いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。会社の「らしさ」を表現し直したい、これからもっと攻めていきたい時は、リブランディングなどコーポレートブランドの刷新または調整(ブランディング)が必要になってきます。
ブランディングと聞けば、費用が高いイメージをお持ちかもしれませんね。
仕事をしている中で、日常から遠く離れた仕事がブランド刷新であるため、事前の情報不足や怖さもあって、過剰に費用を意識してしまう。
ブランディングの相場としては、範囲にもよりますが100~1000万ほどとなり、会社としてどうあるべきか、どこへ目指していくのかによって、何をするのか大きく変わるため、その分費用にもかなり幅が出てきます。
もちろん依頼会社による費用の違いもありますが、単純に言い表せない部分もあるため、まずは事前知識として、ブランディングの費用について覚えておきたい情報をまとめています。
この記事が、あなたのお役に立てられれば嬉しいです。
この記事は、著者がブランド・プランナー協会のブランド・プランナー2級の資格で得た知識・ノウハウも活用して執筆しています。
- 目次
- コーポレートブランディングの相場
- コーポレートブランディングの見積もり内訳
- コーポレートブランディングの費用例
- コーポレートブランディングの費用幅について
- コーポレートブランディングの見えづらい費用
- 費用をかけてまでコーポレートブランディングをする意味はあるのか?
- コーポレートブランディングの見積もり、どうやるの?
- コーポレートブランディングの費用を抑えるコツ
- コーポレートブランディングの費用トラブル
- コーポレートブランディングの費用でよくあるご質問・回答
\お役立ち資料/
コーポレートブランディングの相場
ブランディングを考える上で、知っておきたい情報が、ブランディングを行うための費用相場。
いきなり詳細から入っていくと情報過多で難しいため、順序良く費用を理解していくのに、依頼会社別の費用感からまずは見ておきましょう。
依頼先 | 対応フェーズ | 費用相場 |
---|---|---|
制作会社 | 中小企業 | 100~300万円 |
広告会社 | 中小企業~大手企業 | 200~500万円 |
コンサルティング会社 | 中小企業~大手企業 | 300~1,000万円 |
ブランディング特化会社 | 中小企業~大手企業 | 400万円以上~ |
依頼先によって、なぜこうも費用に幅があるのか。
注意としては、依頼先の違いだけが費用の違いになっているわけではなく、別の要因も含まれています。
相場はあくまで相場であり、あなたの会社が目指すことによっては、依頼先関係なく費用が低くも高くもなる。
ある程度はパッケージで、ブランディングとして行うべき施策はあるのですが、要件によって変わるので、費用算出はオーダーメイドだと思って頂く方が分かりやすいかもしれません。
依頼先が中小企業向け・上場/大手向け、どちらのフェーズに対応できるかによっても、費用に大きな違いが出てきます。
制作会社とは
制作会社は、クリエイティブ制作に特化している会社のこと。
強み:ロゴ、コピー、webサイト、パンフレット、チラシなどクリエイティブ単体
弱み:総合的なブランディング
コーポレートブランディングでは、ブランドを刷新するため、お客様の目に触れる対象全てを作り変える必要があり、クリエイティブに強い会社へ依頼すれば、ブランドを体現した表現を作り上げてくれます。
その反面、戦略設計・認知施策など、トータル的なブランディングには弱い。
広告会社とは
広告会社とは、広い範囲のステークホルダーに対して、ブランドをプロモーションするのに強みを持っている会社のこと。
強み:プロモーションや広告など
弱み:クリエイティブやコンサルティング
広告会社にも色々なタイプがあり、テレビ系からweb系など、得意領域は違ってきますが、ブランドを広い範囲へ認知させていくことは大得意。
その反面、圧倒的な認知施策に比例して、費用が高くなる傾向なので、どのようなブランディングを行いたいか決めてから選んでほしい会社。
コンサルティング会社
コンサルティング会社とは、数々の現場経験から導き出された、圧倒的なノウハウを用いてブランディングを進めてくれる会社のこと。
強み:調査・課題抽出・戦略策定、マーケティングなど
弱み:クリエイティブ系など
成果が出せる情報を大量に保有しており、有効活用しながらブランディングを推し進めてくれるので、失敗が少なく費用対効果が高いと言えます。
その反面、会社自体のブランド力から、費用が高くなる傾向。
ブランディング特化会社
ブランディング会社とは、ブランディングに特化した専門家集団のこと。
強み:調査・課題抽出・戦略策定・マーケティングなど
弱み:費用の高さ
