いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。オウンドメディアのCV改善の方法を、マイナス事業を黒字化した経験からまとめてみました。
「アクセス数はあるのに、なかなか問い合わせが増えない…。」
色々試したのに成果も出ず、何が悪いのかさえ分からない…。このままだと事業存続も危ないし、自分自身の評価にも影響して、お給料を下げられてしまう不安もあるかもしれませんね。
私も同じような経験があり、閉鎖寸前のオウンドメディアの選任になってから、毎日半泣き状態で施策を繰り返していましたが、そのおかげかCV(コンバージョン)の改善スキルが貯まりました。
そのままCVが取れなかったと考えたら恐怖でしかないため、あなたの不安を和らげられるよう、私が改善を行うためにとった考え方や思考、実際に行った手順や工程を残しておきたいと思います。
この情報が、少しでもお役に立てられたら嬉しいです。
- 目次
- オウンドメディア経由のCV率ってどれくらい?
- 条件によってCVRに違いが出ることを理解しておく
- オウンドメディアでCVが約15倍にできた工程と方法
- 1. 意識を改善する
- 2. 現状把握・仮説立て
- 3. 施策選択・組み込み
- 4. 検証・改善
- 最後に。
オウンドメディア経由のCV率ってどれくらい?
オウンドメディア経由(自然流入)のCVやCVRは、どのくらいの数値を目安にしたらいいか分からないですよね。※ CV(コンバージョン)とは、問い合わせ・電話・購入・メルマガ登録などの運営側が求める成果のこと。
※ CVR(コンバージョン率)とは、コンバージョンを獲得した割合を示す言葉。
広告の場合に獲得できるCVRは1~3%だと言われているため、広告に関してはこの数値が一般的なのかもしれません。
私の場合は、自然流入をメインにしたメディアを運用していたのですが、約0.1%がCVRでした。※自然検索とは、オーガニックと呼ばれる、キーワードを入力して検索してコンテンツを見にくること
広告のCVRは一般的に1~3%なので、それと比較するとかなり低いと思われますが、
- 流入の割合のほとんどが自然検索
- 日用品ではなく数十年に1度の買い物を取り扱い(単価が高い)
私の場合はこれらの条件が入ってきましたが、業界・条件・定めているKPIなど変われば、オウンドメディア経由のCVRは変わってくると思います。
CVがどんなにたくさん獲得できたとしても、そこからどのくらいの割合が成約(利益に結び付く顧客化)するかが重要だと思うので、CVRの低さはあまり気にしない方がオススメです。
もっとCVRの違いについて知りたい場合は「条件によってCVRに違いが出ることを理解しておく必要がある」を見て頂けると分かりやすいかもしれません。
広告の場合のCVRの目安の根拠を知りたい!
オウンドメディア経由のCVRに関しては、私の方でデータがあるので回答ができるのですが、広告経由のデータは持っていないのです。
そのため、広告の平均CVRは、WordStreamさんが公開してくれたデータを参照させて頂きたいと思います。※ WordStreamとは、オンラインで広告を最適化するツールを提供している海外の会社さん。
順位 | 平均CVR(検索) | 平均CVR(GDN) | |
---|---|---|---|
出会い | 高い | 9.64% | 3.34% |
旅行・観光 | 中間 | 3.55% | 0.51% |
擁護団体 | 低い | 1.96% | 1.00% |
※ WordStreamさんが公開してくれているデータの一部。順位は情報を元に加工。 ※ 記事の最終更新日が2020年7月17日のタイミングで参照。 ※ 検索広告(左)はリスティング広告のこと、GDN(右)はGoogleのディスプレイ広告のこと。 |
広告の場合、もっとも高いのが「出会い」に関するCVRのようです。
その他嗜好品に該当する車や、仕事など雇用に関係する内容などでCVRが高く、逆に結論を急げないものや、すぐに必要なものではなく後回しにできるジャンルに関しては、CVRが低い傾向が出ていました。
広告だと、自然検索に比べてこんなにCVRが高いんですね…。
自然検索で0.1%のCVを取っているだけで喜んでいる私とは、世界が違う感じがします。
しかし、広告をかけているなら、その分の費用が発生しているのと、広告を止めてしまった場合はCVを増やすための資産が自社のオウンドメディアに貯まっていないので、いきなり事業が傾く恐れも。
事業の特性や状況によっても違いますが、資産が残り続けて、大きな広告費をかけなくても、継続的にCVが取れるコンテンツを作った方が効果が高いかもしれません。
オウンドメディアの資産とは?
資産とは、お客様が感じる信頼やブランドのこと。
広告によって感じた「良い体験や感情」はその時だけの場合が多く、新たに「良い体験や感情」が湧くものがあれば、そちらへ気持ちが移ってしまいます。
そうならないため、オウンドメディアなどで継続的なユーザーさんとの繋がりと信頼関係という資産を作っておくことで、エンゲージメント(心理的な良い繋がり)を高めることができます。
信頼している人から勧められると安心して買えるけど、信頼してない人から勧められても買わない。
このような状況ができてしまうため、ユーザーさんとの信頼関係という可視化しずらい資産を作っておく必要があるんです。
条件によってCVRに違いが出ることを理解しておく
CVの獲得数や割合については、あなたが携わっている事業の市場や、オウンドメディアの作り方、働いているスタッフさんたちのモチベーションなどによっても大きく変わってきます。
例えば自然検索と広告では、CVの取り方に大きな違いがあります。
自然検索 → じっくりと検討しているユーザーさんが多い
媒体:オウンドメディア(事例やブログなどの各記事)
広告 → 今すぐに〇〇したいユーザーさんが多い
媒体:広告専用のLPなど
自然検索では、GoogleやYahoo!で検索した時にでてくるページを何度も見てから、相談・問合せ・購入などをする傾向が強いので、すぐにお客様になってくれるユーザーさんの割合は少ない。
しかし広告では、お金を払うことで、すぐに「〇〇したい」と思っている人のみに、ページを見てもらえる確率を高められるため、すぐにお客様となってくれるユーザーさんを獲得しやすい。
自然検索と広告でも、こんな違いが存在しているんです。
それだけでなく、
単価が高いとすぐに決断できないためCVRが低くなる
例:家、車、結婚式など人生で数度しか経験しない高い買い物
単価が安いと決断が早くできるためCVRは高くなる
例:家電、食材、日用品など日常生活に必要な買い物例:メルマガ登録など
不動産・健康など後回しにされる場合はCVRが低くなる
例:不動産購入、リフォームなど
嗜好品・恋愛など感情が大きく動かされるものはCVRが高くなる
例:タバコ、デートなど
せっかく見に来たのに必要な情報が揃ってないオウンドメディアはCVRが低くなる
例:信頼できない、情報不足、文章が読みにくなど
見に来たサイトに必要な情報があり信頼を感じるとCVRは高くなる
例:SEOで1位、網羅性や専門性がある情報など
多くは、ユーザーさんが意思決定をするハードルの高さや、心理状況によっても、CVRが変わってくるため、単純にCV数やCVRだけでは悪い状況とは判断できません。
そのため「他社はこれをやってCVが20倍にもなった!」と言われた方法を試したとしても、結果を出せた人とあなたでは、状況も環境もユーザー層も違うので、施策が当てはまらないことは多い。
この考えを前提として、今度はオウンドメディアでCVを増やすための情報を見ていきたいと思います。
オウンドメディアでCVが約15倍にできた工程と方法
私は最初、オウンドメディアの運営が初心者だったので、初心者ながら色々なことを実験。(初心者だからこそ間違えてもいい精神)
やりながら効果が出せた施策や思考を少しずつ体系化していき、1年間後には約15倍のCVが取れるようになっていたのですが、基本的には下記の3ステップで行っていました。
- STEP1:現状把握・仮説立て
- STEP2:施策選択・組み込み
- STEP3:検証・改善
どれだけ大変なことをすればいいのか!?と不安になっていたかもしれませんが、やることは単純で、改善の基本である把握→仮説→改善→検証の流れなんですね。
ビックリするほど、特別なことはしていません。
あなたもこの流れで行って、色々な改善PDCAを回していたかと思いますが、それでも成果が出ていない場合は、ちょっとした思考のズレが原因の可能性も。
施策を考えるのも実行するのも、自分自身の普段の思考によっても大きく変わってくるので、まずはオウンドメディアに対しての意識を改めることから始めてみませんか?
