みんな気付いてない?分かりやすい資料には文脈がある

  • | 公開 2022年04月21日
資料ノウハウ
みんな気付いてない?分かりやすい資料には文脈がある

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。分かりやすい資料を作る人は文脈の理解度が高い。ちょっとした違いで資料作りがうまくなります。

パワーポイントで資料を作ったら、内容になんだか違和感を感じる。

あなたの直感(無意識)がそう叫んでいるのかもしれませんし、上司や同僚のチェックが入った時に言われたかもしれませんね。

どちらにしてもその違和感、一連の流れである文脈が繋がっていないから発生している可能性があります。

情報量がたっぷり入っている、独自性や有益性もある、だけど文脈が整っていなければ読み手に、誤解釈されてしまったり正しく理解してもらえない。

資料作りがうまい人は、しっかりと理解しやすい流れを整えていますので、どのように資料を作れば分かりやすい文脈になるかコツを見てみましょう。

こんな方にオススメ!
・資料作りで指摘を受けることが多い
・いつも納得のいかない出来栄えになる
・資料作りに無駄な時間をかけていると感じている

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資料における文脈って何?

文脈とは、情報の前後左右が繋がり、一連の流れの中で情報理解が進む状態を指します。

文脈サンプル
× 太郎はリンゴをとった。
〇 5時間前に果樹園で太郎はお母さんと一緒にリンゴ取りをした。

NG例でも誰が何をしたのかは分かりますが、行動前後の情報がないと、本当の意味で情報の理解ができません。

一般的な文脈で言えば、一つの話題に対して、関連情報まで説明することで文脈は生まれますが、資料においての文脈も同じく一連の流れを指しているものの、さらに加えたい観点があります。

それは、資料を見てもらった相手に、どんな行動を起こしてもらいたいのか。※ 行動変容のこと

ただ単に情報を入れ込んで説明するだけの資料であれば、何も気にせず好きに作っていいのですが、資料として情報をまとめるのであれば、作り手側には何かしらの目的・意図があって作っているはず。

頑張って作ったけど、結果的に目的達成へ貢献できなければ、無駄にもなってしまうため、資料における文脈とは、最終的に作り手の目的達成までを考えた流れを作ること。

作り手の目的まで考えた文脈とは?

資料そのものは、見やすくて、読みやすくて、理解しやすければ、どのような作り方でもいいのですが、あなたが社内スタッフさんのために資料を作る、またはビジネスで活用するために資料を作る。

誰に向けて作る資料かによって、大きく変わってきます。

抑えておきたいのは2つ。

① 相手の願望:読み手の求める情報や新たな気付きを入れること
② 自分の目的:その上で作り手の目的達成に貢献できる情報を入れること

資料作りで、文脈を間違える方の多くは、この順番を逆にしてしまって、まずは自分たちの目的を叶えるために作り始めます。

あなたも見たことがあるかもしれませんが、良さそうなタイトルの資料を見たら、最初から自社アピールだらけで肝心の内容が、ほんのちょびっとしかない…。

もしこれで、自分の個人情報(名前・社名・アドレス・電話番号など)の入力と引き換えに得た資料だったら、ガッカリです。

作り手の目的達成意識を全面に出してしまうと、お客様から求められていない資料にもなるので、大前提として読み手の満足を感じてもらえる情報があり、それがあって初めて自分たちの目的達成に繋がることを覚えておきましょう。

資料に必要な文脈

文脈は情報の繋がりに切れ目を無くし、繋ぎ目も見えづらい状態にすることで、読み手の理解度が高まるので、下記3つに注意して整えていきます。

  • 情報の厳選
  • 一貫性(テーマ・文章・デザイン)
  • 時系列(過去・現在・未来)

資料にたくさんの情報を詰め込めば、価値が出てみんなに見てもらえる、と勘違いされやすいのですがその逆で、読み手が求めていない情報ばかりだったら、すぐにゴミ箱行きが当たり前。

