製造業にはホワイトペーパーが必要なのか?

  • | 公開 2025年09月16日
ホワイトペーパー
製造業にはホワイトペーパーが必要なのか?

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。製造業ではホワイトペーパーを持っていた方がいいのか?この疑問をさまざまな視点から解説しています。

日本の製造業は、長年にわたり世界をリードしてきました。

ネジ、板金、半導体…私たちの生活に欠かせないあらゆる製品は、緻密な技術と、膨大な知識を持つ専門家(専門企業)によって生み出されていますが、それらの技術や特許も、お客様にその価値が伝わらなければ、いずれは埋もれてしまいます。

「せっかくの製品が、なぜか売れない…」
「展示会で名刺交換はするものの、その後の商談につながらない…」

その原因は、お客様に有益性を伝えきれていないことにあるのかもしれません。

そして、そのお悩み解決に役立つ鍵となるのがホワイトペーパーです。

ホワイトペーパーとは、お客様の抱える課題を解決するために、役立つ情報をまとめた資料のこと。

専門的な内容をわかりやすく整理し提供することで、お客様との信頼関係を築き、最終的には売上へつなげるための重要なツールとなります。

では、なぜ製造業にとってホワイトペーパーが欠かせないのか、そしてどのように活用すべきか、具体的に見ていきましょう。

ホワイトペーパーを学ぶ
ホワイトペーパー簡易テンプレート付

製造業ではホワイトペーパーをどう使っている?

あなたは「ホワイトペーパー」という言葉が、聞き慣れていないかもしれませんね。

しかし、実は私たちの身の回りに、多くのホワイトペーパーがすでに存在しています。

特に、製造業で大きな成功を収めている企業は、このホワイトペーパーをうまく活用して、成長につなげています。

そのため、大手企業がホワイトペーパーを活用している事実は、その効果が証明されているに他ならず、ホワイトペーパーは企業の規模にかかわらず、成長を後押しする重要なツールだと言えます。

例①:株式会社キーエンス(精密機器)

製造業におけるホワイトペーパー活用事例:株式会社キーエンスの事例です。出典:https://www.keyence.co.jp/downloads/

キーエンスは、センサーや測定器など高価で専門性の高い製品を扱っています。

これらの製品は、顧客が購入を検討する際に、徹底的に情報を集めるため、技術資料やノウハウをまとめたホワイトペーパーを多数公開し、顧客の疑問・課題の解決をサポートしている。

その時に起こす顧客のアクション(webサイト閲覧や資料ダウンロードなど)をデータ化し、マーケティングに活用することで、安定しつつ継続的な成長を遂げています。

例②:パナソニック ホールディングス株式会社(電機)

製造業におけるホワイトペーパー活用事例:パナソニック ホールディングス株式会社の事例です。出典:https://holdings.panasonic/jp/corporate/investors/library/

パナソニックは、家電から業務用設備まで幅広い製品を手掛けています。

それぞれの事業や製品に合わせたホワイトペーパーを用意することで、多様な顧客のニーズに応え、信頼を築いています。

例③:三菱重工業株式会社(重工業)

製造業におけるホワイトペーパー活用事例:三菱重工業株式会社の事例です。出典:https://www.mhi.com/jp/recruit/shinsotsu/recruit/download/

巨大なタービンや航空機など、スケールの大きな製品を扱う三菱重工業。

企業としての信頼性や技術力を伝えるために、技術論文や企業レポートなど専門性の高い資料を公開しています。

製造業にとってのホワイトペーパーとは

ホワイトペーパーには、いくつかの種類があります。

この記事では、企業が目的達成のために作られた、お客様向け資料全般をホワイトペーパーと呼び、具体的にどのような内容があるのか下記でまとめていきます。

項目説明
カタログやパンフレット製品の特徴や仕様、価格をまとめた資料です。
製品説明書やマニュアル製品の使い方や、性能を最大限に引き出すための方法を説明した資料です。
比較表自社製品と他社製品の性能や価格を比較し、自社製品の優位性を明確にする資料です。
技術報告書(技報)新しい技術や研究開発の成果について、専門的な視点で解説した資料です。
業界動向レポート特定の業界の最新トレンドや市場の分析をまとめた資料です。
統合報告書企業の経営戦略や財務状況、環境への取り組みなどを包括的にまとめた資料です。

これらの資料は、お客様が製品を選ぶ際に必要な、多角的な情報を掲載しています。

つまり、製造業におけるホワイトペーパーとは、専門的で難しい情報を、お客様目線でわかりやすく整理し、自社の技術力や製品の価値を深く理解してもらうためのツールとなっている。

たとえ小さなネジひとつでも、それを製造するには特殊な技術や、莫大な研究開発費がかかっているかもしれない。

その背景にある「すごさ」や「努力」をお客様が理解すれば、単なる部品ではなく、信頼できるパートナーとしての認識が生まれ、商談や契約にまで発展する可能性が高まります。

たった1つのホワイトペーパーが、大きな受注に繋がる可能性も作り出せるので、製造業であれば持っていて損はありません。

製造業におけるホワイトペーパーの必要性

製造業のビジネスは、一つの受注が大きな利益につながる一方で、決定するまでにはとても長い時間と労力がかかりますよね。

たとえば、トヨタのような大企業が、新しいサプライヤーと契約を結ぶ流れを想像してみると、ネジのような小さい部品であっても、品質や供給の安定性は完成品の安全性に直結するため、取引先の決定には数カ月から1年以上かかることもありそうです。

