
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。ホワイトペーパーで選んでおきたいフォントとは?そして選ぶコツをまとめています。
普段何気なく目にしているフォントですが、パソコンに標準搭載されているメイリオなどを、特に意識せず使用されているかもしれませんね。
もちろん、一般的なフォントが「悪い」というわけではありません。
ただ、ホワイトペーパーは多くの情報を「文字」で伝える媒体なので、選ぶフォントによって読み手の「読みやすさ」や「理解のしやすさ」が、大きく変わってきます。
情報の伝達効率や、ホワイトペーパーを活用する目的達成のスピードにも影響を与えるほど、フォント選びは重要な要素の一つ。
それでは、具体的にどのようなフォントを選べば良いのか、事例を交えながら最適なフォント選びのためのポイントを見ていきましょう。
- 目次
- ホワイトペーパーにおけるフォントの基本的な役割
- ホワイトペーパーでフォント選びが重要な理由
- ホワイトペーパーに適したフォントを選ぶ実践的なポイント
- ホワイトペーパーに使いたいフォント例
- フォントの選び方でホワイトペーパーの見栄えはどう変わる?
- ホワイトペーパー内でのフォントの適用戦略(組み合わせと一貫性)
- 最後に
もし、明日Googleがなくなったら?
それでも顧客と繋がれる「備え」を。
極端な例えですが生成AIの発展により検索エンジン主導の情報収集が終わりを迎えているため、これからはいかにして見込み顧客との接点を作れるか難易度が高まっています。そこで役立つのがホワイトペーパーですが、すでに準備はできていますか?
ホワイトペーパーにおけるフォントの基本的な役割
ホワイトペーパー制作で使われるフォントは、単なる装飾ではなく、読み手が複雑な情報や専門的な内容を正確に読み解くための「ツール」としての役割を担っています。
フォントはそれぞれ違う形状をしており、制作者の意図や情報の優先順位が反映され作られています。
フォントの特徴を適切に活かせれば、ホワイトペーパー全体の品質や魅力が高まり、読み手の情報に対する集中力や理解度向上にも貢献。
伝えたいメッセージを効果的に届けるための基盤になるのがフォントなので、ホワイトペーパー制作時に欠かせない要素の一つとなります。
改めて確認!
文字 :情報そのもの(単語、文章にも該当)
フォント:文字の形状や見た目
ホワイトペーパーでフォント選びが重要な理由
多くの企業がホワイトペーパーを制作するのは、特定のビジネス目的を達成するため。
つまり、そこには必ず情報を届けたい「お客様」や「ターゲット」が存在しています。
そして、ホワイトペーパーの内容の大部分(約8割〜9割)は文字情報で構成されるため、文字量が非常に多い媒体だからこそ、情報の「伝わりにくさ」は何としても避けなければなりません。
読み手にとってストレスなく情報を吸収できるように、
- 文字として見やすい(視認性が高い)
- 文章として読みやすい(可読性が高い)
- 内容として理解しやすい(判読性が高い)
三拍子揃ったフォントを選ぶことが、ホワイトペーパー制作においては必然と言えます。
状況に合わないフォントを選んでしまった場合は?
