パワポのスライド内容は”プレゼン相手”の見極め方で決まる

  • | 公開 2021年03月19日
パワポのスライド内容は

「パワポの資料、本当にこれで十分かな…?」

企画や提案など、誰かの承諾をもらいたい時に、パワーポイント(PowerPoint)で作った資料を使い、説明する機会も多いですよね。

しかし、作っている途中で手段(資料作りのこと)が目的にすり替わってしまい、デザインや見せ方などテクニックや心理効果ばかりを求めてしまっていることも多い。

パワーポイントはあくまでも目的達成の手段の一つでしかなく、間違った道に進んでいたら、プレゼン相手が誰なのか意識しなおすことが大切です。

本来の目的である「合意を得る」または「承認してもら」ため、結果から逆算して必要なスライド内容を見ていきたいと思います。

このページを見てほしい方は?
・セールスやマーケティング職の方
・資料作りに苦手意識を持っている方
・いつもスライド構成に不安を抱えている方

パワーポイントのスライド内容を考える前の心構え

資料のスライド内容を考えるには、何の情報が必要なのでしょうか。

  • パワーポイントの使い方?
  • 自分が提案したい内容に関する情報?
  • 相手の心を動かす心理学?

これらは全て“パワーポイントで資料を作るための情報”でしかなく、本当の意味で“スライド内容”を考えるための情報ではありません。

よく起こりがちな状況としては、自分が言いたいことだけを詰めに詰め込んだ独りよがりな資料作成。

もし、あなたのプレゼン勝敗率が低い場合、自分が伝えたいことばかりをスライドの内容にしている可能性もあります。

単なる「資料」を作るのであれば、言いたいことだけ入れ込めば済みますが、改めて考えておきたいのは、その資料を見てほしい相手がいること。

資料を見てほしい相手を考えられるのは普通ではない?

資料を見てほしい相手より、自分が伝えたいことを優先してしまうのは当たり前。

相手のための資料を作る方が、圧倒的に難しいですよね…。

それがなぜかと言えば、「プレゼン」「企画提案」「営業」など目的達成が絡むと、どうしても気持ち的に勝気が出てしまったり、張り切ってしまうから。

モチベーションを高めることは、悪いことではありません。

しかし人は正直なもので、自分の感情が高まれば高まるほど視野が狭くなり、周りが見えなくなっていく。(恋愛に置き換えると周りがみえなくなる人多いですよね。)

周りが見えなくなれば、必然的に相手の気持ちや欲しい情報が考えられず、自分が伝えたいことばかりになりがちです。

必要なスライドは相手の顔がはっきり見えた時に初めて見えてくる

社内のマニュアルや、ルールブックなどであればまだいいですが、プレゼンともなると資料を見せる相手がハッキリ存在します。

相手には当然、知りたいことや、心・行動のスイッチを押すためのポイントが必ずある。

いきなり「買って買って!」と伝えて、買ってくれる人はいないですよね。

まずは相手が求める情報、そして納得するポイントをスライド内容として入れる必要があるため、情報を伝えたい相手が誰かハッキリと認識しておくことが大事。

プレゼン相手の前提も考えておく

パワーポイントの資料作りでは、情報を見てほしい・届けたい相手をハッキリと意識するのはもちろん、相手の前提を考えることも大切です。

例えば資料作りのデザインのことを、

  • 見た目を整えること
  • 情報設計のこと

どちらも正しいのですが、人それぞれで言葉に対する認識が違っており、その前提を理解しておかなければ、間違った受け止められ方をされてしまう場合も。

人は必ず、自分だけのフィルター(価値観や固定概念)を持っており、その人の当たり前がいくつも存在しています。

プレゼン相手のことを完全に理解、または状況を把握することは不可能ですが「その可能性がある」と考えておくだけでも、柔軟な対応ができるようになります。

プレゼンのパターンでスライドが変わってくる

プレゼンに必要な資料は、大きく分けて2パターン。

① 特定の人
プレゼン者 → 上司(決定権あり)
プレゼン者 → 社長(決定権あり)
プレゼン者 → 顧客(決裁権あり)

② プレゼン相手の意識の向け先
プレゼン者 → 上司(決定権なし)→ 社長(決定権あり)
プレゼン者 → 顧客(自社のお客様を満足させたい)→ 顧客のお客様(本当の意識の向け先)

例えば「スライドの内容も完璧!当日の説明でも納得してくれていた!」

いい感じで終われてよかったものの、結果的に失注やお断りされた経験はありませんか?

