いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。メルマガの基本として、注意事項から作り方までをまとめています。
メルマガとはメールマガジン(Mail Magazine)の略で、メールを使って定期的に情報発信を行うコミュニケーション手法の一つ。
分かりやすく言えば、メールを使ってお客様またはお客様になる前の方々と"徐々"に仲良くなる方法です。
事前に購読希望してくれた方、または名刺交換・セミナー(ウェビナー)・展示会などで連絡先をいただいた方に対して、メールを使った情報発信を行っていきます。
BtoC(対顧客)だけではなく、BtoB(対企業)でも盛んに行われているメルマガですが、普段送っているようなご挨拶・要件を伝えるだけのメールとは異なり、タイトルから文章に至るまで工夫が必要になってくる。
初めてメルマガを作る時に、基本として覚えておきたい情報をまとめたので、あなたのお役に立てられれば嬉しいです。
こんな状況の方に見てほしい!
・メルマガとはどんなものなのか知りたい
・メルマガの活用を考えている
・メルマガを送っているけど基礎を学びなおしたい
メルマガの注意点
いきなり怖いことを言いますが…メルマガって送ることは簡単なのに、注意することが色々あるんです。
最初から注意点をお伝えしたいのは、メルマガには「特定電子メール法」などが適用されているため、知らないと法律違反になる可能性もあるから。
まずは気をつけたいポイントから確認して、その後から安心してメルマガの作り方・送り方を見ていきたいと思います。
特定電子メール法とは?
特定電子メール法は、送信側が勝手に営業目的で送りつける行為を防止するための法律。
あなたも普段からスマートフォンを使っていると思いますが、少し前だとガラケーと呼ばれた携帯電話が主流でした。
インターネットがどこにいても使えるようになり、利便性は高まったものの、それを悪用して営業メールを送りつける迷惑行為が社会問題化し、この問題へ対応するために作られた法律が「特定電子メール法」です。
参考:1-2 特定電子メール法
① 相手の承諾なしで送ってはいけない(オプトイン規制)
広告・宣伝目的でメールを送る場合は、メルマガを受け取る方の事前承諾を得なければいけません。
もし、承諾を得ず同意がないままメールで広告宣伝をすると、違法メールとなって法律違反になります。
承諾した覚えがないのに送られてくるメルマガは何?
たとえば資料ダウンロード・企業へお問い合わせ頂いた際、送信前に利用規約への「同意」ボタンがあったのに気づいていましたか?もしくはチェックボタンではなく原文が表示されている場合もありますが、その中にはメルマガなど連絡する可能性が記載されており、送信によって承諾したと見なされます。直接メルマガを希望していないのに、何かのタイミングでメルマガが届くようになったら、利用規約に承諾したことがキッカケでメルマガが届いています。
② 送信側には氏名・名称・住所・連絡先・受信拒否が可能な旨を表示義務がある
事前に承諾をもらえれば送信できますが、きちんと本人性と拒否設定ができるような情報も添えて、メルマガを送らないといけません。
- 送信者名、企業名、団体名など
- 住所
- 連絡先(電話番号かメールアドレス)
- 受信拒否の仕方
要するに、誰が送ってきたのか、そして連絡する場合は誰にすればいいのかを明示しておくこと。
あなた自身も、どこの誰か分からない人からメールが送られてきたら怖いですよね…そんな恐怖体験を防止するための法律でもあります。
③ なりすまし送信は禁止
パソコンやシステムを使えば、誰かになりすましてメールを送ることもできますが、これは法律上禁止されています。
購読外はそもそも歓迎されていない
個人・法人関係なく、有益な情報を得たいと思って、メルマガ購読を自ら行う場合もありますよね。
購読したメルマガなら、何通送られてきても望んだものなので、全然問題ありません。(有料購読の場合はなおさらメルマガ配信を望む)
しかし、購読した以外のメールの多くは、企業のメールアドレス取得をキッカケに送ってくることが多く、それらは営業目的のメールなので、そもそも歓迎されていない…海外企業のSmart Insights社の調査によれば、メールの開封率はなんと平均16.97%。参考:2022年平均のメール開封率、クリック率、マーケティング統計のまとめ(翻訳)
メルマガを送っても、2割以下しか見てもらえないため、特にBtoB向けのメルマガには工夫が必要になってきます。
メーラーで見え方が変わってくる
メルマガには2パターンあり、1つは普段あなたも送っているテキストだけのメールで、2つ目はHTMLタグを使ったメール。
HTMLメールは、画像を入れたりボタンも表示できたりと、見せ方を普段よりもリッチに見せることはできますが、受け取るメーラーの仕様がバラバラなので、意図しない表示になる場合も。
- Gmail
- Outlook
- Yahoo! メール
- Thunderbird
- Microsoft365
などへHTMLメールを送ると、表示がどれかで崩れている…。
HTMLメールを送る場合は、それぞれのメーラーの仕様に合わせて作る必要もあるため、HTML・CSSの知識は必要になります。
メルマガの受信・配信それぞれの温度感
メルマガには必ず、受信側と配信側の2者の存在があり、たびたび問題になっているのが、両者の温度感の違い。
特に、BtoB向けメルマガの場合は、事前登録して直接希望していることは少なく、企業への問い合わせ・資料ダウンロード・名刺交換・セミナーなどによる連絡先取得がキッカケとなり送られてきているため、気持ち的には「なんでメールが送られてくるのか?」と不思議に思っている状態。
そして企業側はというと「一度接点を持ってくれたのであれば、将来的にお客様となってくれるかもしれない」と判断し、どんどんコミュニケーションを取ろうとします。
求められていないところに対してメルマガを送り続けるため、温度感の違いによる弊害が生まれてしまう。
誰のためのメルマガなのか?
