
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。ネット情報に縛られないよう、ホワイトペーパー制作の自由度を開放するための情報をまとめました。
あなたはホワイトペーパーに、どんなイメージを持っていますか?
「専門的で堅苦しい資料」
「何十ページもある分厚いPDF」
「成功事例やノウハウがぎっしり詰まったレポート」
おそらく、このようなイメージを抱いているかもしれませんね。
特に、初めてホワイトペーパーを作る経験が浅い時期だと、インターネットの記事に書かれている「〇〇型」や「〇〇系」、そして「デザインはこうするべき」といかにも正解かのような情報を見て、「こうしないといけないのか…」と思ってしまうことも。
しかし、ホワイトペーパーに「こうしなきゃ」なんてルールは存在しません。※ もちろん構成やデザインの型などは存在しています
それは、あくまで経験則から「こうした方がいいよね」と考えられた選択肢の一つにすぎず、型通りのホワイトペーパーが必ずしも最高の成果を生むわけでもない。
この記事では、一度その固定概念を壊し、ホワイトペーパーはこんなにも自由なんだ、と思ってもらえる内容をまとめていきます。
そもそも、何のためにホワイトペーパーを作るのか?
ホワイトペーパーがなぜ作られるのか、その目的を改めて考えてみると、2つの視点が浮かび上がってきます。
作り手(企業)
まず、作り手である企業側は、自社の見込み顧客を増やしたり、商談につなげたり、あるいは既存顧客との関係性を深めたり、何かしらビジネス上の課題を解決するためにホワイトペーパーを作成します。
よくある課題としては、以下のようなものがあります。
- 見込み顧客の情報を獲得したい
- 見込み顧客との商談を獲得したい
- 見込み顧客から契約を獲得したい
- 既存顧客との関係性を高めたい
このように、ホワイトペーパーは企業の課題を解決するための手段なのです。
読み手(お客様)
一方、ホワイトペーパーをダウンロードするお客様(読み手)は、なぜそれを求めるのでしょうか?
それは、ご自身やチーム、組織、会社が抱えている課題があり、それを解決するためのヒントや答えを求めているからです。
つまり、ホワイトペーパーは「作り手」と「読み手」の両方に目的があるため、その情報をやり取りする「架け橋」として機能します。
ホワイトペーパーの問題点
作り手は、自社のターゲットに深く刺さるよう、良質なコミュニケーションを生むテーマでホワイトペーパーを作ろうとします。
当然、将来的にお客様となってくれる可能性のある人に向けて作らないと意味がないので、この考えは間違いではありません。
ですが、お客様である読み手は、必ずしも作り手が「これだ!」と思う内容に興味を持つとは限りません。
作り慣れていないと、ネットで拾ってきた「こうあるべき」などの情報に惑わされてしまい、その通りに進めた結果、似たり寄ったりなホワイトペーパーになってしまうケースが多く見受けられます。※ もちろんオーソドックスなホワイトペーパーも十分需要はあります
さらに、お客様は「自分に合いそうなもの」を求めているだけなので、「こうあるべき」のような、限定した考え方は本質的ではありません。
確かに、「こうあるべき」のセオリーに沿って作られたホワイトペーパーの中には、お客様の役に立つものがたくさんあります。
しかし、その思考のままでは、やがて作れるホワイトペーパーの枠が狭まり、アイデアが出尽くしてしまい、制作側はお客様と向き合うことを諦めてしまう。
そうならないためにも、まずはホワイトペーパーの「こうあるべき」固定概念を一度取り払うことが大切なのです。
ホワイトペーパーの「こうあるべき」からの脱却
ホワイトペーパーの「こうあるべき」と言われていることには、色々あります。
- 制作時の目的設定を明確にする
- 魅力的なタイトルにする
- 分かりやすく読みやすい内容にする
- 読み手が読み切れるスライド枚数にする
こういったことは、ホワイトペーパーに限らず、あらゆる資料に当てはまる基本的なことであり、ポイントを押さえておくことは非常に重要なので、覚えておいて損はありません。
一方で、さらに踏み込んだセオリーも存在します。
- ノウハウ系はこう作る
- レポート系はこう作る
- 事例系はこう作る
- サービス系はこう作る
どれも正しく、参考にすべきことばかりですが、これらは大枠を捉えたものであり、深く掘り下げるともっと多様な表現方法が実はあるのです。
ホワイトペーパーの幅はもっと広い!
