失敗しないホワイトペーパーマーケティングの進め方

  • | 公開 2025年09月08日
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失敗しないホワイトペーパーマーケティングの進め方

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。ホワイトペーパーを用意したけど、どう進めていけばいいのか分からない時、ぜひ見てほしい記事になります!

「ホワイトペーパーは効果あるよ」と聞いて、何となく取り組んでいるけれど、期待した成果が出ない…そう感じていませんか?

「とりあえずダウンロード数を増やそう」と頑張ってみたものの、お問い合わせや商談に繋がらない。

それは、あなたのやり方が間違っているわけではなく、もしかすると、あなたの会社が今いる状況と、やっていることが少しズレているだけかもしれません。

この記事では、BtoBマーケティングの現場で起こりがちな「失敗」から学びながら、あなたの会社の状況に合わせた最適なホワイトペーパーマーケティングの進め方を解説していきます。

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そもそも、なぜ今ホワイトペーパーマーケティングが重要なのか?

昔の営業は、ひたすら電話をかけたり、企業を訪問したりして、お客様との「出会い」を作っていました。

しかし、インターネットや生成AIが発達した現代でビジネスをされているお客様は、自ら事前に情報を探し、比較検討した上で、必要な時だけ相談するスタイルが主流になっています。

この状況から考えると、お客様は相談や問い合わせをする前に、自分で情報を集めて、あなたの会社が信頼できるかどうかを判断しているのです。

つまり、お客様が明確な行動を起こす前に接点を作っておかなければ、ビジネスで不利な状況になると言えます。

そしてホワイトペーパーとは、単なる会社紹介や製品カタログではなく、お客様が抱える悩みや課題を解決するための、専門的で有益な情報をまとめた資料のこと。

たとえば、「中小企業が抱える人手不足の課題と具体的な解決策」などのテーマ性が深いホワイトペーパーを提供すれば、「この会社は、私たちの悩みをよく理解してくれている」と感じてもらうことができます。

お客様が「これは役に立ちそうだ」と思ってダウンロードしてくれた瞬間、あなたはまだお客様に会ったこともないのに、最初の一歩の関係を築くことができる。

ホワイトペーパーマーケティングは、広告のようにすぐ成果が出るものではありませんが、お客様との信頼関係を時間もかけて築き、あなたの会社を「相談したいときの第一候補」へと優先度を高めていく、とても重要なマーケティング活動となります。

あなたはどの状況?3つのマーケティングフェーズを知る

ホワイトペーパーマーケティングを始める前に、あなたの会社が今、どの段階にいるのかを理解することがとても大切です。

状況を無視して、ただ流行りの手法を真似しても、期待した成果は得られません。

そのためまずは、BtoBマーケティングにおける会社の状況を、大きく3つのフェーズに分けて考えてみましょう。

それぞれのフェーズで、やるべきことや目標がまったく違います。この違いを理解しないまま進めてしまうと、せっかくの時間や労力が無駄になってしまいます。まずは、あなたの会社が今どこにいるのかを、冷静に判断することから始めましょう。

初期フェーズ:まずは「やってみる」段階

項目説明
特徴これから初めてホワイトペーパーマーケティングに取り組む。
やるべきこと完璧な資料を目指すよりも、まずは1本作成して公開してみること。とにかく行動量を増やし、「どんな反応があるか」データを得ることを最優先にします。

ホワイトペーパーマーケティングを始めて、仮に10の施策を行っても、それらすべてが当たるわけではないのも、チームや会社自体が、ホワイトペーパーの扱い方を模索している最中なので、その結果は当然かもしれません。

やはり、何をどうすればこうなる、とホワイトペーパーを扱う上でのノウハウは無くてはならないものなので、まず最初は経験を取りに行く姿勢が重要です。

効率化や費用対効果よりも、それらを度外視して色々な経験を積んでいく修行の段階とも言えます。

BtoBマーケティングのセオリーとしては、成果に最も近い施策から始めると言われています。しかし、それは競合他社も同じことが言えて、お客様の取り合いにもなっている。まずはホワイトペーパーマーケティングの下地を作るために、経験獲得を優先する考え方も有りだと考えています。