私生活でも仕事でも、たった一度話しただけの人は信用できませんよね。
そんな人から営業をかけられたり、物売りされたら、かなりの確率で拒否します。(ぼくだったら…)
こんな状況とメルマガも同じになっているため、温度感の違いを理解しつつ、メルマガ配信相手の心理状況を考えなければいけません。
もし、メルマガを使って仲良くなりたいのであれば、誰のためのメルマガなのか。
自分たちの利益ではなく、まず相手の利益を考えることが始まり。
行動変容を起こしてもらうことを目指す
多くの方が、自分の関心あることに対して行動を起こしています。
その逆で、自分事にならず関心も興味も湧かないことは、何を言われても行動しない。
メルマガは興味関心の度合いが低い相手に対して送るため、いかにして自分事に感じてもらえる、または新たな発見によって興味関心を引き起こしてもらえるかがカギ。
知らない(無関心) ➡ 知りたい(関心) ➡ ~したい(行動)
一度お会いしたから、一度話したから、一度連絡してくれたから、こんな状況でもほぼ無関心の状態だと考えてもらった方がいいかもしれません。
それだけ、相手の心と行動を変えることは難しい。
「効率的だから」の考え方は危ない
そこまで興味が高くない方に対して、なんとか興味を持ってもらおうとするのでメルマガは難しい。単純に「効率的だから」と考えていると、失敗する可能性もあります。
メルマガのメリット・デメリット
メルマガを使ったお客様とのコミュニケーションは難しいですが、メールボックス(受信箱)は頻繁に見る箇所なので、何か発信した場合に気づいてもらいやすい。
メリットもデメリットもあるため、それぞれを確認しておきたいと思います。
メリット
受信側
定期的に知りたいであろう情報が届く
定期的に有益だと思われる情報が届くため、情報収集に役立ちます。
自動的に情報収集できる
配信タイミングはバラバラですが、自動的に情報収集が出来ます。
配信側
関係値が低いからこそメルマガが役立つ
直接の知り合い、または電話で何度も話した仲であれば、気兼ねなく連絡できますが、そうではない場合に電話連絡すると迷惑だと思われてしまう(かなりの確率で)。関係値がそこまで深くない相手に対しては、心理的な不安も感じづらいメールを使ったコミュニケーションが役立ちます。
継続したメルマガで温度感を高められる
メルマガを使って、コミュニケーション回数(接触回数)を増やし、少しずつ期待に応え続けると、だんだんと温度感が高まってきます。配信側のあなた、または会社に対しての興味関心が高まり、ご相談しやすい状況が作れます。
情報発信のコストが抑えられる
情報を伝えたい時、一人ひとりに電話・メール・ダイレクトメール・FAX・対面・リモートMTGなどをしていると、正直言えば時間が足りないですよね。そんな時は、大勢に情報発信ができるメルマガがとても優秀です。一人あたりの発信コストが抑えられるので、予算が少なくても実施しやすい。
自社のコンテンツ資産が再活用できる
メルマガの配信テーマ、意外と悩むポイントです。1ヶ月1回であればいいですが、月に数度は配信することが多く、続ければ続けるほど配信テーマが探しにくくなる。そんな時は自社メディアの記事を使ったり、お客様事例、社内スタッフさんの活躍など、自社のコンテンツがそのまま再活用できます。
メルマガ配信で温度感の推移が見れる
HTMLメールやテキストメールでアクセス解析ができるパラメーター付きリンクを送ると、誰がどんなコンテンツを見たのか分かるようになります。何に興味があり、どんなことがしたいのか、閲覧者の反応を見ながら営業できるタイミング見計らっています。
メルマガで収益化
法人問わず個人もメルマガを活用しています。たとえば著名人は有料メルマガにして定期的に配信していますし、個人であればアフィリエイトで収益化も行っています。
デメリット
受信側
興味がないのに送られてくる
メルマガは大勢の方へ一斉に、またはグループ分けされ配信されていますが、自分事にならない内容ばかりとなって、だんだんと興味関心が低下。配信停止を望むか、迷惑メールへ振り分けられている場合も。
