いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:yagiです。超初心者の方向けに「フォーム営業」の基礎知識をまとめています。顧客獲得の新たな一手となり得るかも...!
営業職のあなたは「フォーム営業」を上手く活用できていますか?
実は、IT業界では一般手法として使用されているものの、業界が変わると全く活用していない企業も多いのが現状。
もし「今の営業スタイルだとアポ率が低い…」とお悩み中なら、ぜひフォーム営業の導入も検討してみてください。フォーム営業が現状打破の一手になるかもしれませんよ。
フォーム営業について超基礎から徹底解説したので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「フォーム営業」とは?
フォーム営業とは、企業のオウンドメディア(公式サイト・ブログなど)に設けられた問い合わせフォームから、自社製品・サービスなどの案内または売り込みを行うこと。
新しいお客様と繋がることが目的であり、送信内容も相手に確認頂けていることが多いため、内容によっては興味を持たれて返答がくる確率も高まる。
ただ、問い合わせフォームと一口に言っても「総合窓口」「製品問い合わせ窓口」「顧客向けカスタマーサポート窓口」「注文窓口」など様々な種類があります。
フォーム営業をする際には、必ず「総合窓口」を利用するようにしましょう。
メール営業との違い
メール営業とは名前の通り、獲得したメールアドレスを使用し、ターゲットとなる企業の担当者にアプローチする営業方法。
つまり、送り先のメールアドレスを持っていないことには営業を掛けられないのです。
その反面、フォーム営業は多くの企業がお問い合わせフォームをもっているため、営業・案内が送りやすい。
ただ、メール営業と比べると、アプローチの効率性でデメリットとなる点も…。
一通で複数相手に一斉送信できるメールとは異なり、一社一社のホームページに訪れて営業メールを作成しなくてはならないので、時間的余裕がない場合には難しい手法です。
次では、そんなデメリットも含めて、フォーム営業の向き・不向きな企業をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
フォーム営業の向き・不向き
フォーム営業の向き・不向きとは何なのか。
向いている :フォーム営業を行った方がいい
向いていない:フォーム営業は止めた方がいい
少し曖昧な表現で申し訳ないのですが…企業方針や状況によっては、控えた方がいい場合も存在しています。
フォーム営業の効果は大きいものの、間違えたやり方によっては、大きな損失を生んでしまう場合もあるため、向き不向きを事前に確認頂くことをオススメしています。
向いている企業
状況 | 説明 |
---|---|
企業同士の繋がりが少ない | 設立したばかりなど、横の繋がりが無いのであれば、フォーム営業で1社1社お声がけしていくことで、認知や繋がりが作れます。 |
新商材・サービスを出したばかり | 会社として新しく売り出したい製品・サービスがあれば、当然新しいお客様が必要になります。そんな時はフォーム営業がすごく役立つ。 |
従来の営業手法が通用しなくなってきた | 今までテレアポや訪問営業など、アナログな手法で営業を行っていたものの、時代の変化によって効果が薄まってきた場合に試したいのが、オンライン営業のフォームを使った営業です。 |
外勤より内勤が多い | フォーム営業の良さは、別に営業マンがいなくても、誰でも行えること。内勤のスタッフさんがいれば、営業スキルがなくとも行えます。 |
