いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。導入事例インタビューは、どんなことに気を付ければいいのか。取材を成功させるための情報をまとめました。
初めてまたは何度か対応していたとしても、難しい仕事が取材インタビュー。
自分が語るだけなら簡単ですが、相手に語ってもらい、尚且つ嘘ではなく本音で深い話をしてもらう必要もあるので、引き出すコツも知っておかなければいけない。
取材インタビューは、何度も繰り返し行えない一発勝負の世界でもあるので、ものすごく緊張が求められます。
成功させるコツをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
こんな方におすすめ
・導入事例インタビューを成功させたい
・取材がもっとうまくなるコツが知りたい
・インタビュー記事を今後増やしていきたい
- 目次
- 1. 誰のために引き出す話なのか
- 2. すぐ回答できる質問から入っていく
- 3. 褒める(言葉に出す)
- 4. 話の引き出しを増やしておく
- 5. 自分ではなく主人公はインタビューの相手
- 6. 自分の当たり前を相手も当たり前だと思わない
- 7. 受動的ではなく能動的に「聞く」
- 8. 相性を跳ねのける
- 9. 価値観の違いは一旦受け入れる
- 10. フワッとした回答ほど深掘りしていく
- 11. 相手の「熱」を見つけて深掘りしていく
- 12. 気持ちよく話してもらえる状態作り
- 13. 引き出せない時は自分のパーソナルな部分をさらけ出して心を開いてもらう
- 14. 適度にメモを取る
- 15. 聞きづらいことは前置きをする
- 16. オンライン取材はさらに配慮が必要
- 17. SNS等で相手の関心事を確認しておく
- 18. 「なぜ」ではなく「なに」で聞く
- 19. 最初のタイミングで「話したい」と思われる雰囲気を作る
- 20. 回答を限定させるような質問はしない
- 21. クロスメディア展開をする
- 22. 「質問」ではなく「会話」で引き出す
- まとめ
1. 誰のために引き出す話なのか
導入事例インタビューの目的は、売上に繋がるような事例掲載によって、お客様を引き込むことだと思います。
つまり、新たなお客様に安心や信頼を感じてもらい、製品・サービスの価値を伝えること。
自分たちが、ただ単に導入事例記事を作りたいだけなのか、お客様のためのインタビューを増やしたいと思うのか、ここの思想によって質問内容や現場の雰囲気も変わってきます。
一体誰のために引き出す情報なのか、改めて軸がブレないようにしましょう。
2. すぐ回答できる質問から入っていく
インタビューの最初から、もっとも引き出したい話を質問してしまったり、回答に時間がかかる重たい内容は取材相手を疲れさせて、その後の回答が当たり障りないものになってしまう場合も。
通常は1~1.5時間ほどのお時間を頂きインタビューしますが、しゃべる方も緊張が続くので、だんだんと最後の方はトーンダウンしてしまう。
また、信頼できていない間柄で、いきなり本音を話せと言われても嫌ですよね。
最初は取材側も回答側も質問・回答が簡単なものから始め、だんだんとリズムを作っていく。
回答しやし質問から始めていきましょう。
3. 褒める(言葉に出す)
導入事例のインタビューを成功させるには、回答してくれる側が、気持ちよく回答できる状態にしなくてはいけません。
そもそも、話してくれなければ、いい情報が掲載できない。
話を引き出すためにも、相手がどんどん話していいんだと思ってもらえるように、随所で褒めるような言葉を直接出してあげます。
無理やりではなく、取材側のあなたの感情が動いたタイミングでよくて、本気で褒めてあげる。
嘘をつくと、何となく雰囲気で分かってしまうため、感情に従ってイイ事はイイと言葉に出してあげるのがオススメです。
4. 話の引き出しを増やしておく
導入事例として、ある一定の流れで聞いていくのであればいいですが、やはりシナリオ通りにはいかず、当日お互いの状況によって、引き出せる・引き出しやすい情報が変わってきます。
質問項目をテンプレート化しても、話が脱線したり、思いもよらないイイ話が聞けたりもするので、いつ何時話の方向性が変わっても、イイ話が引き出せる引き出しをいくつも持っておくと便利です。
話を広げる9つの視点 | ||
---|---|---|
項目 | 対象 | 詳細 |
誰と | 人 | 誰との体験なのか |
いつ | 時間 | 過去・現在・未来の時間軸で聞いてみる |
