いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。オウンドメディアのマネタイズ失敗を回避するため、必要な情報をまとめてみました。
オウンドメディアをうまく軌道に乗せられると、継続的な利益の源泉にもなる。
しかし、失敗すれば、かなりの時間を無駄にする場合も。
こういう言い方をすると、ハイリスクハイリターンのように思ってしまうかもしれませんが、マネタイズに失敗する原因を予め潰しておけば、成功の確率はグッと高くなります。
あなたにも知ってもらいたい、オウンドメディアの失敗原因をまとめたので、この情報が少しでもお役に立てられれば嬉しいです。
オウンドメディアのマネタイズで失敗する原因
オウンドメディアのマネタイズに失敗する原因は、たった一つ。
それは"なぜやるのか"が明確にされていないからです。
「いや、やる理由なんて売上を立てる以外にないでしょ。」
このように、企業であっても、個人であっても、オウンドメディアを始めた場合は最終的に収益を上げることが「なぜやるか」に該当すると思いますが、これを動機にすることは、私自身オススメしていません。
有名なフレームワークである、5W1Hを元に考えてみると、
- Who(企業が)
- When(このタイミングで)
- Where(インターネット上にて)
- What(オウンドメディアを始めて)
- Why(収益を上げるために)
- How(記事を書く)
このような流れとなり、5W1Hを使うと収益を上げるためにオウンドメディアを立ち上げることが「動機」になる意識が強くなりました。
1. 成果が出ていない企業には何が起こってる?
オウンドメディアで不振が続く企業は、自社利益を最優先にしてきたために、結果的に成果が出ないか、撤退や更新停止などに追い込まれている状況でもあります。
この動機を元にしたら、どのような運営方針になるか。
収益に焦点を当てると、
→手間やコストを抑えて、
→→効率的にある程度の品質で、
→→→コンテンツを生み出していけばいい。
動機や目的が収益を増やすためなので、コストカットを行ったり、コンテンツを届けたいユーザーさんを深く考えず、工場のように生産し続ける。
日本人の特性が邪魔をしている
日本人は、一定の品質を大量に生み出すことに慣れているため、合理的に進める傾向があるのかもしれませんが、そこからの発展がないため世界と比べても競争力がないと言われてしまっていますよね。
この状況はオウンドメディアにも起こっており、本来求めていきたい価値や思想に意識が向けられず、記事を作ることが目的化してしまっている状況が多いんです。
効率化を行いマネタイズを最優先にした、オウンドメディアの弱さでもあります。
2. 簡単に作れるからこそ品質が求められる
企業において、効率と利益を優先することは当たり前だと思うのですが、オウンドメディアは今や、誰でも簡単に大量に作れる時代。
その中で周りと同じようなことをして、同じような運営をしていたら、負けてしまう確率が高いのは当然の結果だと思っています。
コンテンツも日々、何百何千何万と作られているため、コストを抑えた一般論しか語られていないコンテンツには、誰も興味を示しません。
それならと、奇抜で目立つ炎上覚悟のコンテンツを作ればいいかと言えば、そうでもないんです。
品質はオウンドメディアの運用目的によって高められる
すでに大量の情報で溢れている世の中ですが、周りのレベルも上がっており、その中で違いを出していくには、オウンドメディア運営側の方針や理念、ユーザーさんにどんな情報を届けたいのか、自分たちはどういう存在であるべきか、その他ブランド的な思考も必要になってきます。
例えば、
① 北海道の牛乳:150円
② 田中さんが愛を注いで育てた牛から絞り出された牛乳:150円
同じ牛乳でも、買いたいと思えるのは、たぶん②の方なんじゃないかなと思います。
①はどこにでもありそうなもの、しかし②は誰が何をして出来たものなのかが分かる。
田中さんは牛乳の魅力をみんなに届けたいから、
→愛を持って牛を育てているので、
→→とっても美味しい牛乳ができる。
このような形で「なぜ」が先頭に入ってくると、自然と結果が高品質になり、選ばれるようになる。
「なぜ」を明確に理解していると力が湧き出てくる
「なぜ」の部分が、単なる牛乳を作り出すことだけだったら、美味しい牛乳も作れませんし、他の牛乳と同じような扱いをされて、選んでもらえなくなる…。
つまり、売れないとは、目的である収益が上がらない。