ライターがいる | ライターではなくても、文章を考えるのうまい方が一人でもいれば、営業マンがいなくても行えるのがフォーム営業です。 |
向いている状況にある企業にとって、フォーム営業は新しいお客様と繋がるチャンスが作れる手法の一つ。
まだ試していないのであれば、今すぐにでも試せることなので、ぜひオススメです。
向いていない企業
状況 | 説明 |
---|---|
時間も予算も人も足りない | フォーム営業を行うためには、リスト作成や送信など、それなりの時間・人員が必要です。動ける体制ではない場合はおすすめできません。 |
社会的な見え方を気にする | フォーム営業は、無理に行うとクレームに繋がる危険があります。社会的な批判の的にされてしまう可能性もあり、コンプライアンスなどが強い場合は社内の許可が下りない場合も。 |
文章に自信がない | フォーム営業の9割が文章で勝敗が決します。たとえば自分・自社都合ばかりを押し付けたような内容で送れば、すぐにクレームまたはマイナスブランディングにも。相手目線で文章が作れないのであれば、自社だけで行うのは危険かもしれません。 |
送信後の体制が作れない | 「送る」ことばかり考えていると、実際に問い合わせをもらったタイミングでフォロー体制が作れておらず、せっかくの返信をムダにしてしまうことも。体制がまだ作れていないのであれば、体制を作ってからフォーム営業を行いましょう。 |
低単価すぎる | たとえば売り切りで1件1000円など、ものすごく低単価な商品・サービスを売るためにフォーム営業を行うのは、費用対効果が悪いため不向きだと言えます。 |
今は不向きだとしても、状況・環境を変えれば、フォーム営業が力を発揮してくれる状態にもなるので、絶対に使えないわけではありません。
フォーム営業は効率的な営業を求めるのであれば、やっておきたい施策であるため、状況を整えてから行うのがオススメです。
フォーム営業の効果
反響率
営業の効果を示す大事な指針として、反響率がありますよね。
そもそも反響率とは、こちら側の起こしたアクションによって、何らかの反応があった割合のこと。
反応の例
・問い合わせ内容に対する返答
・資料請求
・申し込み
・購入
…etc
混合してしまいそうな単語に「アポ獲得率(通称アポ率)」がありますが、こちらも営業ではよく使用するので併せて覚えておきましょう。
アポとは、アポイントメントのこと。
たとえば、製品・サービスの説明をさせてもらえる機会をもらえたり、直接会う・オンライン会議など、コミュニケーションが取れる場を作れたことを指します(ビジネスの商談機会が作れたこと)。
対して反響率が使用されるのは、営業をかけた相手からの“何らかの反応”がある場合。
ただ、相手から何らかの反応がくるときは、基本的にはアポイントメントの打診である場合がほとんどと考えておいて良いでしょう。
そして、営業における反響率というのは「ターゲットアプローチをした結果、興味を持ったターゲットから何らかのアクションを獲得できた率」のことを指します。
これを踏まえて、主流な営業スタイルによる反響率を見てみましょう。
アプローチ手法 | 反響率 |
---|---|
問い合わせフォーム営業 | 約3.5% |
Eメール | 約0.5% |
テレマーケティング | 0.5~3% |
FAX DM | 約1.5% |
郵送によるDM | 0.3~0.8% |
引用:問い合わせフォーム営業で失敗しがちな4つのこと:アプローチ手法別の反響率 |
表で示した通り、フォーム営業の反響率が比較して高いことが分かりますね。
ではなぜフォーム営業の反響率が高いのでしょうか?