そのため、
1. 意識を改善する
2. 現状把握・仮説立て
3. 施策選択・組み込み
4. 検証・改善
この順番に改めて、それぞれを詳しく見ていきたいと思います。
1. 意識を改善する
意識を改めると、オウンドメディアのCVを増やすだけでなく、コンテンツ作りにも良い影響を与えるため、アクセス自体も増やせると思います。
「意識を改めましょう!」など、私自身はこんなこと普段は言わないので、なぜだか偉そうになってしまい大変申し訳ないのですが…
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。マザーテレサ
私はこのマザーテレサの名言が好きで、普段の意識や思考が、そのまま施策や行動に出てくると思っているので、大元から改善していくことが、CVを増やすためには必要だと自信を持って言いたいと思います。
それでは、具体的に何をすればいいのか。
重要なのは下記の一つのみ。
「CVって一体なに?」を考える
これが分かっていれば、改めて知る必要はないので、次の現状把握の方法に進んでしまいましょう。
長々と私の長い説明を見る必要はないですからね。
しかし、ちょっとでも不安を感じていたり、色々やったけどダメだった記憶がたくさんある場合は、改めての意味も込めて、下記の内容を見て頂けると嬉しいです。
CVって一体なに?を考える
CVとは、問い合わせ・購入・メルマガ登録など、オウンドメディア運営側が成果として考えている指標のことを言いますが、これらの言い方は全てオウンドメディア運営側からみた言葉であり、事業者側の勝手な呼び方です。
CVが発生したのは、そのタイミングでユーザーさんの感情に変化が起き、その変化量が大きいからこそ、CVとなる行動が引き起こされた結果。
そもそも、ユーザーさんが何も感じていなければ、CVになることはありえません。
ユーザさんの中で何かが変化、または作られたからこそ、
- 電話をしてもらえた。
- クリックしてもらえた。
- フォームを入力してもらえた。
この「何か」こそが、CVの正体だと思います。
そしてCVの正体とは、ユーザーさんが行動を起こした先の「未来への期待」であり「信頼」であること。(期待と信頼は、未来への投資)
オウンドメディアに対しての期待や信頼もありますが、多くはオウンドメディアを運用して、その文章を書いて情報を提供してくれている、あなたやスタッフさんの存在に対して、期待と信頼を寄せてくれた結果なんです。
ユーザーさんが電話してくれるのも、フォームをわざわざ入力して送信ボタンまで押してくれるのも、誰かに頼りたい心をあなたへ向けてくれているから。
電話をしたら、フォームを送信したら、誰かしらの対応があり、その接点に対して期待をしているからこそ、ユーザーさんの行動がCVとなって表れています。
なぜ期待や信頼を感じると、行動となって表れるのか。
何かしらの情報を検索してあなたのページに来てくれたユーザーさんは、検索してまで何かを調べたいと思っている、不安や悩みを抱えている状態です。
問題を解決するために、検索という行動をとっているので、問題が解決できる、またはしてもらえそうな情報に引き寄せられていきます。
しかし不安があるからこそ、失敗もしたくない、間違えたくもないので、自分の選択は正しいのか、良い意思決定ができるのかを、事前にコンテンツを読んで確認し「ここなら大丈夫そうかな~」という期待と信頼を感じて初めて、CVという問題解決をするための次の行動へ移れる。
CVを単なる問い合わせや購入として意識してしまうと、「〜させる」などのCVを無理に引き出させようとする考えになるのですが、CVが何かをしっかり意識できればユーザーさんに「〜して頂く」という意識で、オウンドメディア運営を行っていけます。
オウンドメディア側で、ユーザーさんに「〜して頂く」という意識があれば、コンテンツに期待や信頼を感じてもらうためにふさわしい内容にもなり、CVだけでなくアクセスも増えていく。
CVの本当の姿を意識できると、オウンドメディア運営が大きく変わっていくため、まずはこの意識を持つことが大切だと思います。
期待や信頼を得られない状態のCVでは悪い売上が作られてしまう
ユーザーさんに対して、コンテンツで信頼を得られていないのに、「今すぐ問い合わせをしないと不利益になる」などの恐怖心を煽った心理効果を使ったり、焦らせてCV獲得を狙う人もいます。
しかし、CVとしては増えるかもしれませんが、ユーザーさんにとっては、無理矢理させられた感覚になったり、結果的に信頼性が薄いので成約にも繋がらない。
たとえ成約がとれて売上となったとしても、ユーザーさんの中には不満足が残り、すぐに解約が発生したり、悪い口コミが増える可能性だってある。
短期的にみれば成功したように見えますが、長期的には負の遺産が貯まっていくため、どこかしらで抜本的な改革をしなければ事業継続が難しくなる場合も。※ 実際に、キュレーションサイトのWELQやiemoは問題が多く閉鎖してしまいました。
ビジネスをしているのであれば、綺麗ごとは言えませんが、そうだとしてもユーザーさんの意向に沿わない無理な手法をとるのは、オススメできないため、目先のCVを目指すような思考だけはしないでほしいと思っています。
2. 現状把握・仮説立て
色々やっているのになぜか上手くいかないのであれば、どこかしらに原因が必ず潜んでいるはず。
あなたの「オウンドメディアの悪い部分ここかも!」と、お時間をしっかり頂いて見させて頂ければいいのですが、そうもいかないので……私自身がオウンドメディアの改善を行ったときに感じた原因を挙げさせて頂きたいと思います。
もし、あなたの意識的に何か引っかかる内容があれば、覚えておいてほしいです。
- デザインがダサい
- 書き手の印象がバラバラ
- オウンドメディアから人の存在を感じない(人格がない)
- 相談しやすい雰囲気が無い
