
ホワイトペーパーはBtoBマーケティングにおいて、非常に重要なものなので、作る前に知っておきたい費用相場をまとめてみました。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)
「ホワイトペーパーを作りたいけど、値段ってどのくらいなんだろう…?」
初めてのことは不安ですよね、特にかかるお金に関しては慎重にもなります。
どの制作会社も、ホワイトペーパーの制作費用が掲載されているわけではなく、むしろ載っていない方が多い…。
そのため、自社の事例と、他社で値段が掲載されている情報も元にして、費用相場を出しましたので、この情報があなたのマーケティング活動のお役に立てられれば嬉しいです。
- 目次
- ホワイトペーパーの費用相場はいくら?
- ホワイトペーパーの費用は条件が違えば変わる
- ホワイトペーパーは激安で作ってはいけない?
- 制作会社を決めるために必ず相見積もりをする
- ホワイトペーパーの制作費のお支払い
- ホワイトペーパーの費用”あるある”
- ホワイトペーパー作成に不安を感じているあなたへ

ホワイトペーパーの費用相場はいくら?
ホワイトペーパーを、制作会社にお願いした場合は、5~10ページほどで10~30万円が相場だといえます。
私の会社でも、お客様のご希望や制作内容によっても違うのですが、オリジナルデザインで5ページ20万円前後の事例もあります。
ページ数でも変わってくるのですが、
枚数 | 参考費用 | 枚数 | 参考費用 |
---|---|---|---|
5~10枚 | 10~30万円 | 15~20枚 | 50~70万円 |
10~15枚 | 30~50万円 | 20枚以上~ | 70万円以上~ |
※ 参考価格となりますので条件が状況が違えば金額は変わってきます。 |
この金額、意外と高い?安い?どちらの感情も感じるかもしれませんが、ホワイトペーパー制作では、各社下記のような値段設定にしているので、参考として見てほしいです。
企業 | 参考費用 |
---|---|
株式会社ストリームライン | 10万円~ |
リードレ | 10万円~ |
studio woofoo | 12万円~ |
株式会社アイティベル | 16.2万円~ |
APPMART | 20万円~ |
シロラボ | 20万円~ |
nobudget | 30万円~ |
SOMEWRITE | 30万円~ |
※ 2020/10/19 時点の情報 ※ 費用を比較するための参考値として上記の企業様を掲載させて頂いています。 |
BtoBで細かく値段を記載していることは少ないのですが、確認できた企業で比較表を作りました。
もう少し細かいことを言えば、
- ヒアリング
- 調査
- 企画立案
- 戦略策定
- 取材
- 執筆
- 編集
- 写真/撮影
- デザイン/レイアウト/イラスト/図解
これらの作業も各種入っている。
そして初めに相場としてお伝えしていた金額は、各社の最低金額が元になっています。
単純な値段比較だけで言えば、最低金額でも20万円の開きはあるのですが、ホワイトペーパーの作り方は一つではないため、作り方によって金額が変わってくるんです。
費用に関してもう少し詳しく見ていきたいので、次は簡単な見積書を見てみましょう。
見積書の例
見積書の中に書かれている項目として、
ディレクション(または営業)
・全体のスケジューリング
・メンバーのアサイン
・顧客折衝
・競合調査
・ヒアリング
など
ライティング
・事業テーマの理解
・文章作成
など
デザイン
・全体のレイアウト
・情報の入れ込み
・イラスト、図解などの作成
など
全てを1人で行える方もたまにいますが滅多にいないため、ある程度は分業して、それぞれの専門家が対応していきます。
1日の作業費用を、1人日:4万円として仮に設定して見積書のサンプルを作りました。※ 人日(にんにち)または人工(にんく)と呼び、作業者1人に対する時間を示しています。1人日=1日。
※ 企業によって人日による単価設定は異なります。
計算の仕方は企業ごとで異なりますが、費用を計算するには「誰」が「何日分」作業をするのかによって決まります。
5ページ分のホワイトペーパー
項目 | 数量 | 単価 | 合計 |
---|---|---|---|
ディレクション | 1人日 | 40,000円 | 40,000円 |
ライティング(5ページ分) | 2人日 | 40,000円 | 80,000円 |
デザイン(5ページ分) | 2人日 | 40,000円 | 80,000円 |