そして「なぜ」を別の形にすると、信念や信条など、作り手側の強い想いや熱意と言い換えることもできます。
それらの想いや熱意が、生み出される結果を高品質に変えてくれて、みんなからも信用されていき、さらに求められるようになる。
運営者側の「なぜ」が全ての原動力になるため、オウンドメディアを運営するための動機から確立させていく必要があると、私は思っています。
ポイント
信念なきメディアは淘汰されていく。
3. 他のマネタイズに関する失敗原因
KPI・KGIに頼りすぎている
オウンドメディアの成果を測るため、KPIやKGIを細かく決めて実行している場合もあるかと思います。
何の数値をどのくらいまで高めればいいのか、明確な指標があると進めやすいですよね。
大事な数値目標には変わりありませんが、数値だけを高くすることが目的となり、実際にコンテンツを見てくれているユーザーさんの感情を置き去りにしてしまう場合も。
オウンドメディアではコンテンツ(記事)の良し悪しはもちろん、デザインやUIなど、ユーザーさんが好印象・悪印象を感じるポイントは様々あります。
もし、単純などこかのポイントだけに絞って成果が出ていれば問題ないという考えになっていると、足元をすくわれる事態になることもあります。
KPIやKGIはもちろん必要なものとして設定し、もっと広い視野でオウンドメディアを見ていく意識が大事です。
部署間の連携がうまくいかない
オウンドメディアは、企業内のスタッフが一丸となって行う大事な存在でもあります。
しかし、営業の部署、マーケティングの部署、広告の部署など、全部署が関わることにもなるため、発言権の強い部署からの依頼を断れなかったり、マーケティングの部署からは数値至上主義の方針を言い渡され現場が疲弊していく…。
こんな状態になることもあり、社内の連携がうまくいかないことで、結果的に失敗へ追い込まれる場合があります。
それぞれの部署の思惑が絡んでくると、ユーザーさんへ用意するコンテンツの品質が落ちてしまうこともあるため、社内調整にも気が抜けません。
給料体系によっても変わる
一般的な企業であれば、給料を決めるための仕組みが備わっていると思います。
部署それぞれで求められる結果が違うと思いますが、複数の部署が関わってくると、それぞれの給料を守り高めるため、自分たちに都合のいい運営方針に変えたがります。
- 営業は、すぐに売上に繋がる顧客獲得が最優先。
- マーケターは、リードを獲得してナーチャリングが最優先。
- ライターは、コンテンツの品質を高めることが最優先。
バラバラの目的を持つため、せっかくリソースを集めれば成功するのに、リソースが分散してしまうことで、結果が出せなくなる場合もある。
社内の関係でオウンドメディアに失敗する場合もあることを、覚えて頂きたいです。
運営の専門知識がない
オウンドメディアの運営では、営業力・ライティング・デザイン・解析や分析・マーケティングなどなど、様々なスキルセットが必要となります。
しかし、オウンドメディアの運営に必要なスキルを、担当者が全てを持っていないことも多いはず。
そのような状況の中、オウンドメディアを運営して、必ず成果を出せと言われても、無理な話ですよね。
プレッシャーが掛けれら、成果がなかなか出てこないことで、担当者を変えられてしまったり、担当者自身が担当を辞めたがることもあります。
そもそも、オウンドメディアの運営は一朝一夕で成果がでるものではなく、数か月か数年は地の底を這いずり回るような想いを感じることになる。
たとえスキルや知識がなかったとしても、精神的にタフだったり、最後までやりきる力を持っている人は、オウンドメディアの運営者向きです。
専門知識がなくても、運営をしていくうちに身に付けられればいいですが、運営にはそれなりの知識が必要なので、情報収集や知見をもった人のアサインを検討していただくのがオススメです。
コストがかかるフローで運営を考えてしまっていた
オリジナリティを出すために、権威性を出すために、コンテンツの品質を少しでも高めるために、様々な工夫がされると思いますが、コンテンツの品質を高めることは、コストがかかります。
特に、取材を行ったり、専門家からの情報提供は、それだけでお金がかかるため、運営コストが必然的に上がってしまう。
運営側にコンテンツのテーマに関する専門情報がない場合も、外部を使ってコンテンツを作ることになるので費用が…。
最初から資金がある状態で始めた場合と、資金がない中で当事者たちが知恵を絞って運営する場合では、運営コストへの意識が大分違ってきます。
資金ありきの運営で考えていたら、運営資金が出なくなれば、それだけで更新停止、または閉鎖にもなってしまう。
