【マーケティング基礎】「セグメント」は知っておくべき頻出用語!一から徹底解説します

  • | 公開 2022年12月20日
マーケティング
【マーケティング基礎】「セグメント」は知っておくべき頻出用語!一から徹底解説します

マーケターなら知らなきゃまずい「セグメント」。この機会に、私と一緒にマスターしていきましょう。
エンプレス編集部:yagi(@pl_enpreth

今回のテーマは「セグメント」。

マーケティング施策を練るなかで外せない「セグメント」は、マーケターとは切っても切れない言葉。でも、マーケティング用語っていっぱいありすぎて頭の中でごっちゃ混ぜになることもありますよね…。

そんな時にぜひ参考にしていただきたいのが今回の記事。「セグメント」の意味や目的、マーケティング施策の中での活用の仕方までもれなくご紹介します。

駆け出しマーケターさんも、ベテランマーケターさんも最後まで目を通していただけたら嬉しいです!では私と一緒に見ていきましょう~!

こんな方にオススメ
・マーケティングを学びだした方
・セグメントの意味があまり分かっていない方
・知識を売上に繋げていきたいと思っている方

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「セグメント」とは

英語表記で「segment」と記されるセグメントは、その英訳の通り「全体を分割したうちのひとつ」を意味しています。でも、これだけだと正直何を示しているか分からないですよね。

実は、「セグメント」はマーケティング業界だけでなく、広く使用されている言葉。

意味に大きな違いこそありませんが、使うシーンによってはニュアンスが異なるので注意が必要です。

ここでは、マーケティング用語としての「セグメント」をはじめ、さまざまなシーンにおける意味と使用例をご紹介します。

マーケティング用語としての「セグメント」

マーケティングにおいての「セグメント」とは、自社で設定した“何らかの基準”をもとに、市場やお客様(顧客)を分類した、一つひとつの集団のことを指します。

ちなみに、市場やお客様というのは、自社のサービス・商品を提供する相手ですね。

ここでポイントとなるのは“何らかの基準”という部分ですが、これについては後ほど詳しく見ていきましょう!

少し例を挙げるとすれば、「年齢」「職業」「性別」などの明確に区別できる基準を設け、その条件に当てはまる人たちでグループ化していく…ということです。

マーケティング施策を立案するうえで、セグメントに分類することは欠かせない作業なので、しっかりこの意味を覚えておいてくださいね。

使用例:
・「今月中に新規事業の顧客をセグメント化して、顧客タイプに合わせた効率的なアプローチ法を考えましょう」
・「先週実施したキャンペーンでコンバージョンにつながったセグメントを分析して、次のキャンペーンにも活かしていきましょう」

経営用語としての「セグメント」

経営の分野で使われる場合は、その企業で行っている事業の一つひとつを示します。

事業ごと…と言えばより分かりやすいでしょうか。

例えば、企業の中で「コンサルティング事業」「Web制作事業」「技術者派遣事業」があったとすると、それらがそれぞれ「セグメント」と呼ばれます。

特に、事業内容の幅広い中堅~大企業では、事業単位で業績を見るケースが多いため、「セグメント」の使用シーンとの遭遇率は高め。ぜひこちらもしっかりと覚えておいてくださいね。

使用例:
・「前期を踏まえ、今期のセグメント別売上目標は、コンサルティング事業1億円、Web制作事業1.5億円、技術者派遣事業7000万円とします」
・「セグメント別に今期の売上を発表してください」

【余談】クルマのクラス分けにも使われる「セグメント」

クルマに詳しい方ならすでにご存じかもしれませんが、「セグメント」という言葉はクルマのクラスを分ける際にも使われています。

よくAセグ、Bセグ…といったような言葉を耳にしたことはありませんか?

実はこの「セグ」が示しているのが「セグメント」。つまり、クルマを車格によって格付けし、分かりやすくカテゴライズしているのです。

アルファベットのA~Lまでの豊富なセグメントに分けられ、Lに近づくほど、排気量、スペックの高さに加え、価格帯も高価になっています。

ちなみに、この「セグメント」という言葉をクルマのクラス分けに使用し始めたのは欧州が発祥。昔からヒエラルキー*の激しい欧州の歴史的背景が反映されているとも言えますね。

ヒエラルキーとは
「階層」や「階級」を表す言葉。一般的にピラミッド型の階級構造で示され、階級の“高い”ものから“低い”ものへ段階的に、末広がりの形で構成されていきます。

類似単語との意味混合には要注意!

