いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。ブランディングのコンサルティング費用は、いったいいくらなの…?
ブランディングのコンサルティング費用は、その多くが人件費に関わるもの。
しかし、単純な人件費で計算することはできず、依頼側の目的や状況に応じて難易度・必要なノウハウが変わるため、その分も費用として含まれてきます。
どのようなポイントに費用が掛かるのか、または相場などブランディングのコンサルティングを受ける前に、知っておきたいお金の話をまとめています。
ブランディングのコンサルティングとは、企業の魅力や強みを分析し、戦略を作りながら言葉やデザインで可視化などを行う支援サービスのこと。
- 目次
- ブランディングのコンサルティング費用相場
- ブランディングのコンサルティング費用を知るには誰に見積もりを取ればいいのか
- ブランディングのコンサルティング費用の考え方
- ブランディングのコンサルティングの見積例
- ブランディングのコンサルティング費用が高くなる原因
- ブランディングコンサルティングの費用対効果
ブランディングのコンサルティング費用相場
ブランディングのコンサルティングサービスは、調査・分析・戦略策定・言語化・デザインなどの総合的な支援が受けられるため、費用相場としては最低でも100~400万円ほどになります。
ただ、コンサルティングを受けたい会社の目的や状況によっては、必要な支援内容が大きく変わるため、1,000万円以上もかかる場合がある。
たとえば中小企業と大企業で考えた場合、
中小企業:100~400万円
大企業 :400万円以上~
このくらいの費用を見込んでおく必要はありますが、中小企業であっても必要な支援が増えれば400万円以上にはなるので、あくまで相場感として捉えておき、正確な費用は見積もりを行いオーダーメイドで出してもらうしかありません。
\相場の参考情報/
ブランディングのコンサルティング費用を知るには誰に見積もりを取ればいいのか
ブランディングの「コンサルティング」と一言でいっても、さまざまな企業がサービスとして提供しているため、依頼先によって費用が大きく変わってきます。
仮に大手のコンサルティング会社へ相談すれば、実績も知名度も抜群によく安心できますが、その分費用は高額になることも多いため、自社の要望や状況に合わない会社を選んでしまうと余計に払う可能性も。
適切なパートナー選びが大事であり、まずは各社によってどのくらい費用が違うのかを確認してみましょう。
- コンサルティング会社の系統
- ① 制作タイプ
- ② 広告タイプ
- ③ コンサルティングタイプ
- ④ ブランディング特化タイプ
① 制作タイプ
制作系のコンサルティング会社は、ロゴ・webサイト・名刺など制作物に対してブランドを反映させる、言語化・具現化に強みがあり、100~300万円は最低でもかかります。
ブランドを再構築したら、今まで使っていた販促物・ツールなどが合わなくなり、各種新しく作り直す必要が出てくるのですが、クリエイティブを得意とする会社へ頼めば、ブランドを思った通りの形にしてくれます。
参考費用
ロゴ制作 :20万円~
webサイト:100万円~
名刺 :15万円~
クリエイティブをもっと格安で制作してくれる会社は多いですが、ブランドの理解が低いと、クリエイティブに正しくブランドを反映できません。
そのため、制作物にこだわりたいのであれば、ブランドを理解した制作系のコンサルティング会社がお勧めです。
中小企業であれば、比較的費用も安く柔軟に対応ができる、制作会社を源流としたブランディングのコンサルティング会社がお勧めです。
② 広告タイプ
広告系のコンサルティング会社は、多くのお客様へブランドを広め浸透させることに強みがあり、200~500万円ほどかかります。
もしテレビCMなど大掛かりな施策を行えば、1,000万円単位で高くなるため、上記の相場感は中小企業向けのものになります。
参考費用
広告出稿:100万円~
動画作成:50万円~
資金に余裕があれば一気に市場への認知を取りに行ったり、ブランドを多くの方に知ってもらうことで成長が促せるような事業をしているなら、広告系のコンサルティング会社がお勧めです。
③ コンサルティングタイプ
コンサルティング全般を行っているコンサルティング会社は、調査・分析・戦略策定などブランドの根幹を作るための支援が得意であり、そのノウハウには通常では手に入らないような貴重な情報が多いためか300~1,000万円ほどと高くなる傾向です。