合計 | 200,000円 |
作業内容にもよりますが、5ページであれば、約1週間前後で制作を完了させることはできます。
5パラグラフの法則と呼ばれる、基本構成を用いて作ることで、一定の品質にはできるため、入れる内容に関してはある程度決まっている状態。
基本構成ではなく、独自の伝え方や、ストーリーテリングと呼ばれる情緒的な情報を用いて印象を高める方法を活用すると、簡単にはできないため、その分費用は高くなります。
10ページ分のホワイトペーパー
項目 | 数量 | 単価 | 合計 |
---|---|---|---|
ディレクション | 1人日 | 40,000円 | 40,000円 |
ライティング(10ページ分) | 4人日 | 40,000円 | 160,000円 |
デザイン(10ページ分) | 4人日 | 40,000円 | 160,000円 |
合計 | 360,000円 |
ページ数が多くなると、必然的に文章量(コンテンツボリューム)やデザインすべき箇所が増えたり、挿絵やイラスト作成などの数も増えるため、費用は高くなります。
また、テーマが専門的になればなるほど、入れ込む情報のレベルを保つために時間をかけるので、30万円以上はかかると考えておきましょう。
ホワイトペーパーといっても、作る工程はパンフレットやチラシなどの、紙媒体と大きく変わらず、大きな違いと言えば印刷するかしないか。
ホワイトペーパーの作成が初めてだったとしても、パンフレットなど紙媒体の作成のイメージを持って頂けると分かりやすいかもしれません。
ホワイトペーパーの費用は条件が違えば変わる

ホワイトペーパーの費用相場が10~30万円だとしても「あること」が違うと、費用が変わってきます。
その「あること」とは、
- 依頼者側の希望
- 制作者側の作り方
大きく分けると上記の2つ。
それぞれ、何が要因となって費用が変わってくるのか、詳しく見ていきたいと思います。
依頼者側の希望次第で費用は変わってくる
ホワイトペーパーの費用相場は、あくまで基本的な形で作る場合の費用なので、あなたの希望が入ってくれば当然変わってきます。
どのような条件が入ると費用が変わってくるのか見てみましょう。
予算が取れないから極限まで安くしたい
ホワイトペーパーを”どうしても”作りたいが、予算が取れない場合、通常とは違う形で作っていきます。
例えば、入れ込むテキストやイラストなどは事前にあなた側で全部用意する。
制作者側のディレクションが動かない代わりに、あなたの方で色々調整をする。
このように、制作会社側で動くはずだった内容を、代わりにあなたが実行することで、少ない予算でも作成することは可能です。
本来自分達がやらなくていいことを行い、制作会社側は動かさず、最終的な完成品(アウトプット)のみに集中してもらう体制にする。
これで予算がない状態でも、作る事はできます。
しかし、一定のフォーマットでしか作ってくれない制作会社だと、臨機応変に対応してもらえないので、あなたの願いが叶えられない場合もあるため注意が必要です。
他社と被らないようにオリジナルで作りたい
費用を安くするためには、ある程度効率化が必要であり、テンプレートや使いまわせる素材を使って作るからこそ、安く作れる場合があります。
しかし、それでは競合との差が開くばかりなので、こだわって作りたい場合は、完全なオリジナルで全て作ってもらう必要がある。
特に、オリジナルで作る場合は、デザイン的な負担が増えるため、デザイン作成で費用が高くなります。
どのような部分で高くなるかと言えば、
- 一からレイアウトを作る
- 一からイラスト、図解を作る
他にもマンガを入れたり、写真撮影が入れば、それだけ人も動き時間もかかるため、費用が増えていくんです。
ページの枚数が多ければ、さらにその分も費用が高くなる原因に。
文章を少なくして図解やイラストメインで作りたい
ホワイトペーパーは文章が多いと、それだけ読まれなくなる確率が高まるため、文章量は慎重に検討しなければいけませんが、文章ではなく図解やイラストメインで作ろうと思えば、それだけで費用は高くなります。
「図解やイラストを作るのって簡単じゃないの?」と思われるかもしれませんが、文章の内容を見た目だけで分からせるには、それなりの技術が必要です。
どこかにあるような図を、そのまま流用できればいいですが、合わないことも多く、ある程度は一から作成してく必要があることは、覚えて頂くのがオススメです。
制作者側の作り方次第で費用は変わってくる
制作者側が、どのような方針で作るのか、どんな制作体制で臨んでいるのかによっても、費用に違いが出てきます。