- CVのアクションが起こせる場所が分かりずらい
- CVした後のことが分かりずらいので不安が残る
- ユーザーさんの心理状況と相反した言葉使いになっている
- CVをさせようとする雰囲気が強い(営業感)
- 自慢話が多いと感じる
- コンテンツ内の情報に信頼性や網羅性がなく不十分
- 文字が小さいかもしれない
- 文字だらけで読み疲れる
- フォームのあるページがユーザーさんの目的に合ってない
- オウンドメディアがどんなスタンスなのか分からない
私は元々デザイナーだったので、原因を探る時に見た目ばかりを気にするかな?と思っていましたが、結果的に出てきた問題点かもしれない項目の中には、デザインに関する要素は全体の1割くらいしかありませんでした。
問題と思ったのは主に下記2つ。
① コンテンツの品質
② ユーザーさんが辿る道筋
実際にこの2つを意識して、仮説と施策を繰り返して成果が出てきましたので、私が携わっていたオウンドメディアの、低CVの原因としては間違いではなかったと言えます。
意識を改善するの章で少し見て頂きましたが、私の意識としては一貫して、ユーザーさんが「期待」と「信頼」をどこで感じるか。
この事を常に考えてオウンドメディアのCV改善を行ってきました。
現状把握や原因の発見方法はたくさんあると思いますが、私自身が常にやっていることしか詳しく解説ができないため、数は少ないですが原因を見つける方法の一つとして、下記を見ていただければと思います。
① CVを増やすためコンテンツ品質をチェック
コンテンツの品質は、CVに大きな影響を与える要素の一つ。
コンテンツが悪ければCVは得られない、コンテンツが良ければCVは得られる。極論この2つのどちらかだと思っています。
CVが増えるのであれば、コンテンツの見直しはぜひやっておきたいので、私が普段行っているチェックを知って頂ければ嬉しいです。
- チェック1:ユーザーさんの心理状況を理解した上での文章か?
- チェック2:誰に話しかけている文章か?
- チェック3:コンテンツの独自性・網羅性は担保できているか?
- チェック4:人の気配をユーザーさんに感じてもらえているか?
- チェック5:情報に信頼性は出せているか?
チェック内容だけだと、具体的にどんなことを調べているのか分からないので、それぞれをもう少し詳しく見ていきたいと思います。
チェック1:ユーザーさんの心理状況を理解した上での文章か?
ユーザーさんの心理状況とは、不安・悩み・期待・恐怖・絶望・幸福などの感情のこと。
例えば、「コンバージョン 増えない」と検索した場合、ユーザーさんの状況としては、オウンドメディア運営の継続危機・売上がやばい・給料減らされるなど、不安が大きい状態も考えられます。
そんな心理状況なのに、
「CV?そんなの簡単に増やせまっせー、悩むことないですよ。」
「弊社にコンサル頼んでくれれば確実に解決できますよ!」
こんな軽ノリの文章だったり、すぐに営業をかけてくるような文章だったら、気持ちを逆なでしたり、読んでいて気持ちいいものじゃないですよね。
かなり極端な例を出しましたが、ユーザーさんの気持ちに、どこまで寄り添えるかが重要なんです。(共感も、とっても大事)
以前からあなたのオウンドメディアのファンで、すでに何度も見に来てくれている。こんな場合なら話は別ですが…。
ユーザーさんがコンテンツを見てくれる場合、かなりの確率で「初めまして」の状態になるため、あなたの優しい性格や品質の高いコンテンツを知ってもらう前に、初対面の印象が悪ければ、その人と今後もお付き合いしたいと思えなくなってしまう。
つまり、CVが得られる可能性が低くなる。
それとは逆に「自分の気持ちを分かってくれている」と感じるだけで、もっと読みたいと思えますし、期待や信頼を感じて、相談・購入・申し込みなどを頂ける可能性をグーン↗と高めることだって出来ます。
コンテンツを作る前は、ペルソナを作って架空のユーザーさんを想定することも多いですが、ペルソナや具体的にどんなユーザーさんに対してのコンテンツなのか理解しておくことが、心理状況の把握にも役立ちます。※ ペルソナとは、ターゲットとなるユーザー像を、情報を元に仮で作り出すこと。
改めて、ユーザーさんの心理状況を理解した上での発言をしているか、文章になっているのかを確認しておくのがオススメです。
チェック2:誰に話しかけている文章か?
誰に話しかけているか問題、私としてはかなり大きな問題だと思っています。
オウンドメディア運営側から見たら、たくさんのユーザーさんとの関わりを持ちたいため、「特定の誰か」ではなく「広範囲に存在しているみんな」という意識が生まれやすくなります。
しかし、ユーザーさんからオウンドメディアを見た場合は、「広範囲に存在しているみんな」ではなく「特定の誰か」に。
ここの意識にズレがあると、作ったコンテンツの浸透度(伝わる度合い)が低くなる。
1 対 100 → 伝えたいことの1割しか伝わらない
1 対 1 → 伝えたいことの10割を伝えられる
お友達と話している時、自分に関係ない話をされたらつまらないですし、話を聞かなくてもいいかな、となりませんか?
それと同じことで、大勢の誰かではなく、今まさにコンテンツを見てくれているユーザーさんに対して「あなたに話しかけています」「あなたに見てほしい情報です」という印象が有るか無いかが、すごく重要だと思っています。
相手に伝えたつもりは、伝わっていないのと同じであり、存在していないのも同然。
特定の誰かに対しての情報だと、アクセス数が増やせない=CVが取れないと思ってしまうかもしれませんが、そもそもの情報が伝わらなければ、アクセス数やCVどころの話ではありません。
「伝えた」ではなく「伝わった」を高めるために、誰に話しかけている文章なのかを、改めて確認いただくのがオススメです。
チェック3:コンテンツの独自性・網羅性は担保できているか?