「セグメント」と意味は異なるけど、ニュアンスは似ているという少し紛らわしい言葉が「ターゲット」と「マーケット」。

言葉自体も少し似ていて混合しやすいですが、明確に異なるのでここで一緒に覚えてしまいましょう!

「ターゲット」

比較的耳なじみの良いターゲットという言葉。

よく、「この雑誌は20代の女性をターゲットにしている」といった使われ方を耳にしたことはありませんか?

その意味から分かる通り、ターゲットという言葉は「商品販売の対象となる特定の購入者層」のことを指します。つまり、“特定の条件を持ったグループ”を指していると言えますね。

でも、「あれ?そしたらセグメントと一緒じゃないの?」と感じた方もいるはず。

セグメントも、“何らかの基準”をもとにその条件に当てはまる人たちを分類するというものでした。

この2つで異なるのは、セグメントは“分類に特化した作業”に対し、ターゲットは“分類された中からピックアップする作業”を指す点。

例えば、企業が新サービスの提供を考えている時、まず“セグメント”によって条件ごとにグループを作ります。そして、そのグループからさらに選択した特定の購入者層が“ターゲット”になります。

作業フローでいうと、セグメント⇒ターゲットの流れで行われていると覚えておくといいですね。

「マーケット」

マーケットとは「市場規模」を示す言葉ですが、セグメントも「市場」と呼ばれることがあるので混合しないよう注意しましょう。

マーケットが示す「市場」とは、市場そのもののこと。つまり、条件ごとに分類したりせず、多種多様な顧客が散在している全体像のことを指します。

対して、セグメントは、市場の全体像を指すマーケットを条件によって分類した規模の小さな市場。

「マーケットという大きな市場のなかに、条件ごとに分けられた小さな市場(=セグメント)が存在している」と考えておくといいでしょう。

マーケットとセグメントの違い

セグメンテーションはなぜ重要?

こうしてみると「セグメント」って広い範囲で使用されていますよね。

ここからは、その中でもマーケティング業界に限って「セグメント」を深掘り!

まずは、マーケティングにおけるセグメンテーションの重要性・必要性について解説します。

そもそも「セグメンテーション」って?

急に出てきた「セグメンテーション」という言葉。

とても単純ですが、「セグメンテーション」とは“セグメントを行うこと”です。

日本語訳では「市場細分化」と呼ばれ、簡単に言えば、「不特定多数の顧客を“何らかの基準”をもとにグループ分けするプロセス」そのものを指しています。

新製品やサービスを売り込む顧客を選定する際に、「セグメンテーションを行う」といったように使われることが多いので、ぜひ覚えておいてくださいね。

セグメントとの違いについては以下を参考にしてください。

セグメント    :ある条件によって人々を分類したグループのこと
セグメンテーション:ある条件に人々を分類する行為そのもの

「何を」を考える前に「どこの」「誰に」を先に考えるために

では、なぜセグメンテーションが重要なのでしょうか。

自社の製品やサービスを売り込みたい時、まさか数打てば当たる精神であてずっぽうに売り込む企業は少ないと思います。

人員や予算などリソースに限りがありますからね…。

でも、意外と陥りがちなのが「どこの・誰に・届けたいか」を明確にせず、施策のままに推進してしまうこと。

もちろん、施策はマーケティングにおいては重要なことに違いないですが、もっと大事なのは“届ける相手(消費者)”をクリアにしておくことです。

もし施策を使いまわしているとしたら要注意、セグメントなくして施策からマーケティングを進めてしまえば顧客に合わない施策だった…なんてことになりかねません。

セグメントは、「どこの」「だれに」を絞る上では欠かせない工程ということを覚えておきましょう。

万人向けじゃ満足しない!消費者ニーズが多様化している

インターネットの普及に伴い人々のニーズやライフスタイルは多様化し、誰もが膨大な情報源を得られたことで、趣味嗜好に沿った製品・サービスを求めるようになりました。

その中で、幾千にも広がった消費者ニーズにまとめて応えられるような万人向けサービスを提供するのは簡単ではありませんよね。

いくらコストをかけたものであっても、それに見合う成果は上げられないと考えるのが良いでしょう。

セグメントが重要となる理由はまさにそこ。自社の強みが刺さるような顧客、自社のメイン顧客と類似した顧客など、購入・契約に大きな期待が見込まれる特定の層を狙ってアプローチしていくことが大切になるのです。