どこ | 場所 | 場所によって変化があるか |
立場 | 役職 | 立場が変わることで違いはあるのか |
失敗・成功 | 状況 | マイナス・プラスの両方を聞く |
教えてほしい | 知りたい | 分からないことは素直に教えてもらう |
感情を伝えてみる | 感想 | 率直な感想を伝えてみる |
数値 | データ | アピール数値があるか聞いてみる |
期間 | 〇日、〇ヵ月、〇年 | 期間が短いまたは長いのか聞いてみる |
これだけあれば、いつでも話を広げられます。
5. 自分ではなく主人公はインタビューの相手
人間誰しも自分の話を聞いてもらいたい、主張したい気持ちを持っているため、インタビュー慣れしていない場合、何事も「話す」が先にきてしまいます。
しかし、導入事例の主役はあくまで取材させてくれるお客様側。
自分たちではないため「話す」ではなく「聞く」マインドセットになっている必要があります。
取材相手が誰であっても大切なこと
それはリスペクトすることです。尊重するからこそ、相手もそれを肌で感じ取り、貴重な情報を出してくれます。
6. 自分の当たり前を相手も当たり前だと思わない
インタビュー相手のことを、昔から知っている旧知の中で、さらに考え方や知識も全部把握できているなら問題ないですが、そのような状況はまず存在しません。
取材する側と取材される側は、初対面かちょっと知り合い程度の仲。
そのため、お互いに様々な違いがあります。
- 回答慣れしている、していない
- 前提の知識がある、ない
- 関係値がある、ない
他にもありますが、本音を話し合えるような状態ではまずないので、自分の当たり前を相手も当たり前だと思っていると、さまざまなズレが出てくる。
自分とは異なるからこそ、最初から最後まで配慮が欠かせない相手だと認識しておきましょう。
7. 受動的ではなく能動的に「聞く」
インタビューはただ単に、相手の言葉に耳を傾けるのではなく、話している内容を体全体を使いながら聞き漏らさないように取り込んでいきます。
聞く姿勢で違う相手の反応
× 相手の言葉に耳を傾けているだけ
〇 表情も笑顔で大きく相づちを打ちながら聞いている
聞く姿勢の違いで、話を聞いてもらっている側の満足度は全然違ってきますよね。
受動的に聞き流すような姿勢は、相手にもすぐばれてしまうため、前のめりに能動的な聞き方が必要です。
その他のポイント
聞くためには、相手に聞いていることを示す行動も大事。
- 発言内容からキーワードを取り出しオウム返し
- 目を大きく開く(同時に眉毛が上下に動く)
取材相手に「話を聞いていますよ」と伝わるだけで、安心感が持てて「この人なら話してもいいかな」と、思ってもらえる状態にもなります。
8. 相性を跳ねのける
取材する側もされる側も、お互い得手不得手があります。
「この人の話し方、なんか嫌だなぁ~」と思ってしまうことも。
しかし、苦手だと感じた時点で、隠してても相手は微妙な変化に気づき、勘づいてしまう場合もあるため、相性が悪くても対処しなくてはいけません。
苦手な部分があるなら、別に好きになることは必要ありませんが、なぜそのような人間なのか、興味の対象にしてみましょう。
苦手よりも好奇心がそそられる対象となって、どんどん話を聞きたくなるかもしれません。
9. 価値観の違いは一旦受け入れる
好きなこと・大事にしていること、私たちはそれぞれ違ったものを持ち、その中で独自の価値観が作られ、思考・行動に大きな影響を与えています。
たとえば、インタビュー相手が自分の価値観では考えられない発言をしてきたら、相容れないと思った時点でインタビューがお互い苦痛なものとなって、イイ話が聞けなくなる。
逆に「その経験は相手にとって必要なことだった」と、価値観の違いを許容できれば、興味となってさらに面白い話が聞けるかもしれません。
価値観の違いは反発せず、取材に活かせる感情だと思い、活用する方向性へチェンジした方がおすすめです。
10. フワッとした回答ほど深掘りしていく
インタビュー中に取材相手の回答が、あまりはっきりせず曖昧に終わってしまうこともあります。
持ち帰った時に、解釈が曖昧なままになると、編集時にうまく活用できなくなる。
フワッとしている回答には、まだ奥に眠る情報が潜んでいるため、深掘りして聞いていきましょう。
取材相手がそもそも、言葉に出来ない状態かもしれませんので、さらに深く聞いていくことで、それらを表す言葉が出てくるかもしれません。
言語化できない場合はフォローしていく
取材インタビューでは、咄嗟の発言も多く出てきたり、取材相手自身がその時に初めて気づいたことも出てきます。そうなると本人で言語化できないこともあるため、フォローしながら深掘りしていきましょう。