自分たちがどれだけ当事者として、オウンドメディアを運営することを意識できるかが大事だと思います。
他社(他者)の真似で終わっている
オウンドメディアを新しく始める場合は、ユーザーさんからもGoogleからも評価は0のため、底辺からの出発です。
この状況で、すでに検索上位にある記事を真似てコンテンツを作ったとしても、それは評価されない、または低い評価にしかなりません。
Googleの仕様でも、オリジナルの記事(最初に言及された記事)を、なるべく上位に表示するようなアルゴリズムに変更しています。
単なる真似のままにしていると、せっかく時間をかけて作った記事が無意味なものになるため、なるべくオリジナル性を担保し、価値を作り続ける意識が必要です。
他社(他者)の施策をそのまま入れるだけ
「こんな書き方をしたらうまくいきました!」
「UIを変更したらCVが120%も上昇しました。」
インターネットなどのオンライン、またはセミナーなどのオフラインでも成功事例はたくさん語られていますが、それがそのまま、あなたのオウンドメディアにも当てはまるとは限りません。
- オウンドメディアの方針が違う
- テーマが違う
- コンテンツを届けたい先が違う
- 運営スタッフが違う
他にもありますが、他社と自社では状況が違うため、同じような施策を施してもうまく行かないことが多い。
施策として入れて試行錯誤をする前提であればいいですが、そもそも他社と自社では状況が違うという認識をもっていなければ、施策の空振りが増える可能性もあります。
オウンドメディアですでに成功している状況であれば、様々なプロフェッショナルがいる体制があるかもしれませんが、運用初期では最小限の人員で対応することが多いかと思います。
対応できる人員や時間が少ない中、全てを実行することはできないため、一番成果が高まるポイントを見つけ、無駄なことはなるべく抑えていく。
そのために、施策をそのまま真似るのではなく、改めてあなたのオウンドメディアだと、どう合わせる事ができるのか、思考を巡らせて施策を入れ込んで頂くのがオススメです。
手間を嫌い徹底的な効率化に走る
オウンドメディアにおいて「手間」は嫌われがちですが、この手間こそが成長の起爆剤。
例えば、web制作会社は、自社のオウンドメディアで情報発信するのは当たり前になっており、デザイン・ライティング・コーディングに関する知識を発信。
どのweb制作会社も、同じような知識があるため、A社・B社・C社がライティングの情報発信をするとしたら、似てくる可能性もある。
それだけでなく、一般のブロガーさんの方が、コンテンツ作成に詳しい場合もあるので、法人・個人関係なく、一定のレベル感のコンテンツが出回っている状況です。
その中で、他社(他者)も作れるようなコンテンツにしていては、同じような情報群に埋もれてしまうのは確実。
手間を嫌い、コンテンツ制作を完全に外注化したり、効率化によって一般レベルのコンテンツを作ったとしても、もう立ち向かえない状況です。
品質を担保するだけでは足りなくて、今世に出ているコンテンツの、さらに上の品質を求めていく必要があるため、それなりの時間も思考もかけなければ作れません。
徹底的な効率化やコストカットをすると、勝てないコンテンツ、求められないコンテンツが出来上がっていく可能性が高まるため、手間をかけることへの意識が必要になります。
CGM(ユーザー生成コンテンツ)の品質が担保できない
Consumer Generated Mediaと呼ばれる、ユーザーがコンテンツを作れるメディアプラットフォームを運営していた場合、運営者側はコンテンツが増えていくので コンテンツ作成の手間とコストはかかりません。
しかし、ユーザー独自でコンテンツを作っていけるということは、一つ一つの品質の担保が問題となる。
例えば、ネガティブな悪い言葉を使うユーザー層が増えてしまった場合、ポジティブよりネガティブの方が人間は反応しやすいので、プラットフォーム上に闇が広がってしまう場合もあります。
コンテンツの作り手には、他者を攻撃するような行動を抑制させたり、ポジティブな雰囲気をプラットフォームで作ることで回避する。
無理やり行動を抑制しようとすると、逆に反発してネガティブな印象が増えたりするので、そのバランスが非常に難しくもあります。
「コンテンツがどんどん増えていく。」ことのみを良しとしていた場合、結果的に管理しきれなくなり閉鎖に追い込まれることもあるため、注意しなければいけません。
オウンドメディアは衰退している?手を出さないべき?