配信停止をしないと次々送られてくる
一度送られたメルマガは、自分から「配信停止」を依頼しないと、ずっと送られてしまう(エンドレスです)。
配信側
対象グループを分けすぎると管理できなくなる
配信したい方々といっても、趣味嗜好も違ければ職場も違うので、みんなに同じ内容のメルマガを送ると自分事に感じてもらえず拒否される場合も。だからといって、配信グループを分けて、ある程度個別で配信しようと思ったら、その分メルマガ作成が増えて、管理も出来なくなっていきます。
テーマによって開封率が変わってくる
Smart Insights社の調査によれば、非営利団体系の開封率が37.18%、コンサルティング系の開封率が18.08%と、テーマが違えばここまで開封率が変わってくるのに、平均などと比較をして「うちの開封率は悪い…」と勘違いしやすい。参考:2022年平均のメール開封率、クリック率、マーケティング統計のまとめ(翻訳)
メルマガを送る相手の違い
「メルマガ」のイメージからすると、大勢の方へ一斉に送信することを思い浮かべますが、実際はもっと細かい話になってきます。
たとえば、一度お会いして話したことがある方ならいいですが、資料ダウンロードによって連絡先を入手した方に対して、以下の挨拶文を送った場合はどうでしょうか?
挨拶文の例
いつもお世話になっております。
◯◯会社の◯◯でございます。
話したことも無い、会ったことも無い、ビジネス上何かしたりしてもらったことも無い相手に対して「お世話になっている」この表現は、違和感がありますよね。(何も関係性がない状態なので)
このように、メルマガを送る相手に対して、状況に合わない内容を送っていると、仲良くなれないだけではなく、メルマガ拒否の申請を早々にもらってしまう場合も。
配信する相手は、一人ひとり違う人間であることを理解できているか、できていないかだけでも大きく成果が変わってきます。
配信相手と繋がった経緯は?
メルマガを送りたい相手と、いったいどこで出会ったのか、接点をもてたのか、整理をすることから始めてみましょう。
タイミングや状況によって、相手の心理や温度感は変わってきます。
経緯 | 経緯補足 | ステータス | 温度感 |
---|---|---|---|
テレアポ | - | 認知 | 低 |
チラシ・パンフレット | - | 認知 | 低 |
名刺交換 | - | 認知 | 低 |
デジタル名刺 | - | 認知 | 低 |
知人からの紹介 | - | 認知 | 中 |
メルマガ購読 | - | 興味関心 | 低 |
資料ダウンロード | 企業サイト | 興味関心 | 中 |
広告 | 興味関心 | 中 | |
マッチングサイト | 興味関心 | 低 | |
お問い合わせ | 企業サイト | 興味関心 | 中 |
広告 | 興味関心 | 中 | |
記事 | 興味関心 | 高 | |
プレスリリース | 興味関心 | 中 | |
SNS | 興味関心 | 低 | |
事例 | 比較検討 | 高 | |
セミナー | オフライン | 興味関心 | 低 |
ウェビナー | オンライン | 興味関心 | 低 |
展示会 | オフライン | 興味関心 | 低 |
オンライン | 興味関心 | 低 | |
購入申込済 | 体験前 | 購入導入 | 中 |
体験後(良い) | 購入導入 | 高 | |
体験後(悪い) | 購入導入 | 低 |
私の主観が入った経緯表ですが、それぞれの経緯によって連絡先を取得できた相手の心理的・状況的なものが変わってきます。
たとえば、記事コンテンツからお問い合わせに繋がった方でも、
・「~を知りたい」情報検索のキーワードコンテンツ
・「~したい」行動前提を含むキーワードコンテンツ
対策キーワードによっても、その後の温度感は変わってきます。
連絡先を取得できた相手をリード(お客様化する前の方々)と呼びますが、全てをひとまとめで考えてしまうと、求められていないメルマガを送ってしまう場合もあるため、違いがあることを意識しておきましょう。
メルマガはどのタイミングの施策?