その理由は、以下のメリット・デメリットの項目で詳しくご説明します。
メリット
①開封率が高い
問い合わせフォームは、企業にとって対顧客はもちろん、一般のお客様とも繋がれる大事な繋がりの場。
そのため、そこに送られてきた内容は高い確率で開封してもらえます。
反対に、メール営業やDMを利用した手法は、アプローチしても見られることなく削除やゴミ箱行きになることが多いため、内容を確認してもらうことさえ難しいのです。
②決裁者へのアプローチも可能
決裁者とは、大事な意思決定(申込・購入・解約など)などを会社の判断として代理で決定できる人のこと。
つまり、会社のなかでも比較的高い役職に就いている人にもアプローチできる可能性があります。
メールアドレスを知っている人にしかリーチできないメール営業に対し、企業の問い合わせフォームから営業を掛けられるフォーム営業は、直接決裁者に内容を見てもらえる確率がアップ。
特に、中堅・中小・ベンチャー企業では、人数もそこまで多くないことから会社の代表・部長・課長・リーダークラスなどの決裁者が、問い合わせフォームの履歴を確認できる、または送信通知を受け取っていることもあり、上役の方々に見てもらえている可能性が高い効果的な手法と言えます。
質の高い見込み客の獲得につながる
例えば、企業がある課題を抱え、自社だけではどうにも解決できそうにない時、その解決策となるサービスを売り込む営業を目にしたら興味を持ちますよね。
「もしかしたら課題解決ができるかもしれない...!」と。
つまり、簡単に言えば、サービスに一定以上の興味を持っている顧客からレスポンスが来る可能性が高いということです。
将来的に自社のお客様になってくれる可能性のある方々のことを、マーケティング用語で「見込み顧客」と呼びます。
フォーム営業は、この見込み顧客のなかでも、とりわけ自社サービスに興味を持つ“質の高い”見込み顧客を獲得できるチャンスといえるでしょう。
デメリット
①営業効率が悪い
先にもご紹介した通り、フォーム営業は効率が良くありません。
それは、企業の問い合わせフォームに対して、一社ごとにフォームの内容を作成しなければいけないから。
メールであれば、メーリングリストを作っておけば一斉送信が可能ですが、フォーム営業となるとそうはいきません。
テンプレートを使用したとしても、一社一社の企業名などに個別にアレンジを加える必要があります。
フォーム営業は、内容を作成するだけで相当な工数がかかってしまうという点を覚えておきましょう。
②送信内容によっては悪印象を持たれる場合も
フォーム営業は、する側からしたら効果を実感しやすい手法かもしれませんが、営業を受ける側からすれば突然面識のない企業からアプローチされることになります。
当然ですが、何度もしつこく連絡をされたり、送り先の企業に全く関係のないサービスで営業されたら悪印象ですよね。
これは営業全般に言えることですが、自分本位の営業は行わず、あくまでも「相手あっての営業」ということを意識しましょう。
③ライティングスキルを要する
フォーム営業では、テンプレートをそのまま使わず、送付先企業ごとにアレンジするのが鉄則。
その際、必要となるのがライティングスキルです。
魅力的な文章だと読んでみたくなるもの。それは営業でも同じなのです!
また、問い合わせフォーム営業でリーチできる顧客として「潜在顧客」にもアプローチが可能です。
潜在顧客とは、自社の製品・サービスを直接知ってはいないものの、将来的に関わりがある、または表現を変えれば必要性に気づいてもらい、購入・申し込みなどをもらえる可能性がある方々のこと。
そのため、メール営業以上に慎重に文章を検討する必要があり、セールスライティングなどの専門スキルなくして効果的なアプローチはできないと考えてよいでしょう。
フォーム営業はこうやる!実施ステップHOWTO
これは事前に確認しておきましょう!
フォーム営業を行っても問題ないか
フォーム営業は「どの企業に行ってもいいわけではない」ということを、まずは頭に入れておいてほしいなと思っています。
企業によっては「営業お断り」など、送信前の注意事項として掲載されている場合も。
そのため事前準備として必ず、相手方のホームページ上に記載された禁止事項をよく確認し、フォーム営業の実施を検討してください。
また先述の通り、一口にフォーム営業と言っても、企業にはよっては複数の窓口を設けている場合もあります。相手方のサイトポリシーに加えて、法人営業可能なフォームかどうかにも注意して行いましょう。
クレーム対応マニュアルの作成
もちろんクレームを起こさないよう注意することが大切ですが、思いがけず発生してしまうこともある。
事前にマニュアルを作成しておけばより大きな問題に発展することを防ぐことができます。
そのため、フォーム営業をする際には、予めクレームがきたらどのような対応をするのかマニュアルを作り、すぐ対応ができるようにしておく。
クレーム対応を想定し、クレームを受けた際には謝罪はもちろん、即座に対応することが大切ですよ。
手順
事前準備が完了したら、次はいよいよ実践です。
次にご紹介する実施手順を参考に、トライアンドエラーを繰り返し、営業の精度を高めていきましょう!
