いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。ホワイトペーパーとは何なのかを、さまざまな視点から解説しています。
将来的な売り上げを作るマーケティング活動の中で、ホワイトペーパーは重要な役割を担っています。
お客様と繋がるキッカケ、見込みの引き上げ、最終的な意思決定の後押しまで、活用の幅はとても広い。
なぜ制作する必要があるのか、効果や実際の成果事例なども踏まえて、ホワイトペーパーについての基礎を見ていきましょう。
- 目次
- ホワイトペーパーとは(定義)
- ホワイトペーパーの目的
- ホワイトペーパーの役割
- ホワイトペーパーの効果と価値
- ホワイトペーパーの種類と具体例
- ホワイトペーパーの作成方法と手順
- ホワイトペーパー作成のコツや注意点
- ホワイトペーパーの活用方法
- 今後のトレンドとホワイトペーパー
- まとめ
ホワイトペーパーとは(定義)
ホワイトペーパーとは、特定の問題や課題を解決するための、専門的な情報が掲載された文書(または資料)のこと。
特にBtoBマーケティングにおいては、企業が見込み顧客との接触機会を増やすために用意され、有益な情報提供ができるほど信頼性が高まり、ホワイトペーパーを通して繋がれた企業とは良好な関係を築くキッカケにもなる。
また、掲載内容を調整することで、自社の製品・サービスを営業可能な今すぐ解決を求める顕在顧客から、いずれ必要になるであろう潜在顧客まで幅広く関係が築けるツールとして、マーケティング活動においては重要な役割を担っています。
効果的にホワイトペーパーを活用している企業は、定期的な商談機会を創出し、会社の成長へと繋げています。
BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパーの位置付け
ホワイトペーパーをBtoBマーケティングで活用する場合は、将来的な顧客との機会創出だけではなく、有益な知識提供による見込み顧客の教育や啓蒙も兼ねています。
お客様が企業または企業の製品・サービスを認識し、興味関心を持って接触を求め、契約・導入へ至る一連の流れや過程をマーケティングファネルと呼びますが、そのどのポイントでもホワイトペーパーが活用できる。
BtoBビジネスは、信頼・根拠・事例などが、最終的な決裁者の意思決定を左右するケースが多いため、ホワイトペーパーで専門性・独自性・希少性のある情報提供が継続できると、ブランド価値の向上によって選ばれやすい状況が作れます。
ホワイトペーパーの歴史と背景
ホワイトペーパーはもともと、政府の政策提案書として用いられ「白書(はくしょ)」と呼ばれていました。
その後はビジネス分野においても利用されるようになり、IT業界や技術分野では専門的な知識・技術を説明する手段として活用の幅が広がっていきました。
現代では、デジタルマーケティングの主要なツールとして、印刷して製本またはPDFにしてオンライン上で渡したりと、状況に応じた情報提供も簡単なことから、ホワイトペーパーはビジネスにおいて欠かせない存在まで進化しています。
ホワイトペーパーの目的
ホワイトペーパーの主な目的は、見込み顧客との接触機会を作り、感情刺激による行動変容を促して、自社の目的を達成させること。
具体的に言えば、ホワイトペーパーを受け取る本人の悩みや課題が解決できる、的確な情報提供によって、企業としての信頼性やブランド価値を認識させます。
その結果、自社の製品・サービスが必要なタイミングになった時、比較検討の候補として真っ先に想起できる状態にして、契約・導入確率を高めていく。
競合他社の存在によって比較検討が前提となりますが、その中でも頭一つ抜け出すことで勝率が上がっていきます。
なぜホワイトペーパーが必要なのか、3つに絞って詳しくみていきましょう。
① リードジェネレーションの促進
② 比較の回避
③ ブランドの信頼性向上
① リードジェネレーションの促進
リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得する全ての活動のこと。
自社の製品やサービスが必要な企業を探し出すのは、簡単なことではありません。
