコストが見合わないと感じることが多い。
ポイント!
事前に見た目のイメージが固まっていない、または見た目は制作会社におまかせしている場合に起こりやすい問題です。最初から「デザイン重視」で発注していない、または格安(5~10ページ10万円以下)で依頼している場合は、デザイン品質を担保する費用は含まれていないため、こだわるのであれば最初から「デザイン重視」で依頼しましょう。
「本音」と「建前」問題
制作代行会社からヒアリングを受ける際、本音ではなく建前で伝えてしまうと、結果的に両社間の認識がズレて、ホワイトペーパーの品質が下がってしまうこともある。
そのため、制作代行会社への期待していることを明確に伝えておくのがオススメです。
リソースだけを外部化したい
→ 欲しいのは時間(決め手は安さ、条件)
課題解決を求めている
→ 欲しいのは解決力、共感力(コンサルティングに近い、決め手は共感と、それに対する提案力)
発展を望んでいる
→ 欲しいのはアイデア、デザイン力、コミュニケーション力(コンサルティングに近い、決め手は伴走力)
本音で依頼できるほど、仕上がってくる品質にズレが起きなくなります。
作ることが目的になってしまう問題
ホワイトペーパーを制作代行へ依頼しよう!と思った最初は、まだ本来の目的を忘れずに意識できていた。
しかし、制作会社選びや交渉などを続けるうちに、どれだけ安く大量に作ってもらえるかに意識がシフトしてしまって、作ることが目的化してしまうことがあります。
制作代行へ依頼するのは、あくまで手段であり目的ではなく、本来は自社のマーケティング活動をホワイトペーパーを使って円滑に進めるため。
安さにこだわると本質を見失う場合もあるので、気をつけましょう。
顧客目線が抜けちゃう問題
ホワイトペーパーとは、企業が出せる「専門性」「独自性」などの情報と、顧客が求めている「期待」する情報が合わさって作られるもの。
上記は考え方の一つでしかありませんが、企業側から出したい情報ばかり載せたホワイトペーパーは、きっと顧客が受け取っても嬉しくないのかなと思っています。
- 専門用語ばかりで何が書いてあるのかさっぱり理解できない
- ネットで探せばすぐ見つかるような情報が掲載されている
- そもそものボリュームが少ない
マーケティングで活用するなら、フォーム入力と引き換えにホワイトペーパーを提供しますが、顧客が個人情報を入力したことを後悔しないような、価値を感じる内容が必要。
顧客目線を忘れると、ついつい自社目線の都合のいい形になってしまうため、顧客目線を忘れないのが、品質の高いホワイトペーパーを作るコツです。
制作代行へ依頼する際の費用
作ってほしい内容、出せる予算など、それぞれ状況は違えど、ホワイトペーパーの制作業界では一定の相場感はあります。
ホワイトペーパーの費用はいくら?相場と値付けの理由で詳しく書いていますが、相場としては10~30万円(5~10ページ)ぐらいを目安に考えて頂いて大丈夫です。
また、費用の安い・高いが発生する要素として、下記に内容をまとめてみました。
項目 | 安い | 高い |
---|---|---|
デザイン | テンプレート | オリジナル |
素材 | 提供あり | 提供なし |
ページ数 | 少ない | 多い |
ヒアリング | なし | あり |
構成 | 型あり | 型なし |
文章 | 提供 | ライティングの必要あり |
専門性 | 低い | 高い |
提供方法 | 無料 | フォーム入力あり |
制作体制 | 内製 | 外注 |
ディレクション | なし | あり |
例えば専門性の高い内容だと、難しい言葉を分かりやすく言語化するスキルも必要だったり、ディレクションが制作管理費として入っているかによっても変わってきます。
- 効率化されているか(テンプレート化など)
- 素材提供の有無
- ページ数
結果的に、これらが時間に換算されて、費用に影響してきますが、安さの裏には必ずその理由が存在しているため、上記の表を目安にして頂けるといいかもしれません。
その金額、大丈夫?安さの真相
安ければ安いほど嬉しい!本来であれば無料が一番嬉しいですが、それは片方が嬉しいだけなので、お互いが健全な形で向き合えるビジネス関係を作るには、正当なお支払額が必要ですよね。
しかし中には「この金額で本当に大丈夫?」と言われるくらい安い場合もある。
安さには、それなりの理由があるため、少しまとめてみました。
良い安さ
・制作フローが効率化されている(デジタル化含む)
・内製でベテランデザイナーが素早く作ってくれる
・安くて腕のいい外部パートナーに作ってもらってる
・使える素材が大量にストックされている
・成果が出せるデザインの型を何個も持っている
・制作前の入念なヒアリングによって納品前の調整が少ない
悪い安さ
・利益を極端に薄くして受注している
・現場の労働力を酷使することで大量制作
・決まったフォーマットでのみ制作可能(調整できない)
・修正対応は一切受けてくれない
・最初から高くしてからの大幅値引き
安さにも「良い」「悪い」が存在しているため、提示されている安さは何の影響によって下げられているかを意識しましょう。
ホワイトペーパー制作に不安を感じているあなたへ
ホワイトペーパーを増やしたく制作代行会社を求めていたけど、今度は成約・受注率の高さが気になりだし、最終的にはwebサイトを含めた全体の改善をしたくなってきた。
結局ホワイトペーパーは、全体の流れの一部分でしかないため、ここだけに囚われてしまうと本質を見失う場合もあります。
作ることも大事ですが、制作会社の力を活用しながら、お客様に向き合えるホワイトペーパー作りができると、さらに面白くなりますよね。
作って終わりではなく、作ってからが本当の勝負なので、継続して付き合ってくれる制作代行会社が選べると心強いと思います。
エンプレス編集部:sugiyama