11. 相手の「熱」を見つけて深掘りしていく
取材相手が色々話してくれる中でも、とくに本人の関心度が高い内容を話してくれる時があります。
- 早口になって止まらない
- 声が大きくなる
- 楽しそうに話す(悲しそうに話す)
相手の「熱」や「感情」を見つけたら、もっと色々な情報を出してくれる可能性もあるため、そこに絞ってどんどん深掘りして聞いていきます。
関心度があまり高くない話題であれば、どれだけ引っ張っても出てくる情報はありきたりなものになりますが、熱があれば貴重な話が聞けるかもしれない。
熱を見つけたら、すかさず色々聞いてみましょう。
12. 気持ちよく話してもらえる状態作り
導入事例インタビューでは、基本的に取材相手が話してくれなければ、いい情報が掲載できません。
情報が少ないからと、勝手につけ足したり話を捻じ曲げたりすれば、信用も無くなってしまう。
そのため、取材相手がどんどん話してくれるように、話しやすい環境を整えることが大切。
- ファーストコンタクトは笑顔で(開始5秒が勝負)
- 対面ではなく対角上、または横に座る
- 室内は適温にして内装の雰囲気も良くする(窓際など)
- 相手の会話に質問や会話をかぶせない
- 話してくれない時は少し我慢して待つ(話し出すのを待つ)
- 質問の背景や意図を伝える(明確な回答が欲しい場合)
- 聞き取れるスピードと音量で質問(聞き返される質問はストレス)
- 相手の話すスピードと合わせるまたは少し遅く(リズム感を合わせる)
- 会話が広がらない質問はしない
- 目線を相手に向けること
- 対象を絞らず広く聞く
13. 引き出せない時は自分のパーソナルな部分をさらけ出して心を開いてもらう
どうしても相手によっては、自分から色々話してくれるタイプではない場合も。
キッカケがあれば話してくれる可能性はあるので、そんな時はまずあなたから開示していく。
たとえば、趣味は〇〇、家族が〇〇など、パーソナルな部分を開示することで、取材相手もだんだんと心を開いてくれます。
引き出せない時こそ、自分から情報を出していきましょう。
14. 適度にメモを取る
学校に通ってた時、先生が話している最中にノートを書き写さないと「ちゃんと聞いてる?」と、若干怒られた経験はありませんか?
これは話している側が、話されている側にきちんと聞いているか確認している行為でもあります。
導入事例インタビューも同じことが言えて、メモ書きは取材相手の話を関心を持って聞いていると示す、大事な行動なのです。
聞いている姿勢を示せば、取材される側は安心しますし、聞いてくれているならもっと話そうかなと、どんどん新しい情報も引き出されていく。
メモの取り過ぎは、視線を下に向け続けてしまうため逆効果。
「聞いていない」雰囲気を作ってしまうため、メモは大事なことだけを書き残し、あとはレコーダーで録音しておく。
注意事項
パソコンでメモを取る方もいますが、これは止めておきましょう。カチャカチャと音が鳴り取材相手のストレスになりますし、取材相手よりもパソコンに集中してしまうため、あまり話したくなくなってきます。また、万が一のためにボイスレコーダーは最低2つは用意しておきましょう。
15. 聞きづらいことは前置きをする
取材の途中で、どうしても聞きづらいことが出てくるかもしれません。
そんな時も聞き出さなくては、持ち帰って編集したい時に聞き直したいと思っても聞けないので、前置きを入れて質問をしてみる。
- 少し聞きづらいのですが~
- 不勉強で申し訳ないのですが~
- ひとつの可能性として~
- 自分はこう思ったのですが~
あとで聞けないからこそ、今聞いておけるテクニックを身に着けておくのもオススメです。
16. オンライン取材はさらに配慮が必要
オンライン取材では、パソコンのモニター・カメラを通して会話をするため、少し勝手が違ってきます。
色々と配慮が必要なので、まとめてみました。
- 目線は必ず相手の目線と合わせてまっすぐ(カメラズレで目線がズレる)
- 通信環境はWiFi(無線LAN)よりも有線LANで途切れないように
- パソコンの処理能力の低下を防ぐ(会議ツール以外は閉じておくなど)
- 取材終了後は自分が一番先ではなく後に退出する(最後まで残っておく)
- 胸から上くらいまでを映す(小さすぎないように)
- 取材の邪魔をしないような背景を選択orぼかす
- 始める前に音声の品質を確かめておく(聞き取りやすいマイクがあれば良し)
- 録音することは事前にお伝えする
など、取材相手が不快に思わない状態を作っておきましょう。
