いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。決算資料は投資家に自社を選んでもらう、重要な情報媒体となります。
IR・決算資料は、企業の業績をステークホルダー(関係各社・者)へ伝えるのはもちろん、投資家を集め資金調達へと導く重要な役割を担っています。
そして企業の業績を伝えるのに、もっとも分かりやすいのは数字やグラフを用いることですが、何も考え無しに載せれば読みづらく分かりづらいだけ。
どんなに魅力的な情報も、見せ方によってはまったく効果を発揮しない場合もあり、IR・決算資料の見た目(デザイン)は気を付けるべきポイントだらけです。
自社にデザイナーがいれば問題ありませんが、そうでなければせっかくのチャンスを掴み損ねている可能性もあるため、IR・決算資料の作成をサポートしてくれる、代行・支援サービスについてまとめてみました。
- 目次
- IR・決算資料の作成代行・支援サービスとは
- IR・決算資料の作成代行・支援サービスを検討した方がいい状況とは
- IR・決算資料の作成代行・支援の状況別サービス内容
- IR・決算資料の作成代行・支援サービス利用のメリット・デメリット
- IR・決算資料の作成代行・支援サービスの選定ポイント
- IR・決算資料の作成代行・支援サービスのおすすめ3選
- IR・決算資料の作成代行・支援サービスの流れ
IR・決算資料の作成代行・支援サービスとは
IR・決算資料の作成代行・支援とは、ステークホルダー・投資家に対して情報を分かりやすく、そして自社の魅力を伝えるための資料サービスです。
一度自社で作成した資料をデザインし直してもらう、または作る時から参画してもらい構成・文章・デザインまで一貫してサポートしてもらったりと、状況に応じたサービスが受けられます。
「資料を作るぐらい簡単だ」と思われるかもしれませんが、意外と難しくデザイン経験や情報設計のスキルがなければ、情報を適した形に整えられず、伝えたいのに伝わらない。
その結果、会社の信用が落ちて、投資家からも選んでもらえません。
大げさでもなく、資料一つとっても気を抜けないため、目的に合わせて資料をしっかりと準備する必要があります。
IR・決算資料の作成代行・支援サービスを検討した方がいい状況とは
IR・決算資料の作成代行・支援が必要な状態かを知るには、資料の出来栄えを確認するのが早いかもしれません。
下記に、やってはいけないデザインパターンを並べてみるので、自社のIR・決算資料に当てはまっていないか確認してみましょう。
問題点:スペースがない
スライド内にスペース(余白)が無くなると、情報そのものが見づらくなります。見てもらいたい情報の周りには、ある程度のスペースが必要なので、情報の入れ方を直さなければいけない状況です。
問題点:中途半端な角丸
中途半端な角丸は、IR・決算資料の見た目そのものの品質を落としてしまいます。
問題点:フリー素材
フリー素材の品質が悪いのではなく、よく見かけるフリー素材を利用したことで、自社のブランドを感じてもらえなかったり、ステークホルダーや投資家に対する熱量を感じてもらえないことで、会社の信用や将来性が低く見積もられてしまうことが問題だと言えます。
問題点:影の付け方
情報を目立たせようと、文字に対して影(ドロップシャドウ)を付ける場合は気を付けたいポイント。なぜなら、黒文字に黒色の影を入れることで、文字そのものが見づらくなるからです。
問題点:色が多すぎる
IR・決算資料は企業のブランドを発信する媒体でもありますが、ブランドカラーとは合わなかったり、多色にすることで情報量が多くなり、注目してほしい情報に意識が向かなくなります。
問題点:グラフ内の数字が見づらい
グラフ内に数字を入れる場合、スペースが無いと文字そのものが見づらくなるため、グラフ外に出すか余裕をもった大きさを保つ必要があります。
問題点:メリハリがない
スライドに入れた情報が、全部同じ大きさ・太さ・形をしていると、何に注目していいのか判断しづらくなり、見づらいと思われてしまうため、ある程度のメリハリが必要になります。
問題点:不要な下線が多い
情報を目立たせるために下線を引くのはいいですが、不要な部分にも下線が付いているため見づらさが生じてしまっています。
問題点:立体またグラデーション
立体(グラデーション含む)にすると、瞬間的な見やすさが失われるため、見る側のストレスになる場合があります。グラデーションを使うのはいいですが、使いどころを見極める必要があります。