特に、企業または現場担当者ごとでお悩みの解決手段が変わってくるため、自社製品・サービスが必要なタイミングを知ることは難しいと言えます。
お客様から自ら相談しに来てくれることも、なかなか期待できない。
そのため、マーケティング活動においてホワイトペーパーは重要な役割を果たします。
ホワイトペーパーは、webサイト、セミナー、名刺交換後のフォローアップメールなど、あらゆるタッチポイントで潜在・顕在顧客との接触機会を創出するツールとなります。
顧客との新たな接点を生み出し、ビジネスチャンスを広げる第一歩として、ホワイトペーパーの導入はBtoBビジネスなら必須だと言えます。
② 比較の回避
テクノロジーが進化したことで、成功するビジネスモデルを模倣しやすく、世の中には類似の製品・サービスで溢れかえっています。
その結果、お客様は多くの選択肢から1つを選ばないといけない状況。
ホワイトペーパーの提供側は、自社の製品・サービスの優位性を理解しているので「魅力が伝われば選んでもらえる!」と考えますが、契約・購入側は製品・サービスの知識が乏しく、ブランド力のある大手企業や、よく目にしたり見聞きする製品に流れる傾向です。
しかし、お客様に有益な情報を提供し続けられると、良い感情や体験が残り信頼が増すので、最終的には競合他社との比較をうまく回避することに繋がります。
独占的に「御社一択です」と言われる状態までいける可能性だってある。
ホワイトペーパーの作成と継続的な発信・提供には時間と労力がかかりますが、結果として契約・導入へ繋がるのであれば、企業にとって費用対効果が高いと投資だと言えます。
③ ブランドの信頼性向上
決裁者が意思決定をする時、依頼先企業に対する「信頼度」が大きな影響を与えます。
言い換えれば、信頼できない企業からの提案は、いくら優れていても承認されることは難しい。
しかし、読み手に有益な情報が正しく伝わる高品質なホワイトペーパーを、継続的に発信・提供できれば、企業の信頼性は大きく向上します。
ホワイトペーパーを通じて、専門知識や業界での権威性が高まり、その分野で困ったことがあれば、まずは相談先として思い出してもらえる可能性が高くなる。
市場における自社のブランド地位が向上することで、お客様から積極的に話を聞きに来てくれたり、安心感によってスムーズな契約まで進められます。
ホワイトペーパーの役割
ホワイトペーパーは、販売促進ツールとしての利用と、顧客からのエンゲージメントを高めアップセル・クロスセルへ繋げる役割があります。
アップセル
説明:検討している製品・サービスの上位バージョンや高単価な方を促すこと
事例:無料版から有料版へ
クロスセル
説明:現在の製品・サービスに関連した追加契約を促すこと
事例:記事制作だけでなくメールマガジンの配信も
戦略的にホワイトペーパーを活用できれば、自社やお客様にとっても、より価値の高い製品・サービスを選んでもらえ、結果として会社の売上・利益の向上に貢献します。
もっとも重要なのは、ホワイトペーパーを活用した信頼性の向上なので、定期的な発信・提供が求められてきます。
マーケティングファネルにおけるホワイトペーパーの位置付け
ホワイトペーパーは、マーケティング活動の各段階で、それぞれ違う役割があります。
無関心→認知→興味→比較→行動→継続→紹介→発信と続く、一連の顧客行動に合わせて、タイミングと必要なホワイトペーパーの図を用意しました。
ファネル | 説明 | 用意 |
---|---|---|
無関心 | 必要性を感じていなかったり、まだ課題が表立っていないため調べようともしていない状態 | ノウハウ・トレンド・レポート |
認知 | 必要性を感じて情報収集をしている状態 | |
興味関心 | 具体的に次の行動へ移せるよう調べる頻度が高まったり情報を探し回っている状態 | 製品・サービス |
比較検討 | 自社に合う製品・サービスを比較検討している状態 | 導入事例 |
行動 | 意思決定を行い製品・サービスの契約や導入をした状態 | – |
継続 | 製品・サービスを利用している状態 | 活用事例・ノウハウ・トレンド・レポート |
紹介 | 好体験により紹介をする | |
発信 | ファンとなりSNSや対面にて発信する |
