
ホワイトペーパーは見込み顧客の獲得に役立つとよく聞きますが、SEOにも効果があったりするのか知りたいですよね。どのようなメリット・デメリットがあるかも詳しく解説していきます。
エンプレス編集部:sugiyama(@pl_enpreth)
サービス資料やノウハウ集など、ホワイトペーパーと呼ばれる資料(PDF・PPT・Word・Excelなど)を使って、将来的にお客様となって頂ける方との繋がりを作れます。
ホワイトペーパーを一つ作るだけでも、ディレクション・ライティング・デザインなど、専門職が必要になってくるため、作るだけなのに時間もお金もかかってしまう。
それならば、お客様と繋がるだけではなく、webサイトの品質向上などにも役立ってほしいと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか…。
たぶん、このような疑問を感じていると思うので、ホワイトペーパーによるSEO効果についてまとめてみました。
こんな方にオススメ
・webサイトの運用管理をしている
・最近なかなかアクセスが増えていかない
・ホワイトペーパーを作るならアクセスも増やしたい
- 目次
- そもそもホワイトペーパーはSEOに効果あるのか?
- ホワイトペーパーによるSEOの効果とは
- ホワイトペーパー活用の注意事項
- ホワイトペーパーのメリット・デメリット
- SEO効果を高めるホワイトペーパーの使い方
- 最後に。
\SEOに役立つ製品・サービス/
そもそもホワイトペーパーはSEOに効果あるのか?
SEOとは、検索エンジン最適化のことで、もっと簡単に言えば検索エンジンが正確に情報を読み取れるよう「情報を整理整頓して届ける」こと。※ Search Engine Optimizationの略がSEO
私たちwebサイトの運営管理人またはコンテンツの制作者は、基本的にユーザーさんへ向けて「読みやすい」か「分かりやすい」かを意識しながら、言葉を選び文章を考えてまとめていきますよね。
それと全く同じで、SEOは検索順位を決める検索エンジンに対して「読みやすい」か「分かりやすい」か「ユーザーさんの欲しい情報が十分入っている」かを考える。
SEOが情報の読み取りやすさや質を元に判断されるものであれば、ホワイトペーパーは直接的に検索エンジンへ関わらないため、いくら掲載しても何も影響はないと思うのが一般的です。
SEOに対して直接影響するのではなく間接的な影響が入る
SEOの考え方をシンプルにすると、ユーザーさんが求めている情報が得られ解決・満足できるかどうか。
結果として、ここがGoogleの評価ポイントになっている。
検索順位に影響を与えるGoogleの評価指標は公開されているものの、一つ一つを完全解説しているわけではなく「こういうの大事だよね」と、ヒントをくれているだけです。
そのため、ホワイトペーパーが直接的にSEO向上に関与できるかどうか確かなことは言えないのが正直なところ。
しかしながら、ユーザーさんを満足させることが結果としてSEOへ影響を与えるのであれば、直接的ではないものの、間接的に影響が与えられると考えられます。
ホワイトペーパーによるSEOの効果とは
SEOに直接的な影響を与える要素は何かといえば、※ ここでいう要素とは検索エンジンが読み取れる情報のこと
- webサイトの設計や作り(主にプログラミングコード)
- 記事の情報量(文字、画像、動画など)
- 網羅性/専門性/権威性/独自性
これらに反してホワイトペーパーは直接的な影響を与える情報ではありません。
それなら、ホワイトペーパーはどんなことに影響を与えられるのか。
改めてGoogleが大切にしている「ユーザーさんが求めている情報が得られ解決・満足できるかどうか」という視点から考えてみると、以下のような効果によってSEOへ間接的な影響を与えられると推測できます。※ 上記の視点とは、私がGoogleの評価ポイントを自分なりに解釈した表現となります。正式なものはGoogleのサイトよりご確認ください。
①有益なページだと思ってもらえる
②被リンクやサイテーションが増える
③ホワイトペーパーに満足したら再度見に来てくれる可能性がある
結果として、アクセス数や滞在時間が増えることで、Googleの評価指標の中の一部が反応し、検索順位を高めてくれる可能性が引きあがる。
ホワイトペーパーは直接SEOへ影響を与えるものでないものの、ホワイトペーパーを見てもらい好反応が得られることで、コンテンツやwebサイトの評価が高まっていくと推測できます。
それぞれをもう少し解説してみますね。
①有益なページだと思ってもらえる
ユーザーさんに「この記事よかったな」「役に立ったな」と思ってもらうためには、単純に情報をまとめただけでは足りません。
説明が足りないことはないかを確認し、解釈の間違いを起こさないか丁寧に表現し、言葉で足りなければイラスト・写真・図解なども用意して、初めて1記事が作れる。