調査・分析・戦略策定にはじっくりと時間をかけ、今後の実行プランなど綿密に計画しながら、余すことなく知識を貸してくれる。
参考費用
ワークショップ:15万円~
インタビュー :20万円~
ブランディングのコアな部分を作るのは得意ですが、クリエイティブなどは自社が付き合いのあるパートナーに任せることもありますが、総じて包括的なブランディング支援が受けられます。
④ ブランディング特化タイプ
ブランディングに特化したコンサルティング会社は、最低でも400万円ほど費用がかかることが一般的です。
これらの会社は、通常のコンサルティング会社とは違いブランディングに特化しているため、高度な専門知識と経験を持つ専門家が揃っている。
国内外でブランド戦略を展開できる実力があり、上場企業・大企業・中堅企業などがブランディングの支援を求めて依頼されるような会社です。
ハイレベルなスタッフが揃うからこそ結果を出してくれますが、その分人材や組織の維持等が難しいため、人件費等の問題で高くなりやすい傾向です。
ブランディングのコンサルティング費用の考え方
なぜブランディングのコンサルティング費用はここまで変動するのか。
単に、相場や費用感を見ただけでは理解がしにくいため、費用を増減させる要素をまとめていきます。
- 費用の増減ポイント
- ① コンサルティングの範囲
- ② ブランドの現状
- ③ コンサルティング会社の体制・専門性
- ④ プロジェクトの期間・人材配置
- ⑤ 依頼側の企業規模
- ⑥ アウトプットの種類と質
- ⑦ 追加サービスの有無
① コンサルティングの範囲
どこまでの支援を受けるのかによって、費用が変わってきます。
ブランディングは、調査・分析・戦略策定・言語化・具体化(デザイン等)・浸透を順番に進めていきますが、目的によっては前半部分のみであったり、全て一式で受けたい場合もある。
全てコンサルティングとしては対応可能ですが、依頼側の目的や状況次第で、受けるべきコンサルティングの範囲が変わるため、ここが費用にも影響。
② 企業・ブランドの状況による難易度
1社で1ブランドだけの場合もあれば、複数のブランドを保有している場合もあります。
国内だけ、海外にも展開など、ブランドを広め浸透させたい範囲が企業によって変わり、これらが複雑に絡み合うため、難易度が大きく変わってくる。
他にも、社外には十分ブランドが浸透しているのに、社内にはまったく浸透していない。
複雑性が各社で異なり、コンサルティングとして含めるべき内容が違うので、費用にも反映されます。
③ コンサルティング会社の体制・専門性
百戦錬磨のコンサルティング会社へ依頼すれば、実績もノウハウも豊富なので安心ですよね。
依頼側は安心かもしれませんが、コンサルティング会社自身もブランディングをしており、専門家を育て維持する社内体制を整えるのに費用が掛かっている。
コンサルティング会社の状況によっても、費用が増減します。
④ プロジェクトの期間・人材配置
ブランディングの内容によっては、短期(数カ月)・長期(数年)と変わってきます。
毎月、コンサルティングを受けることになれば、対応する時間が増えれば増えるほど、費用も掛かってくる。
他にも、コンサルタントの人数やスキルレベル等、確保し続けるコンサルティング会社の負担が費用となって現れてきます。
⑤ 依頼側の企業規模
コンサルティングを受けたい企業規模が違えば、必要なコンサルティングの内容が変わります。
大企業なら大企業にふさわしいコンサルティング。
中小企業なら中小企業にふさわしいコンサルティング
スタートアップならスタートアップにふさわしいコンサルティング。
たとえば、大企業向けのコンサルティングをスタートアップが受けても、過剰な支援となり費用が高くなるだけ。
企業の規模感に合わせたコンサルティングが必要なので、費用が変わってきます。
⑥ アウトプットの種類と質
ただアドバイスを受けるだけでなく、コンサルティングの成果も出さなくてはいけないため、アウトプットが必要です。
調査・分析フェーズ | 戦略レポートなど |
---|---|
言語化・具体化フェーズ | ロゴ、webサイト、名刺、パンフレット、社章、資料、デザインガイドラインなど |
浸透フェーズ | 効果検証レポートなど |
ロゴなどのクリエイティブは、格安サービスで安く抑えることもできますが、ブランドを取り込んだクリエイティブは難易度が高く、制作系の格安サービスでは対応するのは難しい。
アウトプットの種類と質を担保するには、高い質の成果物を納品してくれる会社を選ばないといけませんが、それには高い費用が伴います。