オウンドメディアの更新停止・閉鎖が相次いでいたり、キュレーションサイトで大問題が起きたことも、オウンドメディアの衰退やオワコンなど言われている原因。
下記は更新停止や閉鎖したオウンドメディアです。
- フミナーズ
- nanapi
- WELQ
しかし、Googleトレンドで過去5年間の「オウンドメディア」を調べて見ると、下降するどころか、令和になって若干上昇しているようにも思えます。
また、閉鎖や問題が起きたオウンドメディアの多くは、課題や問題を抱えきれなくなり、運営を停止せざる得ない状況に追い込まれているため、運営方針が違えば同じことは起きない場合もあります。
老舗のオウンドメディアが止まっている中、新たなオウンドメディアが、どんどん成果を出している状況。
コメ兵のオウンドメディアKÓMERU(50万PV)※ 参考:2020年2月号 宣伝会議 企業のオウンドメディアブームが再燃 月間50万PV達成 コメ兵「KOMERU」の運営術
このような情報を見ると「オウンドメディアのブーム再熱か!?」と言われるかもしれませんが、ブームでオウンドメディアを始めたら痛い目をみます。
オウンドメディアは時々、記事を書くだけでできると思われますが、そんな簡単なものではありません。
- すぐに結果がでない
- コンテンツを作り続ける必要がある
- 誰でもコンテンツを作れる時代になった
- 周りのレベルも上がっているためさらに上のレベルを目指す必要がある
- ライバルは企業だけではなくブロガーなど個人の方々も含む
あなたが一度、オウンドメディアの運営を体験している場合、この大変さに納得してくれるかもしれませんね。
しかし、丹精込めて育ててあげると、それに見合った成長を見せてくれるため、楽しくもあります。(私は育てるのが大好きです。)
オウンドメディアの衰退などは気にせず、あなたに信念があり、届けたい情報があれば、ぜひオウンドメディアの運営をしてもらうのがオススメです。
もし、適切にオウンドメディアを運営できたら、どのくらいの収益が出せるのか?
私はオウンドメディアを3年運営して、約PVを10倍にすることができました。
オウンドメディアといっても、広告主体なものもあれば、私のように自社サービスと連携させたビジネスモデルの場合もあるかと思いますが、コツコツと成長をさせ利益を確保できるまでになりました。
これも全て、掲げた信念を忠実に守り、ユーザーさんに最良のコンテンツを届けることに焦点を当ててきたからだと思っています。
私自身は元々デザイナーだったので、オウンドメディアの運営スキルを一切持たない状態でしたが、初心者でもしっかりとコツを覚えて、守るべきものを守りながら運用すれば成果に繋がる。
もし、あなたが今、オウンドメディアの運用に不安を感じているならば、まずは「なぜ」オウンドメディアを運用するのか考えて頂くことから始めて頂くのがオススメです。
失敗しやすいマネタイズ方法はある?
オウンドメディアには、様々なマネタイズ方法がありますが、大きく分けると3つ。
- 広告
- 自社商品の販売
- オフライン
「これだと失敗しやすい!」と断言できませんが、それぞれメリット・デメリットが存在しますので、しっかりとマネタイズの方法を把握してからオウンドメディアを運営するのがいいかと思います。
また、1つではなく、多くの企業が複数のマネタイズを組み合わせているため、オウンドメディアの特性やテーマによって、稼ぎ方も変わってきます。
広告でマネタイズ
運営するオウンドメディアを広告媒体にして、収益を得るマネタイズ手法。
広告の貼り方や、広告を提供してくれている会社も様々あり、自身が運営するオウンドメディアに合った広告を貼る事ができます。
記事広告は、オウンドメディアで他社のサービスや商品をPRするためのコンテンツ作成です。
方法:Google AdSense、アドネットワーク、アフィリエイト、記事広告など
・メリット
広告を貼るだけなので、非常に簡単な作業で広告収入が得られる。
・デメリット
広告収入では閲覧数が多ければ多いほどマネタイズしやすいため、PV至上主義になりやすく、ユーザーが求めていることをないがしろにしてしまい、結果的に利益が得られなくなる場合も。
自社商品の販売でマネタイズ
自社で製造した商品、自社で開発したツールなどを、オウンドメディアによって集客することで、販売するマネタイズ手法です。
営業さんが毎日何千件とテレアポしたり、企業訪問をして営業したりせず、インターネット上で多数のお客様と繋がり、商談の機会を得る事ができます。
方法:サービス、ツール提供
・メリット
多数のお客様との繋がりが作れる
・デメリット
見込みを低くするとCVは上がるが、見込みを高くするとCVは下がる
オフラインでマネタイズ
オウンドメディアの運営を通じて得たノウハウやスキルを商品として売り出すマネタイズ手法。
方法:セミナー、書籍の出版など
・メリット
自身の経験談がそのまま価値がでるため事前に準備するものは少ない
・デメリット
スキルや知識をアップデートし続けないと飽きられるし古くなる
最後に。
オウンドメディアでマネタイズを考えている場合は、最初の入りが一番肝心だと。
「何をするか」よりも「なぜするのか」を大事にすることで、全ての歯車がしっかりと噛み合い、それが力となってオウンドメディアの成長を後押ししてくれます。
なかなか成果が出ず、ヤキモキしたり、上司から早く成果を出せとプレッシャーをかけられる場合もあると思います。
しかし、丁寧に丁寧に育てたオウンドメディアが、突然成長しだす、あの感覚はたまりません。
この情報が、あなたにも楽しみながらオウンドメディアを成長させて頂けるものになれれば嬉しいです。