いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。将来的な売上を作るために、今のタイミングから行っておきたいマーケティング施策の一つがホワイトペーパーです。
ホワイトペーパーの目的は、立場によって変わってきます。
受領側:課題解決のために必要な情報を得ること
提供側:売上に繋がる見込み顧客を獲得すること
両者の目的が噛み合うことで、お互いにとってメリットが出てくる。
ビジネスの文脈で言えば、提供側が先に用意しなければ始まらないものですが、どちらかが一方的に情報を得るようなものでは成立しないため、気を付けないといけません。
BtoBマーケティングにとって重要な役割を果たすホワイトペーパーについて、初めて作る方へ向けた知っておきたい情報をまとめました。
このページを読んだ後は…
・なぜ求められているのか理解できる
・最初に知っておくべき情報が分かる
・ホワイトペーパーを活用する土台ができる
ホワイトペーパーと一般的な資料の違い
私たちは普段から、営業・マーケティングなどの販促活動、製品・サービス説明、社内マニュアルなどさまざまなシーンで資料を使っていますよね。
資料は、ビジネス現場にとって切っても切れない関係のアイテムであり、誰もが1度は手に取ってみたことのある存在です。
ホワイトペーパーも資料に分類されるため、普段使っている資料と体裁は同じですが、なぜわざわざ呼び方を変えているのか…。
まずは違い分かりやすいよう表にしてみました。
比較 | プレゼン資料 | ホワイトペーパー |
---|---|---|
役割 | 商談相手の説得 | 見込み顧客との接点作り |
提出相手 | 社外の特定の相手 | 社外の大勢 |
解決したい課題課題 | 顕在化している | 顕在化 + 潜在化 |
使われる場所 | 会議室やオンライン会議の場 | webサイト |
入手方法 | 手渡し・メール・チャット | ダウンロードフォームの送信後 |
使用方法 | トーク + 資料提出 | 資料配布のみ |
掲載内容 | 企画・提案 | 課題解決に役立つ情報 |
ホワイトペーパーは、誰か人の手を介して取り扱われるのではなく、単体で機能して効果を発揮します。
マーケティング活動を行う上で必要とされる自動化機能があるため、営業・マーケターにとっては取り組みやすい施策となっています。
カタログとの違い
カタログの場合は、すでに自社の製品を購入してくださっているお客様に対して送る、製品一覧の冊子です。
ホワイトペーパーの場合は、お客様になってくれる前の方へ見てもらうことを基本としているので、意味合いが違ってきます。
パンフレットとの違い
パンフレットは主に、印刷して見込み顧客へ提供する小冊子であり、対面など手渡しが基本となります。
また、棚に置いておけば、誰でも好きにとれるので、手渡しではない提供方法も可能です。
ホワイトペーパーの役割
ホワイトペーパーに求められている役割(効果)は5つ。
これらが合わさることで、結果として売上が継続的に入り会社・事業が成長していきます。
売上・利益を増やすために用意されるものですが、ひとつひとつが大切な話なので、詳しく見てみましょう。
1. 見込み顧客の獲得
見込み顧客の獲得とは、今まで接点を持てていなかった企業と、ホワイトペーパーを介して繋がること。
企業との繋がりを直接作るわけではなく、所属している従業員個人の連絡先を入手するために活用されています。
しかし「A社の従業員情報(見込み顧客)が手に入ったからさっそく営業をかけてみよう!」このような考えで電話をすれば「興味ありません。ガチャ」と、まったく相手にしてくれません。
見込み顧客へ提案できる段階を見誤ると、門前払いです。
話を聞いてもらえる状態の見込み顧客を獲得、または話を聞いてもらえる段階まで温度感を高めていく、このどちらかが必要となります。
全ての見込み顧客が、直接営業できる相手ではない事は、覚えておきたい基本情報。
2. 見込み顧客へ知識提供
獲得した見込み顧客の情報をリード(lead)と呼び、マーケティング活動に活用していきます。
リード獲得後も、さらに良質なホワイトペーパーを提供し続け、下記2つを実現させていく。
- 話を聞いてもらえる関係性を作ること
- 良質な情報を提供し続けて見込み顧客の知識をアップデートさせること
これらを行うと、下記のような図式が出来上がります。
ホワイトペーパーを提供(定期的)
→ 知識が増えることで課題に気づく
→ 見込み顧客からの信頼感を獲得
そもそも、自分事として課題を把握・認識し、解決したいと動いている方と、タイミングよく出会うことは難しいのですが、ホワイトペーパーを使うことで可能となりました。
話を聞いてもらえない方にアプローチするのではなく、話を聞いてもらえる方と巡り合うため、BtoB向けの製品・サービスを持っている企業は、すでに実践しているケースが多いです。