特化している関係で、ブランディングに手が出しやすい大手クライアントの実績が多く、上場・大手など規模の大きな企業様向けのブランディングを得意としています。
その反面、本格的すぎるブランディングによって、中小企業様にとっては費用が高く手が出しづらいと感じるかもしれません。
コーポレートブランディングの見積もり内訳
コーポレートブランディングの費用は、少なくとも数万円で済むことはなく、最低でも100万円はかかると思っておいた方がいい。
漠然と100万円・300万円・500万円…と金額だけ見ても、あまりイメージが付かないと思うので、何にどのくらいの費用がかかるのか、内訳を確認しておきましょう。
下記の費用内訳表は、ブランディングを行う上で、一般的にかかる費用ではありますが、どれか一つだけを行っても意味がなく、目的に応じて複数の組み合わせが必要となるため、最低でも前提として費用は100万円ほどになる。
項目 | 費用感 | 実施内容 |
---|---|---|
ワークショップ | 15万円~ | 社内に対してブランディングの事前知識を提供し全社一体になるための場(または研修) |
キーマンインタビュー | 20万円~ | 代表取締役やブランドを体現している人材に対するヒアリングでブランドの元になる情報を抽出 |
社内 or 顧客アンケート | 20万円~ | 社内全体またはブランドを感じてくれている顧客へインタビューやアンケート |
戦略策定 | 20万円~ | ブランド要素をインタビュー・アンケートで抽出した後はどのように進めるべきか戦略を練る |
コピー開発 | 50万円~ | ブランドメッセージ・タグライン・ミッションなどのコピーを開発 |
ロゴ制作 | 20万円~ | ブランド要素を抽出後にブランドを体現したシンボルをデザインとして可視化 |
名刺作成 | 15万円~ | ブランディング後に使う新しい名刺の作成 |
パンフレット・チラシ作成 | 15万円~ | ブランディング後に使う新しいパンフレット・チラシなど販促物の作成 |
コーポレートサイト制作(リニューアル) | 100万円~ | ブランドを体現した公式サイトへリニューアル(存在しない場合は新規作成) |
採用サイト制作(リニューアル) | 100万円~ | ブランドへ共感してくれる求職者を効率的に見つけて応募まで進んでもらうためのwebサイト |
オウンドメディア構築(リニューアル) | 100万円~ | ブランディングの過程でオウンドメディアの必要性が発覚した場合は新規作成(またはリニューアル) |
動画制作 | 50万円~ | ブランドを体現した公式の動画を制作 |
資料作成 | 20万円~ | 社内で使う共通資料のフォーマット作成やマーケティング用のホワイトペーパーなどを作成 |
ノベルティ作成 | 50万円~ | オフラインで活用するグッズの作成(ペットボトルのラベル、ペン、ステッカーなど) |
ブランディング後のサポート | 20万円~ | ブランディングして終わりにしないため社内・社外にブランドを浸透させていくためのサポート |
プロモーション | 100万円~ | 社外に向けてブランドを浸透させていくための支援 |
仮にこの表の内容をすべて行うなら、最低でも500万円はかかります。
ただ、あなたの会社に必要なブランディングとしては不要な項目もあり、簡単に費用だけで算出することは出来ません。
たとえば「コストを抑えたい」「安くすませたい」と思えば、どんどん実施内容を外すと安くなるのですが、結果的にブランドの統一感を失ったり、見た目だけのブランディングになるケースもあるため、慎重な取捨選択が必要です。
ブランディングは点ではなく、点をつなげて線から面にしていくイメージだと分かりやすいと思います。
コーポレートブランディングの見積もり例
予算の都合上最低限で進めたい場合
ブランディングは行いたいが費用を抑えたい最低限のパターン。
項目 | 単価 | 数量 | 費用 | 補足 |
---|---|---|---|---|
インタビュー | ¥50,000 | 5名 | ¥250,000 | レポート含む |
ワークショップ | ¥100,000 | 2回 | ¥200,000 | レポート含む |
コピーライティング | ¥200,000 | 3 | ¥600,000 | ミッション・ビジョン・バリュー |
プロジェクトマネジメント | ¥500,000 | 1 | ¥500,000 | コミュニケーション等 |
小計 | ¥1,550,000 | |||
消費税 | ¥155,000 | |||
合計 | ¥1,705,000 |
ブランドの再構築までの場合
ブランドの再構築をメインにして、反映や浸透は自社で行っていくパターン。
項目 | 単価 | 数量 | 費用 | 補足 |
---|---|---|---|---|
インタビュー | ¥50,000 | 10名 | ¥500,000 | レポート含む |