問題点:数字が日本語フォントのまま
IR・決算資料では数字が多く登場しますが、多いからこそ一つ一つの数字は見やすくさせる必要があります。日本語フォントのまま数字を入れてしまうと、日本語フォント特有のクセが出て、見づらい可能性も。日本語フォントで数字を入れても悪くはないのですが、決算資料の中では何度も何度も数字が表示され、頻度に比例して見づらさ(ストレス)が増えるため、少しの工夫で解消できるなら対応しておきたいと言えます。
IR・決算資料の作成代行・支援の状況別サービス内容
IR・決算資料の作成代行・支援は、代行会社の特性によっても変わりますが、主に4パターンのサービス内容が受けられます。
① 既存資料の調整
② 新規作成(元情報が揃っている状態)
③ コンサルティング&新規作成
④ 毎月の定額サポート
それぞれ状況と目的に応じて変わるため、詳しく確認しておきましょう。
① 既存資料の調整
課題:すでに決算資料を作成済みだが見づらい・読みづらい状態
決算時期に合わせて毎回作成しているものの、見た目がどうしても悪く感じる。
または、投資家が増えなかったり、周りからの好評価もあまり聞かれないと、決算資料が十分な役割を発揮していないのかもしれません。
情報が良くても、情報の見せ方が悪ければ、正しく魅力が伝わらないため、作成した資料を整えるために、作成代行・支援を受けるのがお勧めです。
② 新規作成(元情報が揃っている状態)
課題:決算説明資料を作っている時間もなければ、作ることに時間がかかりすぎている
決算に関する情報は手元にあるが、それらを可視化するのが難しい場合も。
仮に時間がない中で作ろうとすれば、作り込みや見る側への配慮が欠けて、ただ情報を載せただけにもなりかねません。
社内外含めて、厳しい目で見てくる猛者が見る資料なので、情報が見づらかったり期待を感じられない資料になっていると「この会社大丈夫…?」と敬遠されてしまう可能性だってあります。
資料作りはプロに任せて頂くのがお勧めです。
③ コンサルティング&新規作成
課題:構成・文章・見た目から見直したい
これからもっと多くの関係者が増えていく、さらに投資家も呼び込み成長を加速させたいと思われているなら、期待や将来性を感じ取れる決算説明資料も必要になってきます。
情報を見せる流れや言葉選び、そしてデザインまで一貫して品質高く維持するには、それなりのスキルと経験も必要になってくる。
決算説明資料を作る時から、代行会社に入ってもらい、抜本的に見直しながら作成頂くのがお勧めです。
④ 毎月の定額サポート
課題:デザインスキルを持つ人材がいない(または時間がとれない)
IR・決算関連の資料は、一度出せば終わり、または定期的な更新が必要な場合の2パターンあります。
たとえば少し調整したい時、社内のデザインスキル持ちの人材へ頼んでも、すぐに対応してもらえない場合も。
今すぐ直したいのに数週間先…こんな状態では、IR・決算に関する情報発信・更新が滞ってしまうため、毎月定額支払うことで範囲内であれば、いくらでも調整できるサービスもあります。
IR・決算資料の作成代行・支援サービス利用のメリット・デメリット
IR・決算資料の作成代行・支援サービスの利用には、メリットもあればデメリットもあります。
それぞれを理解した上で、相談を考えてみましょう。
メリット
多くの方へ自信を持って見せられる
たとえばデザインされていない、情報がただ載せてあるだけの決算資料では、見せるのが怖くなってしまう場合も。
決算説明会を行うのであれば、参加者からの冷たい目線も浴びせられます。
しっかりと見せる用に作成できたなら、自信を持って見せられるため、決算説明の怖さが軽減。
ステークホルダーからの評価が高まる
情報の見せ方一つで、期待にも失望にもなるのが決算資料。
仮に、企画・構成・文章・デザインをしっかりと作り込めたのであれば、企業に対する信頼が高まります。
ステークホルダーからの評価が増え、投資先として魅力的なポジションも獲得できる可能性も。
ブランディングに繋がる
決算資料は、自社のことを発信し、発信した情報も見てもらえる希少な機会。
ブランディングにも繋がるため、ブランドイメージを壊さない見せ方ができれば、さらに多くの投資家を集めることも可能です。
デメリット
代行会社の選定に時間がかかる
IR・決算資料の作成代行・支援は、一般的な「資料作成」の範囲であるため、制作関連の会社であれば対応が可能。
インターネットで探せば、すぐに50社以上の代行会社が出てくる状況です。関連記事:資料作成代行の53社・サービスを徹底比較!