Googleでは特にE-A-Tと呼ばれる専門性・権威性・信頼性を重要視したコンテンツの評価を高めているのですが、これはコンテンツ作りでは基本。
その他にもコンテンツにおいては、
独自性 → 他社(他者)と被らない、または独自の見解や体験が加えられた情報のこと。
網羅性 → そのモノゴトを説明するのに幅広い視点から説明されていること。
このような情報になっているのか、確認する必要があります。
オウンドメディア業界では、専門知識がない人でも文章が書ければコンテンツ作りができるため、検索順位のTOP5くらいまでの記事の中から使える内容を取り出して、編集しながらコンテンツを作ることも多く、同じような情報で溢れかえっている状態。
そんな状況の中、周りと同じようなことを書いたり、E-A-Tを意識したとしても、ライバルと同じようなコンテンツになるだけなので、独自性と網羅性も必要になってくる。※ E-A-Tの中の、権威性や信頼性は真似できないため、効果は高いです。
独自性では、書き手自身が体験したこと、そこで感じた感情、今までの人生で経験したことなどの情報を、文章に入れ込むことで作れます。
網羅性では、1つを説明するのに、関連する情報や、様々な視点からそのモノゴトを解説するための情報を全て入れることで作れます。
これらの情報を入れると、ユーザーさんが感じる価値が高まり、それが信頼性や期待となって、CVへ繋がっていくんです。
周りと比較された場合でも、特に独自性がユーザーさんの心を掴むので、勝てる可能性も高い!
チェック4:人の気配をユーザーさんに感じてもらえているか?
あなたが一生懸命コンテンツを作ってくれたおかげで、ユーザーさんが欲しかった情報が見つかり、信頼や期待が得られたとしても、そこで満足してはいけません。
ユーザーさんからCVを頂くためには、コンテンツによって信頼や期待を感じてもらった後の行動を、自然な流れで作る必要があります。
まずはユーザーさんに価値を感じてもらうのが最優先ですが、価値を感じてもらった後は、ユーザーさんはどうしたいと思うでしょうか?
相談や申し込み系、または購入系であったとしても、どんなことでも次のアクションとしては、ユーザーさんは誰かと関わりをもちたいと思う確率は高いです。
CVが相談の場合 → 相談させて頂くスタッフ
CVが申込の場合 → 申し込み前後のフォローさせて頂くスタッフ
CVが購入の場合 → 商品を無事に届けてくれるスタッフ
購入に関しては、直接スタッフさんとのやり取りは少ないですが、商品発送やトラブルの対応、または仕入れているバイヤーさん・梱包や発送をしてくれるスタッフさんの存在が分かった方が、安心できませんか?※ 参考例として「北欧、暮らしの道具店」さんの場合、関わる様々なスタッフさんを見える化しています。
たとえ機械的に進んだとしても、そこには必ず誰かの存在が関わってくるため、ユーザーさんがオウンドメディアまたはサービスの中の人が、どんな人か分かった方が不安を感じませんよね。
顔も性格も見えない誰かさんより、顔も性格も分かる〇〇さんの方が頼りやすい。
スタッフさんの顔写真や名前があればベストですが、文章の中で人を感じる内容があることが大事。
文章とはすなわち、書き手が発する言葉なので、言葉によって「書き手の人格」という情報を、ユーザーさんが感じる事ができます。
機械的に情報を淡々と伝える文章
→ロボットのように冷たい印象を感じる
不安に寄り添うような文章
→優しくて自分の理解者になってくれそうな人柄を感じる
テンションが高く「!」ばかりの文章
→軽いノリで信頼できなさそうに感じる
業種や扱っている商材などによっても変わってきますが、CVの種類によってユーザーさんがどんな人を求めているのかを把握し、その人格を意識した文書になっているか確認することがオススメです。
書き手そのものの人格も大事ですが、ユーザーさんが求めている人格に寄せた方がCVを頂きやすくなります。
書き手自身の考えや、プライベートなこと(ネコちゃんが好き)などを小出しで入れていくのも効果あり。
チェック5:情報に信頼性は出せているか?
コンテンツとは、ユーザーさんの良い意思決定を促すための存在なので、その情報が信頼できるかが、とっても重要だと思います。※ コンテンツに関して詳しく書かせてもらった「コンテンツとは」も合わせてご確認頂ければ嬉しいです。
商材にもよりますが、特に単価が高い系の住宅・車・冠婚葬祭・裁判・治療など単発で一気にお金がかかるものや、保険など将来的な支払い金額を考えると高額になるものなど、すぐに決めることはできないため、それ相応の信頼できる情報や根拠が必要です。
扱う商品やサービス、業界によっても違いますが、たとえ単価が低くても、ユーザーさん(あなたや私も含めて)は自分の選択に失敗したくないと思うので、選んでもいい理由や保証など、信頼性を感じられるポイントを情報から意識的・無意識的にも拾い上げようとしている状態。
信頼性がユーザーさんの選択において大事な指標だと知って頂けたと思うので、信頼性をどこで感じるか、簡単な例文を見てみたいと思います。
例① コンバージョンを格段に増やすことができました!
例② コンバージョンを2019年と比べて約10倍に増やすことができました!
小さな違いですが、①は主語と結果のみ、②は主語と具体的な説明と結果でそれぞれ文脈を繋いでいますが、私的には②の方が信頼を感じましたが、あなたはどうでしたか?
それではもう一つの例文を。
例③ コンバージョン率の目安は2%前後です。
例④ コンバージョン率の目安は2%前後です。(参考:〇〇〇研究所 2020年度 CVRのデータより)
今度の場合、③は結果のみ、④は結果と根拠で文脈を繋ぎましたが、単純な数値を出されても、何を根拠に出されているのか分からないので、根拠が分かる④の方が断然信頼しやすいですよね。
文章の中で、何かしらの情報が書かれていても、その根拠を示す証拠を少し記載するだけで、信頼性はとても高まります。
CVを頂くには、信頼性が重要なので、文章内で信頼性を少しでも出せるように工夫していくのがオススメです。
② CVを増やすためユーザーさんが辿る道筋をチェック
ユーザーさんが辿る道筋とは、動機が生まれる~検索する~コンテンツを確認する~信頼する~CVを頂ける~その後、このようなユーザーさん辿る一連の流れのこと。
コンテンツの品質はもちろん重要です。
しかし、コンテンツの品質を感じてもらうまでには、ユーザーさんそれぞれで、色々な気持ちを抱え、検索している状況も違ったりと、コンテンツにたどり着き、そしてCVを頂けるまでの道のりはバラバラ。
ユーザーさんそれぞれで、様々な道のりを辿ってきますが、自分の目的を達成するため、情報を求めていることだけは一貫しています。
そのため、ユーザーさんが辿る道筋をしっかりと整備し、一貫して目的解決を手助けしてあげることが、結果的にCVへ繋がるので、下記2つのチェックを行いたいです。
チェック1:タッチポイントは最適化できているか?
