いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。資料を作り始める前に、お役立てできる情報をまとめてみました。
「パワーポイントを使って初めて資料を作るけど、できるかな…」
資料作り、周りの人はスイスイ作っていますが、いざ自分が作る側になったら、事前の知識がないと不安になりますよね。
作り慣れている人は、作るための準備や進め方が分かっているからこそ、簡単そうに作っている。
しかし、初めてパワーポイントを使って資料を作るのであれば、まずは事前準備の情報から、知って頂くのがオススメです。
こんな方にオススメ!
・資料作りが初めて
・パワーポイントに慣れていない
・成果が求められている
パワーポイントの資料作りが初めてなら準備・作成・提出(公開)を知る
パワーポイントで資料作るのが初めてなら、一番やってはいけないのが、いきなりパワーポイントで資料を作り始めること。
「初めての資料作り…。」「作り方が分からない…。」不安によって、作ることから始めてしまいがちですが、資料作りでもっとも大切なことは資料を作ることではありません。
一番大事なのは、資料を見てもらう相手に、求められている情報を的確に提供すること。
作りました → 理解してもらえませんでした。
これでは資料を頑張って作ったとしても、作業時間も無駄になってしまいます。
資料作りには流れがある
パワーポイントは初めが肝心なので、資料作りに必要な3段階をぜひ知ってほしいと思います。
①事前準備
∟ 提出相手の理解
∟ 情報の用意
∟ 情報の整理
∟ スライドの基本を用意
∟ 提出シーンの想定
②作成
∟ 提出相手に合わせて翻訳
∟ 文章の可視化
③提出
資料は作成に一番時間がかかると思われていますが、実はその前の準備がもっとも大切。(提出なんて一瞬です)
なぜ準備に時間がかかるのか、それは資料へ載せる情報がもっとも大事だからです。
一生懸命作っても資料は読んでもらえない
資料の弱点として、
- 読んでもらえない
- 読み飛ばされる
- 説明しても記憶に残してもらえない
- つまらなかったらすぐにゴミ箱行き
このように、資料はかなり弱い立場の存在。
たとえば分厚い資料を渡されて「これ読んでおいて」と言われても、丸暗記は難しいですし、普段から忙しいあなたには、資料を読む時間さえもったいないと思ってしまう。
これはあなたが資料を渡したい相手も一緒で、本当に自分事に感じて、前のめりに意識が向けられるような情報でないと、読むのはストレスでしかありません。
求められる情報を載せるのが重要
状況にもよりますが、資料の大半は、自分に関係のないことが多かったり、書かれている内容が分からず、資料の読み終りまで集中してもらえる機会は少ない。
しかし、プレゼンや企画、または大事な提案で使う資料に、相手が求める情報が掲載されていなかったら、失注や不承認を受ける確率は高くなりますよね。
パワーポイントを使うのは、あくまで情報を可視化するための手段でしかなく、最も大切なのは掲載する情報。
そのために、事前準備として情報に関して時間を取る必要があります。
このページでは主に、事前準備について見ていきます。すぐに資料作りをしたい場合は、今すぐ真似たいお手本スライドや気づかずやってるNG・OK事例集が参考になると思うので、見て頂けると嬉しいです。
パワーポイントを使い出す前の事前準備
資料作りでは、パワーポイントを使う前に勝負が決まっていると言われるほど、事前準備がとても重要です。
時間はかかりますが、それでも「誰」に「何」を提供すればいいのか明確になっていると、パワーポイントを使った時にスイスイ作れる。
見た目のデザインに囚われず、影響力が大きくなる資料を作るには、下記5つのポイントに着目してみましょう。
- 提出相手の理解
- 情報の用意
- 情報の整理
- スライドの基本を用意
- 提出シーンの想定
それぞれを詳しく見ていきたいと思います。
提出相手の理解
パワーポイントで資料化する前に一番大事なのは、資料を提出する相手は誰なのか?
- 特定の相手がいる
- 20代女性
- 会社員
など、狭い範囲に提出する資料もあれば、広範囲だけど特定の属性に当てはまる方へ見てもらい場合もある。
この中でも特定の方へ渡したい資料であれば、その人が何を好んで、どんな話に興味があり、資料(情報)に期待していることが、ある程度分かると思います。
しかし、20代女性・会社員などデモグラフィックデータで考えた場合、20代女性なら大人可愛いデザインにする、会社員であれば働き盛りの男性・30~40代に合うように、こんな考えにもなりやすいですが、少し考え方が乱暴かもしれません。※ デモグラフィックデータとは、性別・住所・年齢などの人物に対しての属性情報。
20代女性とは?
・20代の何歳から何歳まで?
・本当に可愛いがいいのか?カッコいいも好きじゃない?
・どんなタイミングで見たい資料なの?
・資料を見たいと思った時はどんな気持ち?
会社員とは?