中期フェーズ:データを「分析・検証」する段階

項目説明
特徴すでにホワイトペーパーを公開しており、ある程度のダウンロード数はあるが、商談や契約に繋がらない。
やるべきことダウンロード数だけでなく、「ダウンロード後の行動」を分析する。たとえば、「どのホワイトペーパーをダウンロードした人が、その後商談に繋がりやすいか?」など様々な視点からデータを見て、成功の法則を見つけ出します。

行動を続けていくと、それに見合った情報がどんどん蓄積されていきます。

逆に、ホワイトペーパーを1本掲載してそのまま…このような状況では、何が悪くて何が良いのかも判断できるデータが集まらない。

しかし、得られた経験の中から、ある特定の経路やコンテンツで、良い反応を示すデータが見えてきます。

そこを深掘りしながら検証し、確証を高めていくことで、次のフェーズへ繋がる選択と集中するポイントが分かってきます。

後期フェーズ:成果を「最大化」する段階

項目説明
特徴ホワイトペーパーから継続的に質の高いリード(見込み客)を獲得できている。
やるべきこと成功パターンをさらに強化し、「選択と集中」を進める。たとえば、成功したホワイトペーパーのテーマをさらに深掘りしたり、ダウンロードしてくれた人に合わせて、より個別性の高い情報を届けたりします。
  • ダウンロードを増やす方法が見つかった
  • 特定テーマからの商談が多い
  • ダウンロード数は少ないが契約になりやすい