チェック2:一貫して検索キーワードに沿った内容になっているか?
各チェックを行い、道筋を整えてあげると、CVを頂きやすくなります。
チェック1:タッチポイントは最適化できているか?
タッチポイントとは、ユーザーさんと接触する機会の全てを指します。
- 検索結果のページ
- オウンドメディア
- SNS
- 口コミ
- 新聞
- テレビ
- チラシ
他にもありますが、これら全てがあなたのオウンドメディアとユーザーさんが接点を持つ接触機会。
検索キーワードを入力してオウンドメディアに来てもらって、そこからCVを頂く形が理想ですが、今の世の中どこが影響して、CVに結びついているか分かりにくい状態になっています。
例えば、検索キーワード経由で流入してくれたユーザーさん向けにCV施策をしていたが、調べた結果、本当はTwitter経由で流入してくれたユーザーさんの方がCVを頂きやすいことに気づいた。
こんなこともあります。
どのタッチポイントがCVに影響しているのか、見極めることが必要なんです。
また、オウンドメディアとして一括りにすると分かりずらいものを、ページ単位でタッチポイント化すれば、どのページからどのページへ遷移した方がCVを頂きやすいのかも気づけたりします。
すでに、これらの調べはしているかもしれませんが、あなたが思ってもないところから経由して、オウンドメディアを見にきてくれるユーザーさんもいるため、影響力のあるタッチポイントを改めて確認して、そこを重点的に改善することでCVを頂ける数を増やすことも可能です。
チェック2:一貫して検索キーワードに沿った内容になっているか?
ユーザーさんは、自分自身の興味あることにしか意識が向かないので、目的外の情報を見せてしまうと、オウンドメディアから離脱する可能性が高まります。
私自身が普段やっていることを思い出してみると、パッと見て、自分の目的の情報が無さそうならすぐスワイプや×ボタンを押して消していたり…。
あなたにも経験があると思うのですが、やはり求めている情報がなければ、すぐ別のページを探しにいきますよね。
Googleを使えば簡単に、たくさんの情報が手に入るのだから、わざわざ目的の情報が無さそうなコンテンツをじっくり見る必要もありません。
なぜこのようなお話しをしたのかといえば、ユーザーさんが求めている情報が「ある」のか「ない」のか、さらにその先である悩みや不安が「解決できる」のか「解決できない」のか。
ユーザーさんが求めている情報が存在していることを、常に意識でき、認識できるようにするだけでなく、その意識が途切れないで継続してもらう工夫がCVを増やすコツでもあるんです。
下記は意識の継続性を表現した例
例① 検索結果(OK)→タイトル(OK)→コンテンツ(NG)離脱
例② 検索結果(OK)→タイトル(OK)→コンテンツ(OK)→ CTA(NG)離脱
例② 検索結果(OK)→タイトル(OK)→コンテンツ(OK)→ CTA(OK)→ CV(OK)※ CTAとは、コールトゥーアクションの略で、CVへと導くための文字・ボタン・フォームなどを指します。
CVを頂くためにも、ユーザーさんが検索したキーワードの内容に対して、ずっと意識が続くようにする必要があり、途中で意識が外れてしまうと、結果的にCVを頂く事はできなくなります。
ユーザーさんの意識が途切れる部分が無いか、改めて確認しておくのがオススメです。
3. 施策選択・組み込み
今度は実際に、CVを増やすためどんな手法があるのか、確認してみたいと思います。
下記の方法はすべて、自分なりの思考錯誤の結果として生まれた、CVは「ユーザーさんが行動を起こした先、未来への期待であり、信頼」という考え方なので、あなたのオウンドメディアに合わない場合もあります。※ ここで指す方法とは、21件だったCVを1年後に318件まで高めた全手法のこと(成長率1414%)
また、単純に手法を真似ても、業界・商材・ユーザー層・スタッフの練度など何一つとして条件が違うので、あなたのオウンドメディアに合わせて調整して頂くのがオススメ。※ 注意:下記の内容は自然検索で流入したユーザーさんに対しての施策なので、広告経由では異なる場合があります。
文章の改善
ユーザーさんが欲しい言葉を選択する
心理的ハードルを下げる
コンテンツの人格を統一させる
CTAの最適化
機能的な改善
表示スピードを極限まで高める
ニーズ別でCVページを分ける
フォームの最適化
その他の改善
コンテンツの圧倒的な品質向上
全てのページがCVに関与する意識を持つ
CVRが強いページへの内部リンクを強める
世界観を作る
オウンドメディアの運用では、効率化を重視する傾向が強い?のかもしれませんが、私の場合はCVの施策・改善に関しては手間暇をかけて行います。
その変わり、時間をかけなくていいものにはかけず、かけるべき対象にリソースを最大限かけるやり方。
文章の改善
文章の改善では主に、言葉の使い方を意識して改善します。
オウンドメディアの情報の大半が単語・言葉・文章で作られているので、文章の改善を行うと、オウンドメディア全体が変わってくる。
その場合、CVにも大きな影響を与えられるので、文章の一つ一つがCVに影響を与える存在だと覚えてもらえると嬉しいです。
ユーザーさんが欲しい言葉を選択する
ユーザーさんが欲しい言葉を選択するとは、ユーザーさんの感情を理解することです。
不安な感情の場合 → 優しい言葉を使う
例:大丈夫ですよ、安心してくださいね、心配しないで、など
悲しい感情の場合 → 励ましの言葉を使う
例:なんでも相談してね、一緒に頑張ろう、など
検索キーワードはユーザーさんの不安や悩みそのものです。
家族のように、友人のように、恋人のように、相手への思いやりのある言葉を選ぶことが、ユーザーさんの欲しい言葉となり、その言葉を受け取ったら嬉しくなりますよね。
ユーザーさんの心や感情を動かすキッカケを、コンテンツ内でたくさん作ることで、CVを頂きやすくなるため、欲しい言葉を選択することが大事なんです。
UXライティングへの意識を持つことだ大事
UXライティングとは、ユーザーさん(人)と心の繋がりを、言葉で向上させることを指します。
例えば世の中に存在する各種ツールは、機械的な反応しかしないため、道具を扱っているような感覚のユーザーさんが多いのですが、継続的にそのツールを使ってほしい場合は、ツールとユーザーさんの心の繋がりを作っていく必要があります。
UXライティングを実践している会社の中でも、メディアプラットフォームを運営しているnote株式会社さんのUXライティングが秀逸。
- 利用に対してモチベーションを高める言葉
- 行動したことに対して評価をしてくれる言葉
このような言葉がたくさん散りばめられています。
オウンドメディアも同じで、心の繋がり、感情の繋がりを作り出すことで、ユーザーさんとの結びつきが強くなり、CVを頂きやすくなる。
オウンドメディアの改善は、全てUXライティングに統合されていくのではないかなと思っています。
心理的ハードルを下げる
心理的ハードルとは、ユーザーさんの心の壁のことで、出来るか出来ないか分からない不安とも言い換えられるかもしれません。
「コンバージョンが増えない不安を抱えている」人の心理的ハードルを例にしてみると、
- STEP1 → 欲しい情報があるか分からない
- STEP2 → クリックしたら何が起こるか分からない
- STEP3 → こんなこと相談してもいいのか分からない