・男性だけじゃなくて働き盛りな女性もいるよね?
・いつもどんなことに苦労している?
・現在の収入はどのくらい?
・休みの日は何をしてる?
単純に人物を表すデモグラフィックデータだけでは、資料の提出相手を理解することは難しく、感情など内面に踏み込んだ理解が必要になってきます。
自分も分かっていないのに、相手のことを理解するのは並大抵のことではないほど難しいですが、理解しようとする姿勢が資料の品質に影響を与える。
理解に努める必要性とは?
資料を見てくれる相手を理解することが大切、それならば理解すればいいよね?とは簡単にいきません。
たとえば、100円と200円の牛乳があったとして、合理的な思考で考えると「安い方を選ぶに違いない」と判断します。しかし、牛乳にはこだわりがあって、少しでも食事を美味しくするために、感情的な判断で高い方を選ぶ方もいます。
高い方を買いたい人に対して、無理に安さをアピールしても、なかなか買ってくれませんよね。
すでに気持ちが傾いている方から、逆へと切り替えさせるのは相当大変です。
無理に気持ちを変えさせる=無駄な労力・コストがかかる。
人は人を理解することができない。
家族や友人・知人のことも完全に理解するのが難しいのに、顔も見たこともない、不特定多数の方を理解するのは不可能です。
人は人を理解できない、分かったつもりになっている状態。
しかし、まったくの0よりも、1や2でも理解度を高めることで、読んでくれる方に喜んでもらえる資料が作れる。
その方の時間を使って見てもらうのですから、時間を使った以上のものを返せないと不満足に繋がるため、少しでもほんのちょっとでも、満足してもらえる資料を作るために、理解に努めることが大切だと言いたいです。(かなり感情的なことですが、これが大事だと思っています。)
参考:相手の解像度を高める方法
情報の用意
資料化するためには、掲載する情報を集めなければいけません。
しかし、情報を集める際に、見てくれる方の理解度が低ければこんなにも違ってきます。
理解度が低い
・作成側が伝えたい事ばかりで読み手はつまらない
・自分事にならず他人事のままで記憶にも残らない
・そもそも求められている情報を間違えている、ズレている
理解度が高い
・相手が知りたい情報がたくさんありワクワクする
・自分事だと感じて前のめりに見てくれる
・求められている情報をしっかり集められている
極端な例ですが、集める情報の方向性がそもそも間違っていたら、資料化しても意味はないですよね。
そのためにまず、資料を見てくれる相手への理解度を高めてから、情報を用意していくのが基本の2つ目。
相手への理解度によって情報用意の時間が変わってくる
情報を集める際も、誰にどんな情報が求められているのか理解できていないと、手当り次第たくさん集めて無駄に時間がかかってしまいます。
たとえば、資料を作るために、情報を用意する時間がかかりすぎてしまって、結果的に資料化が間に合わなかった。(私も経験があります…)
ある程度、方向性が絞られているからこそ、必要情報のみが集められて時間短縮できる。
情報は見つける・集める・作る・借りる
情報の探し方は色々ありますが、やっぱりインターネットを使って探しますよね。
基本はインターネットでもいいですが、それは資料を提出する相手もあなたと同じく、インターネットである程度の情報は探せます。
そのため、情報を用意する際は下記4つのポイントに気をつけてみましょう。
探せそうなポイントを見つける
インターネットはもちろん、書籍・雑誌・新聞・知人などリアルな情報でも探していきます。インターネットと一言でいっても、ノウハウなどの記事、Yahoo!知恵袋のようなリアルな声、企業サイトの事例集などもあるので、探せるポイントはたくさんあります。もちろんあなたの体験や記憶、先輩・上司の中にはお宝情報が眠っているかもしれないので、どんどん使わせてもらいましょう。
集める
探せそうなポイントをたくさん見つけたら、関連情報をまとめて集めていきます。多方面から集めると、伝え方が違っていても、結局言いたいことは同じだったりするのですが、集めている段階で共通するポイントを見つけていきます。その共通事項が相手にとっても伝わりやすい内容になる。
作る
集めた情報を自分なりに一旦読み込みます。自分が理解していない情報ほど扱えないので、読み込むことで情報への理解度を高める必要がある。理解しているからこそ、どんな形にでも変換(翻訳)できるため、ここでやっと資料へ掲載する情報が作れます。
借りる
探して集めて作ったけど、自分たちの資料としては使えない情報もあります。たとえば他社が出した売上実績など。自分たちで出せない情報は無理して作ろうとせず、借りてしまいましょう。出典先の明記や引用で使える情報量など、情報の借り方にもルールがあり、それさえ守れば使える情報もたくさんあるため、借りれる情報は借りておきましょう。
情報の整理