そのため、改めて一般的な製造業の取引フローを見てみましょう。

項目目安説明
・情報収集
・候補選定
3~6ヶ月複数のサプライヤー候補から、技術力や実績などの情報を集めます。
・技術評価
・テスト
6ヶ月~1年候補企業から提供されたサンプルを、徹底的にテストして品質を確認します。
・工場監査
・現場評価
3~6ヶ月実際に工場を訪問し、生産体制や品質管理システムが整っているかをチェックします。
・価格交渉
・契約締結
1~3ヶ月すべての評価を通過した上で、ようやく契約を結びます。

このプロセスは、単純に価格だけで判断するのではなく、品質・供給の安定性・技術力・コスト・そして工場や現場スタッフの稼働能力など、あらゆる視点から総合的に判断されます。

もし、この長い交渉期間中に、交渉相手が他社に決まってしまったらどうなるでしょうか?何カ月もかけてきた努力が水の泡となり、売上も上がらず、工場も停止しないといけない状況へ追い込まれるかもしれません。

このようなリスクを避けるためにも、常に複数の見込み顧客と関係を築いておくことが不可欠です。

ホワイトペーパーは、見込み顧客との接点を増やし、関係性を深める有効な手段であり、長い交渉期間を有効活用し、常に新しい商談の種をまくことで、企業としてのリスクを減らし、安定した成長を目指せます。

製造業がホワイトペーパーを持つメリット

ホワイトペーパーを用意することで、製造業にはどのようなメリットがあるのか。

重要なポイントを3つに絞って解説していきます。

1. デジタル資産の活用と費用対効果の向上

あなたの会社では、公式サイト・ブログ記事・SNS投稿・動画など、すでに多くのデジタル資産を持っていますよね。

しかし、これらの資産が単体で存在しているだけでは、その価値は発揮しきれていない可能性も。

ホワイトペーパーは、これら資産を連結させ、戦略的にマーケティング活動を行うのに最適です。

たとえば、ブログに掲載した複数の技術解説記事を一つのテーマに沿ってまとめれば、専門的なホワイトペーパーへ作り直すこともできる。

また、作成したホワイトペーパーの内容を動画にしたり、スライドにまとめてプレゼン資料にしたりと、様々な用途にも展開できます。

つまり、一度ホワイトペーパーを作成すれば、それを複数のチャネルで活用できるため、非常に高い費用対効果が期待できるのです。

2. 見込み顧客の獲得と関係性の構築

ホワイトペーパー最大の目的の一つは、見込み顧客(将来のお客様候補)との出会いを増やすことです。

ウェブサイトにダウンロードフォームを設置することで、ホワイトペーパーを読みたいお客様は、氏名・会社名・連絡先などの情報を入力。

この情報こそが、今後の営業やマーケティング活動に必要な「資産」となります。

さらに、獲得した見込み顧客に対し、定期的に役立つ情報や新しいホワイトペーパーを届けることで、関係性を深めていく活動をナーチャリングと言います。

これらの活動を通じて、顧客の課題を深く理解し、解決策を提案することで、商談や契約へとつながる可能性を高めます。

▼ホワイトペーパーで獲得できる2タイプの見込み顧客とは
タイプ① 顕在顧客
⇒課題を認識したり解決するため行動を起こそうとしているお客様
タイプ② 潜在顧客
⇒今すぐ課題を解決しようと思っていないが気にはなっているお客様

3. 企業の信頼性向上とブランディング

ホワイトペーパーの質は、企業のブランドイメージに直結します。

お客様が求める情報を丁寧に、かつ専門的に解説した質の高いホワイトペーパーは、「この会社は頼りになる」「この会社の技術は信頼できる」と、ポジティブな印象を与えます。

これは、ただ自社の自慢やアピールをしているのではなく、企業としての信頼性を高めるブランディングになる。

どんなに魅力的な製品でも、お客様にその価値が伝わらなければ、検討はしてくれませんし、当然購入にも至りません。

ホワイトペーパーを通じて、企業の技術力や問題解決能力を証明することで、お客様は安心して、あなたの会社を選んでくれる可能性を引き上げることができます。

まとめ

製造業にとって、ホワイトペーパーはもはや「あると便利」なツールではありません。

技術とビジネスをつなぎ、見込み顧客との出会いを創出し、将来の売上を左右する重要な存在。

まだホワイトペーパーを導入していない場合、まずは自社のブログ記事や技術情報などの魅力をまとめ、資料化することから始めてみませんか?

その小さな一歩が、あなたの会社を未来の成長へと導く大きな力になります。

ホワイトペーパーを学ぶ
ホワイトペーパー簡易テンプレート付

商談に繋がるホワイトペーパーの制作代行とは

プレゼン用の資料や、マーケティング用のホワイトペーパーなど、リソース不足で十分に作れない場合は、私たち資料サービス「エンプレス」へ、まず無料相談から始めてみませんか?

資料ダウンロード用ホワイトペーパー作成

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツ制作から運用、100社以上のお客様支援を通して得たノウハウもコラムで投稿中。
Twitter

貴社の製品・サービスをエンプレスへ掲載しませんか?