メルマガは基本的に、配信相手と必ず何かしらの接触がある状態で送られるものなので、すでに認知を得ている段階であり、興味関心フェーズに対応します。
無関心➡認知➡興味関心(メルマガ)➡比較検討➡導入購入➡継続
上記の図は、リード獲得~成約~継続を簡易的にした図解ですが、この図の通りではなく、企業さんごとのマーケティング戦略によって方法やタイミングも変わってきますが、メルマガは「興味関心」フェーズで実施する施策だと覚えておくと分かりやすいです。
資料ダウンロードの場合は資料の種類で見込み度が変わる
公式サイト、資料ダウンロードサイトなどで、ホワイトペーパーと呼ばれる製品資料やノウハウ資料のダウンロードと引き換えに、送信者の氏名・会社名・電話番号・メールアドレスを取得するマーケティング活動があります。
しかしながら、繋がりを持てた方々は誰も同じではなく、資料内容によっても温度感が変わってくる。
資料タイプ | 温度感 | 状況 | 詳細 |
---|---|---|---|
ノウハウ | 低 | 知りたいだけ | ただ情報が知りたいだけ |
レポート | 低 | 知りたいだけ | |
製品説明 | 中 | 知りたいだけ | 興味関心はあるけど具体的な検討に入っていない |
活用事例 | 高 | ~したい | 使用イメージを具体化させるためのアクション |
会社・製品・サービスに対しての関心ではなく、あくまでも掲載されている「情報」に対する関心であるため、ノウハウ・レポート系をダウンロードしてくれた方々は、企業側として温度感は低いと判断した方がいいと思います。
製品・サービス資料の場合は、興味関心が「製品・サービス」に向いている。
さらに製品・サービスに対する事例をダウンロードしてくれた場合は、具体的な活用を考えていると推測できるため、かなり温度感は高い。
このように、ダウンロード資料のタイプによって、相手の状況を考えられるので、全員を同じように考えるのではなく、それぞれ違う意識を持っておきましょう。
配信相手のタイプは?
人の顔がそれぞれ違うように、メールを受け取った方の捉え方も人それぞれ。
なるべくなら、一人ひとりに合わせたメルマガを送りたいですが、時間も手間もかかるので、手動ではなくMAツール(マーケティングオートメーション)を使いたい。
その前に、どんなタイプの人がいるのか、簡単にまとめてみました。
タイプ | 要望 | 詳細 |
---|---|---|
論理タイプ | 定量・根拠 | 数字や実績など論理的な思考をするための情報を好む |
感情タイプ | 情緒 | 気遣いや配慮に心を開くことが多い |
結論タイプ | 本文は短め | 役職者で日頃から時間があまりないことが多い |
過程タイプ | 順序 | 「なぜ」そうなったのかプロセスを重視している |
他にもいらっしゃると思いますが、大きく4タイプに分けました。
タイプごとで響くメルマガも違ってくるため、経緯の違いと一緒に、人間性の違いも意識しておくのがオススメです。
メルマガの作り方・送り方
メルマガは極論、インターネットに接続でき、メールが送れれば誰でもできます。
しかし、あまり求められていない状況の場合、開封率が悪くてそもそも見てもらえない。
少しでも見てもらえて、満足してもらえるメルマガを送るためにも、覚えておきたい基礎を見てみましょう。
- ターゲットを見極める
- ペルソナを作る
- 配信先のリストを確保する
- 自社のコンテンツを再把握する
- 内容を考える
- 配信する
- 改善し続ける
メルマガを作り送るまでの一連の流れとなります。
① ターゲットを見極める
ターゲットとは、自社の商品・サービスを購入してくれる可能性があり、なおかつ会社としてもお付き合いをしていきたい方々。
もっと簡単に言えば、あなたが向き合いたい相手となり、たとえば自社の製品を買ってくれそうにない相手へ、メルマガを送っていても効果はあがらないですよね。
ある程度、対象を絞っていくことも大切です。
対象範囲を広げていく方が合っている場合もある
特定業種、特定業界のみにしか使えない製品・サービスなら、ターゲットを絞ることは重要です。
たとえば弁護士さん向けのサービスなのに、通常企業さんに対して弁護士向けのメルマガを送っても反応が低いのは当たり前。