それぞれのタイミングで、必要な種類が変わってくるため、どのタイミングの施策を強化するかによって、作るべきホワイトペーパーも違うので注意が必要です。
ホワイトペーパーと他のマーケティング資料の違い
ホワイトペーパーは資料化されるケースが多いため、普段使っている営業資料・製品カタログなどと何が違うのか分かりづらいかもしれませんね。
それぞれの違いを表にしたので、まずは早見表を確認してみましょう。
資料の種類 | 用途 | 説明 |
---|---|---|
ホワイトペーパー | リードジェネレーション・教育・啓蒙 | 定期的に見込み顧客を獲得しながらインサイドセールス・フィールドセールスへ引き渡せる状態の見込みへ引き上げていくための資料 |
営業資料 | 営業活動のサポート | 商談でプレゼンテーションを行うために使用する自社製品・サービスの魅力を可視化した資料 |
製品・サービス資料 | 製品・サービスの理解促進 | 製品・サービスの特徴や機能を伝えメリットを押し出し意思決定を促すための資料 |
製品カタログ | 製品ラインナップの紹介 | 製品・サービスを一覧で紹介しそれぞれの特徴やスペックが比較しやすい形で必要な情報を網羅的に掲載した資料 |
調査レポート | 市場調査・データ分析の提供 | 市場・業界の動向やトレンドを調査してレポーティング・分析・考察もまとめられ今後の戦略立案や意思決定をサポートとする資料 |
ホワイトペーパーのは用途が他資料とも似ていますが、読み手へ価値を提供して、見込み顧客の獲得と信頼を築くためのツールです。
しっかりと用途を分けて、効果的に使っていきましょう。
ホワイトペーパーの効果と価値
ホワイトペーパーでビジネスの幅が広がり、チャンスが増えていきます。
実際に、どのような効果が得られるのか、3つの観点から見てみましょう。
① リード獲得率が向上する
② 24時間365日働き続ける
③ 費用対効果が高い
① リード獲得率が向上する
webマーケティングにおける一般的なリード獲得方法は、公式サイトから製品・サービスについてお問い合わせをもらうこと。
しかし、まだ情報取集段階であったり営業嫌いな方もいるため、すぐに返答や営業連絡がくるのは、お客様側の心理的ハードルを高くして行動が抑制される状態なので、一向にリードは増えません。
そこで、特定の課題解決のためにホワイトペーパーを複数用意して、商談ではなく有益な情報提供目的で連絡先(メールアドレス・電話番号など)と引き換えにダウンロードできる状態を作ります。
見込としては下がりますが、リードが増えることで、その後のマーケティング活動で活用でき、将来的な見込み顧客を増やすことに繋がっていきます。
また、ブログなど検索結果が上位のコンテンツに連動したホワイトペーパーが用意できれば、さらにリードの獲得率が向上します。
② 24時間365日働き続ける
お客様へ説明するには、基本的にメール・電話・対面などお互いのやり取りを前提にしたコミュニケーションが必要です。
この場合は、お互いが都合のいいタイミングでないと、迅速なやり取りが行えないため、かえってフラストレーションを溜める結果に。
ホワイトペーパーなら、仕事中やプライベートな時間帯であっても、相手に渡せさえすればいつでも閲覧が可能であるため、コミュニケーション上の制約がなく、休まず24時間365日働いてくれます。
③ 費用対効果が高い
ホワイトペーパーは、印刷してオフィスや店舗に設置しておけば、誰でも自由に手に取れます。
さらに、PDF化したホワイトペーパーをwebサイトでダウンロード可能にすれば、インターネットへアクセスできるデバイスを持っている方なら、誰でもダウンロードができる。
このようにホワイトペーパーは、1対1の営業活動とは異なり、1対多のコミュニケーションが可能で非常に効率がいいと言えます。
また、1つホワイトペーパーを作れば、名刺やチラシへダウンロードURLのリンクを記載したり、メールマガジンで顧客リストへ一斉に送るなど、さまざまな場面で使えるため費用対効果も高い。
たとえば20万円で作成したホワイトペーパーが、100万円以上の売上を生み出すことも可能で、適切な活用によってその高価は無限大です。