この中から、自社の目的に合わせた代行会社を探すのは一苦労かもしれません。
代わりに作成してもらうため費用がかかる
資料作成または支援を依頼すれば、自社の代わりに動いてもらうことになるので、その分の人件費=外注費がかかります。
依頼先によっても、金額に幅はありますが、費用がかかるため予算取りが必要になります。
費用をかけても結果に直結しない場合もある
作成代行を依頼しても、ステークホルダーからの評価が上がらない、投資家が増えない、次回も同じように作れない。
結果に繋がらない可能性もあります。
IR・決算資料の作成代行・支援サービスの選定ポイント
IR・決算資料の作成代行・支援サービスを選ぶ場合には、いくつかポイントがあります。
① 実績
② 専門性
③ 価格
④ サービス範囲
⑤ 対応スピード
⑥ サポート体制
⑦ 対応可能な業種や規模
あくまで選定ポイントであり、あなたの会社や状況に合わせて、判断基準に取り入れて頂けますと幸いです。
① 実績
実績では、実際にIR・決算に関する資料を対応してきたかを確認しますが、必ずしもIR・決算に特化している必要はありません。
資料作成のスキルと実績があれば、IR・決算に関する資料デザインは問題なく対応が可能。
そのため、どのような資料を代行して調整・作成・支援してきたのかを確認しましょう。
② 専門性
テンプレートに当てはめて作ってきたのか、または依頼内容に応じてその度にオリジナルで作ってきたのか。
代行会社によって専門性には大きな差があります。
IR・決算資料においては、資料デザインのスキル・経験があれば可能ではあるものの、多くのステークホルダー(投資家を含む)に期待や将来を感じてもらうには、臨機応変にデザインで課題を突破できる力が必要です。
どれだけ資料に関して専門性があるのかを確認しておきましょう。
③ 価格
一般的な資料でいえば、10ページ前後で15~20万円ほどが相場になります。
そのため、決算資料が20ページほどであれば40~60万ほどになる。
依頼したい範囲がデザインの調整だけではなく、企画・構成・ライティングなども含めると、追加の費用が掛かってきます。
各社へ相見積を行い、価格の比較を必ず行いましょう。
注意点
価格の安さには必ず裏があります。なぜ安いのか。たとえばテンプレート使う、またはフリーランスへ発注していたりと、安くできる理由が存在しているため、ただ安いからと決めるのではなく、その裏側にある仕組みを確認しましょう。
料金体系
調整(デザインのみ) | 5千円~ |
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調整(文章・デザイン) | 1万円~ |
新規(企画・構成・文章・デザイン) | 1.5万円~ |
範囲が広がるごとに作業量が増えるため、価格も比例して高くなっていきます。
追加料金が発生するケース
あとから追加料金が発生するのは、
- 要件にない作業を依頼
- サービスの範囲外の作業を依頼
- 納期を早めた依頼
など、見積時の内訳外の作業内容が発生した場合には、追加料金はかかるケースも。
「言った言わない」「そうだと思っていた」など、双方の認識を曖昧なままにしておくと、必ずその後のトラブルに繋がるため、どんな小さいことでも契約前に確認しておきましょう。
④ サービス範囲
デザインの調整のみか、ライティングもできるのか、企画構成から入ってもらえるのか。
どこまでの範囲をサポートしてくれるのか、自社の状況と目的に合わせて確認をします。
あなたとしては、内容そのままでデザインのみ調整したくても、調整時は情報が足りず追加ライティングが必要になるかもしれません。
調整しかできない代行会社へ依頼した場合、追加の情報が入れられず進めなくなる場合もあるため、可能であれば資料作成を一式任せられる会社を選ぶのがお勧めです。
⑤ 対応スピード
IR・決算を出すタイミングは決まっていますが、状況によって突然依頼する必要性が出てくる場合も。
代行会社によっては、スケジュールが埋まって即時対応できない場合もあり、対応可能なスピードが重要になってきます。
⑥ サポート体制
一度作成してもらっても、あとで気になり調整したい部分が出てくるかもしれません。
納品後の調整は有料になるケースが多く、基本的には追加料金です。
しかし、納品後もある程度サポートしてくれたり、自社でも編集可能な状態にしてくれているのであれば、その後のIR・決算資料の調整が楽になる。
サポート体制を確認しておくのも、比較検討時には重要です。
⑦ 対応可能な業種や規模
資料作成のノウハウがあっても、特定業界においては、特定業界における通説など別の知識が必要になるケースもあります。
また、売上50憶円と1兆円では、求められるIR・決算資料のレベル感も違ってくる。
どんな業種が可能か、または規模感も含めて確認しましょう。
IR・決算資料の作成代行・支援サービスのおすすめ3選
IR・決算資料の代行を考えた場合、まず壁にぶつかるのが「誰に頼んだらいいか」問題です。