3. 見込み顧客への商談機会を見極める
見込み顧客を獲得してから、継続的なコミュニケーションを取っていくと、あるタイミングからお客様の行動が変化してきます。
たとえば、用意していたwebサイトを見回ったり、必要そうなホワイトペーパーをダウンロードする。
これは見込み顧客のステージが一段階あがり、信頼できる相手としてあなたの会社から、積極的に情報収集をしている状態。
タイミングを見計らいお声がけすれば、相手から「話を聞きたい」と言ってもらえる場合も。
その先はすんなりと話が進み、具体的な内容を詰めていけます。
行動履歴をもとにして、商談機会を見極められるため、無意味なタイミングで営業したことによる失注が減らせます。
4. 将来的な売上創出
見込み顧客の獲得から活躍してくれるホワイトペーパーは、結果として売上創出に貢献してくれます。
BtoB向けの製品・サービスであれば特に、見込み顧客として獲得したリードに該当する方が、権限を持っていないケースもあり、意思決定者まで話を通すのに時間がかかる。
だからといって「今すぐ」契約してくれる方を見つけるのは大変で、ライバル企業と奪い合いになり、コストがかかっていくばかり。
ホワイトペーパーを使った施策は、すぐに成果は出せないものの、売上創出に必ず貢献してくるため、将来的な成長を望む企業であれば取り入れている長期的な施策です。
5. 資産確保
ホワイトペーパーによる良質な情報提供は、周り回って企業としての価値を高めてくれます。
すぐに効果は出ないものの、徐々に企業価値が浸透していく。
たとえば、ダウンロードした資料が良ければ、ダウンロードした本人が社内へ共有したり、SNSなどで「よかった」と口コミを残してくれる場合も。
そのような小さな小さな反響が、続けていくことで大きな反響となって、今後の事業運営を楽にしてくれます。
一瞬で消えるようなものではなく、長期で積み重ねたからこそ、資産となっていく。
ホワイトペーパーのメリット・デメリット
ホワイトペーパーを使うことで、どのような恩恵があるのか。
また、良い面があれば悪い面もあるので、課題なども事前に把握しておくのがオススメです。
メリット
マーケティング活動を自動化できる
ホワイトペーパーは基本的に、webサイトに掲載して、ダウンロードフォームを設置し、入力後の自動返信メールの送信によって資料URLが手に入る仕組みです。
わざわざ声をかけなくても、webサイトとホワイトペーパーを用意さえすればできる。
さらに、webシステムを活用することで、情報を自動的に処理して、獲得した見込み顧客の情報を使い、メルマガなどの施策を連動して行えます。
今まで手作業だった業務が、獲得したリードを起点にして、システムで対応できるため、マーケティング活動を効率化できます。
ニーズの顕在化
お客様の多くは、何かうまくいっていないことでも、そこに原因があることに気づけていないケースがとても多いです。
誰かに言われて初めて気づいた、こんな場合も多く、もっと早く気づけていれば、さまざまな問題を解決できたかもしれない。
ホワイトペーパーを提供し続けると、知識がアップデートされ、課題・問題に気づきやすくなる。
ニーズがないところから、ニーズを顕在化させて、解決のため提案ができるようになります。
情報共有のしやすさ
ホワイトペーパーはPDFやPPT(パワーポイントの拡張子)で提供することが多く、誰でも閲覧が可能です。
つまり、誰に渡しても閲覧できるということは、ホワイトペーパー単体でシェアがしやすい。
回りまわって、いずれお客様になってくれる方に届けられる場合もあるため、情報共有のしやすさはメリットと言えます。
デメリット
作るのにスキル・ノウハウが必要
ホワイトペーパーには、企画構成からデザイン・ライティングまで、さまざまなプロフェッショナルがチームを作り、作成できる資料です。
たとえば一人で全てこなせる方がいればいいですが、社内でそんな都合のいい方はいない。
いないのであれば、頑張って担当者が作るものの「これじゃない」感が出てしまう場合も。
成果を出すために用意するため、プロの力が必要になります。
品質が悪いとマイナスブランディング
たとえばページがたったの数枚、書いてあることもネットで簡単に調べられるような情報。
ダウンロードするため個人情報を入力してまで手に入れたものなのに、期待が裏切られると、提供した企業に対する印象が悪くなります。
マイナスブランディングを引き起こす場合もあるため、作るのであれば最低限の品質を保つ必要がります。
ダウンロードされたものは訂正できない
一度ダウンロードされ、誰かの手に渡ってしまったホワイトペーパーを、あとで回収することは非常に難しい。
つまり、ダウンロードできる状況を作ったら、そのホワイトペーパーに何か間違いがあっても、変更できないと言えます。
細心の注意を払い作ったとしても、誤字脱字があったり、解釈に間違えは出てきてしまうこともあるので、このリスクは予め認識しておきましょう。