- STEP4 → 相談でお金がたくさんかかりそうで躊躇してしまう
- STEP5 → 依頼をしたら本当に成果が出せるのか分からない
最初は情報に対しての不安だったものが、だんだんとユーザーさん自身の行動が「良いの」か「悪いの」かという不安に移っています。
ユーザーさんが感じている心理的ハードルを下げるために、それぞれこんな言葉を近くに入れてフォローしてみました。
- STEP1へのフォロー → 冒頭で〇〇に関する情報を掲載していますと紹介
- STEP2へのフォロー → クリック後何が起こるのかボタン下に説明を入れる
- STEP3へのフォロー → どんな小さなことでも相談可能な文章を入れる
- STEP4へのフォロー → 相談は無料であること入れる
- STEP5へのフォロー → 事例のリンクやお客様の感想文を近くに入れる
これらのフォロー文章を入れることで、ユーザーさんの心理的ハードルを全て取り除いています。
コンテンツ全体を通して、優しい口調で文章を書いたりするのも効果はありますが、心理的ハードルが発生するポイントを見つけて、そこに的確なフォロー文章を入れることで解決可能。
心理的ハードルの多くは、ユーザーさんが次の行動を起こしたい時に発生するので、目線の移動・スクロール・クリック・入力など、ユーザーさんの行動を考えて、その周りを対策しましょう。
コンテンツの人格を統一させる
オウンドメディアの運営では、自社スタッフさんか外部ライターさんのどちらかにコンテンツを作ってもらうのですが、書き手が多くなればなるほど、オウンドメディアの印象はバラバラになっていきます。
それは、コンテンツに書かれている文章の一つ一つが、書き手の人格を感じる情報となっているから。
ユーザーさんは検索して最初にたどり着いたページだけではなく、複数のページを見てくれる場合もあると思いますが、そんな時、書き手の違いによって文章から感じる印象が違っていたらどうでしょうか。
① 一貫して同じことを言ってる人 → 信頼できる
② コロコロと自分の意見を変える人 → 信頼できない
②のようなイメージを持たれてしまい、あなたのオウンドメディアへの信頼が失われ、結果的にCVも頂けなくなります。
ユーザーさんにしてみたら、誰が書いてくれていようと、欲しい情報が得られて、問題が解決できれば、それだけでいいんです。
しかしそれは、情報を提供するだけであればいいのですが、情報提供から発展してCVを頂く為には、ユーザーさんからの信頼を得られなければいけない。
たとえ書き手が違っても、コンテンツ全体を通して感じられる人格に統一性があれば、オウンドメディアに対して共通したイメージが作られるようになるので、信頼が安定するようになります。
そのため、編集者か管理者を必ず立てて、コンテンツの印象をコントロールして、人格を統一したイメージで作れるようにするのがオススメです。
CTAの最適化
CTAとはコールトゥーアクションと呼ばれる、CV発生に関わる電話番号・ボタン・テキスト・エリア・画像・フォームなどの全てを言い表す言葉です。
あなたのコンテンツに、フォームへの遷移ボタンや電話番号の記載があれば、それがCTAと考えて頂ければと思います。
CTAの最適化とは、
- 必要な位置にCTAを設置する
- ページごとでCTAを調整する
この2つのことを指しています。(私の考え的に)
コンテンツはユーザーさんに満足して頂くことが最優先であり、まずは多くを与えて価値を感じてもらう必要があるので、その考え方からすると、コンテンツを見るのに邪魔をする場所にCTAを設置するのは理屈に合っていないですよね。
しかし、ユーザーさんがコンテンツを見る前から、「誰かに相談したいと思っていた」「購入したいと思っていた」このような気持ちを持っている場合があります。
そもそも、問題の解決をしたいがために検索してまで情報を探しているため、コンテンツにたどり着いた時点で、CVを頂ける可能性があるユーザーさんは存在している。
コンテンツのテーマにもよりますが、全てのユーザーさんが情報だけを見に来ているわけではないのと、あなたのオウンドメディアで相談・申込・購入できる意識を持ってもらうためにも、以下のポイントでCTAを設置するのがオススメです。
- 目次の下(数行の文章と一緒にCTAを設置)
- h2など各章ごとの終わり(ボタン型のテキストのみのCTAを設置)
- コンテンツの終了した位置(テキスト・画像などを使ったCTAを設置)
入れすぎるのはユーザーさんに迷惑がかかるので避けたいですが、設置の仕方によってはそこまで気にするほどではありません。
必要な位置にCTAを設置したら今度は、ページごとでCTAを調整していきます。
この調整とは主に、文言の調整となります。
CTAを設置するときに手間を省いて、全て同じテキストを使う場合があるのですが、それはあまりオススメできない方法。(手間を惜しんじゃダメなんです)
「チェック2:一貫して検索キーワードに沿った内容になっているか?」で少し見て頂いたのですが、ユーザーさんは自分の知りたいことだけ、意識している内容だけを求めています。
例えば「コンバージョン 増やし方」で検索してページを見にきて頂いた場合、
例① ご相談はこちら (←他のページと一緒の文言)
例② コンバージョンを増やしたい方はこちら
もし、例②のように、そのページに最適化された文言でCTAを設置していれば、ユーザーさんの意識ともマッチングして、クリックしてもらえる確率は高まります。
一つ一つの効果は薄いかもしれませんが、それが何十何百ページとなれば、CVを頂ける数も大きく増えるはず。
最適な位置にCTAを設置して、それぞれ最適な文言に調整すれば、それだけでCVの改善が見込めるので、このやり方は手間ではありますがぜひオススメしたい方法です。
機能的な改善
機能的な改善では、デザインなどの見た目や、オウンドメディアの裏側のサイト構築に調整を入れていきます。
CVはコンテンツだけでなく、オウンドメディアの機能的な部分も影響してくるので、改善できるところは改善しておくのがオススメです。
表示スピードを極限まで高める
表示スピードとは、あなたのオウンドメディアを閲覧した時に、スマートフォンやパソコンのブラウザで内容が表示される速さのこと。
速さを調べるにはGoogleが用意してくれたPSI(PageSpeed Insights)を使うとすぐに測れます。
遅いか早いかで、大きくユーザーさんの使い勝手に大きく影響すると言われています。※ 2018年1月18日木曜日の時点で、Googleからは表示速度がSEOの評価対象にもなると公表されています。
例えばユーザーさんがフォームを送信しようと思った時、画面が全然表示されなかったら、入力する気もなくなってしまうので、表示スピードの改善は有効性が非常に高い。
表示スピードを高めるためには基本的に下記を行います。
- html、CSS、JavaScriptなどの圧縮(Compressor)
- 画像の圧縮(tinypng)
- 不要な読み込みファイルの削除(使ってないCSSなど)
- 画像の遅延読み込み(lazyload)
- サーバーのスペックUP
あなたのオウンドメディアがwordpressを使っているならば下記を実行。
- 不要なプラグインの停止と削除
- キャッシュの設定(キャッシュ系プラグインは不具合が多いのでオススメはしていません)
- PHPのバージョンをアップさせる(php5→php7)