実際に用意されたパワーポイントの資料は、プレゼン相手の担当者に向けられたものであり、プレゼン相手側の本当の決裁者向けではなかったのが敗因だった…。

これはよくあることで、本当のプレゼン相手を間違えてしまったために起きたことです。

プレゼン当日に本当の決裁者がいなかった場合、説明した企業担当者から社内に持ち込まれ、さらに上司・社長へ情報が渡されますが、決裁者が求めていた内容を満たせていなかったため、結果として失注に。

資料を見てくれる相手の意識が、どこに向けられているのかを察知することが大切。

相手企業の深いところまで見えていないと分からないので難しいですが、そこが分かると何のスライドを用意すればいいか気付きやすくなります。

受注や契約をガンガン獲ってこれたり、資料の効果を最大限活用して勝ち続けている人は、相手が求めている情報をスライドとして可視化させ成果を上げています。

資料を見せたい相手との関係性・状況によって必要なスライドは変わってくる

パワーポイントで一生懸命に資料を用意しても、見てくれる人も、見ようとする場所も、見ることになった状況も、それぞれ違いますよね。

例えば、いつも通りに会社説明用として作った資料を下記のシーンで見てもらった場合を考えてみます。

既存クライアントに見せる
→ すでに知っている情報だらけ、見る価値が無いと思われてしまう

ウェビナーで使われる
→ 文字ばかりで見ずらい、さらにスライドさせるのが早くて情報を追えない

説明はなく資料のみが渡される
→ 単調な内容が続いたり、つまらなくなって途中で見るのを止めてしまう

それぞれのシーンを想定できていないと、資料を渡された相手は困りますし、自分のための資料ではないと感じ、マイナスイメージからマイナスブランディングにもなる。

資料が使われる状況の違いで、例えテーマが同じだったとしても、スライドの作り方はまったくの別物になります。

もう少し、どんな状況で、何のスライドを用意すればいいのか表にしてみました。

項目種類詳細
関係値すでに知り合い関係値があるため、本題へすぐ進められるスライドを用意する。
まったくの初対面まずは不信を払拭するためのスライドから入れる。
出会い紹介紹介先に配慮しつつ初対面と同じ状況なので信頼頂けるスライドから入れる。
プッシュいかに信じてもらえるか、信頼の証拠スライドから入れる。
プル信頼できる会社を伝えつつ本題へ入れるスライドを入れる。
接触リアル対面で説明できるためイラストや図解などを多めにしたスライドにして、細かい説明は直接話す。
オンライン画面が小さくなりやすいので中身の情報を大きめに作ったり見易さを重視して相手の反応を見るためにブリッジスライドを入れていく。
資料を見てもらうだけ直接説明できない分、必要な内容を多めに入れておく。最後には必ずCTA(コールトゥーアクション)を入れる。
人数1体1相手の好みや知りたいことを特に入れ込んでいく。
1体複数決裁権やリーダー格に興味を持たれる内容を把握しスライドとして入れておく。
1体多誰が見ても分かりやすいようイラスト・図解なども使い、自分が普段使っている言葉は相手が知らないと仮定してかみ砕いて入れる。
 