たとえば、「ノウハウ系」といっても、単に情報を文章で提供するだけでなく、チェックリストやクイズ形式にすることもできます。
「レポート系」も、調査内容をまとめたレポートだけでなく、そのままデータファイルを提供してもいいのです。
セオリーに沿った方が、作るのも成果を出すのも早い場合があるのは事実。
しかし、そればかりになってしまうと、お客様へ常に同じ情報提供の仕方ばかりになってしまったり、制作時のフローが固定化されてアイデアが浮かばなくなったりする可能性も…。
例えば、レポート系のホワイトペーパーを作りたい時、スライドの中にすべての情報を詰め込まなければいけない、と思うかもしれませんが、スライド内にすべての情報を入れず、別のファイルにデータをまとめ、「ダウンロードはこちらから」とURLを記載したスライドを1枚だけ入れてもいいのです。
この場合は、表紙とダウンロードURLの2スライドのみでも大丈夫。
作り慣れていない人ほど、「こうあるべき」考えに縛られてしまい、アイデアが出てこなくなります。
しかし、ホワイトペーパーは本来自由であり、お客様の好みも一人ひとり違うからこそ、いろいろな表現方法を試してみたほうがいい。
「これはやってはいけない」のようなセオリーはもちろん存在しますが、そういったことを避けつつも、自由な発想で「こうあるべき」を脱却することで、お客様から本当に求めてもらえるホワイトペーパーを作ることができます。
自由な発想で作るホワイトペーパーのアイデア集
「どんなホワイトペーパーを作ればいいのか…」
色々考えても、やはり慣れていなかったり、知識が不足していると発想そのものが出てこないこともあると思います。
そうした場合はまず、たくさんのアイデアを見て、そこから着想を得ることが効果的。
下記で、固定概念にとらわれないホワイトペーパーのアイデアをご紹介するので、参考にして頂けますと幸いです。
ホワイトペーパーは必ずしも資料形式に限定する必要はありません。HTMLや動画にしてもいい。大切なのは、読み手の状況に合わせて最適な手段を選ぶこと。
形式でアイデアを広げる
テーマ | 説明 |
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チェックリスト形式 | 特定の課題解決に必要なステップや項目を、チェックリスト形式でまとめます。 |
インタビュー形式 | インタビューした内容をまとめる形式です。 |
FAQ形式 | よくある質問と回答をまとめたものです。 |
インフォグラフィック形式 | データを視覚的にデザインし、一目で理解できるようにします。 |
フローチャート形式 | 複雑なプロセスや意思決定の流れをフローチャートで表現します。 |
データ提供形式 | 調査結果やデータそのものをダウンロードできるようにします。 |
テンプレート形式 | 読者がすぐに使える企画書やマニュアルのテンプレートを多数掲載します。 |
動画形式 | スライドを動画にしたり、人間が解説する形式の動画にしたりするものです。 |
クイズ形式 | 読者の知識やスキルをゲーム感覚で診断できるクイズです。 |
診断形式 | いくつかの質問に答えることで、読者の現状や課題を診断し、最適な解決策を提案します。 |
マンガ形式 | 登場人物のストーリーを通じて、製品やサービスがどのように課題を解決していくかを分かりやすく描きます。 |
動画埋め込み形式 | 文章だけでなく、解説動画や顧客インタビュー動画を埋め込みます。 |
切り口でアイデアを広げる
テーマ | 説明 |
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トレンド予測 | 業界の未来や市場の動向について、大胆な予測や独自の視点を提示します。 |
複数記事の集約形式 | 関連する複数のブログ記事などをまとめ、体系的に再編集します。 |
用語集 | 業界特有の専門用語や概念を分かりやすく解説します。 |
料金表 | サービスや製品の料金体系を分かりやすくまとめたものです。 |
事例集 | 成功事例だけでなく、失敗から学んだ教訓をまとめたものも含まれます。 |
製品開発のウラ側 | 新製品や新サービスの企画・開発プロセスを公開します。 |
カオスマップ | 特定の業界におけるサービスや企業をカテゴリー別にマッピングし、全体像を分かりやすく示します。 |
問題提起 | 既存の概念や常識を覆すような、新しい考え方やフレームワークを提唱します。 |
アンケートレポート | 顧客にアンケートを実施し、その結果を詳細に分析してレポートにします。 |
製品・サービス体験レポート | 実際に製品やサービスを利用した体験を詳細にレポートします。 |
比較レビュー | 自社製品だけでなく、競合他社の製品やサービスも公平に比較・分析します。 |
専門家との座談会 | 業界の有識者や著名なユーザーを招き、特定のテーマについて議論して、その内容をまとめます。 |
未来のロードマップ | 今後リリース予定の新機能やサービス改善計画を具体的に示します。 |
よくある勘違い | 業界で一般的に信じられているが、実は間違っている通説や勘違いをデータや事例に基づいて解説します。 |
製品・サービスの推薦 | 特定の製品やサービスを推薦する形の内容です。 |
イベントレポート: | イベントやセミナーの内容をまとめ、参加できなかった人向けに提供します。 |
ランキング | 業界内のサービスや製品を独自にランキング形式で紹介します。 |
シミュレーション | 自社製品を導入しなかった場合と導入した場合の未来をシミュレーションします。 |
おもしろ企画 | 読者の興味を引くユニークな企画を盛り込みます。 |
ゲーム形式 | 資料ではなく、実際にゲーム画面を作成して読者が体験できる形式です。 |
ドキュメンタリー | 企業や製品の歴史、開発者の情熱などをドキュメンタリー風に描きます。 |
最終的にホワイトペーパーを評価するのは「読み手」である
究極的な話をすれば、ホワイトペーパーはどんな形でも、どんな見せ方でもいい。
なぜなら、ホワイトペーパーの価値を最終的に評価するのは、作り手である企業ではなく、ダウンロードしたお客様(読み手)だから。
つまり、お客様に「これは役に立った」「この情報は求めていたものだ」と評価してもらえるのであれば、どんな形でも、どんな表現方法でもいいと言えます。
作り手は、ホワイトペーパーがマーケティング戦略に沿っているか、デザインが美しいかなどは評価できますが、その内容がお客様の心を動かすほどの価値があるかどうかは、お客様にしか判断できません。
誰が評価するのかを常に考え、その人に向けた作り方をしていくことで、固定概念に縛られることはなくなります。
まずは、目の前のお客様が何を求めているのか、その問いに向き合うことから始めてみませんか?
そうすれば、きっとあなただけが作れて、お客様も喜ぶユニークなホワイトペーパーが見えてくるはずです。