集めて用意した情報は、そのまま使うことはできず、たとえば集めた情報を全部入れてしまい、100ページ以上(仮)の読み応えはあるけど、量が多すぎて読んでもらえるか分からない資料にもなる。
そのため情報の整理として、分類する、絞る、合算させることで、最適な情報量に変化させていきます。
分類
似ている情報同士でまとめて、大きな情報のまとまりを作っていきます。さらにそのまとまりの中でもいくつかのグループに分けていく。これを繰り返して分類が増えていくとツリー型になり、ただの情報のまとまりだったものが構造化されて、扱いやすくなります。
絞る
分類した情報に優先度を付けて、本当に必要な情報だけに絞っていきます。
合算
優先度を付けた中でも、似ている意味や、合わせて問題ない情報も出てくるので合算させていく。
分類 → 絞る → 合算まで行えると、ぎゅっと詰まった密度の高い情報となり、資料の枚数も減らせます。
たくさんの情報を資料内にいれると、作り手側としては安心ですが、資料は「見てもらえない」が前提なので、極力少なくするのが鉄則。
作り手の不安が情報量を多くしてしまう場合もあるので、ここはグッと堪えて少なくさせる意識を持ちましょう。
スライドの基本を用意
資料を作ると言っても、毎回違うことを入れるわけではなく、ある程度は一定のレイアウト・デザインで入れて、見やすく整えるだけ。
しかし、スライドの基本(テンプレート)がなければ、毎回作ることになるので、それだけでも時間がかかります。
まずはどんな内容にでも、すぐ情報を入れ替えるだけでスライドが完成できる基本をいくつも用意しておきます。
レイアウトが分かっていると、どんなスライドを用意しておけばいいか分かるため、レイアウト全集を確認頂いて覚えておくのがオススメ。
テンプレート作成で意外に手間取るのがページ番号の付け方です。慣れていないと付け方が分かりづらいこともあるので、ページ設定も事前に用意しておきましょう。
資料は見やすさから全て始まる
あなたが頑張って用意した情報、その情報を資料化しても見づらかったら、結果的に見てもらえません。
見やすさで資料の印象もだいぶ変わるため、見やすいNG/OKの事例を知っておくのも役立ちます。
自分なりに見やすさを追求してもいいですが、こういう時にこそ有名企業さんが作っている資料を参考にしたい。
うまい人の資料を見るほど、学びが多いですからね。
提出シーンの想定
資料の提出シーンや配布シーン、意外と見逃しやすいのですが、すごく重要です。
大きいモニターで見るなら字が小さくてもまだ読めますが、字を小さめに作ってノートパソコンで見ると、さらに小さくなって見づらくなる。
他にも印刷が必要なのに、資料内に色を使いすぎてインク代がかかってしまっている。
資料を見てもらう相手が、どんな場所で?どんなタイミングで?どうやって?見るのかイメージできていないと、読み手に対して手間をかけてしまう場合も。
どんな場所で見る?
資料を見る場所はどこなのか。
場所としては、自宅・社内・出先など色々あると思いますが、場所によっても感情の動きが大きく変わってきます。
自宅:気持ちもゆったり出来て集中して見ていられる(リラックス)
社内:他の仕事にも追われているので見る時間があまり取れない(緊張)
出先:ネット回線が悪いのでダウンロードが遅い(苛立ち)
場所によって、全然変わってきますよね。
確認場所による違いを理解しておくだけでも、配慮の効いた資料が作りやすくなる。
どんなタイミングで見る?
資料を見るタイミングは人それぞれです。
情報収集:初めての人でも分かるような簡単な情報が知りたい
比較検討:他と比較するための違いが分かる情報がほしい
意思決定:選ぶ理由が分かる情報がほしい
資料がほしいタイミングによって、どんな情報を求めているのかが変わってくる。
相手のタイミングがどの段階なのか、そのタイミングではどんな情報が提供できれば最適なのか。
状況や心の動きまで配慮できると、自分事に感じてもらえる資料が作りやすいです。
どうやって見る?
資料の見方によっても、必要な情報や見せ方が変わってきますよね。
モニター(大きめ):見やすい
モニター(小さめ):文字が小さいと見づらい
モバイル :文字や情報が小さいと見づらい
印刷 :色が多い、枚数が多いとコストがかかる
基本的に文字は大きめに作りたいですが、データなど細かい情報を入れなければいけない場合、文字を小さくせざる得ない。
もし、事前に資料の見方を分かっていれば、提出時には必要な情報のみを渡して、あとですぐに詳細な情報資料を渡す準備もできる。
どうやって見るのかも、とても大切なポイントです。
最後に。
資料を作る時、すぐにパワーポイントを使い出すのではなく、資料作りに必要な準備から始める。
そのどれも手間のかかることですが、結果的に正しい資料の方向性が分かり、相手が求める情報も入れられ、反響も高くなっていく。
全ては事前準備にかかっている…。
ほんの少しだけ、作り出す前に時間を使って準備ができると、資料も品質が高まっていきます。