その他:データで見るホワイトペーパーの効果
ホワイトペーパーが、リードジェネレーション・リードナーチャリングにどれだけ貢献しているのか、3つのデータから確認してみます。
① リード獲得後に8割が他社で製品購入している
日経クロステックは、米国のシリウスディシジョンから出された、放置リードの約80%は競合他社から製品・サービスを購入している調査データを記事として公開しています。
たとえその時点では見込が低くても、獲得リードは早々に見切りをつけて放置するのではなく、丁寧にコミュニケーションを取っていく方がいい。
出典:https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/14/470532/031600021/
② 品質が悪いと7割の方が「企業の信頼性が落ちる」と回答
株式会社ファングリーがホワイトペーパーのユーザー評価を調査した結果、約7割(n=2706)の方は品質が悪いと感じれば企業の信頼性が落ちると回答。
単にホワイトペーパーを作っただけ、またはリード獲得の目的が強すぎて見込み顧客のニーズを無視した内容になっていれば、プラスではなくマイナスになることもある事実が公表されています。
そのため、ホワイトペーパーは品質を意識した作りが求められています。
出典:https://enpreth.jp/service/detail184/
③ メールマガジンの活用で開封率約50%
私たちエンプレスが行っているメールマガジンでは、ホワイトペーパーをセットにして配信をしています。
ホワイトペーパーを軸にした、継続的なコミュニケーションを行うことで、開封率が約50%、クリック率も約13%と、高い数値が出せました。
出典:弊社が送信しているメールマガジンの一例
ホワイトペーパーの種類と具体例
リードジェネレーションの文脈でホワイトペーパーを作るなら、用意しておきたい種類は大きく分けて4つ。
お客様の段階によって必要な種類が変わるため、以下の表で確認しておきましょう。
フェーズ | 種類 | 詳細 |
---|---|---|
無関心~認知 | 啓発型ホワイトペーパー | 最新情報・業界動向・調査レポート・課題喚起・チェック表など |
興味関心 | 問題解決型ホワイトペーパー | 特定の課題に対する解決策や技術的なノウハウ・成功事例・製品やサービス資料・ガイド・マニュアルなど |
比較検討~導入 | 比較型ホワイトペーパー | 選び方やポイント・比較表・競合他社との違いなど |
意思決定促進型ホワイトペーパー | 導入事例・活用事例・シミュレーション・導入ガイド・キャンペーンなど |
啓発型ホワイトペーパー
啓発型ホワイトペーパーとは、問題が表面化していない、または不安は感じているがモヤモヤを言葉にできないユーザーに対して、「今の状態でいいのか?」と問題提起を行うことで意識を向けさせる資料のこと。
解決の必要性を感じていないため、この状態から意識をホワイトペーパーに向けるのは難しいかもしれません。
しかし、主だった解決行動を起こしていない状態なので、競合との比較もしておらず、他社より先にリードとして繋がれれば、将来的に顧客化のチャンスも増えていきます。
興味を引き付けるため、旬な情報であったり、危機感を覚え今すぐ手に取って見ておいた方がいいと思わせる、ホワイトペーパーの企画構成が重要となります。
参考事例
マーケターへの調査 | ウェビナーチェック表 | 2023年SEO総まとめ |
---|---|---|
問題解決型ホワイトペーパー
問題解決型ホワイトペーパーとは、問題を抱え解決を望んでいる方に対して、解決を期待できる知識・ノウハウをまとめた資料のこと。
掲載情報を活用して解決が促されれば、ホワイトペーパーの提供元に対する信頼や権威が高まります。
ブランドの価値を体験したことによって、ユーザーの業界的なポジションは競合他社よりも有利になるためコミュニケーションが取りやすく、見込みの引き上げや商談へ繋がるホットリードへと進化しやすくなります。
参考事例
コンテマのマニュアル | 広告運用マニュアル | 日報ガイド |
---|---|---|
比較型ホワイトペーパー