しかし、いずれ製品・サービスを使ってくれる可能性がある方なら、今のうちにメルマガでコミュニケーションをとっとけば、将来的に使ってくれる場合も。
対象範囲を広げることで、将来的な恩恵が受けられる可能性が高くなります。
② ペルソナを作る
ペルソナとは、仮想のお客様像のこと。
実際のお客様ではないものの、お客様になってくれる方を具体的にイメージするためにペルソナを作ります。
ペルソナがあると、メルマガ配信に関わるみんなで共通のお客様像を持てるため、施策内容や一つ一つの行動にズレが起きづらくなり、一貫性が保てるようになります。
集中したいポイントに、みんなの時間を当てられるため、メルマガとしての効果も高まりやすくなります。
参考:今更聞けないペルソナとは?作り方から活用までの5ステップ
③ 配信先のリストを確保する
メルマガを送るためには、まず第一に配信先のお客様またはお客様になってくれそうな方々のメールアドレスを取得しなければいけません。
主にリードを獲得することですが、これが確保できなければメルマガは進められない。
リードを獲得する方法としては「リードの取得表」を参考にしていきます。
・オフライン施策(テレアポ、名刺交換、展示会など)
・オンライン施策(ウェブサイト、資料ダウンロードサイトなど)
リードを増やしていく活動をリードジェネレーションと呼びますが、メルマガ配信にはリードジェネレーションが必ずセットになる。
獲得の仕方も無料から有料までさまざまなので、どの方法を使うかはあなたの判断、または会社の予算次第となります。
リードの増やし方の違い
メールアドレスは、個人情報にも該当するため、むやみに教えたくないのが普通です。
そのため、簡単には集められない…どの企業さんも確保に苦労している状況。
方法としては無料・有料の二つのパターンがあり、それぞれ特徴があります。
下記は、自社で実施した場合と、資料ダウンロードサイトを活用した場合の比較。
項目 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
方法 | 自分たちで実施 | 他社に任せる |
時間 | 時間がかかる | 早く取得できる |
金額 | 社内の人件費のみ | 1件1万~(約) |
カスタマイズ | 自社に合わせて変更可 | 他社規格に合わせるため自由度がない |
本当はお金をかけたくないですが、有料施策のメリットで覚えておきたいのが下記2点。
- 早くリードが獲得できる
- 確保できる範囲が広がる
リードを継続的に取得していくためには、ウェブサイトの整備、コンテンツ記事の拡充など、やることが山積み。
そんな中でもお金を支払えば、ある一定のリード数が確保できるため、会社としてどう判断するかが求められています。
参考:リード獲得を”飛躍的”に伸ばすサービス・ツールのおすすめ一覧
④ 自社のコンテンツを再把握する
メルマガの配信先を増やすのと同時に、自分たちがどんな情報を発信できるのか改めて考えておきましょう。
毎回同じ内容が送られてきても、興味関心は引き出せませんし、それよりも配信停止を受けることが増えてしまうかもしれません。
継続的に情報を送るのであれば、何の情報を送れるかを把握しておくと、スケジュールも立てやすくなります。
社内にはどんなコンテンツが眠ってる?
メルマガで送る情報ですが、実は思っている以上に多かったりします。
・自社メディアに投稿している記事
・プロダクトやサービスの活用事例
・プロダクトやサービスのお客様事例
・自社スタッフの活動
・自社のノウハウ
・調査レポート
など
特に、自社メディアに投稿している記事は、切り口を変えれば何度も使える。
切り口を変えておくる例
・見出しごとで分けて1つのメルマガを作る
・同じ内容でもタイトルを変えて送ってみる
何度も送っていいの?と思われるかもしれませんが、メールの開封率が平均2割を切っている状態なので、見られていないことの方が多いので安心してください(人それぞれで興味関心が引き出される言葉が違っているため)。
もし、毎回見てもらえている方がいれば、見ている・見ていないで分けて送信すれば重複もしません。
どんな情報だと喜んでもらえる?