ワークショップ | ¥150,000 | 2回 | ¥300,000 | レポート含む |
アンケート | ¥100,000 | 1回 | ¥100,000 | 設計・集計 |
コピーライティング | ¥200,000 | 4 | ¥800,000 | タグライン・ミッション・ビジョン・バリュー |
プロジェクトマネジメント | ¥500,000 | 1 | ¥500,000 | コミュニケーション等 |
小計 | ¥2,200,000 | |||
消費税 | ¥220,000 | |||
合計 | ¥2,420,000 |
総合的なコーポレートブランディングの場合
コーポレートブランドを丸ごと見直し、ブランド再構築後の反映までを行った見積もりパターンとなります。
項目 | 単価 | 数量 | 費用 | 補足 |
---|---|---|---|---|
インタビュー | ¥50,000 | 15名 | ¥750,000 | レポート含む |
ワークショップ | ¥150,000 | 3回 | ¥450,000 | レポート含む |
アンケート | ¥100,000 | 3回 | ¥300,000 | 設計・集計 |
コピーライティング | ¥200,000 | 5 | ¥1,000,000 | ブランドメッセージ・タグライン・ミッション・ビジョン・バリュー |
ロゴ | ¥200,000 | 1 | ¥200,000 | 3パターン |
名刺 | ¥150,000 | 1 | ¥150,000 | |
資料 | ¥200,000 | 2 | ¥400,000 | 会社資料・サービス資料 |
webサイト | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | リニューアル |
プロジェクトマネジメント | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | コミュニケーション等 |
小計 | ¥5,250,000 | |||
消費税 | ¥525,000 | |||
合計 | ¥5,775,000 |
大企業向けにフルサポートした場合
ブランドの再構築・反映・浸透まで継続的にブランド効果を波及させるため、コンサルティングだけでは終わらず、しっかりと成果物へ全て反映させた見積もりパターン。
項目 | 単価 | 数量 | 費用 | 補足 |
---|---|---|---|---|
インタビュー | ¥50,000 | 20名 | ¥1,000,000 | レポート含む |
ワークショップ | ¥150,000 | 5回 | ¥750,000 | レポート含む |
アンケート | ¥100,000 | 5回 | ¥500,000 | 設計・集計 |
コピーライティング | ¥200,000 | 5 | ¥1,000,000 | ブランドメッセージ・タグライン・ミッション・ビジョン・バリュー |
ロゴ | ¥400,000 | 1 | ¥400,000 | 3パターン |
名刺 | ¥150,000 | 1 | ¥150,000 | |
資料 | ¥200,000 | 5 | ¥1,000,000 | 会社資料・サービス資料・DL用・マーケティング用・フォーマット化 |
webサイト | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | リニューアル |
採用サイト | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | リニューアル |
ノベルティ | ¥500,000 | 1 | ¥500,000 | ペン・ステッカー・ボトル等 |
プロモーション | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | |
プロジェクトマネジメント | ¥1,500,000 | 1 | ¥1,500,000 | コミュニケーション等 |
ブランディング後のサポート | ¥200,000 | 6 | ¥1,200,000 | ※ 6か月 |
小計 | ¥11,000,000 | |||
消費税 | ¥1,100,000 | |||
合計 | ¥12,100,000 |
クリエイティブは何案も出してもらえる?
ブランドを体現する・具現化するツールは必須なので、ロゴ・ホームページ・営業資料など販促ツールの全てに印象や発言を統一したクリエイティブを用意していきます。
たとえばロゴやキャッチコピーを開発する過程では、数十~数百の試行錯誤をしており、実際に提案されるのはその中から厳選された2~3つ。
ただ、費用が安いと試行錯誤できる時間が限られ、洗練さが欠けてしまう場合もあります。
安く契約出来て嬉しい反面、ブランドのクリエイティブが弱まる可能性はあることは覚えておきましょう。
部分的なことは安い会社へ発注してもいい?