①アプローチ企業の選定
ファーストステップは、営業を掛けるアプローチ企業の選定を行いましょう。
やみくもに営業を行っても効率的ではないですよね。
そのため、まずは自社製品・サービスとマッチすると考えられる業種や業界を精査し、ターゲットを絞ります。
既存顧客と似た業界や業種の企業、また挨拶程度はしたことはあってもまだ取引を行っていない企業など、将来の見込み客となり得そうな企業を選定するのがポイントです。
②ターゲットリストの作成
アプローチ企業の選定ができたら、それをもとにリストを作成しましょう。
部署間やチームで共有することで、自社がどんな企業と取引したいかを明確にでき、より具体的な選定に繋がります。
その際には、いきなり大きなリストを作るのではなく、ターゲットに選定した企業から小規模に営業を進めていくこと。フォーム営業はなかなか工数がかかってしまうとお話ししましたが、少しでも効率化を図るためには押さえておきたいポイントです。
実際に出てきた反応を参考に、内容をブラッシュアップさせていくと、質の高いリスト作成ができます。
③送付文書の骨組みを作成
企業の選定が完了したら、送付文書の骨組みを作っていきましょう。
フォーム営業では送信先の企業に、メリットが分かりやすく、伝わりやすく、かつ目に通してもらいやすい文書を作成するためには、まずは文書の骨格から作るのがコツです。
例えば「自社の紹介」から話を始め、「なぜ連絡したのか」「導入メリットや実績」「今後のアクション」についてなど、相手方が自社と提携することの利点をしっかりと提示できるような文書構成が理想です。
④作成文書のブラッシュアップ
「文書作成が苦手」「効率化を図りたい」という方向けに、便利なテンプレートもありますが、使い回してしまうと相手企業に合わない場合もあります。
そのため、文書の骨格を作ったら社内で共有し、オリジナルにブラッシュアップしていきましょう。
最初から完璧な文書はできません。実際に反応を得て、それをもとに手直しを続けていくことで徐々に精度が上がっていきます。
⑤送信
文書が完成したら、いよいよフォームから送信です。
事前準備でもお話ししましたが、送信を行う前に改めて送信して問題ないか確認を行ってください。
もしターゲット企業から何らかの反応があれば、それをもとにブラッシュアップを行い、より精度を高めていきましょう!
成功するために押さえておきたいポイント
①フォーム営業を行う目的を可視化する
フォーム営業を行う際は、幅広く営業活動を展開していきたいのか、それとも特定業界・企業へ向けて狭い範囲で確実性を高めていくのか、目的別にやり方を工夫しましょう。
先述の通り、フォーム営業は手間のかかる営業スタイルです。かといって、全社に同じ文章を使い回すのは得策ではありません。
ただ、自社やそのサービスを認知してもらいたいなどのきっかけとしてフォーム営業を行うのであれば、テンプレートを使用し、一気に数百・数千社に送信するという方法を取ることができます。
一方で、確実に反応を得たい場合、数こそ少ないものの、特定の企業にターゲットを定めるという判断が必要に。一社一社に合わせた文面を作成するなど、膨大な工数と引き換えに、返信確率は高くなります。
このように、フォーム営業を行う最大の目的は何かということを事前に明確化させておきましょう。その目的に合わせたフォーム営業の形を見出すことができます。
②反響率を高めるには
送信は平日の営業中に
相手からアクションを得やすいのは「平日の営業時間」。
週末は、基本的にほとんどの会社がお休みなので、そのタイミングで送ってしまうと他のメールに埋もれやすくなります。
確実にアプローチするのであれば、予想される相手の行動に合わせた送信タイミングを意識しましょう。
返信対応は迅速に
アプローチを行った企業から何らかの反応があった場合には、迅速な対応がとても大切。
返信が遅くなればなるほど、せっかく高まった興味が薄れてしまいます。
なるべく間を置かずに対応し、接触への機会を逃さないよう注意しましょう。
営業代行会社に外注するのも一手
文書送信までに膨大な工数、さらにライティングスキルまで求められるフォーム営業は、自社で総括するとなると一苦労。
こっちにばかりつきっきり…なんてこともできませんよね。
そこで検討をおすすめしたいのが、営業代行会社の利用です。