メルマガを送りたいけど、どんな情報だと反応率が高いのか、開封してくれるのか。
リード取得時の状況で、ある程度は予測できますが、一人ひとり興味関心は異なるため、そこから先は"徐々"に好みを把握していきます。
簡単に分かったら苦労はしませんが、ここをやらなければ仲良くなれないため、小さく見極めながら進んでいきます。
⑤ 内容を考える
実際にメルマガの内容を考えていきますが、用意したい情報は下記の3つ。
- 配信テーマ
- タイトル
- 本文
それぞれを詳しく見ていきましょう。
配信テーマ
配信テーマは、ターゲットによって変わるので、下記を意識します。
- 誰に
- 何を
伝えるメルマガなのか。
メルマガは基本的に大勢の方へ送るため、その人だけの内容ではなく、ある程度広い範囲の方に通じる内容を送ることになります。
「誰でも分かる」内容にすると、かなり無難になって興味関心が引き出せない場合もあるので注意が必要。
テーマ選びでの注意
まったく興味関心のないテーマのメルマガ送られてきたら、タイトルを見ただけで開封せず既読にする、またはゴミ箱行き、もっと悪ければブロックされてしまう場合も。
だからといって、最初から特定の方だけに伝わる内容にしても、他の人にとっては自分事にならない内容になってしまう。
テーマ選びは段階が必要で、
1. まずは無難なテーマで何に興味があるのか見極めていく
2. 興味関心のポイントが見えてきたら配信グループを分けていく
3. グループ分けした中でさらに濃い内容のメルマガを送っていく
この3段階を経て、必要なテーマが分かってくる。
最初からピンポイントに、満足してもらえるテーマを選択することは難しいので、ある程度は中長期でみて配信テーマを考えていくのがオススメです。
タイトル
メルマガの第一関門は開封してもらうこと。
どんなに良い内容を送っても、送ったメールを開いてもらえなければ何も生まれません。
そのため、タイトルに対してコピーライティングと呼ばれる「人間心理を汲み取って言葉で行動変容を起こさせる技術」が必要となります。
コピーライティング
コピーライティングでは、下記の二つが重要です。
- 人間心理を理解すること
- 言葉で行動変容を起こさせること
言葉だけで行動を変えるなんて、考えるとすごい難しく聞こえるのですが、あなたもこんな経験はありませんでしたか?
「え、安くなってる!しかも期間限定だから今買わないと。」
「あ、なんだろう、見てみようかな。」
「なんかおもしろそうだな。」
ついついクリックしたり、向かっていったり、購入したり、手に取ってみたり、何かに引かれて行動が変化した体験があったと思います。
コピーライティングとはこのような事。
実は私たちは普段から、コピーライティングによって行動を変化させられているんです。
その考えを意図的に、メルマガのタイトルで再現していく。
コピーライティングを単なる心理学や、悪いイメージで捉えてほしくないのですが、要はメルマガを送りたい相手の「嬉しい」を引き出し、「役立つ」を届けるための方法だと考えていただくといいかもしれません。
タイトルをクリックしてもらうには?
コピーライティングを使って、行動を変化させるには、感情を動かすことが求められています。
ポジティブ:ワクワク、ウキウキ、幸せなど
ネガティブ:恐怖、不安、損など
感情が何も動かないようなタイトルでは、クリックしてもらえないため、ポジティブ・ネガティブのどちらかを感じてもらえるように。
ただ注意しないといけないのが、気持ちを逆なでしたり、煽りすぎたり、事実からかけ離れているような嘘を付いてはいけないこと。
コピーライティング実践しようとすると、どうしても強力なワードを使ったほうが反応率が高まるため、過剰な表現になってしまう場合もあります。
仮に過剰な表現で引きつけられた方が、タイトルと本文の内容にギャップがあると感じた場合、マイナスブランディングにもなりかねず、メルマガが負の製造機にもなってしまうので気をつけなければいけません。
意識したいポイント
タイトルを作りで意識したいポイントがあります。
- 事実を元にした数字を入れる
- ギャップを見せる
- 解決または提案を提示
- 最新・トレンドを表現する
他にもありますが、まずは使いやすいこの4つを見ておきましょう。
事実を元にした数字を入れる
人は数字を出されると、イメージの具体化が早まり、それが興味関心に紐付いて反応率が高くなります。
たとえば「りんごがあります」と言われるより「りんごが1つあります」と言われたほうが、イメージしやすくないですか?
言葉による表現は、言葉の意味と文脈を理解しないと何が言いたいのか読み解くのに時間がかかるのに対して、数字は瞬間的にイメージ力が高まる。
反応率を高めるには、数字を効果的に活用していきましょう。
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ギャップを見せる
ギャップとは、小さい労力で大きな成果を得たり、思っていた事とイイ意味で違っていた差を表す言葉です。
たとえば顔が怖いのに実は優しい人、ものすごくギャップを感じませんか?
その差が大きければ大きいほど、興味関心が湧きますよね。
タイトルにおいても、このギャップを効果的に活用していきますが、注意としてはタイトルと内容のギャップは感じさせないこと。
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・たった一人のマーケ担当が年間1,000件超のリードを獲得できたワケとは?