デジタルツールの浸透による対競合策

今やなくてはならないデジタルツール。

昨今のテクノロジーの進化により、効率的なマーケティング活動を実現し、業界全体のボトムアップに貢献しました。

少し前であれば、顧客情報は手作業で仕分けるのが主流。そんな中、MAツール(マーケティングオートメーションツール)※が続々登場し、今では手頃な価格で手に入るように。

そのため、それを活用する企業が多く、競合他社とマーケットを取り合う上では、セグメントの実施は必要不可欠と言えるでしょう。

MAツールとは
顧客情報や閲覧履歴に至るまで自動で一元管理し、一連のマーケティング活動をサポートするデジタルツールのこと。

セグメンテーションの実施

ここからはより実践的な内容に入っていきます。

マーケティング活動の第1段階目「セグメンテーション」を行うにあたって、その方法と指標を解説します。

セグメンテーションの分類例

これまでの解説の中で何度も登場している“何らかの基準”。実は、この基準には代表的な4つの変数があります。変数と聞くと「?」となりがちですが、要は「どんな条件で分類するか」という条件例みたいなもの。

多くの企業がマーケティングを行う際に用いる条件なので、しっかりと覚えておきましょう。

① 地理的変数(ジオグラフィック変数)

地理的変数は、国・地方・県・市などの立地、気候、人口密度、文化・生活習慣、宗教、政策といった地理的要素を分類条件とするもの。

分かりやすい例でいえば、食製品が分かりやすいでしょう。食にはその土地の文化が出やすく、地域性などに合わせた商品展開が重要。そのため、食品メーカー等がニッチな食製品を売り出そうとする場合、どの地域に合うかというセグメンテーションには地理的変数が用いられます。

②人口動態変数(デモグラフィック変数)

人口動態変数は、年齢、性別、職業、所得、学歴、世帯構成、ライフサイクルといった人の属性要素を分類条件としたもの。

消費者ニーズの大部分が人口動態変数と密接に結びついていることから、セグメンテーションの中でも一番良く使われる方法です。

例えば、女性アパレルの場合、年代やライフスタイルで好む服装が異なることから、この人口動態変数によるセグメンテーションが必要になるでしょう。

また、「M1層」「F1層」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、マスマーケティング*で用いられるこの分類も人口動態変数に相当します。

マスマーケティングとは顧客を限定せず、不特定多数の消費者に自社商品やサービスをアピールすること。セグメンテーションを行わない、大衆向けの画一的なアプローチと言えます。

\プチ知識/ 「M1層」「F1層」って?

これは、ターゲットを性別・年代で分類した区分のこと。男性であれば英語のManの頭文字をとったM、女性であればFemaleのFを取り、性別ごとにさらに年齢別で区別していきます。

M or F年齢幅
120~34歳
235~49歳
350歳以上

そのため、「M1」であれば“20~34歳の男性”、「F1」であれば“20~34歳の女性”ということになります。

テレビCMの視聴者層分析やマーケティングにおいては頻出する言葉なので、この機会に覚えておくといいですよ!

③ 心理的変数(サイコグラフィック変数)

心理的変数は、個人の価値観やライフスタイル、感性といった心理的特徴を要素とした分類条件。例えば、アウトドアorインドア、高級志向orコスパ重視などのパーソナリティを基準とします。

近頃は、消費者ニーズが多様化し、細かいニーズが散在していることから、この変数の重要性が徐々に上昇。ただ、セグメンテーションの次ステップ、ターゲティングを行う際には、心理的変数のみだけでなく他の変数と併用して活用します。

④ 行動変数(ビヘイビア変数)

行動変数とは、購買行動やその経路、頻度、製品に対する知識や態度、使用シーン、反応などの行動パターンを要素とした分類条件。

この変数を活用すると、新規顧客とリピーターとでセグメンテーションして、アプローチの仕方を変えるといった施策を打ち出すことができます。例を挙げるなら、化粧品メーカーでスキンケア商品をリニューアル販売する場合、行動変数でセグメンテーションすれば既存製品ユーザーか新規顧客かを区別化でき、プロモーション法を変えることができます。

セグメントにおける4つの条件

ここまでは、セグメンテーションの方法を見てきましたが、次に行うべきはそのセグメンテーションが有効かどうか。

簡単に言うと、そのセグメンテーションで導き出したセグメントを基準にして、その後のマーケティング活動を進めても良いかどうかという確認作業です。

そして、これを測る時に用いられるのが「4つのRの法則」。では、一つずつ見ていきましょう!