もっと徹底的にやるのであれば、こちらもオススメ。
- jqueryの削除
- スマートフォン用とパソコン用で完全にcssを分ける
- スマートフォンの場合、初期表示に使用するcssのみをheaderへ直接入力
- リビジョン(自動保存機能)を停止(wp-config.phpへ追記)
- デザインで使用している不要な画像の削除
- サイドやフッターの関連記事では画像を削減または削除
- 画像ではなくcssを使ったアイコンへ変更
- スマートフォンまたはパソコンに切り替わった時に不要なコードはコメントアウトではなく完全削除
- モーダルやカルーセルなどはjqueryではなくcssで再現
これらの改善を行うことで、表示スピードだけでなく、ユーザーさんの使い勝手も向上させることができます。
使いやすさの向上は、そのままユーザーさんの満足度にも繋がるため、CVを頂きやすくなる。
速度改善に関しては「wordpressの速度改善」で詳しく書かせて頂いていますので、見て頂ければ嬉しいです。
ニーズ別でCVページを分ける
ユーザーさんのニーズ別でCVページを分けることも、CVを増やす有効な手段の一つ。
例えば、ユーザーさんがオウンドメディア構築の依頼先を求めていた場合を想定。
例① タイトルや内容が「無料相談」のCVページ
例② タイトルや内容が「オウンドメディアの構築相談」のCVページ
この2つのCVページがあった場合、よりユーザーさんの目的に近いのは②の方ですよね。
例①の場合は、相談内容が選択できる一般的なCVページのやり方ですが、例②のようにユーザーさんの目的とページがマッチングしている方が、よりCV率は高まります。
リスティング広告でPDCAを回す時には、ニーズ別でページ(LP:ランディングページ)を用意すると思いますが、それをオウンドメディアでも実践する形。
ユーザーさんのニーズ別でページを用意すると、管理も作成もあるので手間に感じるかもしれませんが、ユーザーさんの気持ちを考えたら、より内容がマッチングしているページの方が、安心できるはず。
そのため、スムーズな相談・申込・購入をしてもらうためには、せめて2〜3つの用途別CVページを用意して頂くのがオススメです。
フォームの最適化
フォームの最適化は、EFO(入力フォーム最適化)と呼ばれています。
フォームは入力間違えが起きやすいのですが、簡単に入力させすぎると、CVの品質が低くなったり、逆に難しかったり内容が増えすぎるとCVの件数が少なくなる場合も。
バランスが難しいのですが、基本的にはユーザーさんのスムーズな入力を助けることと、人間誰しも入力する際は間違えることがあるので、そのサポートを行ってあげます。
- 入力すべき枠が分かりやすいようにする
- 入力できたら入力できた表示が出るようにする
- 間違えた箇所が分かりやすいようにする
- 何で間違えたか理由が分かりやすいようにする
- 未入力の箇所が分かりやすいようにする
- あといくつ入力すればいいか数値で分かるようにする
- 半角全角が自動的に変換されるようにする
他にもありますが、入力フォームを最適化して、ユーザーさんの入力をサポートしてあげることが、CVを高める方法でもあります。
その他の改善
その他、CVを増やすための方法となります。
コンテンツの圧倒的な品質向上
方法とは言い難いのですが、他社(他者)と比べても、圧倒的に高品質なコンテンツを作ることで、ユーザーさんの満足度を向上させます。
ユーザーさんの満足度はそのまま信頼性に変わるので、CVも頂きやすくなる。
また、高品質なコンテンツによって、副次的にオウンドメディア自体の評価が高まり、アクセス数も増えていきます。
アクセス数が多ければ、それだけユーザーさんとの出会いを増やすことができるためCVも増える。
コンテンツの圧倒的な品質向上は、ユーザーさんの満足と、アクセス数の両方を向上させるため、CVに大きな影響を与えてくれます。
コンテンツの作り方に関しては、「コンテンツを作る5つの手順、ガツンと成果を上げるための方法」も合わせて見て頂ければ、より深い理解ができるかもしれません。
全てのページがCVに関与する意識を持つ
ユーザーさんは、あなたが想定していないようなページの渡り方をしてCVになる場合も多いです。
どのページを見て、どんな感情を抱いて、信頼してくれるのか予測がつきません。
そのため、オウンドメディアに掲載されている全てのページがCVに深く関わっている意識を持って頂き、どのコンテンツも役立っている認識が大事。
一つ一つのページが大事だと思えれば、ライターさんに格安で専門性の低いコンテンツを大量に発注しようだなんて思わないですよね。
コンテンツ一つ一つが、あなたにも、ユーザーさんにとっても大事な存在にもなるので、熱意を持ってコンテンツ作りをしてもらいたいです。
CVRが強いページへの内部リンクを強める
アクセス数は少ないけど、CVRが高いページもあるかもしれませんね。
もしそのようなページがあれば、内部リンクとして増やしてあげることで、さらにCVが増える場合もあります。
世界観を作る
世界観とは、そのオウンドメディアに対して感じる特有の雰囲気や印象のこと。
世の中的にもオウンドメディアが溢れている状態でもあり、右を向いても左を向いても、あなたと同じようなオウンドメディアが存在しているかもしれません。
その中から、あなたのオウンドメディアを選んでもらうには、他社(他者)にはない、何か特別な選ぶ理由がほしいところ。
例えば、コンテンツ全体から感じ取れる人格や、オウンドメディアのブランドなど。
オウンドメディアは雑誌などとは異なり、ページがいくつもあって終わりが見えにくいのと、全体ではなくコンテンツ一つ一つに対しての評価で見られがちなので、世界観を語るには難しい媒体なんです。
それをコンテンツやデザインを使ってうまくコントロールしていき、明確なイメージを作り出せるようになった場合には、他社(他者)とは比べ物にならないくらい求められるオウンドメディアに。
コンテンツ単体で頑張るのではなく、オウンドメディア全体を通して世界観を作る意識をもち、ユーザーさんに選んでもらえる特別な特徴を作り出すことが有効です。
4. 検証・改善
オウンドメディアのCVを増やすために、最後は検証と改善の繰り返しを行います。
検証となると、検証方法や検証期間の判断は難しいのですが、CVを大きく変えたいと思った私の場合、かなり早いスパンで試しては変えてを繰り返しました。
検証方法 → 新施策と旧施策の比較
検証期間 → 一週間前後
どんどん新しい改善を繰り返したのと、正直なところデータが溜まるのをじっくり待つ余裕もなく、ほぼリアルタイムな数値と仮説を元に改善していきました。
この方法は、まだアクセスもCVも多くないオウンドメディアであればいいですが、アクセスが数十万以上ある大きなオウンドメディアでやってしまうと、周りからバンバン怒られてしまう可能性もあるので注意してほしいです。
オウンドメディアの状況によって検証のスパンは変わってくると思いますが、何か現状を大きく変えたい場合、リスクを承知で大きく変えることも必要なんじゃないかなと思っています。
あなたに対してあまり無責任なことは言えないのですが……ローリスクローリターンより、ハイリスクハイリターンを選ぶことも、時には必要なはず。
また、たくさんの仮説・施策実行・検証を繰り返すことで、あなた自身にも知見が溜まってくるため、得たいものがあるなら、行動あるのみです!