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解決または提案を提示
誰でも仕事をしていれば、課題の一つや二つは持っていますよね。
むしろ無い人の方が少ないと思います。
メルマガはある程度、配信相手の属性なども分かっているため、該当しそうな課題&解決策を投げかけてみると、反応してくれることも多いです。
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最新・トレンドを表現する
すでに知っている情報が送られてきても、目新しい情報ではないため興味は湧きにくい。
しかし、最新情報や業界のトレンドなど、旬な情報は誰もが引きつけられやすいです。
タイトルにも最新・トレンドを表現することで、内容を見たいという気持ちが生まれやすくなる。
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本文
タイトルをクリックしてもらえたら、次に大事なのがメルマガの本文。
テキストメールでも、画像やボタンが付けられるHTMLメールでも、基本メルマガの主役は「文章」なので、下記のポイントに注意しながら作っていきます。
- 端的に分かる長さか?
- 相手が分かる言葉使いか?
上記2つも大事ですが気をつけたい基本としては、「自分の当たり前」を「相手も当たり前」だと思うこと。
普段使っている単語、実はメルマガで配信したい相手の方は使っておらず、理解できない場合も多いです。
理解してもらえない本文は、読んでもらえても記憶に残らないため、相手が自分事だと感じられる本文を作っていきましょう。
端的に分かる長さか?
メールは1日に何通も届くので、一つ一つをじっくり見てくれる優しい人は少ない。
むしろ「メルマガ」だと認識されたら、開封もせず処理されてしまう場合もある…そんな厳しい状況の中、どれだけ見てもらえるかが重要。
そのためには、
- 端的にまとめる
- 文章は短く
たったこの2つを意識するだけでメルマガの捉えられ方が変わってきます。
例
だらだらと長い本文サンプル
いつもお世話になっております。◯◯◯会社の◯◯◯◯◯部◯◯でございます。
本日ご案内させて頂きたいのは20xx年xx月xx日に当社で実施するメールマーケティングのセミナーのお知らせでございます。
今回はMA(マーケティングオートメーション)ツールを使った弊社の成功事例を交えながら行ってまいります。
端的にまとめられた本文サンプル
いつもお世話になっております。
◯◯◯会社の◯◯でござます。
本日のご案内は20xx年xx年xx日に開催する、
メールマーケティングセミナーのお知らせでございます。
ITツールを駆使した弊社の成功事例を元に、
実施のポイントをお伝えしたいと考えております。
ちょっと意識しただけで、見やすさもだいぶ違っていますよね。
一瞬の判断で「見る」か「見ない」か決められてしまうのがメルマガなので、小さい配慮を積み重ねて、読んでもらえる状況を作っていきます。
相手が分かる言葉使いか?
言葉って、簡単なように見えて実はとっても難しい。
毎日メールをしている相手、チャットをしている相手、直接会話をしている相手であったとしても、受け取り方に違いがあったり、誤解されるシーンってありますよね。
日本語は日本共通の言語だと言いながら、一つの言葉に対して無数の解釈が存在しているため、人によって理解が変わってくる。
文章例:リンゴが大きい
Aさん:リンゴの実が大きいのかな?
Bさん:リンゴの木が大きいのかな?
Cさん:リンゴを好きな度合いが大きいのかな?