比較型ホワイトペーパーとは、自社製品・サービスの魅力を打ち出しながら、競合他社との違いや優位性をアピールして、検討候補の上位へ入るための資料のこと。
ユーザーは類似製品・サービスから1つを選ばないといけないため、特徴や機能など見比べられる情報を必要としています。
また、何かを決定しようとするタイミングだからこそ、必要な情報提供ができれば、意思決定のサポートによって契約・導入にも繋がりやすくなる。
競合他社と比べて、自社だけを過剰にアピールするのは逆効果なので注意も必要です。
他にも、選択の補助をするため、選び方のポイントなどを掲載したホワイトペーパーが効果的です。
参考事例
広告運用代行の選び方 | 動画ツールの比較表 | Diffツールの選択のポイント |
---|---|---|
意思決定促進型ホワイトペーパー
意思決定促進型ホワイトペーパーとは、複数の選択肢の中から、最終的に自社を選んでもらえるよう、決裁者の意思決定を促す情報を掲載した資料のこと。
見込み顧客が何を重視しているのか理解したうえで、求められている情報を的確に提供することが必要です。
信頼性:創業年数や実績件数など
権威性:業界内のポジションなど
専門性:独自のスキルやノウハウなど
安心性:実際に導入した企業事例など
将来性:シミュレーションした費用対効果など
他にも、契約・導入頂くことで適用できるキャンペーンであったり、通常よりもお得感を感じる内容も、決裁者の心を動かします。
BtoBに関しては特に、信頼・権威・専門の3つが重要視されるため、これらが含まれたホワイトペーパーを用意することで、自社を選んでもらえる確率が高められます。
参考事例
活用事例集 | 採用動画制作事例 | コンテマの成功事例集 |
---|---|---|
ホワイトペーパーの作成方法と手順
ホワイトペーパーの効果を最大限高めるには、企画構成から作成まで各工程で必要な作業がいくつも存在しています。
マーケティング活動の各タイミングで取り入れる意識を持ちながら、実際の作成方法と手順を確認していきましょう。
ホワイトペーパー作成の準備
STEP1 目的を定めて共有
プロジェクトとして複数のメンバーで進めていくと思いますが、目的やゴールなど目指す地点がズレていると、普段のコミュニケーションにストレスを感じたり、個々の判断基準が曖昧で調整が続いてスピードも遅くなっていく。
そのため、何のためにホワイトペーパーを作るのか、まずは目的をしっかりとチームで共有することから始まります。
STEP2 自社理解を深める
独自性や希少性が出せる、読み手が満足しやすい情報を提供するには、製品・サービスや自社の魅力をフルで活用しなければいけません。
自分たちのことが分かっていないと、そもそも評価が得られる情報提供が難しいため、制作へ進める前に自社理解を深めておきましょう。
STEP3 ターゲットの特定
目的に対して、誰にホワイトペーパーを提供できれば、もっとも達成に近づくか、ターゲットとなる人物(またはグループ)を特定し、明確に定義することが重要です。
これにより、目的達成の貢献度が薄い企画を回避でき、効率的に求めたリードが獲得できるようになります。
STEP4 メッセージの明確化
ホワイトペーパーを通して伝えたいメッセージを明確にします。
自社が伝えたいことはもちろんですが、読み手のニーズに合わせないといけません。
STEP5 調査・企画・構成(ストーリー)
ホワイトペーパーの中身となる情報を集めて、どのような見せ方をしたらいいのか、調査・企画・構成を行っていきます。
何もないところからは生み出せないのと、後々で必要な情報が足らない場合は、企画・構成にも不足が生じて、大きなやり直しが発生する場合も。
最初の調査段階で、抜け漏れがないくらいに情報を集めていきましょう。
STEP6 ライティング
どのようなホワイトペーパーにするのか、調査・企画・構成で方針を定めたのなら、伝え方に磨きをかけていきます。
読み手が理解できる表現にしながら、的確かつ具体的な言葉を選んでいく。
そして企画やホワイトペーパーの種類にもよりますが、1スライドあたり200~500文字ほどの文章でまとめていきます。
STEP7 デザイン&レイアウト作成
中身が定まったら、どのような見せ方であれば、情報を最大限活かせるのかデザインを考えていきます。