⑦ 追加サービスの有無
知見を借りるだけがブランディングのコンサルティングではなく、中には依頼主側のブランド意識を社内で高めるために、セミナーやトレーニング用のワークショップを行う場合もあります。
他にも、最終的に自社だけでブランディングを自走させていくためのサービスや、毎月の訪問サービス・レポート提出など、追加オプションも提供されている。
追加サービスの有無によって、費用が変わってきます。
ブランディングのコンサルティングの見積例
見積を取る前に、ブランディングのコンサルティング費用のイメージがしやすいよう、相場を元にした見積もり例を確認しておきましょう。
私たちも総合ブランディングをご支援しており、現場としての費用感も含めて事例を出していますので、参考にして頂けますと幸いです。※ 中小企業様向けのブランディングを前提にした見積もり
項目 | 単価 | 数量 | 費用 | 補足 |
---|---|---|---|---|
インタビュー | ¥50,000 | 5名 | ¥250,000 | レポート含む |
ワークショップ | ¥150,000 | 2回 | ¥300,000 | レポート含む |
アンケート | ¥100,000 | 2回 | ¥200,000 | 設計・集計 |
コピー開発 | ¥200,000 | 3 | ¥600,000 | ミッション・ビジョン・バリュー |
ロゴ | ¥250,000 | 1 | ¥250,000 | 3パターン |
webサイト | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | リニューアル |
プロジェクトマネジメント | ¥1,000,000 | 1 | ¥1,000,000 | コミュニケーション等 |
小計 | ¥3,600,000 | |||
消費税 | ¥360,000 | |||
合計 | ¥3,960,000 |
この見積もり例は、コーポレートブランディングを行う上で、必要なコンサルティングとクリエイティブを融合させた費用です。
企業様の規模が違えば、調査対象者も増えたり、必要なクリエイティブが足りないのであれば制作物が増えたりと、費用が変わってきます。
他にも状況次第で費用が増減するため、費用の参考パターンを用意してみました。
企業規模や目的・状況違いによる費用の違い
比較例)市場規模の違い
項目 | 大企業 | 中小企業 |
---|---|---|
費用 | 1000万円~ | 100~400万円 |
市場 | 全世界 | 国内 |
従業員数 | 1,000人 | 100人 |
比較例)ブランディング目的の違い
項目 | 中小企業 | 中小企業 |
---|---|---|
費用 | 200~400万円 | 100~200万円 |
市場 | 国内の特定市場 | 国内の特定市場 |
目的 | コーポレートブランディング | 採用ブランディング |
比較例)必要なクリエイティブの違い
項目 | 中小企業 | 中小企業 |
---|---|---|
費用 | 100~200万円 | 400~600万円 |
目的 | コーポレートブランディング | コーポレートブランディング |
成果物 | MVV、コピー開発 | MVV、コピー開発、webサイト、資料、動画、名刺、社章 |
比較例)ブランドを広める範囲の違い
項目 | 中小企業 | 中小企業 |
---|---|---|
費用 | 200~400万円 | 1000万円~ |
目的 | コーポレートブランディング | コーポレートブランディング |
広告 | webCM | テレビCM |
比較例)時間軸の違い
項目 | 中小企業 | 中小企業 |
---|---|---|
費用 | 100万円~ | 300万円~ |
範囲 | ブランドの再構築・反映で終わり | ブランドの再構築・反映後は浸透まで継続してサポート |
たとえば、世界進出している企業が、国内市場向けのブランディングコンサルティングを受けてしまえば、世界への意識がなくなり、ブランドの再構築が正しくできないかもしれません。
ブランディングの基本的なコンサルティング内容は同じだとしても、難易度・期間などが変われば、結果として関わる人数・対応時間も増えて費用が高くなるため、見積を受け取るまで費用の高い・安いは判断しないようにしましょう。
ブランディングのコンサルティング費用が高くなる原因
ブランディングのコンサルティング費用を適正に保つには、各工程で適切な準備と管理が不可欠です。
特に、ブランディングへ入る前の4つのポイントが重要に。