ブランディングのために行っておきたい対応内容は、ある程度決まっています。
そのため、コアな部分だけブランディング対応可能な会社へお願いして、制作などクリエイティブの部分は安い所に発注すればいい、こんな考えも生まれるかもしれません。
しかし、ブランディングにはブランドを理解して推進してくれるプランナー・ディレクターの存在が必要不可欠であり、経験がなければ自社で取りまとめて、部分的に発注を繰り返すようなことは非常に難しいと言えます。
ロゴ、webサイト、広告…一般的な言葉にすれば分かりやすいのですが、ブランディングはこれら一つ一つではなく全体の掛け合わせなので、可能であれば依頼する1社に全てお任せして、ブランドの体現を目指していきましょう。
ブランドを体現させることは難しく、理解度が低ければ、単なる見た目の自己満足で終わってしまうケースもあるため注意が必要です。
コーポレートブランディングの費用例
実際に、コーポレートブランディングを行った場合、どのぐらいの費用がかかるのか。
この媒体(エンプレス)を運営する株式会社ファングリーは、今まで43社以上のお客様に総合ブランディングをご提供してまいりました。※ 2023年3月時点:中小企業様向け43社様の総合ブランディングをご支援
その経験から、知っておきたい費用の実例をまとめています。
企業様 | 費用 | 期間 | 実施内容 |
---|---|---|---|
自動車ディーラーの企業様 | 約200万円 | 約4カ月 | インタビュー・アンケート / 研修・ワークショップ / ブランド戦略レポーティング / ブランドコピー開発制作 / ブランドレギュレーション制作 / ブランドムービー制作 |
IT・サービスの企業様 | 約300万円 | 約6か月 | インタビュー・アンケート / 研修・ワークショップ / ブランド戦略レポーティング / 採用コピー開発 / 採用サイト制作 |
製造業の企業様 | 約400万円 | 約5カ月 | インタビュー・アンケート / 研修・ワークショップ / ブランド戦略レポーティング / ブランドコピー開発 / ブランドロゴ開発 / 公式サイト制作 / ブランドムービー制作 / パンフレット・名刺制作など |
ITシステム業の企業様 | 約500万円 | 約6か月 | インタビュー・アンケート / 研修・ワークショップ / ブランド戦略レポーティング / ブランドコピー開発 / ブランドロゴ開発 / サービス紹介資料制作 / ブランドガイドライン作成 / 会社パンフレット・名刺制作など |
食品業の企業様 | 約600万円 | 約6か月 | インタビュー・アンケート / 研修・ワークショップ / ブランド戦略レポーティング / ブランドコピー開発 / 公式サイト制作 / ブランドムービー制作 / ブランドレギュレーション制作 / 名刺・封筒制作など |
実施内容の違いで費用にも幅が出ています。
各社でブランディングを意識したキッカケも違えば、求める成果も違うため、実施内容も状況を見ながらオーダーメイドで組み合わせて対応。
もっと詳しく解説した事例は、資料にまとめているので、ぜひご確認ください。
コーポレートブランディングの費用幅について
ブランディングの費用は、実施する内容によって安くも高くもなります。
また、依頼先によっても変わるのですが、何が要因になって、ここまでの幅が出てくるのか。
費用の違いに、もっと深く踏み込んで理解できると、納得感を持って進められると思うので、違いの要因になるポイントをまとめていきます。
要因 | 補足 |
---|---|
人件費 | 給料が高い会社に依頼すれば費用も高くなる傾向 |
納期 | 納期を短くするとスケジューリングや人材確保によって費用が高くなる傾向 |
難易度 | 求める要件によっては費用が高くなる傾向 |
スキル(人材) | 高度なスキルまたは人材を確保していると高くなる傾向 |
依頼先のブランド | ブランド力のある会社は費用に反映されやすく高くなる傾向 |
対応可能な範囲 | 依頼先の対応可能な範囲が広いと実施可能な範囲も増えるため高くなる傾向 |
インナー・アウター | インナー(社内)・アウター(社外)の両方に向けたブランディングだと高くなる傾向 |
相場に幅があるのも、依頼先の状態に左右されることが多いからです。
たとえば無名の会社よりも、有名な会社の方が従業員も多い・経験豊富・社会的な信頼性がある・ノウハウが借りれるなど、状況がまったく違ってくる。
単純なコーポレートブランディングの相場はもちろん、依頼先によって状況の違いで費用差が出ることも覚えておきましょう。
インナーブランディング・アウターブランディングとは
インナーブランディング(社内向け):人事、評価、採用など
アウターブランディング(社外向け):営業、マーケティング、製品開発など
※ 本来は両方必要なので安いと片方が抜け落ちている場合も
悩みがそれぞれ違うからこそ費用も変わってくる
コーポレートブランディングを考え始めるキッカケは、危機感が多いかもしれませんね。
- 売上が落ちている…
- 競合の勢いが増している…
- 市場シェアが広がらない…
- 考えや体制が昔のまま…
- 退職者が出続けている…
- 会社に一貫性がない…
- 一体感が薄れてきた…
この他、色々な悩みはありつつも現状維持がいいと思っているわけではなく、次へ進もうとブランドの刷新を考え始めていると思います。
箇条書きとして出した悩みは、経営者・会社の悩みのほんの一部であり、適した解決策もそれぞれ違ってくる。
また、悩みが複雑・広がり過ぎて、どこから手を付けていいか分からないと、ブランディングの対応会社も「それなら全部お任せください!」と、元気にフルパッケージで提案してくれます。
自分たちの状況が分かっていないからこそ、見積もり時はモリモリの提案で費用が高くなっている可能性もあるので、見積もりを受け取るのも大事ですが、初回ヒアリングの時に、どれだけ依頼先のプランナーが悩みを引き出し、解像度を高めてくれるかに掛かってきます。
要件が曖昧だと悪循環になる
やりたいこと・やるべきことが明確にできないと、範囲が拡大しやすく結果的に費用へ転換されます。
そうなれば…
自社で要件が曖昧なまま相談
↓
広く対応すべきと判断され見積もりが高くなる
↓
これだけ高いならやめようかな…
↓
ブランディングの依頼を止めてしまう
↓
悩みの範囲が深く広がり続ける(例:売上が下がる)
↓
負のループ
どれだけ要件を明確にできるかがカギとなり、必然的に依頼精度が高まって、最適な依頼先に頼めると余計な出費も抑えられます。
要件が定まっていない状態で見積もりをすると、迷惑になると思われるかもしれませんが、プロに話すことで見えてくる部分もあるため、何社かにお声がけしてコーポレートブランディングについて話ながら整理していくのも一つの手です。
費用を高いと思ってしまうのは、なぜ?