しかし、毎回ここまで120%以上の力を込めたコンテンツを作り続けるのは至難の業。
どのコンテンツも完璧なものは作れず、常に何かが足りない状態です。
そこでホワイトペーパーによる追加情報を提供できると、既存コンテンツに対して満足度が高まりやすくなるため、閲覧時間なども増えて検索順位にも影響を与えていきます。
②被リンクやサイテーションが増える
有益なページだと思ってもらうと、コンテンツ自体はもちろん、著者や提供している会社に対して、ユーザーさんからの信頼性が高まっていきます。
信頼性の獲得により、社内外に対してお勧めしやすくなる。
たとえば、自分が書いたブログに対して「こんな説明がありました」と被リンクを付けてもらったり、サイテーションと呼ばれるサイト名・著者名・サービス名など言及される機会も増えていきます。
これが1人2人だけならそこまで大きな力になりませんが、webサイトは不特定多数の大勢に見てもらい、どんどん倍々で信頼性を感じてもらえる人達が増えていく。
そうなるとどうでしょうか…反響が反響を呼び、どんどんあなたのwebサイトを訪れる窓口がさまざまなところで広がり、アクセス数が限りなく増えていく可能性があります。
③ホワイトペーパーに満足したら再度見に来てくれる可能性がある
ホワイトペーパーは、閲覧したユーザーさん以外の人たちを引き寄せる強い力になりますが、閲覧したユーザーさん本人が一番信頼性を感じているため、もっと別のコンテンツを見たり、webサイト内でもっといい情報がないかと探し回ってくれる。
回遊率が高くなるだけでなく、情報過多な時代なので何かを探そうと思った時、一から新しい情報を探すよりも、すでに自分の中で信頼性を感じてるwebサイトから探した方が、目的に一番早く近づけると思うので、またあなたのwebサイトに戻ってきてリピーターとなってくれます。
- 回遊率の向上
- リピーター化(ファン化)
- 指名検索(サイト名、タイトルなど)
ユーザーさんのアクションの中に、あなたのwebサイトが入り込んでいくと、それら全てのデータをGoogleなど検索エンジン提供企業は取得しているため、人気がある/信頼性のあるwebサイトだと認識して、検索順位を上位へ押し上げてたくさんの人へ届けようとしてくれます。
ホワイトペーパーは単なる見込み顧客の獲得施策なんかではなく、SEO・検索順位の向上にも役立つ情報であると言えます。
ホワイトペーパー活用の注意事項
ホワイトペーパーがSEOへ十分影響を与える存在だと認識してもらえたと思いますが、どんなホワイトペーパーでもいいわけではありません。
特に気を付けたい問題が4つあり、
タイミング問題
× SEOの情報が知りたい方にマーケティングのホワイトペーパーを勧める
〇 SEOの情報が知りたい方にSEOのホワイトペーパーを勧める
情報量問題
× 3~5スライド程度の情報量が少ないホワイトペーパー
〇 10スライド以上の情報量が担保されているホワイトペーパー
品質問題
× 全ての情報が見づらく読みづらく理解しづらい
〇 全ての情報が見やすいく読みやすく理解しやすい
期待値問題
× 個人情報と引き換えに手に入れたのにどこでも手に入る情報だった
〇 個人情報と引き換えに手に入れたものとしては十分な情報があった
これらが何を示しているかと言えば、ユーザーさんの状況・心理に合わない提供の仕方になってしまっていること。
タイミングも情報量も品質も期待値も、ユーザーさんの状況・心理とズレてしまえば、結局のところホワイトペーパーを活用した間接的なSEO対策はできません。
誰のためのホワイトペーパーなのか
ホワイトペーパーを提供することで手に入る、間接的なSEO効果は、もちろんあなた自身・自社のため。
しかしながら、自分たちのことを先に考えてしまって、ユーザーさんの気持ちや要望をないがしろにすると、結果として好影響は得られない。
まずは誰のためのホワイトペーパーなのか原点に立ち返って考え、ユーザーさんに満足してもらえるホワイトペーパー制作を前提にして頂くのがオススメです。
ホワイトペーパーのメリット・デメリット
直接的ではないものの、ホワイトペーパーの掲載によって検索順位が高まるのであれば、掲載しない手はありません。
しかし、良いことばかりではなく、扱いを間違えれば悪いことも起こるので、ホワイトペーパーをwebサイトへ掲載するメリット・デメリットも予め確認しておくと安心です。
メリット
間接的に検索順位を引き上げる効果がある
webサイト・記事の評価へ直接影響されるものではありませんが、質のよいホワイトペーパーの掲載ができれば、ユーザーさんの満足度を高めて、それが結果として集客や認知に繋がっていきます。
認知拡大に役立つ
被リンク・サイテーションの獲得によって、あなたのwebサイト・記事が大勢の方に知ってもらえる・見てもらえる機会が増えていきます。