余計な費用がかからないよう、高くなる原因をそれぞれ確認していきましょう。
現状把握
原因:自社の現状を正確に把握していない
コンサルティング会社へ相談する前に、自分たちのことをよく調べておく必要があります。
自社の強みや課題、そして今後の目標などは当然として、売上データ・顧客のエンゲージメント・社内の状況など、分かる情報はまとめておく。
ブランディングの支援を依頼した場合、改めて依頼先では調査・分析を行ってくれますが、見積費用においてはそれらが実行される前に算出されます。
情報が足りなかったり正確に渡せなければ、コンサルタントが誤った仮説に基づいてプランを練り、余分な施策や工程が入ってしまうかもしれません。
現状把握は、できるだけ正確な情報を集めるために行っておきましょう。
選定(相見積先)
原因:自社の規模や目的に合わないコンサルティング会社を選んでいる
コンサルティング会社もそれぞれ強み弱みがあり、得意としている範囲が各社で違ってきます。
そんな状況の中、自社のニーズに合っていないコンサルティング会社へ相談してしまうと、不必要なサービスが含まれる、または必要なサービスが入っていないことで、後々修正が高額になる場合も。
有名だから、口コミがいいから、安いから、選定基準は色々ありますが、自社のブランディングを進めてくれるパートナーとして、本当に適切かどうかを判断した上で相談を入れましょう。
打ち合わせ
原因:要件を正確に伝えられていない
複数社を選定できたら、実際に打ち合わせを行い、ブランディングの要件を伝えていきます。
このタイミングで、現状や期待する成果を適切に伝えられないと、コンサルティング会社が誤解または親切心からフルサービスを提供しようとして、費用が高くなる場合もあります。
他にも、相談していくうちに要件がコロコロ変わったり、各社へ違う内容で見積もりを頼んでしまうことで、相見積の意味もなくなってしまう。
軸はぶらさず一貫した情報を伝え、もし要件が変わったのであれば各社へ調整を依頼し差異がない状態にしましょう。
見積もり
原因:見積内容を精査できていない
受け取った見積もりに対して、そのまま合意をするのではなく、改めて目的・提案内容・費用を照らし合わせて再検討が必要です。
見積=実施内容となり、書かれていないことは対応してくれません。
後々抜け漏れで追加になったり、途中でムダなコストが発生する場合もあるため、見積内容を精査した上で契約へ進めましょう。
ブランディングコンサルティングの費用対効果
ブランディングに成功するとお客様が途切れず、組織も活性化して成長は加速していきます。
しかし、企業にとって将来的な成長は欲しいですが、コンサルティングを受けるための費用捻出はツライものがあります。
最低でも100万円はかかり、一般的なブランディング支援を受けるなら400万円ほどは想定しておく必要がある。
短期的な成果が難しく、初期投資から成果を感じるまで時間はかかるため、費用対効果を理解しておくのがお勧めです。
ブランドの認知度が向上
効果:口コミが広がったり広告の効率が高まる
自社のターゲットに知ってもらう、またはブランドの魅力を理解してもらえると、営業やマーケティングを介さずとも、お客様から接点を持ってくれたり顧客となってくれます。
新規顧客の開拓費用も下がり、少ない予算でもお客様が増えていきます。
顧客のエンゲージメントが向上
効果:既存顧客からの購入・申込が増えて販管費の削減に繋がる
ブランドの魅力が広まることで関係が向上し、話も聞いてもらいやすくなる。
リピーターへ繋がったり、長期的に安定した売上にも貢献してくれます。
市場における差別化が明確になる
効果:強みが明確になり他社との差別化が図れる
競合他社との違いをハッキリさせることで、市場において優位性が確立できます。
価格競争に巻き込まれず、ブランドの魅力を理由に購入・申込が増えていく。
ムダのないマーケティングプランが立てられる
効果:必要な施策にだけ予算がかけられる
ブランディングによって、自社や顧客への理解が深まり、ブランドに沿わないものは外すなど判断軸も明確にもなるため、本当に今必要な施策にだけ予算を投資できます。
将来的な計画も立てやすく、現場としても明確な基準がある中で進められるため、コミュニケーションロスも防げる。
従業員エンゲージメントの向上
効果:従業員の士気が高まり組織力の向上によって業績が高まる
明確なブランド(ミッション・ビジョン・バリュー)が、社内の活性化に繋がり、生産性が高まるだけでなく、採用面においては離職が減り、優秀な人材が集まることで、組織力も高まっていきます。