しかし、ホワイトペーパーはアートではなくビジネス視点のデザインが必要です。
特に、見やすさ・読みやすさ・理解しやすさを高め、情報を明確かつ効率的に伝えることが優先されます。
内製と外注のメリット・デメリット
ホワイトペーパーは資料が作れるだけでは不十分です。
完成まで専門的なスキルや成功に裏打ちされたノウハウが必要なので、そのための人材をプロジェクトチームに含めなければいけません。
そのためリソースの関係上、内製では難しく外注を検討した方がいい場合もあるため、内製と外注の違いを確認しておきましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
内製 | ・自社製品・サービスや深い顧客理解を反映できる ・依頼会社側の利益になる余分な支払いはしなくていいのでコストが抑えられる ・コミュニケーションが取りやすい | ・制作に関わるリソースを十分確保できない場合がある ・専門性がなければ余計に時間がかかり費用が増える ・既存業務の優先度が高いため遅延する可能性もある |
外注 | ・専門性により高品質な納品物が得られる ・社内リソースがコア業務に回せる ・量産できる | ・外注費がかかる ・外注先の実力はピンキリなので失敗する可能性がある ・情報伝達がうまくいかず意図が伝わらない場合もある |
内製する場合のリソースとスキルセット
ホワイトペーパーを内製するのに必要なのは下記の3つ。
① 顧客理解(市場理解)
② 制作に十分必要な時間
③ スキル(調査・企画・構成・ライティング・デザイン・進行管理)
①以外は、専門性が求められるため、社内で賄えない場合は外注を選択肢にいれなければいけません。
外注する際のポイントとコスト
外注する場合に気を付けたいポイントは3つ。
① 依頼内容の精査
② 予算の確保
③ 依頼先の選定(最大3社へ相見積)
たとえば達成したい目標がきちんと定まっていないと、予算も確保できませんし、依頼先に対しては曖昧な表現を使うことで見積もりが高くなったり、求めたホワイトペーパーへ仕上がらない場合も。
制作を他社へ任せるなら、それなりの準備が求められます。
ホワイトペーパー作成のコツや注意点
求めたリードを獲得するホワイトペーパー作成にはコツがあります。
普段から制作している資料とは、少し違う考え方を持たなくてはいけません。
読者を引き込むためのコツ
セミナーや展示会など対面で渡せるならいいですが、オンライン上の施策であれば、一人一人に手配りしたり勧めることはできません。
そのため、ホワイトペーパーに興味を持ってもらい、読み手が自ら手に入れたいと思わせる工夫を入れていきます。
- 表紙のデザイン性
- ニーズへ刺さるキャッチコピー
- 入手までの導線を最適化(例:webならページ内にバナーを設置)
効果的なデザインとレイアウト
視覚的な魅力を引き出すには、3つのポイントを意識していきます。
① 整列させる
② メリハリを付ける
③ 図表やインフォグラフィックを入れる
ポイントは情報に差を付けること。
どれだけ魅力的な情報だとしても、興味を持って見てもらえる内容は少ないため、大事な情報とその他の情報で明確な差をつけていきます。
視覚的な差があれば、必然的に目線を誘導できるため、見てもらえる確率は高まります。
ターゲットに合わせたパーソナライズ
読み手(ターゲット)一人一人で、今興味を惹かれる情報はタイミングや状況によって変わります。
たとえば、今すぐ課題を解決したい方へ、将来的に発生しそうな課題の解決方法を説明しても自分事にならず、手に取ってもらえません。
一人一人に合うホワイトペーパーを作れるなら最高ですが、リソースには限りがあり、タイミングに合わせて提供するのも難しい。
そのため、ある程度セグメント分けしたホワイトペーパーと、それに合うダウンロード用の記事コンテンツやランディングページをセットにすることで、ダウンロード率を高めるのがポイントです。
作成時に避けるべきミス
作り手側は知っていることでも、読み手には専門知識が不足しているケースが多いため、業界的な表現や用語が伝わらないこともあります。