費用の違いがどこで生まれるのか、確認しておきましょう。
制作者のレベルで費用は変わる
ホワイトペーパーは、制作ソフトが使えれば、言葉は悪いかもしれませんが、素人同然の新人スタッフでも作れます。もちろんベテランデザイナーは作れます。
また、今は無料の制作ソフトでも作れるような時代なので、デザイン経験者でなくとも、少し頑張れば作れる状況なんです。
しかし、見た目を作るのは比較的簡単ですが、デザインは情報を整理して設計することでもあるので、そう簡単にはいきません。
見た目も情報設計もよく、見込み顧客が何倍も増える成果を出すホワイトペーパーを作るには、やはりデザインスキルの高さは必須。
- 費用は安い:新人デザイナー
- 費用は高い:ベテランデザイナー
作り手のレベルによっても、完成レベルが変わるため、それに応じて費用も違ってくる。
制作体制で費用は変わる
制作会社といっても、営業スタッフばかりの営業会社もあれば、制作者がメインとなっている制作会社もあります。
そのため、会社の性質によっても、下記のような違いがあるんです。
営業メインの会社
・制作の多くは内製ではなく外注で制作するため中間コストが増える
・外に制作機能を持っているため調整など臨機応変に対応できない場合もある
制作メインの会社
・内製で制作が行えるため中間コストは発生しない
・変更や調整依頼を出しても対応してもらいやすい
制作メインの会社でも、フリーランスやパートナー企業と連携して、外に制作機能を持っていることもあるため、営業メインの会社のやり方を悪くいうことはできません。
しかし、社外と社内のどちらに制作機能を持っているかで、その後の対応品質は変わってくるため、あなたが頼もうとしている会社が、どちらの会社かは、必ず事前に確認しておきましょう。
作り方で費用は変わる
実はホワイトペーパーを作る際、一から全てを作ることはあまり多くありません。
どちらかと言えば、制作会社側で溜めた独自ノウハウのもと、ある程度の効率化を図った上で制作に臨んでいます。
例えば、
- 成果が出る文章構成を使う
- 成果が出るレイアウトを使う
- 作り溜めしてある素材を使う
つまり、成果を出すためのテンプレートがいくつか用意されており、基本的にはそれに沿った形で作られていくからこそ、早くいいものが作れる。
そのようなノウハウがあるのかないのか、ここで大きな差があります。
何かしらの成功テンプレートを持っていれば、早く作れるため、その分費用が安くなるのですが、その逆でノウハウもなく一から何もかも全て作っている状態だと費用が高くなる。(時間がかかるため)
全てを一から作るのは悪いことではないですが、あなたやお客様側がそれを求めていないこともありますよね。
本音を言えば、安くていいものがほしい。
制作会社側の実績や、どのような作り方をするからこそ成果がでるのかを、予め確認しておくのがオススメです。
ホワイトペーパーは激安で作ってはいけない?
「たった5万円で作れます!」
「今ならキャンペーンで大幅値引き!」
このように、安さや値引きを全面に押し出して売り込みをしている制作会社はあまりないのですが、安さには必ず秘密があることを、あなたには覚えて頂きたいです。
例えば、
- 自由度がなく制作会社側の言う通りに作るのが条件
- 制作への口出しは一切できなく出来上がったものを受け取るだけ
- 決まりきったテンプレートに沿う形でしか作れない
このような場合、他社も同じような形で作っている関係で、似てしまうこともあります。
また、何か決まりきった流れで作るからこそ、余計な手間がかからない分、安くなっていることもあり、その場合はあなたの要望を柔軟に対応してくれない場合も。
そしてなにより一番の問題なのが、安さを選ぶとホワイトペーパーを「作る」のが目的となり「成果」を出すことが抜けてしまう。
ホワイトペーパーを作り、見込み顧客を増やして顧客化を促進するのが本来の目的だと思いますが、その前段で意識が止まってしまうことで、本当に目指したいことが未達成になる可能性もあります。
単純な安さには必ず裏があり、安さだけで選ぶと効果が薄いホワイトペーパーになる可能性もあることは、覚えて頂きたいです。
制作会社を決めるために必ず相見積もりをする
相場が10~30万円だったとしても、制作会社の体制やあなたの要望によって、かかる金額は変わってきます。
金額が選択基準の一つだと思いますがそれだけでなく、相性や制作方針に納得できるかも大事なポイント。
また、ホワイトペーパーが作れる会社はたくさん存在しているのに、たった1社だけしか話を聞かなければ、あなたの望みを叶えてくれる制作会社に出会う可能性を無くしてしまいます。