営業代行とは、自社の代わりに営業を行ってもらうことで、その反面対価として費用を支払うことで成り立つ関係です。
ほとんどの営業代行会社では、自社ノウハウや経験をもとに裏打ちされた手法を持ち合わせているので、費用がかかる分、依頼者の目的達成を早めてくれる。
そのため「自社では手が回らない」「確実性を上げたい」とお悩みであれば、営業代行会社の利用も検討してみてください。
③徹底的な効率化を図る
膨大な工数がかかるフォーム営業を行うなら、徹底的な効率化も非常に重要。
工数を減らしてアポイントメント獲得コストを下げましょう。
おすすめしたいツールが2つ。
まず、フォーム送信先として1社ごと調べていくのは途方もない時間がかかるため、営業効率を高めるためには、アナログ・人力で探すのはやめて、ツールを使って一気にリスト作成をする。
これだけでかなりの時間が削減できます。
そしてもう一つが、実際にフォーム営業を送るタイミングで使いたいツール。
今はAIやシステムを使った自動的な送信ツールが人気であり、人の手で1社ずつ送信しなくてもいいため、営業の手間を省きたい方にとっては、素敵すぎるツールと言えます。
注意点
フォーム営業を行う際には、注意すべきポイントがいくつかあります。
私と一緒に見ていきましょう。
サイトポリシーで禁止事項を確認
再三の注意となりますが、まずはしっかりとサイトポリシーを確認し、禁止事項を理解しておきましょう。
例えば「営業メールお断り」の問い合わせフォームには無理に送らない、また総合窓口以外のエンドユーザー向けや製品などの専用窓口は避けるなど、注意すべきポイントはいくつかあります。
営業スタイルは自社のイメージにも直結しています。禁止と定められていることは絶対に見逃さず、良好な関係性構築を期待できるような誠実な対応を行いましょう。
次メールまで間隔をあける
送信しても反応が得られないからと、連続で送信するのが愚の骨頂。
何度もアプローチを受けたら、相手も「しつこい…」と感じることは想像できますよね。
最低1~3か月程度は様子を見ながら、送りすぎは禁物と覚えておいてほしいです。
営業メールの頻度は高ければ高いほど良いといわけではありません。
やりすぎは嫌な印象を持たれやすいので、焦らずアプローチしていくことが大切ですよ。
返信率に過度な期待を抱かない
フォーム営業にしてもメール営業にしても、これから試みるという場合は、心に留めておいてもらいたいのが「送ったからと言って必ず返信がくるわけではない」ということ。(この考え方がすごく大切)
営業はそう簡単ではなく、割合としては1,000通送って10通の返答があるかないかのレベルです。
だからこそ、何らかの反応があった場合には、成果へ繋げられるようにする必要があり、こういった心構えは、営業を行う上では重要になってくるので、しっかり覚えておきましょう。
自社都合の文面にしない
営業は一方的なアプローチなあまり、自分都合・自社都合で伝えてしまいがち。
そうなると、余計に反応率が下がってしまうこともあるので、気を付けましょう。
営業を行う上で伝えるべきは、自分たちが相手の課題に対してどのような解決策を提案できるのか、相手にとってのメリットは何なのかということ。
当たり前ではありますが、必ず相手の立場に立ったうえで営業の提案を行いましょう。
誤ったやり方をするとクレーム化に
事前準備として、クレーム対応マニュアルの作成についてご紹介しましたが、実際に起こりうるクレームには次のようなものがあるので特に注意しましょう。
1つ目「配信停止希望の企業に何度も送ってしまう」
アプローチをかけても反応がない場合、期間を空けた上で何度も送ってしまいますが、中には相手方から配信停止を希望する連絡が届くこともあります。これに気づかず送り続けてしまった場合、クレームに発展することもあるので十分に注意しましょう。
このようなクレームを予防するためには、日頃から返信を漏れなく確認することや、配信禁止リストの活用によって度重なる連絡を避けておくのがいい。
2つ目「既存取引先にも送ってしまう」
これは外注の作業者に協力してもらった際や、社内で取引先情報の共有がしっかりなされていなかった際などに起こりうるケースです。
相手方からすれば「すでに取引しているのに何事だ」という感じですよね。
定期的に取引先リストと照合しながら、発生リスクを減らしていくことが大切です。
特定電子メール法規制に引っ掛かることも!?