見込み顧客が顧客化する
ホワイトペーパーを読み、その内容へ納得または信頼を感じてもらえた場合、読み手の課題解決ができる会社だと認識されて、相談先として選ばれやすくなります。最初は興味関心の段階だったものが、実際の検討・相談へ引き上げられ、商談できる可能性が高まっていきます。
デメリット
ホワイトペーパーの質が悪い低いと悪い印象が植え付けられる
掲載するなら、どんなホワイトペーパーでもいいわけではなく、ユーザーさんが望む、または期待値を超えるような内容でなければいけません。情報量が足りない、全然独自性がなかったりと、手にしてがっかりされてしまった場合、マイナスブランディングにもなりかねない。
ホワイトペーパーを作るのが意外と大変
ホワイトペーパーは、パワーポイントやGoogleスライドなど、資料作成ツールを使えば誰でも作れるものですが、そんなカンタンに作れたものをユーザーさんが満足するかと言えばまた違う話になる。文章を考え絞り込み、情報設計から見た目的なデザインのスキルも必要。専門性の高いものを作るならば、それなりの人材が揃っていなければ作れません。
ホワイトペーパーを作って終わりにしてしまいがち
本格的な、本当に効果が出るホワイトペーパーを作ろうと思ったら、時間も人手もかかります。完成するまでに労力がかかるので、いざ完成した時に満足感からか、作って終わりになってしまうことも。ホワイトペーパーは作ってから改善を繰り返して良くしていくのと、作った後の活用がもっとも重要。
SEO効果を高めるホワイトペーパーの使い方
せっかくホワイトペーパーを掲載するなら、SEO効果を高める使い方をしたい…。
そう思うのはみんな一緒ですよね。
下記のグラフは、このwebサイトのあるコンテンツとホワイトペーパーを連動させたことで得られた、アクセス数とリード累計表ですが、途切れず右肩で伸びています。
![]() | ![]() |
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アクセス数 | リード獲得数 |
全てがホワイトペーパーの効果ではないものの、少なくとも好影響は与えていると考えているため、どのようにしてきたのかを下記にまとめてみました。
STEP1:ユーザーさんが求める以上のコンテンツを作る
まず第一に、ここが出来なければホワイトペーパーによる検索上位効果は得られないので、もっとも大事だと言える部分です。
何をするかと言えば、ユーザーさんの期待値を超えるコンテンツを作ること。
ホワイトペーパーが掲載されているからといって、むやみにダウンロードしないのが通常です。
ダウンロードまで手を伸ばしてもらうには、信頼性などを感じてもらい、心理的ハードルを下げなければいけません。
誰もが「たまたま」そのページを見ただけであり、心には警戒心が渦巻いているため、そこを解きほぐして先に進んでもらえる状態に整えてあげる。
STEP2:さらに関連した情報(ホワイトペーパー)があることを認識してもらう
今見てもらっているコンテンツに、求めていた情報があり、なおかつ関連した情報もあったことで別を探す必要もない状態を作ってあげます。
改めてキーワード検索から探し直すムダを取り除いてあげると、「もっとこのwebサイトで得られる情報があるかもしれない」と感じてもらえ滞在時間も増えて、周りに載せている補足情報にも目が留まるようになってくる。
そうなるとホワイトペーパーが存在することを認識してもらいやすくなり、事前に形成していた信頼感によってホワイトペーパーを求めてもらえる可能性が高まります。
最初からダウンロードをしてもらうよう促すのではなく、まずはユーザーさんの満足・信頼を勝ち得てからでないと、次へ進んでくれないため、この順序は必須だと言えます。
STEP3:ホワイトペーパーをダウンロードしてもらう環境を整える
ホワイトペーパーの存在に気づき、欲しいと思ってもらえたら、今度はダウンロードしやすい仕組みを整えておきます。
① そのままリンククリックでダウンロードできる状態にする
② フォーム送信と引き換えにダウンロードURLを提供する
①はダウンロードできるURLでリンクを作るだけの簡単な設置。
②はフォームを用意しないといけないので少し手間ですが、見込み顧客(リード)獲得を前提にお考えの場合はこちらの方法になります。
どちらかを用意できたら完成。
最後に。
ホワイトペーパーを単なる資料だと考えている方も多いですが、実は間接的にwebサイト・コンテンツの品質を高める要素の一つであり、検索順位にも影響してきます。
多くの方が直接的なSEO対策で頑張りますが、競合他社や予算を多く持つ企業さん有利なところもあるので、ホワイトペーパーによる効果をうまく活用していくのもオススメ。
複合的な施策で集客・認知度UPを狙っていきましょう。