費用自体ではなく、下記のような状況でも高く感じやすい傾向があります。
- 外部パートナーへ依頼時の成功体験が少ない
- 何をやるのか分からず恐怖が勝っている
- 社内稟議や社長に対する説明の難易度から難しく感じてしまっている
コーポレートブランディングは、1社が何度も経験することは少ないため、ほぼほぼ生涯1度か2度出会えればいい方。
初めてが基本なので、分からないことや怖さが勝ってしまうのは当然のことです。
そのため、本来適正な費用が出されているのに、その他の要因によって高く感じすぎてしまっているケースもあるため、色々な会社へ話を聞きながら、相見積をして比較しながら冷静になれる状況を作るのがお勧めです。
コーポレートブランディングの見えづらい費用
コーポレートブランディングを行うために見積もりをとれば、実施内容は明らかになり、数字として可視化された状態で費用が分かります。
しかし、見積書には反映されない、見えない費用が存在しているため、事前に確認しておきましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
パートナー選定 | コーポレートブランディングを依頼する会社の調査・見積・選定など |
社内調整 | プロジェクトの立ち上げ、メンバーのアサイン、代表への説明や提案、社内に対する事前説明、実施中の説明など |
フォードバック | ブランディング実施中の各種確認・指摘など |
ブランド維持 | ブランディングが一通り終わったあとも社内外にずれなくブランドを伝え続ける活動など |
効果検証 | ブランディング前後の成果の確認など |
これらはすべて、社内人材の稼働内容。
プロに依頼したとしても、動くのは依頼先の会社だけでなく、当然あなた自身または社内も大きく動かしながら、形にしていきます。
単純な依頼費用だけで見ていると、抜け漏れている隠れ費用もあったりするので、ある程度は考慮しておく必要がある。
また、こんな見方もできます。
安い:自身で動くことが多くなる
高い:プロが多くを肩代わりしてくれる
依頼先が何をどこまでしてくれるのか、可能な範囲にもよりますが、費用の違いにご自身(または社内)の対応量も含まれることは覚えておきましょう。
こんな状況だと費用に変化がある?
コーポレートブランディングの相場・費用を見ても、自社の場合はどうか気になりますよね。
依頼先の各社で働いてくれている人材も違えば、ミッション・ビジョンなど想いも違うので、状況・方針の違いによって他社が行った費用例は参考にならなうケースも。
そのため、他にはどのような要因で費用が変化するのか、下記の表も確認しておきましょう。
要因 | 説明 |
---|---|
設立年数 | 創業・設立してからの年数が長いと、それだけ多くの魅力的な情報が各所に眠っているため、掘り起こしたり見つけ出すのに時間もかかるので、費用は高くなる傾向。 |
従業員数 | 従業員数が多いとアンケート・インタビューなどブランド要素を抽出することや、ブランディング前後の情報伝達から管理までの時間もかかるので、費用は高くなる傾向。 |
業界 | 業界が費用に関係するこは少ないですが、競合の有無によっては調査に時間がかかったり、差別化戦略を練るのに費用は高くなる傾向。 |
企業ステージ | スタートアップ・中小企業・大企業など、企業としてのステージが違えば、実施すべきブランディングも変わるので、費用が安くも高くもなる。 |
費用をかけてまでコーポレートブランディングをする意味はあるのか?
