いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。意味合いが似ている言葉は、その違いを理解しておくと仕事が進めやすくなります。
売上を増やす、または組織力を強化したい時は何をすればいいのか。
候補として挙がるのは「ブランディング」です。
しかし、ブランディングとは何であるのか分かっていないと、似たイメージを持つ「マーケティング」と混同させてしまい、その理解のまま進めればトラブルになることも。
「ブランディング」と「マーケティング」の違いを、さまざまな視点からまとめています。
こんな状況の方にオススメ!
・ブランディングに興味が出てきた
・売上が横ばい(または低下)
・会社の将来に不安がある
ブランディングとは
ブランディングとは、自社の魅力・想い・強みなどを明確にし、社内外へ広め浸透させていく企業活動のこと。
結果としてブランドの影響力が高まり、売上増加などに貢献します。
しかし、売上等に関わるのであれば、マーケティングも同じことなのでブランディングと何が違うのか、イメージしずらいですよね。
「ブランディング」と「マーケティング」の違いを、詳しく見ていきましょう。
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違い① 範囲
ブランディング | ブランド戦略全体を推し進めること |
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マーケティング | アウターブランディング施策の一つ |
ブランディングは大きく分けると、社外向けのアウターブランディングと、社内向けのインナーブランディングになります。
それぞれに対して施策を行っていきますが、マーケティングはアウターブランディングの中の一つでしかありません。
たとえば、展示会へ出展して見込み顧客を獲得したり、テレビCMやインターネットを使った広告出稿。
対象範囲が違ってくるので、一番混同しやすいこの違いは、理解しておくのがオススメです。
違い② 成果が出るタイミング
ブランディング | 中期~長期(数カ月または数年後) |
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マーケティング | 短期~中期(すぐまたは半年~1年) |
ブランディングは継続して取り組むものであり、今何かをしたとしても、その成果を実感できるのはだいぶ後のこと。
その逆で、たとえばマーケティングとして広告出稿すれば費用をかけた分、望んだ範囲・相手・人数へ自社を知ってもらえるため、すぐに反応や成果が返ってきます。
実行する施策にもよりますが、成果が出るタイミングに大きな違いがあるのです。
違い③ 成果の持続性
ブランディング | 複利で指数関数的に伸びる |
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マーケティング | 徐々に落ちる |
ブランディングはすぐ効果を実感できない代わりに、やればやるほどブランド効果が広まり浸透することで、後々になって急激に伸びてきます。
マーケティングは、アイデア・企画・費用によっては出してすぐ大きな反響が得られるものの、目新しさが無くなったり実行コストがかさんでいくため、徐々に失速する可能性が高い。
お客様の趣味嗜好の変更によって、都度マーケティング施策を練り直す必要もあり、一つの施策だけでは継続した恩恵を受けにくい特徴があります。
違い④ 影響を与える対象
ブランディング | 社外(アウター)・社内(インナー)の両方 |
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マーケティング | 社外(アウター)に対してのみ |
ブランディングは、社内外の両方に対しての施策であり、さらには深層意識や記憶にも影響を与えていきます。
意識など人間の内面にまで影響を与えるのは時間が掛かる分、行動促進が期待できる。
その一方マーケティングは、社外に対してのみ影響を与える施策であり、製品・サービスの見え方を変えたり、瞬間的な購買意欲を高めるのに役立ちます。
違い⑤ 顧客と関わる長さ
ブランディング | ずっと継続して顧客と関わり続ける |
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マーケティング | 主に顧客との接点を作り売上に貢献するところまで |
ブランディングは一貫して顧客と関わっていきますが、マーケティングは顧客と出会うまで(前半)を主戦場にしています。
たとえばサービスを導入して頂いた方に関しては、さらなる売り込みを直接行うより、フォローを充実させた方が満足度が高まりやすくなる。
サポート人材にもインナーブランディングでブランドの浸透が出来ていれば、言葉使いや実対応の品質が維持・向上でき、その結果としてさらなる製品を購入、オプションの追加なども検討頂けます。
違い⑥ 戦略軸
ブランディング | ブランド戦略の方向性を考える |
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マーケティング | 目指したいブランドにより手法が変わる |
好き勝手にマーケティング施策を走らせても、結果としてブランドに貢献できていなければ、短期的な売上で止まってしまう場合も。
会社としては、費用対効果を高めたいので、単発より継続的な成果が目指せる、ブランド戦略に沿った手法を選ぶ必要があります。
違い⑦ やること
ブランディング | 同じメッセージを発信し続け浸透させる |
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マーケティング | さまざまな手法を用いて臨機応変に変えていく |
いつも言っていること、やっていることが違う人は、あまり信用できませんよね。
その原理と同じで、会社としては有言実行しているほど、信頼性が高まります。
ブランディングは、一貫して自社の魅力や強みを、凝縮した言葉・デザインを用いて、発信し続けることでもあるので、方向性を大きく変えることはそうありません。
マーケティングは、時と場合によって選ぶべき手法が違うため、臨機応変に変えていきます。
最後に。
「ブランディング」と「マーケティング」は、似ているようで、実は違った解釈が必要です。
ここが混ざっていると、本来目指したいブランド像、または成果が得られない。
ブランディングのみ、マーケティングのみで語ると失敗しやすくなるため、会社としての全体戦略を踏まえた上で「ブランディング」も「マーケティング」も考えていきましょう。