仮にホワイトペーパーのテーマや内容に合わないフォントを選んでしまったらどうなるでしょうか。
情報の読み取りにくさが、読み手に無用なストレスを与え、ホワイトペーパー全体への印象を悪くさせる可能性があります。
そうなれば、せっかく制作したホワイトペーパーの目的(例:リード獲得、ナーチャリング、理解促進)達成が遠のいてしまいます。
フォントには様々な種類があり、試してみたい気持ちも分かりますが、それが読み手であるお客様にとって「良いもの」なのかどうかを常に考え、慎重に選ぶ必要があります。
ホワイトペーパーに適したフォントを選ぶ実践的なポイント
ホワイトペーパーの主な読み手は、ビジネス目的であれば多忙なビジネスパーソン、BtoCであれば一般のお客様となることが多いかなと思います。
彼らは必ずしもホワイトペーパーを、隅々までじっくりと時間をかけて読むわけではありません。
このような状況で、もしフォントが見づらかったり読みにくかったりすると、最後まで読み進めてもらえず、内容の理解も得られない可能性が高まります。
その結果、あなたが最も伝えたかったメッセージが届かない事態に。
ホワイトペーパーのフォント選びにおいては、「見やすさ」と「読みやすさ」へ徹底的にこだわる必要があるので、選ぶ時に考えておきたい3つのポイントを確認してみましょう。
選ぶべきフォントの3つの基準
ホワイトペーパーが想定される様々な閲覧シチュエーション(PC画面での閲覧、スマートフォンでの確認、印刷物、サムネイル表示など)において、情報を確実に、そして迅速に伝えるため、フォントはとても役に立ちます。
特にビジネス目的のホワイトペーパーにおいては、企業側の「伝えた」で終わらないよう、読み手に「伝わった」状態を目指す必要があるため、必要なフォント選び3つの基準をまとめました。
基準① フォントの種類はゴシック体を選ぶ
ゴシック体は、線の太さが均一で装飾が少ないため、特にデジタルデバイス上や短時間での判読性に優れています。見出しや本文など、広い用途で視認性を高く保つことができます。長時間の閲覧でも目が疲れにくい傾向がある。
基準② 太文字(Bold/Extraboldなど)のバリエーションが豊富なフォントを選ぶ
見出しや重要なポイントを強調するために、太文字は不可欠です。適切な太文字のバリエーションがあることで、情報の階層を明確にし、読み手が重要な箇所を素早く把握できるようになります。
基準③ 線がしっかりとして小さく表示されても潰れないフォントを選ぶ
Webサイト内のサムネイル表示や、資料全体を縮小して閲覧する際、フォントの線が細すぎたり装飾が多すぎたりすると、文字が潰れて判読不能になってしまいます。特に、表紙や目次、グラフ内の文字など、限られたスペースで情報を伝える必要がある場合に、線のしっかりしたゴシック体は遠目からでも視認性が高く、内容が伝わりやすくなります。
ホワイトペーパーに使いたいフォント例
具体的にどのようなフォントがあるのか、入手方法別にいくつかの例をご紹介します。
無料(OS標準搭載)※日本語
種類 | 説明 |
---|---|
メイリオ (Meiryo) | Windows OSに標準装備。デジタル表示に最適化されており、比較的読みやすいゴシック体です。 |
游ゴシック (Yu Gothic) | Windows/macOSに標準装備。現代的でバランスの取れたデザインが特徴です。 |
ヒラギノ角ゴ (Hiragino Kaku Gothic) | macOSに標準装備。印刷物でも評価の高い、美しく読みやすいゴシック体です。 |
游ゴシックまたはヒラギノを使っていれば、まず間違いありません。
無料(ダウンロードが必要)※日本語
種類 | DL先 | 説明 |
---|---|---|
M Plus | Google Fonts | Google Fontsで提供されており、Webフォントとしても利用しやすいフォントです。癖がなく、可読性に優れています。(ライセンス) |
さわらびゴシック | ||
Zen Kaku Gothic | ||
LINE Seed JP App_TTF | LINE | LINEが提供するフォント。モバイル環境での視認性に配慮されており、ホワイトペーパーにも活用できます。(ライセンス) |
GoogleFontsもLINEフォントも商用利用OKで、フォント自体の再配布や商標登録などが制限されている場合が多いので注意は必要ですが、ホワイトペーパーへ利用する分には問題ありません。(必ずライセンスをご自身でもご確認ください)
有料(高品質なプロフェッショナル向け)※日本語
種類 | 入手先 | 説明 |
---|---|---|
A-OTF UD新ゴ | モリサワ | 高い可読性とデザイン性を兼ね備えたユニバーサルデザインフォントです。特に企業ブランディングを重視する場合や、大量の文字情報を扱う場合に効果を発揮します。太さの種類も多いのがおすすめポイント! |
A P-OTF A1ゴシック |
英語・数字
種類 | 入手 | 説明 |
---|---|---|
Arial | windows標準 | 英語・数字に対して汎用性の高いフォントであるため基本的にArialを使っておけば大丈夫です。 |
Roboto | Google Fonts | ムダな装飾がなく英語・数字ともにキレイな形状をしています。また、太さにも種類があるため使いやすい。 |
Montserrat |
使用を避けるべきフォント
種類 | 説明 |
---|---|
Canvaなどの無料ツール内の特殊フォント | 装飾性が高く、本文として使うには適さないものが多くあります。 |
その他、デザイン性が強すぎる特殊な形状のフォント | 読み手の注意を逸らしたり、文字の判読を妨げたりする可能性があります。 |
これらの「避けるべきフォント」は、デザイン要素としては魅力的でも、長文の可読性を考慮して設計されていないため、ホワイトペーパーの本文や主要な見出しには不向きです。
情報の正確な伝達目的から外れてしまうため、使用は控えて、読み手がどう思うのか考えてフォントを選びましょう。
フォントの選び方でホワイトペーパーの見栄えはどう変わる?