「4つのRの法則」とは

セグメントの4R

「4つのRの法則」は、セグメンテーションが正しく実施できたかを評価するための判断基準です。言い換えれば、この4つの法則すべてに当てはまるセグメントこそ、事業成功が高い確率で見込まれるマーケットだということ。

「規模の有効性(Realistic)」「優先順位(Rank)」「到達可能性(Reach)」「測定可能性(Response)」の4つの頭文字Rを取り、4つのRの法則と呼ばれます。

市場規模の有効性(Realistic)

Realisticでは、そのセグメントで“売上を上げられるかどうか”という「市場規模」を検討します。

自社の商品やサービスがどれだけ優れていても、それを必要としていない人に売ったところで売れないことは想像に容易いですよね。

そのため、自社が参入する市場にターゲットとなる消費者がいるかどうか事前に調査を行いましょう。

優先順位(Rank)

Rankはその言葉通り、導き出したセグメント内でランク付けをして優先順位を設定します。

資金や人員などのリソースには限りがあるため、ランク付けによって重要度の高いセグメントを明確にすることで、そこに注力できるようにします。

到達可能性(Reach)

Reachは、自社が設定したセグメントに対して、実際に商品やサービスを届けられるかどうかを検討します。

自社商品やサービスを必要としてくれる消費者の場合であっても、離島在住であれば輸送コストの問題が出てきたり、またグローバルニーズがあってもコミュニケーションの壁があったりと、現実問題難しい場合も。

そのため、需要があるからという理由だけで判断せず、到達可能性もしっかりと検討することが大切です。

測定可能性(Response)

Responseでは、設定したセグメントにおいてマーケティング施策の効果を測定できるかどうかを検討します。

マーケティングでPDCAサイクルを回していく際に、「そのセグメント設定は適切だったか」や「どのような効果があったか」を可視化することはとても重要。

そのため、マーケティング施策の有効性を測定できるセグメントを選定するようにしましょう。

【豆知識】4Rだけじゃない!4分割の思考フレームワークをご紹介

「4つのRの法則」をご紹介しましたが、それに似ているマーケティングのフレームワークとして「4P」「4C」「SWOT」も覚えておくと便利ですよ!

この3つも4分割で構成されたフレームワークなので、ぜひこの機会に一緒に見ておきましょう。簡単にご紹介します。

4P

マーケティングのフレームワーク:4P

企業が商品やサービスを販売するために行うマーケティング施策の頭文字をとった言葉。企業視点となるフレームワークで、商品・サービスの効率的な市場展開のためには欠かせません。

項目説明
Product(製品)何を売るか
Price(価格)いくらで売るか
Promotion(販売促進)どうやって消費者に商品・サービスを広めていくか
Place(流通)どういった手段で消費者に商品・サービスを届けるか

4C

マーケティングのフレームワーク:4C

顧客が商品を選択し購入するまでに、顧客の意思決定に影響を与えるとされる要素の頭文字をとった言葉。顧客視点でのマーケティング施策、商品・サービス設定の際に効果的なフレームワークです。

項目説明
Customer Value(顧客価値)顧客が企業の商品やサービスに抱く価値
Cost(顧客のコスト)顧客が商品・サービスの価値を得るための対価として支払うコスト
Convenience(顧客にとっての利便性)商品・サービスの入手方法が顧客にとってどれだけ便利か
Communication(顧客とのコミュニケーション)オンライン・オフラインに関わらず、どのようなツールで顧客と接点を持つか

SWOT(スウォット)

マーケティングのフレームワーク:SWOT(スウォット)