CV獲得で失敗した改善方法
CV改善を繰り返す中で、たくさんの失敗をしてきました。
「これいける!」と思ったのに成果が出ないなんてしょっちゅう…その中でも、大事なことに気付かされた失敗について、メモとして残しておこうと思います。
失敗1:思い付きで何度も調整をした
これは何度も私が失敗した内容です。
最初に仮説を立てて、それならこれをしよう!と思って実行した施策に対して、施策を入れながら何度も調整していきました。
結果的に、最初に立てた仮説の検証ができなくなるパターンに陥ってしまい、とても反省しています。
改善に関しては、他にメンバーがいなかったので、私1人でやっていたのですが、それもいけなかったかもしれません。
思い付きで調整中にさらに調整を上書きをするようなことはせず、もっと仮説の制度を高めてから行うべきでした。
失敗2:他社(他者)の施策を、なぜそれが良かったのか考えもせずに取り入れた
他社で「やってみたら効果があった!」と言われた方法や、セミナーに行って聞いてきた内容をそのまま深く考えずに、施策に落とし込んでいたこともありましたが、あまり効果は出ませんでした。
他社で成果が出たのは、そのオウンドメディア・業界・携わるメンバーなどが条件が揃ったからこその結果なので、全く条件が違う私に合うはずがありません。
本当は良い施策なのかもしれませんが、丸っとそのまま使おうとしてしまったのが失敗の原因だと思います。
たとえ他社で効果が出た施策だとしても、自分たちが大切にしたいユーザーさんで考えた場合、どのように取り込むべきかを改めて考える必要があると感じました。
低成長で本当に切羽詰まっていたので、そこまで考える余裕もなく……こんな言い訳はいらないですね。
自分の思考力の低さが原因でしたが、今後は「考える」ことは止めずに、施策と改善に向き合っていきたいと思っています。
失敗3:現場の声を聞かずに調整をした
私が携わっているのはマッチングサービス、オウンドメディアの他にお客様とコミュニケーションをとるメンバーが存在しています。
そして、私がどんどん施策を入れるため、現場でその情報共有が追いつかず、無駄な時間を使わせてしまったこともありました。
オウンドメディア連動型でマッチングサービスを提供している場合は、オウンドメディアの影響がダイレクトにサービス側へ反映されてしまうので、気をつけなければいけないと肝に命じました。
失敗4:自社の売り上げのためだけに改善を実行した
どうしても売り上げを増やしたい時期があり、自社のためだけを考えてCV施策を入れたことがあります。
自社のために施策を入れるのは当然だとは思うのですが、例えばユーザーさんに相談する意識がないまま、フォームが送信できて、スタッフから連絡がかかってきてしまう。
営業力のあるスタッフが対応すれば、そのまま契約できる可能性もありましたが、結果的にそんな騙すような状態で契約をいただいてもお互いにしこりが残る結果になります。
悪い売り上げが積み重なっていくと、後々、軌道修正できなくなるので、グレー寄りな施策は取りやめました。
失敗5:ハードルを低くしすぎて角度の低いCVが増えてしまった
ユーザーさんが相談・申込・購入などのアクションを起こしやすくするためには、フォームの入力を極端にカンタンにすることが、もっとも効果が高いです。
私もこの施策を使ってCVを頂く機会を増やすことはできましたが、CV後の連絡の際に、見込み度が薄すぎて、結局は売り上げに繋げることができないだけでなく、オペレーションスタッフ側の無駄なリソースを増やしてしまったことがありました。
CV改善が初心者だったので、最初は「CV増えている!」と嬉しい気持ちでしたが、成果に繋がらない、むしろ無駄なことを増やして収益を減らしている状況を作ってしまったので、猛反省した覚えがあります。
今は見込みが高いユーザーさんに、CV頂けるような施策を見つけて、それで落ち着いていますが、今後もハードルを低くしすぎないことに関しては、最新の注意をしたいと思っています。
失敗6:フォームにいたずら防止機能をつけなかったので大量のスパムを受けてしまった
バリデーション機能をつけなかったのと、簡単に送信できるような仕様になっていたので、海外?かは分かりませんが、毎日大量のスパム依頼が入ってきたこともありました。
大量とはどのくらいだと思いますか?……一日1〜2000件くらいです(笑)
システムを使ってお問い合わせを管理していたので、1件1件消し、夜中の12時回った時は何回もあります。
必ずオウンドメディアを経由してCVページに入ったかどうかを確認できた場合のみ、フォームが送信できるような仕様などにして、なんとか対応しました。
夜中対応して、そのまま2〜3時間の睡眠のまま会社行って、また対応してと、結構大変な出来事もありましたが、このようなリスクも考えるいいキッカケをもらえたので、いい経験です。
最後に。
上記に書かせてもらったことを実践し経験したことで、オウンドメディアのCVを1年間で15倍に増やすことができました。
改善し始めたマッチングサービスが3年目には、CVの増大と共に年間8桁の収益が得られたので、CV改善の経験が役立っているのかなと思っています。
私も数々の失敗を経験しながら、一つずつクリアしてきました。
このページに書かれていることは、数ある手段の一つとして認識いただき、あなたの組織やオウンドメディアに合う方法を見つけるための、参考として活用頂けると嬉しいです。