インターネットで探せば、わんさか「資料の代行制作」が可能な会社は出てくるため、そこから1社に絞り込むのは難しい。
そのため、まずは見積もりを取っておきたい、特性が違う下記のような3社へ相談してみるのがお勧めです。
資料作成代行・支援サービス「エンプレス」
出典:エンプレス | |
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サービス名 | IR・決算資料の作成代行・支援サービス「エンプレス」 |
運営企業 | 株式会社ファングリー |
費用感 | 10ページ:20万円~ |
「エンプレス」の運営元である株式会社ファングリーは、大手からベンチャー含む40社以上の、総合ブランディングを支援しています。
IR・決算発表はブランドにも関係し、自社の魅力を広め理解してもらう絶好の機会。
ブランディングを意識した決算資料があるだけで、影響力が高まっていきます。
IR資料の実績多数のLEAD
出典:LEAD | |
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サービス名 | LEAD |
運営企業 | 株式会社ストリームライン |
費用感 | 20ページ:45万円~ |
「LEAD」は、決算説明会資料・中期経営計画書・個人投資家向け説明会資料・事業計画及・ロードショーマテリアルなど、IRに関連する資料を包括的に支援するサービス。
通常の資料作成から、年間を通してサポートする定額プランもあります。
上場企業を相手にしているノウハウを活用して、求めたIR資料を作成してくれるため相談しておきたい1社。
価格を抑えたいならc-slide
出典:c-slide | |
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サービス名 | c-slide |
運営企業 | 株式会社CONE |
費用感 | 1ページ:5千円~ |
「c-slide」は、低価格でパワーポイントの資料調整から作成が行えるサービスです。
IR資料の他にも、営業資料・採用資料・ホワイトペーパーなど、ビジネスに関わる資料をまとめて対応が可能。
安さと速さが売りのサービスなので、予算やスピード納品を求めているのであればご相談がお勧めです。
IR・決算資料の作成代行・支援サービスの流れ
実際にIR・決算資料の作成代行・支援サービスを受ける場合、どのような流れになるのか確認しておきましょう。
依頼から納品までの流れは、大まかに分けると6ステップ。
ステップ | 実施内容 |
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① 代行会社の選定 | 最低3社に同じ条件で相談をして対応可能か確認していきます |
② 見積もり比較 | 提案・金額・内訳を確認してより条件のいい代行会社を見極めます |
③ 依頼先の決定 | 比較が完了したら1社へ決めて依頼をします(NDAの締結なども含む) |
④ キックオフ | プロジェクトを動かすために関係者でオフライン・オンラインで集まりルールや進め方を改めて確認します |
⑤ 作成・支援開始 | 実際にIR・決算に関係する資料を作成・支援していきます |
⑥ 納品 | IR・決算資料が納品されます |
この中で難しいのは、①~③の依頼先を決めるステップです。
数ある作成代行の中から、自社の都合に合う1社を見つけなければいけないため時間もかかる。
ただ、ここを簡単に済ませてしまうと、せっかく時間・費用をかけたのに、求めた資料にならない場合もあるため、早め早めに動いて時間や気持ちに余裕を持った上で進めていきましょう。
相談・依頼時に必要な状況
IR・決算資料の作成代行・支援を相談する時、事前に用意しておきたい情報があります。
選定時に公開できない情報もあるかもしれませんが、可能な限り正しく伝えて見積もりをしてもるため、NDA(秘密保持契約)を締結するのがお勧めです。
用意したい情報としては、
- 背景(なぜ相談したいのか)
- 解決(特に解決したいこと)
- 情報(IR・決算に関わる情報)※過去の情報・資料でもOK
- 納期(いつまでに完成させたいのか)
- 条件(デザインの要望など)
特に、背景含む「なぜ相談したいのか」を正しく伝えられないと、作成代行側で要件が曖昧になって、柔軟に対応しようと見積もり費用が高くなる可能性も。
要件をハッキリさせた上で、各社へ相談しなければ、見積自体もやり直しになりかねないので、相談前に用意できる情報は用意しておきましょう。
選定時の注意点
担当者の感じがイイ、価格が安い、実績がたくさんあって信頼性がある。
あなたの判断基準は色々あると思いますが、どれだけ良いと思っても、セキュリティや情報漏洩対策が疎かな会社に依頼してしまうと、トラブルになります。
たとえばチェック方法の一つとして、契約書等を法務に見てもらった時に、あいまいな表現が多かったり契約書として不十分なら、契約自体を見送る。
必ず、どこかに選んではいけないポイントが潜んでいるため、注意して確認しておきましょう。