これらは一例ですが、状況によって必要なスライドが、まったく違いますよね。

特定の勝ちパターンを持っていたり、他人他社が成功していると言われているスライド構成を使ったとしても、状況が違えば逆効果になる場合も。

あなたが資料を見せたい人用に、完全オーダーメイドでスライドを用意する意識が、とっっっても大事です。

具体的なシーンを想定してみる

上記で見て頂いた表は部分的なことだったので、もう少し具体的なシーンを想定して考えてみたいと思います。

具体的にしやすい社内と社外の2つに分けてみます。

社内シーン

上司・社長から合意を取る

社内用に資料を用意する場合は、社内全員に合意を得るためにスライドを用意することは、ほぼ0に等しく、ほとんどが特定の誰かに向けた資料作りとなります。

特定の誰かの合意が取れれば先に進められるため、プレゼンまたは資料を提出する相手のことをトコトン考える。

例えば、新しいプロジェクトを進めたい場合に、用意した方がいいスライドは下記。

  • コスト面を納得させるスライド(費用対効果など)
  • 経営方針に沿ったプロジェクトであることを示す
  • 市場が伸びてて参入する余地がある調査データ

納得させる人は少ないですが、その分、会社としての文脈(経営方針など)を理解、または投資判断がしやすくなるスライド作成が大事です。

社内用のマニュアル作成

社内のみんなが使う資料を作る場合に忘れてはいけないのが、自分と他のスタッフさんの知識レベルに違いがあること。

普段周りのスタッフさんと関わっていても気づきずらいのですが、知識も経験もそれぞれの部署に所属している人で異なるので、例え同じ業界に属していても、知らない言葉、普段使わない言葉はたくさんあります。

その意識が抜けていると、資料を作ったとしても相手が結局読み解けなく使われないため、下記の点に注意したスライドを用意する。

  • 専門用語は使わない
  • 文字だけでなく絵を多用する

小学生でも分かるような形で、社内用の資料は作って頂くのがオススメです。

社外シーン

クライアントへの営業

対クライアントへ説明するために用意する資料は、特に気を使いますよね。

プレゼンとなると、一人ではなく複数人を相手に話すこともあると思います。

大事なポイントは色々ありますが、その中でも決裁者の心を動かす内容を、どれだけ入れ込めるかによって変わってきます。

  • 考えに共感してもらう
  • 成功イメージを持ってもらう
  • 相手が気づいていないポイントを指摘する
  • クライアントのお客様を見えているか

自分達のことばかりではなく、プレゼン相手をどれだけ見えているか、それによって用意すべきスライドは変わってくる。

余談ですが…
Amazonのジェフベゾスさんは、会議をする際に必ず空席を一つ設けるようです。空席には「お客様」がいると意識させ、自分達が誰のために話し合っているのか理解させることが目的。このような話もあるようです。

セミナー・講演

セミナー・講演を開催する際、集まってくれた理由を改めて考え直す必要があります。

最初の動機は自社のアピール目的だったり、見込み顧客との接点作りかもしれませんが、その意識のまま自社都合のスライドを用意してしまったら、集まってくれた人はマイナスイメージを持ち、逆ブランディングにもなってしまう。

意識すべきは、集まってくれた人に対する感謝と、求められている情報を惜しまなくスライドとして入れることです。

  • いつでも知れる情報ではなく、その場だからこそ知れる情報を入れる
  • スライド内での自社売り込みは最低限に抑える

わざわざ時間を作ってまで参加してくれた方の満足を一番に考えて頂くのが、セミナー・講演のポイントかと思います。

自社の課題を解決するためのスライド内容

パワーポイントで作る資料は、まず見てくれる相手を考えることから始まります。

しかし、相手との状況に完全な形で合わせていくのは難しく、時には必要なスライドが用意できない場合もある。

例えば、初対面の見込み顧客が感じている“不信”を払拭しようと、大手との取引実績や売上が好調に伸びていることを伝えたいが、スタートアップや起業したばかりだと、それらの情報が用意できないこともあります。

必要なスライドを用意したいけど用意できない時、自社の課題をどう解決すればいいのか、よくあるパターンを見てみましょう。

売上がまだないパターン
・将来的な「期待」を感じさせる(熱い想いや熱量)
・プレゼン相手が自分事になるデータを用意する
・お付き合いすることでの成功イメージを持たせる

効果を出せるのが遅いパターン(投資分の回収タイミングが遅くなる場合など)
・他に実績を出せた事例を見せる
・類似の事例が自社になければ他社の情報を活用する
・プレゼン相手の将来的な課題に紐づける