例えば、
A:20万円 / オリジナルデザイン可 / 制作は内製
B:10万円 / テンプレートのみ / 制作は外注
C:40万円 / オリジナルデザイン可 / 制作は内製
この場合だとA社がいいと判断できますが、比較をしなければそもそもこの違いも分かりません。
比較することは、ホワイトペーパー作りの失敗確率を減らすことにも繋がるため、相見積もりは必ず行って頂くのがオススメです。
ホワイトペーパーの制作費のお支払い
制作会社にホワイトペーパーを作ってもらい、きちんと納品が完了した時点でお支払いが発生します。
これはホワイトペーパーに関係なく、企業対企業のお付き合いであれば、納品後支払いが一般的。
しかし、あまり聞いたことはありませんが、全額前払いを要求された場合は気を付けましょう。
例えば、リフォーム業界では悪徳業者が存在しているため、全額前払いを要求し、実際の工事にはこないような事例もあったほどです。※ 私自身がリフォームに関するメディア運営をしていたため、実際にお客様から話を聞きました。
ホームページの見栄えが良くても、営業さんの印象が良くても、支払いに関して不明瞭な対応を求めてくる場合は選ばないのが失敗を防ぐポイントでもあります。
ホワイトペーパーの費用”あるある”
テンプレートを使っても安くて良いものが作れる?
テンプレート=効率化であり かけるべきところにリソースを当てていくための手段の一つですが、単純な効率化だけを考え「成果」ではなく「作る」ことを目的にしている制作会社だと品質が低くなる場合があります。
外注先となる制作会社の制作方針も必ず聞いた上で、成果が出せる方を選びましょう。
お金を掛けないためにPowerPointで作ってもいい?
予算が無かったり、制作スキルはないけど、どうしてもホワイトペーパーでマーケティング活動を回していきたい場合もありますよね。
そのような場合はPowerPointだったり、無料の制作ソフトを使って自作するのも一つの手です。
しかし、見込み顧客を魅了するには、ライティングで情報を分かりやすく提供し、デザインで強い印象を与える必要があります。
PowerPointでもある程度デザイン性は担保できますが、もし他社のホワイトペーパーと比較されたらどうでしょうか?
他社がしっかりとお金を掛けて、文章もデザインもいいものを作っていたら、見込み顧客が離れてしまうのは必然。
予算がないなりに、それに合った作り方は存在するので、まずはあきらめずに制作会社に相談してみるのがオススメです。
作ってダメだったら別の外注に頼みなおせばいいよね?
確かに、一度作ってはもらったけど、対応品質や納品物のクオリティに満足できなかったら、また別の外注を探せばいいと思いますよね。
それも一つの手段としてはいいと思います。
しかし、ホワイトペーパーは見込み顧客に対して、数種類を見てもらうようになるため、一つ一つがまったく違うデザインよりも、ある程度統一された形で提供する方がいい。
もし何度も外注先を変えていくと、最初に作ったホワイトペーパーと今作っているホワイトペーパーで、テイストも思想も全然違ってしまう場合もあります。
これは結局、見込み顧客に対して、企業としてのブレ幅が大きいと捉えられてしまって、マイナスイメージを抱かせてしまう可能性も。
企業としてのブランドを保つために、ある程度は一貫性を保つ必要もあるため、シリーズ(継続もの)を意識して最初から作るか、同じ制作会社に同じ思想で作ってもらうのがオススメです。
「見込み」という段階だけあって、興味を失うようなマーケティング活動をしていると、せっかく獲得した見込み顧客を活かせない状況が続き、今の負の状態から脱出できない場合もあります。
また、作るたびに制作会社を変えていては、探す手間と時間をお金に換算すると、かなりマイナスにもなるため、最初から継続して付き合えそうな制作会社を見つけましょう。
ホワイトペーパー作成に不安を感じているあなたへ
ホワイトペーパーの費用で分からない事や、もう少し知りたい情報はありませんか?
見込み顧客を増やすため、営業さんを楽にさせてあげるため。
ホワイトペーパーはマーケティング活動を効率化するだけでなく、見込み顧客が増えれば、会社の将来を作っていける存在にも成りうる。
この情報が、あなたやあなたの会社の理念に共感し、一緒に二人三脚で進んでくれる制作会社を選ぶための情報になれれば嬉しいです。
ホワイトペーパーの費用相場を見て頂きありがとうございます。
エンプレス編集部:sugiyama