行動し、データを分析し、検証し続けることによって、ホワイトペーパーによる成果の再現性を発見していく段階が、ホワイトペーパーマーケティングの後期。

ここまで進むと、あとは効率化・リソースの集中などを行い、もっと成果を伸ばしていきます。

費用対効果を最大限高めながら、全体をシステマチックに構築して、手がかからないようにできれば、浮いたリソースでさらに別のことを取り組んでいける。

なぜこのような考えが必要かと言えば、今やっている施策がずっと通用するわけではないからです。

ホワイトペーパーマーケティング後期では、新たな方程式を見つけるためにリソースを投入して、さらなる成功の芽を育ていくのがおすすめです。

マーケティングフェーズに沿った具体的な進め方

より実践的なホワイトペーパーマーケティングへ進められるよう、あなたのフェーズに合わせた、より具体的な行動計画を見ていきましょう。

初期フェーズ:行動量を増やし経験とデータを蓄積

初期フェーズのゴールは、ホワイトペーパーマーケティングの仕組みを構築し、今後の分析に使えるデータを手に入れること。

よくある失敗
完璧なホワイトペーパー」を目指しすぎていつまでも公開できない

「どうせやるなら、最高のものを作ってから公開したい」と考えるのは自然なこと。

しかし、完成に何ヶ月もかけるうちに、市場の状況やお客様のニーズが変わってしまう可能性があります。

また、どんなに素晴らしい資料でも、お客様の反応を見るまでは、それが本当に良いものかどうかは分かりません。

まずは、合格点(60~80点)を目指して、作ることではなく活用することの意識を高めていきましょう。

STEP 1:ターゲットを絞り込む

自社の製品やサービスを、誰に一番届けたいかを具体的に考えます。

ただ「中小企業の社長」と考えるのではなく、「製造業で働く、従業員50人以下の会社の若手部長」のように、より細かくペルソナを設定しましょう。

STEP 2:お客様の悩みを特定する

営業担当者やカスタマーサポートチームに、お客様からよく聞かれる質問や悩みを尋ねてみましょう。

そこに、ホワイトペーパーのヒントが隠されています。

STEP 3:ホワイトペーパーを作成し公開する

お客様の悩みを解決するテーマで、専門用語を避け、分かりやすい言葉で資料を作成します。

公開する場所は、自社ブログの記事内や資料掲載サイトなど、まずは身近な場所から始めながら、ターゲットの集客が多い接点を見つけて掲載していきましょう。

この段階では、とにかく「試す」ことが何よりも大切です。

1つ作って終わりではなく、複数のテーマを試してみることで、どのホワイトペーパーがお客様に最も響くのか貴重なデータが得られます。

中期フェーズ:データを分析し勝ちパターンを抽出

中期フェーズのゴールは、集まったデータを分析し、成果に繋がりやすい『勝ち筋』を見つけること。

よくある失敗
ダウンロード数は増えたのに商談へ繋がらない

これは、ダウンロード数を増やすことだけに注力し、その後の「リードの質」を考えていなかった場合に起こります。

たくさんの人がダウンロードしても、あなたの会社に興味がない人ばかりでは、意味がありません。

STEP 1:ファネルを分析する

ダウンロード数だけでなく、「ダウンロードした人が、その後に問い合わせをしたか?」「商談に繋がったか?」複数視点からデータを追いかけます。

どの段階で多くの人が離脱しているのかを把握するのが重要なのは、改善すべき点が見えてくるからです。

STEP 2:ホワイトペーパーを改善・拡充する

「このテーマの資料は商談に繋がりやすい」「このテーマはダウンロード数が多い」など分析結果をもとに、それぞれの目的に合った新しい資料を作成したり、既存の資料を改善したりします。

STEP 3:プロモーション方法を見直す

どの媒体またはSNSからの流入が多いか、どの広告から来た人が質の高いリードになるかを分析し、効果が高いチャネルに予算や労力を集中させます。

この段階では、「たくさんダウンロードされる」ことよりも、「質の高いリードを獲得する」意識が重要です。

後期フェーズ:選択と集中で成果を最大化

後期フェーズのゴールは、見つかった勝ちパターンをさらに強化し、マーケティング活動全体を最適化すること。

よくある失敗
成功体験に頼りすぎて新しい挑戦をしなくなる

成果が出ているからといって、同じことを繰り返していると、いずれ競合に追いつかれてしまいます。

市場やお客様のニーズは常に変化しているため、それに合わせてマーケティングも進化させる必要があります。

STEP 1:コンテンツの連携を強化する

ホワイトペーパーを核として、ブログ記事やウェビナー、動画コンテンツなど、関連する情報を体系的に整理します。

たとえば、「このブログを読んだ人は、このホワイトペーパーをダウンロードすると、もっと理解が深まる」可能性がある。

このように、お客様を次の行動に導く仕組みを作ります。

STEP 2:お客様一人ひとりに合わせたコミュニケーションを設計する

マーケティングオートメーション(MA)ツールなどの仕組みを導入し、お客様の行動履歴(例:どのページを何回見たか、どの資料をダウンロードしたか)に基づいて、それぞれのお客様に最適な情報やメッセージを自動で送るようにします。

STEP 3:常に新しいテーマへ挑戦する

競合がまだ手をつけていないような、新しい市場のトレンドや技術をテーマにしたホワイトペーパーを作成し、業界での存在感をさらに高めます。

この段階では、「効率化」と「差別化」が鍵となります。

ホワイトペーパーマーケティングで注意すべき3つのこと

最後に、どのフェーズにいる方にも共通する、ホワイトペーパーマーケティングを進める上での大切な考え方をお伝えします。

「ホワイトペーパー」はただの「資料」ではない

ホワイトペーパーは、あくまでお客様との「コミュニケーション」のきっかけです。

1つの資料を作っただけで成果が出るわけではありません。

公開した後に、お客様との関係をどう築いていくか、全体的なコミュニケーション設計が何よりも大切です。

お客様の「言葉」に耳を傾ける

自社が伝えたい情報と、お客様が知りたい情報は必ずしも一致しません。

お客様が普段使っている言葉や、抱えている悩みを、営業やサポート担当者から聞き出し、それを基にコンテンツを作成することが、成功への最短ルートです。

「中長期的な視点」を持つ

ホワイトペーパーマーケティングは、じっくりと育てていく意識が必要です。

種をまいて、水をやり、時間をかけて育てることで、やがて大きな実を結ぶ。

すぐに結果が出なくても焦らず、地道な改善と継続的な取り組みを続けることが、最終的な成功につながります。

あなたの会社に合ったやり方で、ホワイトペーパーマーケティングにぜひ挑戦してみてください。

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著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
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2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツ制作から運用、100社以上のお客様支援を通して得たノウハウもコラムで投稿中。
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