例えば、ホワイトペーパーの表紙に使用するフォントを変えるだけでも、全体の印象は大きく変わり、固く信頼性のある印象を与えたいのか、親しみやすい印象にしたいのか、フォント一つで雰囲気を演出することが可能です。
また、本文で使うフォントを変えるだけで、ページの密度感や文字の並びの美しさ、そして何より読み進める際の疲労度が大きく変化。
見出しと本文のフォントの組み合わせ方によっても、情報の階層が明確になり、全体の構造が理解しやすくなります。
この視覚的な違いを理解することが、より効果的なホワイトペーパー制作には欠かせないので、各種フォントによる見え方の違いを確認してみましょう。
1スライドごと見てみる
フォント:メイリオ
フォント:游ゴシック
フォント:ヒラギノ角ゴ
フォント:LINE Seed JP ExtraBold
フォント:A-OTF UD新ゴ Pro B
フォント:A P-OTF A1ゴシック Std B
すべて太文字にしていますが、フォントそれぞれで形状や太さに違いがあるため、見え方も変わってきますよね。
サムネイルサイズで見てみる

サイズが小さくなり、それぞれ見比べてみると、1スライドごと見た以上に違いを感じませんか?
フォントを変えるだけで、見やすさ・分かりやすさが大きく変わるため、状況に合うフォントを選んでいきましょう。
ホワイトペーパー内でのフォントの適用戦略(組み合わせと一貫性)
単に「推奨フォントを使う」だけでなく、ホワイトペーパー全体でどのようにフォントを適用するかも重要です。
効果的なフォントの適用には、以下の戦略が考えられます。
フォントの種類の絞り込み
1つのホワイトペーパー内で使用するフォントの種類は、多くても2種類程度に絞るのが基本。例えば、見出しには力強いゴシック体、本文には読みやすい別のゴシック体や、場合によっては部分的に明朝体を使用するなど、役割に応じて使い分けますが、種類を増やしすぎると統一感が失われ、かえって読みにくくなります。
ウェイト(太さ)とサイズの活用
フォントにはRegular・Bold・Heavyなど様々なウェイトが用意されており、使い分けることで、見出し・小見出し・本文・注釈などの情報の重要度や階層を視覚的に表現できるため、文字サイズも適切に調整し、視線の流れを作りましょう。
一貫性の維持
一度決めたフォントの種類、サイズ、ウェイトのルールは、ホワイトペーパー全体を通して一貫して使用することが非常に重要。章によってフォントが変わったり、同じレベルの見出しなのにサイズが違ったりすると、全体の印象にバラツキが出てプロフェッショナルに欠けると見なされ、読み手の混乱を招く可能性があります。
デバイス・環境での表示確認
制作ツール上で綺麗に見えても、PDF化した後や、異なるOSやデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)で表示した際に、意図しない崩れや表示の違いが出てしまうことがあります。必ず複数の環境で実際に表示を確認し、読みやすさに問題がないかチェックしましょう。
最後に
ホワイトペーパーにおけるフォント選びは、単なるデザインの一部ではなく、情報を正確に伝え、読み手の理解を深め、最終的なビジネス目標の達成をサポートするための極めて重要な要素です。
情報の約9割を文字が占めるホワイトペーパーだからこそ、その文字の見やすさ、読みやすさが、成果を大きく左右します。
この記事で紹介した、ゴシック体を中心に、太文字のバリエーションが豊富で、小さくても潰れない視認性の高いフォントを選ぶというポイントは、特にビジネスシーンで使われるホワイトペーパーにおいて非常に実践的です。
また、単にフォントを選ぶだけでなく、ホワイトペーパー全体での統一感のある適用戦略も欠かせません。
最適なフォント選びは、読み手への配慮であり、あなたのメッセージを効果的に届けるための土台となります。
本記事の情報を参考に、ぜひあなたのホワイトペーパーで最適なフォントが選べる、お役立ち情報になれれば幸いです。