今まで動かしたことがないような金額だと、慎重にならざるえないため、費用をかけてまでブランディングを行う必要はあるのか疑問に感じますよね。
それでは、他の経営者・企業様がコーポレートブランディングを検討し始めた時、どのような考えを持っていたのでしょうか。
- 会社のステージを上げるため
- 上場を目指すためステークホルダーに向けてイメージを変えたい
- 顧客を増やしたいため(結果として利益増)
- 社会との関わり方を再定義するため
- 今まで積み重ねを具体化するため
会社の成長であったり、従業員からお客様まで出会うすべてのステークホルダーに向けてブランド(らしさ)を伝えたい。
社会に対する、アプローチを見直すために、コーポレートブランディングという手段を選んでいるケースが多い傾向です。
それでは実際に、コーポレートブランディング後はどうなったのか、弊社の実例からお客様状況を抽出してみました。
ブランディング後のお客様の成果
製造業のお客様
ブランドを起点に全社一丸となり、新規取引を獲得。“大手1社下請け体質”からの脱却に成功した。
建設業のお客様
ターゲットに合わせたプロモーションと自社ブランドの訴求でファンを獲得!“開始5年で年間50棟達成”に大きく貢献。
食品業のお客様
2015年の支援開始以降、ホームページ経由で新規顧客を獲得し、月間取引件数が20件から40件になり売上も約2倍に!
自動車ディーラーのお客様
全車種併売化で販売店の差別化が困難になる中、地域No.1のCS力を軸にメーカーや地域との繋がり、その他販売店との違いを明確化することで優位性を確立した。
IT・サービス業のお客様
採用ブランドを明確化し、新卒採用初年度から120名応募を獲得。魅力を伝えるのが難しかったIDaas事業を、求職者に伝わる言葉とデザインにし共感を生んだ。
実際にブランディングを体験されて、お客様としては抱えていた課題をクリアにでき、成果として感じてもらえている様子が多くあります。
もっと詳しく解説した事例は、資料にまとめているので、ぜひご確認ください。
コーポレートブランディングの見積もり、どうやるの?
コーポレートブランディングの費用を決める大事な見積もりは、どのように進めればいいのか。
まず基本は相見積を行い、最低でも2~3社にはお声がけしましょう。※ 7社も8社も見積もり依頼すると余計に時間がかかるので3~4社くらいまでが丁度いい社数でもあります
この前提を元に、流れをまとめていきます。
費用が高くなる原因は、要件が曖昧でムダに対応範囲が広がっているか、求めたブランディングに合わない規模感の依頼先を選んでしまっていることに起因するため、依頼精度を高めたうえで見積もりを進めていきましょう。
STEP1 ブランディングの知識を増やす
いきなりインターネットで検索して、検索結果の上の方(広告出稿している会社)から順番にコーポレートブランディングが対応できる会社へ相談を入れる。
たしかにこの方法だと早いですが、絶対的な知識量が足りず、相手の知識量に圧倒され、納得感のないまま依頼することで「こんなはずじゃなかった…」になりかねません。
「ブランディング出来ます!」と謳っている会社は、やはりそれなりの実戦経験とスキルを持っているため、変な話言いくるめられてしまう可能性だってあります。
また、費用も100万以上はしてくるので、ご自身が分かっていないこと社内に説明して承認を得るのも難しいと思うので、まずは少しでもいいのでブランディングとは何か、調べてから進めていきましょう。
基本的なことだけをまとめた資料もあるので、まずはこちらを眺めることから、始めてみるのもお勧めです。
STEP2 どのようなブランドを目指したいか社内で検討
見積時に費用がムダに高くなってしまうのは、自社の状態も把握できておらず、どんな目的でブランディングを求めているのか、担当者と経営層(取締役・役員など)の共通認識が取れないことにあります。
曖昧なまま見積もりを進めれば「これも必要」「あれも必要」となり、どんどん対応内容が追加されて費用が雪だるま式に増えていく。
- したいこと
- すべきこと
せめてこの2つの軸を明らかにしておき、依頼先の会社が適正に見積もりがとれるよう準備をしておきましょう。
何をすればいいかは、依頼先の候補会社が教えてくれるので、見積前にやっておきたいことは自社の状況や目指したいことを明確にすること。
STEP3 目的に合う依頼先の候補を探す
基本的にインターネットで候補会社のホームページを探しますが、事業内容やサービスに記載されている「ブランディング」の文字を少し探せば、簡単に30社40社と出てきます。
正直言って、この中から絞り込むのは、とても難しい…。
大手企業もやっていれば、中小企業から零細企業まで、それぞれが自社の強みを活かしたブランディングを提供しているため、そもそも候補探しの難易度が高い状態です。
また、会社として許容できる支払額もあると思うので、条件にマッチした会社を1社ずつ調べようとすれば、途方もない時間と労力と精神的ストレスが。
ただ、STEP1とSTEP2で、事前に調べた情報がなければ、候補探しはさらに難しくなるので、焦らず一つ一つ進めていきましょう。