ホワイトペーパーはじっくり読み理解してもらえるものではないため、なるべくスッと理解できる状態まで仕上げる必要がある。
他にも、全体を通して口調がバラバラになっていたり、一貫性のないトーン&マナーになっていれば、読みづらさが生まれて途中で読むのを止めてしまうかもしれません。
ホワイトペーパーの活用方法
ホワイトペーパーは1つあるだけで、さまざまなシーンで活用できるため、費用対効果はとても高い。
主に7つの活用ポイントを見てみましょう。
1. リードジェネレーション
見込み顧客を獲得するリードジェネレーションで、ホワイトペーパーが貢献します。
オンライン上で行われる一般的な取り組みとしては、社名・氏名・電話番号・メールアドレスなどビジネス上の個人情報を送信する代わりに、ダウンロードができるURLを提供する方法です。
自社の専門領域を示したり、掲載している記事コンテンツとセットにすることで、より多くのリードが獲得できます。
2. リードナーチャリング
獲得したリードに対して、定期的にコミュニケーションを図るため、メールマガジン等でホワイトペーパーを提供するのがリードナーチャリングです。
継続した専門性・権威性の発信で、信頼性が積み重なり、見込みは引き上がっていく。
見込み顧客がビジネス上の相談が必要になったタイミングで、真っ先に思い出してもらいやすくなるため、商談の発生率が高められます。
3. セールスに役立てるスコアリング
リードジェネレーションからリードナーチャリングの過程全てで、見込み顧客の行動一つ一つにスコア(点数)を付け行動把握を行います。
たとえば、初級者向けより上級者向けのホワイトペーパーをダウンロードした方が見込みが高いと判断できるため、スコアを高めに付ける。
スコアが低い状態よりも高い状態でアプローチをした方が、話を聞いてもらえる確率が高いため、営業すべき見込み顧客が絞り込めて無駄な営業活動が減り、効率的なセールス活動ができます。
4. マルチチャネルでの活用
ダウンロードによる提供だけではなく、
- セミナー(ウェビナー)でプレゼント
- 展示会で提供
- SNSで配布
他にも、見込み顧客とのあらゆる接点で活用できるため、1つで3役も4役も使えます。
5. 過去コンテンツの再利用
ホワイトペーパーの作成には、調査・企画・構成など事前作業がいくつもあるため、ここで時間が取られやすい。
しかし、公式サイトやブログで提供している過去コンテンツ(記事・動画など)は、体系的に情報をまとめた状態で公開しているはずなので、そのままでもすぐホワイトペーパー化ができます。
過去コンテンツでホワイトペーパーが増やせるため、自社のアセットをどんどん活用できます。
6. データ収集による顧客インサイトの抽出
webサイトを通じてホワイトペーパーを提供するなら、経路や種類がデータとして収集できるため、見込み顧客が何を求めているのかニーズ・インサイトが抽出できます。
抽出データを活用して、営業・マーケティング戦略の調整や改善にも役立てられる。
今後のトレンドとホワイトペーパー
今まで専門的なビジネス情報を取得するには、企業からホワイトペーパーをダウンロード、または直接相談しなければ手に入りにくかった状態です。
しかし、企業の強みだった専門性は、今や誰もが無料で簡単にChatGPTなどのAIで、ある程度は入手できる時代となりました。
AIはインターネット上に掲載された過去情報を集めて、確実ではないものの、もっとも最適だと思われる情報を出してくれるため、すでに広まっている情報を提供しようとしてもAIに太刀打ちできません。
そのため、これからは専門性・独自性・網羅性など希少な情報のホワイトペーパー化がさらに求められます。
または、自社のファンを増やし、前提の知識がない状態から、長期的な取り組みで見込み顧客をフォローしていく、ホワイトペーパー制作前の取り組みが重要になりました。
まとめ
ホワイトペーパーは、営業・マーケティング活動に無くてはならない存在であり、見込み顧客の獲得から契約へ至るその全てで活用ができます。
基本的な価値である見やすさ・読みやすさ・理解しやすさは当然として、専門性・希少性をどこまで高められるか。
ホワイトペーパーのクオリティがさらに求められる時代であるため、品質向上に拘って作っていきましょう。