マーケティング戦略では欠かせない自社理解を行うためのフレームワークです。下記の頭文字をとり、SWOTと呼ばれます。

項目説明
Strength(強み)自社製品・サービスが競合他社と比べて差別化できているポイントや、売れている理由などの「強み」
Weakness(弱み)自社製品・サービスよりも競合他社が秀でているポイントや、自社が苦手としていることなどの「弱み」
Opportunity(機会)市場におけるビジネス展開の好機や、競合他社の動きなど自社にとって「チャンス」となる外部環境
Threat(脅威)自社の強みを脅かすであろう市場状況や、競合他社の動向など自社にとっての「脅威」

自社の強み・弱みに加え、市場や競合他社の状況を分析し、マーケティング戦略に活かします。この分析方法がSWOT分析です。

SWOT分析では、自社が置かれた「内部環境」と、自社を取り巻く「外部環境」に分け、さらにそれらをプラス面/マイナス面に分け、分析を深めていきます。このSWOT分析は、自社の現状を把握するためには欠かせない分析手法なので、ぜひ覚えておきましょう。

このほかにも、ビジネスシーンで使えるフレームワークはたくさんあります。以下の記事でまとめているので、ぜひこちらもチェックしてみてください♪

>>フレームワークとは?引き算思考で成果を出す方法

セグメンテーションで気を付けるべきこと

セグメンテーションを効果的に行うための基準として「4つのRの法則」をご紹介しましたが、意識するべきことは他にも。

特に、セグメンテーションを行う際には、心構えとして以下のことを頭に入れておくと良いでしょう。

お客さまを理解しないまま分けない

セグメンテーションを行う際、最優先してほしいのが顧客理解。

上辺に見えている事実だけを頼りにしては、自分たちのお客さまや向き合いたい顧客の解像度が低いままとなり、結果的に的外れな分類になりかねません。

顧客が真に何を求めているか、どういう特性を持っているかを十分理解するところから始めてみてください。

自分の思い込みで分けない

セグメンテーションするための情報が揃っているとはいえ、その全ての情報を理解しているとは必ずしも言えないですよね。

そんな時、陥りやすいのが自分の経験・知識によった自分本位なセグメンテーション。主観が勝ち、思い込みで分類すると間違った分け方になりかねないので注意が必要です。

自社の強み・弱みを理解する

ただ単にセグメンテーションをするのではなく、しっかり自社の強みや弱みを理解しておきましょう。もし効果的なセグメンテーションができたとしても、自分たちの強みを発揮できない市場なら本末転倒ですよね。

顧客理解と同時に、自社の価値についても明確にしておくのがよいでしょう。

そして、その上で考慮すべきは“自社の経営資源”。

当たり前ですが、資金、人、時間、コネクションなど、自社で用意可能なリソース内でアプローチできるセグメントではないと意味がありません。

せっかくのセグメンテーションを机上の空論で終わらせないよう、自社の経営資源も理解した上で検討しましょう。

細かく区切りすぎない

これは心構えというよりかは実践的なお話ですが、細かく区切りすぎたセグメントはかえって非効率になりかねないので注意しましょう。

分類条件としてあれもこれもと顧客の幅を狭めすぎると、合致する顧客が見当たらなかったり、ターゲットが少なすぎてマーケティング価値が下がることも…。

考えすぎるとこういう事態になりやすいので、すこし広義的に分類するぐらいの気持ちでやってみるのもおすすめです。

平均でなにもかも考えない

可もなく不可もない値を求める際に使う平均値。便利ではありますが、セグメンテーションを行う際には、“平均を求める”ことはしないようにしましょう。

というのも、セグメンテーションをしていくと、自社商品・サービスがマッチすると考えられる顧客の平均値を導き出しやすくなり、結果その平均値に合ったターゲットを求めるように。これだと、確かにセグメンテーションの効率は上がりますが、顧客ごとの性質・特徴には目を向けなくなってしまいがちです。

例えば、アメリカと日本と中国の平均は?なんて聞かれても、全く異なる文化・性質を持つ3つでは平均値を求めるなんて論外ですよね。セグメンテーションもこれと同じ。

平均思考ではなく、あくまでも“類似した性質・特徴のものを大枠に分類する”ということを意識してください。

定期的にセグメンテーションのリセットを

半年から1年ごとに改めてセグメンテーションを行うようにしましょう。

1度セグメンテーションしたとしても、市場や世界は変わり、お客様もどんどん変化していきます。そのなかで、古い情報で行ったセグメンテーションを使いまわしていくことはナンセンスですよね。

1度通用したものでも、少し経てばリスクへと変わるということを頭に入れておき、定期的なリセットを行いましょう。

セグメンテーション後のマーケティング戦略立案のフロー

今回は、セグメンテーションに着目した内容ですが、マーケティング施策ではまだまだ序盤の工程。セグメンテーション後に取り組むべき作業はほかにもあります。

ここでは、セグメンテーション後のフローとなる、ターゲティング、ポジショニングについて見ていきます。

まずは、マーケティング戦略立案の代表的フレームワークとされる「STP分析」から学んでいきましょう!