あまり時間が無い…このような状態なら、まず下記のような会社に話を聞いてもらうのがお勧めです。
社名 | 株式会社ファングリー | ブランディングテクノロジー株式会社 | 株式会社揚羽 |
---|---|---|---|
サイト | |||
強み | 中小企業の領域 | デジタルの領域 | 大手の実績多数 |
費用感 | 100万円~ | 100万円~ | 要問合 |
※ 株式会社ファングリーは、今記事を見て頂いている媒体「エンプレス」を運営する会社です。総合ブランディングのご支援を43社以上経験しております。(2023年3月時点)
STEP4 依頼先を2~3社へ絞る
候補先をいくつかピックアップしたら、実際に見積候補を2~3社まで絞り込んでいきます。
絞り込んだとしても、見積を進めていくうちに全部合わないケースが出てくるので、STEP3で調べた他の候補の情報は消さずに、残しておくのがお勧めです。
ホームページを確認すると費用については「お問い合わせください。」「要問合」「ご状況によって変わるため…」と、費用提示されていないケースが多いのは、やはり目的によってやることが変わるため、事前の費用提示によるトラブルを防ぐためだと思われます。
STEP5 相談を入れてヒアリングを受ける
費用に大きく関わってくるのが、依頼先候補に相談を入れた後行われるヒアリングです。
まず基本的に、各社へ同じように条件や目的を伝えて、渡す情報は差異がない状態にします。
質問される内容は各社で違うのと、聞き取りをされるうちに色々と新しい要望が増えてくるかもしれません。
仮に要望が増えた場合は改めて、ヒアリングを受けた全部の会社へ伝えておき、なるべく条件や伝達情報は均一にしておきます。
STEP2で、自社の状況把握や目的が明確化できていないと、見積側も対応範囲を広げなければならず要件を増やして対応し、費用増大が確定するので注意が必要です。
STEP6 見積もりを作成してもらう
相談した会社に見積書を作ってもらうので、提出まで待ちましょう。
STEP7 見積もりの説明を受ける
見積書=提案が完成したら、書面をもらうだけではなく、改めて各社から説明を受けて内訳など細かいことを確認していきます。
どんなに最初の1社目の内容が良くても、残りの説明を聞かずに決めてしまうことだけはないように。
STEP8 話を聞いた上で要件を調整する
見積もりが出そろい、各社の違いも分かったら、改めて自社のブランディングはどうすべきなのか振り返る時間を持ちましょう。
なぜなら、各社からヒアリングを受けて色々話すうちに、ブランディングのイメージがもっと明確になってくるタイミングでもあるので、改めて自分たちで何をすべきなのか、どこがいいのか言語化してみる。
初回ヒアリング時は、ブランディングに関する事前知識と現実が繋がっておらず、明確になっていなかった部分もあったと思うので、精査した内容を改めて各社へ伝えて、見積=提案の内容を調整してもらいます。
STEP9 最終見積もりをもらう
最終的な見積もりを改めてもらいたいですが、何度も何度も条件を変えて見積もりの出し直しを依頼すると、どんなにいい会社でもお断りされてしまう場合も。
一番相性が良く、求めたブランディングを行ってくれる会社との関係が切れてしまい、失敗する原因にもなってしまうので注意が必要です。
STEP10 依頼先を1社へ決める
最終見積もりと提案を受け取って、依頼先を1社へ絞り込んでいきます。
最終決裁者(経営者等)の好みや、色々選ぶ軸はあると思いますが、最後的な判断軸は結局のところ担当者との相性や信頼感だったり人に起因するものが多いので、慎重になりつつも期待できる会社を選びましょう。
コーポレートブランディングの費用を抑えるコツ
ブランディングはお金がかかることなので、可能であれば安くはしたいですよね。
ただ、費用を無理に下げようとすれば、必要なことが抜け落ちたり、適正な手順が踏めずリソースがかけられないブランディングは、結果として後で崩壊します。
正しく費用を抑えるポイントは下記の3つ。
① 相見積をして各社を牽制する
② 無理を通さない
③ 安さで選ばない
すごく単純で、ビジネスシーンであれば当たり前のことかもしれませんが、だからこそ改めてそのメリットを確認しておきましょう。
① 相見積をして各社を牽制する
相見積とは、複数社に対して、同じ条件で見積もりを依頼し、比較することで適正な費用を見極めるための方法。
見積依頼時は、依頼側と見積側で、専門的な知識にかなりの差が出ているケースが多いです。
実施経験が少ない(または無い)ため知識がない例
・ブランディングをする
・コンサルティングを受ける
・webサイトをリニューアルする(新規作成も含む)
そのため、見積を受け取ったとしても、本当にそれが適正な費用なのか、提案内容は納得できるものなのか、1社だけに聞いても判断できません。
複数社に相談している事実を事前に話しておけば、見積側は下手なことができない(たとえば1社だけ法外な費用で見積もりをとるなど)ため、抑制機能が働いて費用の上昇が抑えられます。