フォーム営業を行う上で気を付けてほしい法律が「特定電子メール法」です。
特定電子メール法とは、2002年より施行された迷惑メールの送信を規制する法律で、正式には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」といいます。
そもそも特定電子メールとは、メール送信者が営業につき広告や宣伝を行うための手段として送信する電子メールのこと。
2008年に法改定が行われ、相手先がメールアドレスや問い合わせ先を開示している場合に限り、特定電子メールの送信が許可されました。
ここまでの説明で「あれ?なら問い合わせフォームは公開されているし関係ないのでは」と思いましたよね。
もちろん、すべての問い合わせフォームが違法対象になるわけではありません。ポイントは、問い合わせフォームの使用目的を限定しているかどうか。
例えば「営業メールお断り」という文言が明記されている場合は注意が必要です。なぜなら「相手先が特定電子メールの受信を許可していない」から。
この場合、その警告を無視して送信してしまうと違法と判断されることがあるので十分に気を付けましょう。
そして、ここで大切になるのが、先に挙げたサイトポリシーで禁止事項を確認するということです。
しっかり事前に確認しておけば防げる事態なので、見落とさないようにしましょう。
【余談】もし「特定電子メール法」に違反するとどうなるの?
フォーム営業を間違って使用すると「特定電子メール法」に違反するとお話ししましたが、もし違反するとどのようなペナルティがあるのでしょうか?
現行法では、特定電子メール法違反は、法人の場合、3,000万円以下の罰金が科せられるとされています。
数字を見るだけでもとても大きな額ですよね。たった一通の問い合わせフォームが、大きな問題につながることがあるということをしっかりと理解しておきましょう。
読まれやすい件名・本文の書き方
件名を工夫する
メールを確実に開封してもらいたいなら、件名の工夫は欠かせません。
その際意識すべきは、“顧客の心理的ハードルを下げる”ということ。
よくある「サービスの紹介」や「提案」というワードも悪くはありませんが、無難に「問い合わせ」というワードを選定しましょう。
「サービスの紹介」「提案」というワードを使用すると、伝わりやすくはなりますが、営業感が強く出てしまい、相手先の担当者に件名だけで拒まれる場合も。
そのため、営業メールだと一目で分かるタイトルはなるべく避け「問い合わせ」等のワードを使用することで、顧客の心理的ハードルを下げましょう。
件名に選定する言葉を工夫するだけで開封率も変わってくるはずですよ。
本文はシンプルに。文章構成が大切!