STP分析とは

マーケティングのフレームワーク:STP分析

そもそもSTPとは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字をとった言葉。

これは、セグメンテーションで市場の全体像を明確化させ、ターゲティングで自社がアプローチすべき市場を決定し、ポジショニングで競合他社との位置関係を決める、マーケティング活動の一連のフレームワークのことです。

では、「ターゲティング」「ポジショニング」とは具体的にどんな作業なのでしょうか?以下では一つずつ詳しく見ていきます。

「ターゲティング」とは

市場を細分化する作業をセグメンテーションと言いますが、ターゲティングはその後に続く工程です。

このターゲティングでは、セグメンテーションで導き出した複数のセグメントから最終的なアプローチ対象となるセグメントをピックアップします。

この際、「自社のブランドコンセプトにマッチした顧客かどうか」「自社の強みを活かせる市場かどうか」を検討して決定するのが良いでしょう。

また、一般的にターゲティングでは以下の3つの手法が用いられています。

項目説明
集中型マーケティングターゲットとするセグメントをいくつかに絞ってマーケティングを行う方法
差別型マーケティング設定したセグメント全てを対象に、各市場に合った製品を提供する方法
無差別型マーケティングセグメントによる分類を無視し、全市場に同製品・サービスを提供する方法

顧客と自社の両方の利益が最大化できるよう、ターゲティングは慎重に。

「ポジショニング」とは

ターゲティングによって、市場を選定したあとはポジショニングを行います。

ポジショニングは、選定した市場を調査し、市場内での自社の立ち位置を定める作業です。

消費者にとって「この製品のここが良いから好き」という独自の存在となれれば、リピーターを作ることができますよね。

そのため、ポジショニングでは、競合他社と比較した上で、自社商品・サービスの優位性が高いポジションを探り、差別化を図ります。価格・機能・品質など幅広く調査を行い、自社の優位性となる点を明確化させることがポイントです。

STP分析の重要性

「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の各作業内容を学びましたが、このSTP分析がマーケティング活動で重宝されている理由は大きく4つ。

その重要性を理解して、有効的に活用していきましょう!

①お客さま理解につながる

セグメンテーションでは、条件ごとに顧客を分類していくため、何らかの傾向が見えてきます。例えば、「この市場には顧客がいっぱいいるのに、もう一方では全然いない」など、“顧客整理”による新たな発見があるはずです。

また、“顧客整理”を行うことは、彼らのニーズにも気づきやすくなり、アプローチ法を確立する際にも欠かせない指標となるでしょう。

自社商品・サービスの「強み」を発見

ターゲットとする顧客の決定後、アプローチ法を模索する中で必要となるのが、自社商品・サービスの「強み」。

競合他社との位置関係を測る際にも一つの指標となる「強み」の把握は、効果的なマーケティング戦略を実施する上で非常に重要な要素です。

また、社内の共通理解として「強み」を知っておくと、組織的強化にも繋がります。

③自社の優位性を明確にできる

ポジショニングの工程で行う他社比較を通して、自社製品・サービスの差別化ポイントを把握することができます。

自社の品質・価格・サービス内容を吟味することにもつながるので、市場内で自社のどこに優位性があるのか浮かび上がってくるはずです。

④プロモーション戦略に活かせる

セグメンテーション~ポジショニングの一連のワークフローを完走することで、自社が目指すべき目標やその後の展望にも活かすことができます。

STP分析では、「誰に対して、どのような方法で、自社製品・サービスの何をアピールするのか」という情報を網羅できるため、プロモーション戦略の土台作りに活かせるでしょう。

各企業のセグメンテーション成功例

このテーマ最後は、各企業のセグメンテーション成功例をいくつかご紹介します。

ここで紹介するのは、どれも大企業として名を馳せる有名企業。成功の裏には、地道なマーケティング戦略があったということを頭に入れ、一緒に見ていきましょう。

スマートニュース

セグメンテーションの成功事例:出典:スマートニュース

今やニュースアプリとして有名な「スマートニュース」。実は数年前までは、iOS、Androidともにアプリランキング100圏外というほどの知名度の低いアプリだったことはご存じですか?