17. SNS等で相手の関心事を確認しておく
取材インタビューでは、それぞれテーマがあるものの、聞き出す本人の趣味嗜好・価値観によって、引き出せる情報が変わってきます。
たとえば、相手が興味関心のある話題を振れば、たくさん話してくれますし、逆に興味関心がなければ淡泊な回答にもなる。
普段から付きっきりで側にいれば興味関心がどこに向いているか分かりますが、そのようなことはできないので、相手がSNS等を行っていれば発言内容など注意深く観察しておく。
何が好き?嫌い?最近の関心事は?など、それらを抑えておくと、取材当日に話の幅を広げられるのでオススメです。
共通点を探しておく
人は誰しも、共通点がある相手に心を開きやすい。そのため、SNSなどで共通点を確認しておき、取材インタビューの当日に会話へ織り交ぜることで、親近感からか話してもらいやすい相手だと認識されます。
18. 「なぜ」ではなく「なに」で聞く
会話が進むと、聞き出したいポイントが色々出てくると思います。
その度に「なぜ、それをしたんですか?」「なぜ、そう決めたんですか?」と、なぜなぜを繰り返し、情報をくれくれ状態になると、取材相手としても少し気おされてしまって、あまりいい返答が返ってこない場合も。
「なぜ」は少しばかり追求度が高いため「なに」で中和してあげるのもオススメ。
ちょっとした表現の違いですが、何度も質問を行うため、柔らかく伝わる言い方の方がいいですよね。
19. 最初のタイミングで「話したい」と思われる雰囲気を作る
取材側と取材相手は、電話・メールで話した程度で、当日に「初めまして」が多いと思います。
そうなると、どうしてもお互いが緊張して、その緊張感や印象によっては、話が弾まない場合も。
取材相手に安心・信頼されるには、
- 清潔感を保つ(服装、髪型、顔、口臭、爪)
- 口だけ笑顔ではなく本気の笑顔を
特に、取材インタビューは短時間の勝負でもあるので、最初の印象があとで大きく影響します。
出会って5秒で、好印象を感じてもらう準備は最低限だと覚えておきましょう。
20. 回答を限定させるような質問はしない
取材記事にするためには、なるべく色々な話を引き出し、取材相手だからこそ語れる「強い言葉」が欲しいところ。
しかし、質問を間違えて回答を限定させてしまうと、無難な情報にもなってしまいます。
例:色の質問
× 青と赤、どちらが好きですか? → 青です(話が広がらない)
〇 好む色はありますか? → 基本的に青色なのですが~
〇のパターンであれば、回答を限定させないため、話を広げられる。
取材側から、意図的な回答を引き出しても、あまり面白くありません。
取材相手だからこそ引き出せる情報を得るには、自分の言葉で語ってもらうことが一番なので、回答からさらに広げられる質問がオススメです。
21. クロスメディア展開をする
導入事例インタビューは、自社のオウンドメディアに掲載するだけが活用範囲ではありません。
- リード獲得用のホワイトペーパー
- パンフレットなど販促物
- 動画化
- プレスリリース
など、さまざまな展開ができます。
基本は記事化ですが、1つの情報でこれだけ多くの他媒体に掲載できる情報も導入事例の強みです。
22. 「質問」ではなく「会話」で引き出す
「取材」「インタビュー」でイメージすると、質問する側と回答する側の2者を想像しますよね。
しかし、わざわざ対面(オンライン・オフライン)で話を聞くのに、質疑応答のような一問一答形式をする意味はありません。
対面だからこそ、感情が乗った言葉を引き出せますし、感情の高ぶりで思わぬ面白い話を聞かせてくれるかもしれない。
取材インタビューは、友人と話すようなリラックスした会話の中から、どんどん話を引き出すのがポイント。
「質問」をするのではなく、なんでそう思ったんだろう?と純粋な疑問から聞き出す「会話」によって、求めた以上の取材にできます。
まとめ
導入事例インタビューを成功させる方法として、22個のコツを抜き出しましたが、まとめると下記の2つがポイントになります。
① 相手が思わず話してしまう状態を作ること
② 自分のことを理解しようとしてくれる人に心を開く
主役は取材相手であり、いかにして見込み顧客に価値ある情報を引き出せるか。
取材中は、その場にいるみんなが同じ目的に沿って動くワンチームであることも求められます。
スキル・ノウハウ・配慮など、取材インタビューはたいへんな面もありますが、一度作ればずっと活用し続けられるオリジナルコンテンツとなり、費用対効果はものすごく高い。
このページの情報が、インタビュー記事を増やすために、お役に立てられれば嬉しいです。