複数社といっても、6社7社と多くなるほど、手間と時間がかかるため、2~3社の検討しやすい社数に落ち着かせて依頼するのがお勧めです。
② 無理を通さない
見積を依頼する側になると、どうしても気持ち的には上下関係的に、上の立場に感じてしまうことはあると思います。
「お金を出すのはこっちだから」と、思っていなくても、心の奥底には芽生えてしまうもの。
見積側はしたてに出てくるケースも多く、その気持ちが助長しやすい状況になるのはしかたありません。
ここで自社の都合を押し通し、見積側に無理をさせると、正直言えばブランディングのパートナー会社は熱量を下げて、良いアウトプットができなくなります。
費用を安くするのが目的なのか、ブランディングを成功させるのが目的なのか、改めて依頼側の品格を見せながら、適正な費用をお互いすり合わせながら探っていく方が健全だと言えます。
③ 安さで選ばない
「安くしたいのであれば、安いところで契約すればいい。」とは言えません。
「コーポレートブランディングの内訳」や「コーポレートブランディングの見えづらい費用」でも説明していますが、安さには安くなっている理由が必ず存在しています。
見積書の見た目上の安さを選んでしまったことで、張りぼてのコーポレートブランディングになるケースもあり、ブランドが機能せず大損害に。
その安さが納得できる理由ありの状態なら大丈夫ですが、そうでないなら選ばず、適正な費用を出してくれた会社を選ぶことで、結果として安くなります。
コーポレートブランディングの費用トラブル
コーポレートブランディングを何度も経験している方は少ないです。
どうしても初めてのことが多く、費用についても大きくなりがちなので、トラブルになる事案もあります。
事前にトラブル発生確率の高いケースを知っておけば、間違った費用には手を出さない・させないようにできるため、起こりやすい費用トラブルを確認しておきましょう。
トラブル1 高いと思って止めてしまう
コーポレートブランディングが初めてだと、多くの場合は「こんなに費用がかかるのか」と驚くと思います。
初めてのことであり、尚且つやることがたくさんあるため、それなりに費用が掛かってきてしまうのはしかたのないこと。
100万200万のような、あまり経験したことのない費用を目の当たりにして、怖くなるのは経営者(経営層含む)はみんな同じです。
ここで、コーポレートブランディングの目的が明確になっていない場合、高さを理由に止めてしまう方も。
それでは当初考えていた、ブランディングを通して、会社を次のステージへ引き上げるための目的が叶えられなくなってしまいます。
高さを理由に止めるのではなく、目的が叶えられるか違うのかで判断して決めるのが後悔しない決断になりやすいです。
トラブル2 言った言わない問題
「そんなの聞いていない」
「話が違うじゃないか」
「そうは思ってなかった」
コーポレートブランディングは、やることが多く、見積内容も細かくなってくるため、全てを聞き取り理解するのは難しいかもしれません。
聞き漏れ理解漏れが少なからず出やすくなり、言った言わない問題に発生することも。
かかると思っていなかった費用があったり、入っていると思っていた内容が入っておらず追加費用になったり。
さらには「この金額でこのクオリティはないよ」と、品質と費用の整合性を取ろうとしたときに、品質<費用になっていると、依頼側としては容認できません。
見積=実際内容となるため、内訳は細かく確認し、見積時のヒアリングやミーティングは、お互いの言った言わない聞いた聞いていないを避けるために、議事録や録音を残しましょう。
見積に含まれていないため「これはできません」と言われることが無いように、見積の詳細確認は必須事項です。
トラブル3 経営層と現場の費用感覚が合っていない
コーポレートブランディングは、経営層(社長・役員等)の意見がかなり重要になってくるため、動くのは現場ですが、細かい報告や意見の抽出などは経営層と密なコミュニケーションを取っておく必要があります。
また、経営層は現場よりもお金の感覚が鋭く、費用に対するシビアな目を持っています。
現場では納得できた費用も、経営層の感覚ではNGが出てしまう場合も。
経営層と現場の費用感覚を合わせておかないことには、どれだけ良い提案であっても通らないことがあるため、経営層とコーポレートブランディングについては綿密なコミュニケーションを取っておきましょう。
コーポレートブランディングの費用でよくあるご質問・回答
コーポレートブランディングの相場は?
依頼先の会社の特徴にもよりますが、部分的に行うのであれば100万円、総合的に行うのであれば600万円ほどはかかります。
コーポレートブランディングの費用を抑えるには?
相見積を行い見積もりの依頼先を牽制するのと、比較することで適正さが生まれてきます。
コーポレートブランディングで費用が高くなる原因は?
見積時に要件を曖昧にしたまま依頼すると、見積側はやっておいた方がいいと判断して実施内容が多くなるため、高くなる傾向です。費用を抑えるには要件を明確にしてから依頼するのがお勧めです。