伝えたいことがたくさんあるからと、ズラズラと書き連ねるのはNG。
文書を作成する時には、長すぎず、シンプルにまとめることを意識しましょう。
ぜひ見本にしてほしいのが次のような構成です。
- 自己紹介
- メールをした背景
- 課題
- 提案(アポの候補日等)
冒頭では、必ず自己紹介から始め、その後にメールをした理由を説明しましょう。
そして本題の課題提案に話を進め、自社のサービス・製品が顧客にとってどのようなメリットがあるのかを簡潔に紹介します。
この際、相手に求めるアクションの記載を忘れてはいけません。アポ日程の調整や返信など、次の相手からのアクションを推奨する動線を用意すると効果的です。
また全体の文字数にも意識しましょう。
企業の問い合わせフォームによっては文字数に制限があることもあるため、300~500文字で作成するのがベスト。
便利な文字数カウンターもあるので、ぜひご利用くださいね。
文書は常にブラッシュアップを
一度作成した文書をずっと使い続けることはせず、常に改善していきましょう。
もし一度送信して反響率が低ければ、オファー文としての効果は薄く、続けて送信しても意味があるとは言えませんよね。
そのため、一度作成したからと気を緩めず、どんな文面がより効果的なのか検証を重ねていくことで、徐々に効果を高めていきましょう。
【例文】営業メールの書き方
フォーム営業の実施ステップやポイントを学んだところで、次は実際に使えるメール例文をご紹介します。
ただ、テンプレート化して使い回すことはNG。あくまでも見本として、送付先企業に合わせた文面にアレンジしてくださいね。
今回は「新規アポ獲得」「クレームが来た場合」の2パターンを紹介!
新規アポ獲得のための例文
件名:売上を前年比〇〇%高めるご提案
株式会社〇〇
ご担当者さま
突然のご連絡恐れ入ります。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
貴社のホームページを拝見したところ、現在ご推進の〇〇事業に関しまして、弊社が提供する〇〇(サービス名)がお役に立てるのではないかと思い、ご連絡させていただきました。
解決できる課題としては、
・〇〇〇
・〇〇〇
・〇〇〇
これまでに〇〇社以上の企業様へ活用頂いており、
〇〇を最大〇〇%へ改善した事例もございます。
課題解決が進んでいない場合は弊社がお役に立てられると考えており、
ぜひ一度お話を伺うことは可能でしょうか。
下記日程であればいつでもご説明が可能でございます。
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・〇月〇日(曜日)〇:〇〇~〇:〇〇
・〇月〇日(曜日)〇:〇〇~〇:〇〇
・〇月〇日(曜日)〇:〇〇~〇:〇〇
---------------------------------
もし可能な日程がない場合は、
〇月〇日以降でご都合のつく日時をご教示いただけますと幸いです。
ぜひご確認頂ければ幸いです。
\ポイントをおさらい!/
・件名には相手がメリットと感じる情報を入れよう
・本文はシンプルに分かりやすく(上記文字数:約440文字)
・必ずアポ日程の候補日を挙げて、相手からのアクションを得やすくしよう
もし相手を不快にさせてしまった場合の謝罪例文も
件名:ご連絡の件につきまして【株式会社〇〇】
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
ご返信のほど誠にありがとうございます。
また、この度はご不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。
今後はご連絡を差し控えたいと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
\ポイントをチェック!/
・謝罪メールはくどくどと書いてしまうと、かえってクレームがエスカレート化してしまう可能性もあるので、あえて簡潔な文面を心掛けよう
・お詫びのメールを送信したら、社名をもとに配信停止処理も忘れずに
効率化するためのツール
ここまで見て頂くと「フォーム営業って面倒だな…」と感じませんでしたか?
再三とはなりますが、テンプレートは使い回せませんし、一社一社に合わせた文書作成にはライティングスキルを要するので、ハードルが高く感じてしまいますよね。
そんな場合に検討してほしいのが、フォーム営業ツール・営業代行サービスの活用です。
以下の記事では「なにそれ!?」という初心者の方向けに、ツール・サービス紹介から、各サービスの詳しい概要までまとめています。
ぜひ参考にしてみてください。
>>フォーム営業ツール・代行サービスおすすめ14種類を比較!
最後に
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
フォーム営業のHOWTOやポイントをご紹介しましたが、最初はその通りにやってもなかなか上手くいかないと感じることもあると思います。
でも、営業ってそんなもの。
もちろん営業の質が高いに越したことはありませんが、慣れないうちは当たって砕けろ精神で気張らずやるのもコツですよ。
まずはトライしてみましょう!
何事もトライアンドエラー。営業苦手かも…と感じている方もコツを掴めば楽しくなるはずです。