このように、受け取り手の違いによって、バラバラになってしまう。それは誰もが生まれや育ち、考え方や保有している知識が違うから。
だからこそ、相手が理解できる言葉に変換できているかが重要なのです。
例
悪い例
業界用語を入れている例:コンセンサス(合意)、エビデンス(証拠)など
メルマガでは、作り手側の翻訳力が試されます。
単に言葉を優しく言いかえるだけでなく、メルマガ配信相手の状況に合わせて変えていき、どれだけ相手を理解できているか、ここがすごく大事なポイントとなります。
その他
その他、あまりオススメできない、またはNG事例のメルマガ本文の特徴をまとめていきます。
文章を5~6行と長くいれてる
長文を入れてしまうと、文字が黒い固まりになって見えてしまい、それを見た瞬間に読みたくなくなってしまう。
「お申込み」ボタンが何回も出てくる
分かりやすくさせるのに、複数回ボタンやリンクを設置するのはいいのですが、回数が多すぎると「営業感」が増して、メルマガに対する印象が悪くなる場合もあります。
1つのメルマガに対して複数のテーマを入れている
短い時間で端的に内容を伝えていきたいのに、1度のメルマガで2つも3つも伝えたいテーマを入れてしまうことで、何が一番大事なのか分からなくなってくる。
アドレスにパラメーターがそのまま表示されている
パラメーターとは、解析ツールでクリックされたことなどを計測できるよう付けられた特殊なURLのこと。メルマガにリンクを入れると、テキストメールの場合は計測ができないため、パラメーターを付けることが多いのですが、見た目的にも印象的にも正直イイと言えません。パラメーターが付いていると「何か悪いことが起きるんじゃないのか?」とメルマガを受け取った側が身構えてしまう可能性もあります。
「皆様」「お客様方」「みなさま」は自分事になってもらえない
たとえばあなたへ送られているはずなのに、「お客様方」や「みなさま」などの複数人を指す言葉が使われていると、自分事になりにくいですよね。
自社の売り込みから入る
いきなり冒頭から営業すると、認知される確率は高いのですが、あまり受け取った側は心地良いものではありません。最悪、マイナスブランディングになりかねないため、いきなりの営業文章は控えて頂くのがオススメです。
⑥ 配信する
配信リストを作り、タイトル・本文を作れば、いよいよメルマガ配信が行えます。
毎日使っているメーラーで送るのもいいですが、数十人単位ならまだしも、数百数千と増えたら、さすがに人的な送り方では難しくなります。
そのため、メールの一斉送信ツールを使ったり、MA(マーケティングオートメーション)と呼ばれるメールマーケティングの自動化ツールを使いましょう。
参考:おすすめMAツール25選を比較!マーケティング施策を効率化
⑦ 改善し続ける
メルマガは一度送って終わり、ではなくて、継続して送り続けて、配信相手の反応を見ながら常に改善を施していく長期的な施策。
改善のポイントとしては、
- 頻度
- 配信者
- 時間
- タイトル
- 内容
これらになるので、一つずつ見てみましょう。
頻度
月に何度配信するのか?
1回 :少ない
1~8回 :週1~2回程度
8回以上:多すぎて配信停止が多くなる
配信頻度はコミュニケーション回数を増やすことに繋がるため、間違えなければメルマガを送信してくる企業に対して、好感度は上がっていきますが、興味の無い内容ばかりだったら、間違いなく配信停止が申請されると思います。
開封率が平均すると2割であるなら、どんどん送っても問題ないと考える方もいますが、開封しなくてもメルマガが届く事実に対して、嫌悪感を感じてしまう場合も。
頻度を調整しながら、自社のメルマガ相手にはどのぐらいの頻度がいいのか、確かめていきましょう。
配信者
配信者は誰なのか?
部署 :部署の違いで変化はあるか?
性別 :性別の違いで変化はあるか?
関係値:関係値の違いで変化はあるか?
メルマガを送る側が、誰で送っているのか。
配信者によって開封率や、その後の反応が変わってくるのかを確かめていきましょう。
時間
送る時間帯はいつがいいのか?
朝
昼
夕方
もっと細かく分ければ色んな時間帯を試せますが、時間による違いが大きく出るのであれば活用する。
あまり時間帯の違いで変化が起きなければ、配信時間は固定でもいいと思います。
まずは試して変化が起きるか確認しておきましょう。
タイトル
どんなタイトルだと反応が高いのか?
数字を入れたり、タイトル自体を短くしたり、バリエーションを試していきます。
メルマガも勝ちパターンと呼ばれるものは存在していると思いますが、悪いものと良いものの両方が分かっていた方が、その後の改善アクションで役立ちます。
あなたなりの考察を元に、様々なタイトルで検証していくのがオススメです。
内容
どんな内容だと反応が高いのか?
ボリュームは少ない?多い?
テキストメール?HTMLメール?
ボタン?リンク?
他社さんから送られてくるメルマガを見ると、非常に色々な作り方をされていて、少しでも見てもらうための工夫が施されている。
例えばHTMLメールの場合は画像を使えますが、通常の画像ではなく、GIF画像(紙芝居的に画像が入れ替わる)を取り入れたり。
他にも、メールのボタンテキストに「今すぐ」というラベルを付けたり。
このような小さな工夫を試しながら、反応率の高いメルマガを検証しているのかと思いますので、色々試して頂くのがオススメです。
最後に。
メルマガを突き詰めていくと、奥がとても深い。
一度に大勢の方へ配信するため、データも取りやすく検証がしやすいマーケティング施策の一つです。
成長企業さんは、メルマガを有効活用して、どんどんお客様を増やしているため、メルマガ作りにぜひ挑戦頂くのもオススメです。
メルマガの奥深さに気づくと、どんどん楽しくなっていくかもしれませんね。