わずか1年という短期間で100位圏外から1位へと下剋上を果たしました。

スマニューが行ったのが、“たった一人の顧客を徹底的に理解する”こと。

アプリの認知度は低いながら満足度は高く、継続利用者が多かったという点に目を付け、ロイヤル顧客を徹底的に分析することで、スマニューの「強み」となる独自性や利便性を明確化させました。

さらにスマニューは、既存顧客ではなく、アプリ未認知の顧客をターゲットとすることで利用者拡大アップを実現。ロイヤル顧客理解から分かった“独自性・利便性を未購買者にも共感させる”戦略が実を結びました。

そしてスマニューをこのような大成へと導いたのが、当時のスマートニュース執行役員マーケティング担当(日本・米国)の西口一希氏。西口氏いわく、顧客理解の不十分さが今のマーケターの課題点だとし、顧客理解の最重要性を説いています。

昨今さまざまなマーケティング手法が確立する中で、どうしても顧客を数字として捉えてしまう傾向がありますが、あくまでも向き合っているのは“大切なお客さま”ということを忘れず、理解したい!という気持ちを忘れないようにしましょう。

ユニクロ

セグメンテーションの成功事例:出典:ユニクロ

「LifeWear」というキャッチコピーとともに、老若男女どの層からも圧倒的支持を得るユニクロ。ユニクロのセグメンテーションも、マーケターならぜひとも頭に入れておきたいビジネスモデルです。

その戦略で注目を集めたのが、独自の「強み」を活かせる市場選定。

ユニクロにはSPAと呼ばれるシステムがありますが、これは商品の立案から製造、販売までを全て自社で行うビジネススタイルのこと。消費者のニーズに合わせて柔軟な生産ができるという強みを存分に活用し、確実に売れる商品のみを生産しています。

顧客層で分けるのではなく、「カジュアルで、ベーシック。“誰でも着れるアイテム”を作る」という商品ベースの方針を掲げ、その後発売したアイテム「ユニクロのフリース」が爆発的人気に。

自社の強みを理解した戦略で、瞬く間に世界的アパレルブランドへと成長していきました。

メルカリ

セグメンテーションの成功事例:出典:メルカリ

国内フリマアプリとして有名なメルカリ。不用品を売るというカテゴリーでは、Yahoo! JAPANが運営するヤフオク!と同質ですが、メルカリが工夫したのは“利用目的”の差別化。

「高値の取引をしたい」という傾向が強いヤフオク!に対して、メルカリは「商品を大切にしてくれる相手に譲りたい」という「シェアリング」の側面が特徴的です。

日本の古くから根付く習慣「お下がり」を上手く利用し、オークション形式であるヤフオク!とは一線を画したビジネスモデルで大成功を収めています。

大企業により寡占状態かと思われる市場でも、自社の強みが活かせるポジショニングを獲得できれば、新興企業の成功も夢じゃないことの良い例と言えます。

最後に

最後までご覧いただきありがとうございました!

今回ご紹介した「セグメント」は、マーケターなら絶対覚えておきたい言葉。

「マーケター覚えること多いよ…」と思ってしまいがちですが、一つひとつの作業にはしっかり意味があるので、くじけずに頑張っていきましょう…!

ぜひ参考にしてみてくださいね。

マーケティング戦略の要ともいえる「セグメンテーション」。何事も基盤が大事ですよね。
エンプレス編集部:yagi(@pl_enpreth)

マーケティングの「何」を学べばいいか困っていませんか?

マーケティングを学ぼうと思ったら、その量や広さにビックリすることもあります。

「あれもやらなきゃ…」
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どんどん増えて、頭はもうパンク状態。

そんな時は、マーケティングに関する情報がまとめられた資料を、流し読みすることがオススメです。

最初からがっつりやらなくても、最初は「どんな情報があるのかな」と興味レベルで、色々知っていくと、覚えやすいと思います。

情報探しで遠回りせず、最短で結果を出すために。

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