意思決定のハードルが高いパターン(数千~数億円、広範囲に影響がある場合など)
・費用帯効果のシミュレーションを入れる
・相手が納得するレベル以上の情報を提供する

資料を作る段階で、必要なすべての情報を入れ込めるわけではないため、少し思考を柔軟にして別角度から見ると、その問題を解決できる内容が思い浮かんだりもします。

考え方や思考次第で、効果的なスライドは用意できるため、あきらめずに必要なスライドを考えていきましょう。

参考:思考力(考え方)を鍛えて固定概念をはずす6の方法

パワポ資料のスライド内容を考える一連の流れ

パワーポイントで資料を作る流れは一つではなく、無数に存在しています。

パワポ達人の型や、有名企業で数々のプレゼンを行い勝敗率の高さから本を出版している人もいますので、下記の流れは一例でしかありません。

そのため、あなたなりの流れを作る情報として、活用頂ければ嬉しいです。

STEP1:相手のことを知ること
STEP2:相手の前提を考える
STEP3:プレゼン時の状況を把握すること

STEP1:相手のことを知ること

効果的な資料スライドを用意するためには、見てくれる相手が誰かを知ることが大切。

そもそも、ここの理解や解像度が低いと、的外れなスライドを用意してしまったり、不足が生じたりします。

・いつ(when)
・どこで(where)
・誰に(who)
・何を(what)
・どうやって(how)

5W1Hの基本に沿って考えると、イメージしやすいかもしれません。

特に「誰に(who)」の部分を詳しく確認しておく。

望まれないスライドを作らないように、見てくれる相手のことをトコトン考えるのが、パワーポイントの資料作りをする上で最初に行うべきことだと思います。

STEP2:相手の前提を考える

誰に向けてパワーポイントの資料を用意するのか見極められたら、次はその人の当たり前や価値観、全てをひっくるめて前提を考えておきます。

例として下記を書いてみました。

・相手は自社のことを知らない      → 信用は0に等しい
・課題はあるけど自社のことで頭いっぱい → 見てもらえない可能性が高い
・信頼できない企業の相手はしたくない  → 実績〇〇年などを打ち出し
・費用がネックで登録してこなかった   → 1件分のコストの安さを伝える
・お金がかからなければいい       → お金が掛からないプランの存在を伝える
・スタートアップ特有の熱さがある    → 文章からビジネスっぽさを無くす
・営業は受けたくない          → 協力を求めるスタンスの文章にする

相手との状況を俯瞰して見て、相手との関係性や前提を書きだしておきます。

「出せば出すほど良い」とは言えませんが、書き出すことで何に配慮しなければいけないかが明確になり、必要なスライドへ気づくキッカケが多くなります。

必要な情報を漏れなくスライド化しておくためにも、前提を踏まえた上で進むのがオススメです。

STEP3:プレゼン時の状況を把握すること

プレゼン、または資料を公表する状況を改めて想定しておく。

・直接社長へプレゼンするのか
・資料を渡すだけなのか
・一旦先に見てもらって後日不明点を聞き出すのか

資料を見せたい相手との関係性・状況によって必要なスライドは変わってくるでも見て頂きましたが、状況は一つではなく、必ずその時々によって変わってきます。

毎回同じような状況を作りだせれば、ある程度の勝ちパターンは見えてきますが、そうではない場合も多いはず。

改めて状況を踏まえたスライドを用意していきましょう。

そのままパワポ制作のコツまで知りたい場合は、下記のページもオススメです。

参考:無料でダウンロード!パワポのおしゃれなデザインがすぐ作れる

資料作りに不安を感じているあなたへ

企画や営業提案など、資料を活用して、相手との交渉に臨む機会は多いですよね。

私も資料作りが苦手なので、インターネット上で色々見たり本も読みましたが、すぐに忘れてしまう…。

やはり、自分の考え方の型を作って進めた方が納得できるため、考え方をまとめてみたのですが、この情報があなたの資料作りのお役に少しでも立てられれば嬉しいです。

パワポ資料に必要なスライドは、見てくれる人を起点に考えるのが一番です。
著者:sugiyama(@pl_enpreth)

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プレゼンや提案に必須の資料作りですが、どんな内容を入れればいいか明確な判断基準がないこともありますよね。少し考え方を変えるだけで、必要なスライドに気付ける情報をまとめています。