資料を見る方の状況にもよりますが、まずじっくり隅々まで見てくれる方はほんの一握り、大勢の方はざっと見しかしません。

最初から一語一句見逃さず見てくれれば、何も言うことないですが、実際はそうではないため、情報の厳選・一貫性・時系列に注意しながら、文脈を整えていく必要があります。

情報の厳選

資料に必要な文脈:情報の厳選

資料内に入れようと思えばたくさんの情報を入れられますが、結果として入れすぎた情報によって、文脈を壊してしまう場合も。

前提として、資料は流し読みなので、100スライド・200スライドとたくさん作ったとしても、読み手が覚えているスライド内容はその中で大事な1~2スライドくらい。

あとは「なんとなくこうだったかな?」で感覚的に覚えているぐらいです。

全体を通して文脈が整っていたとしても、情報量がありすぎて、結果的に読まれない部分が出てくると、文脈が飛び飛びになってしまい理解度が下がってしまう。

入れられるだけ入れるのではなく、厳選した上で情報を精査して入れると、文脈を感じやすく、内容を読み取りやすくなります。

まとめ
情報を絞ることが、読み取りやすい文脈を作る。

一貫性(テーマ・文章・デザイン)

文脈を整えるための一貫性では、下記の3つを意識します。

  • テーマの一貫性
  • 文章の一貫性
  • デザインの一貫性

どれに対しても、ある一定の統一感を作り出すことですが、方向性や軸を絞ることで文脈が整いやすくなり、資料としての見やすさ・分かりやすさの向上から、さらに理解度が高まりやすい資料となります。

テーマの一貫性

テーマとは、何の題材について語られているかであり、テーマの一貫性が保てると何について書かれた資料なのか、読み取りやすくなります。

テーマの例
× パワーポイントの使い方、エクセルの使い方、ワードの使い方
◯ パワーポイントの使い方のみ

複数のテーマを入れることで、説明範囲が広がってしまい、情報量を多くしなければ説明しきれなくなります。

また、資料を手にとってくれた読み手に対しても、知りたいと思っていた内容以外がたくさん入っていることで、読みたくない資料になってしまう。

テーマを絞ることで一貫性が生み出され、読み手に優しい文脈が作りやすくなります。

文章の一貫性

文章には、作り手の口調や感情が反映されて、言葉の表現が大きく変わってきます。

文章の一貫性の例
× 落ち着いた口調から急にハイテンションな口調へ
◯ 全体を通して落ち着いた語り口調

見る側からしたら「何人がこの資料作っているの?」と、そちらの方が気になって、文脈理解への意識が低くなり、結果的な内容理解が薄まります。

資料の約9割は文章で仕上げられているため、文章を整えることが、文脈を整えることにも繋がってくる。

デザインの一貫性

テーマの一貫性:デザインの一貫性

デザインには、見た目の印象を大きく変える力を持っているため、その影響によって文脈を作れもするが、壊れてしまう場合もあります。

デザインの一貫性の例
× たくさんの色を使う、スライドの途中で見た目を変えるなど
◯ 全体を通して同じまたは似ているもので統一する

資料の中身は、ほぼ文章ではありますが、見た目の印象によって情報の受け取り方が変わってくる。

突然、今までとは違ったデザインを入れると読み手は混乱し、見た目の違いに意識を向けてしまうことで、正しく文脈を読み取れなくなります。

時系列(過去・現在・未来)

時系列(時間軸)を考えて作らないと、文脈としての結びつきが弱くなり、分かりにくい資料になります。

たとえば、事前情報が何もない初めて会った方から、いきなり相手の趣味を語りだされても、興味も湧きづらいですし、聞いていて辛いものがあるかもしれません。

過去・現在・未来の、どれかを飛ばしても、途中の過程が分からなくなり、文脈として弱くなって理解度が半減する。

分かりやすい資料を作るためには、時間軸を意識した文脈が必要です。

章ごと単体の文脈

時間軸を取り入れて、文脈を分かりやすくするために役立つ思考の型が5W1H(ゴー・ダブリュー・イチ・エイチ)

いつ(When)
どこで(Where)
だれが(Who)
なにを(What)
どうやって(How)

この思考の型は、全体の文脈の中の、細かい章ごとの文脈を整えるのに使えます。

一つを説明する時に、たとえば「リンゴ」などの単語だけで伝わればいいですが、資料ではもっと複雑な説明が必要になる。

そのために、いくつかの単語を組み合わせながら文章に書き起こし、文脈を繋いでいく必要があります。

5W1Hは、一つの文章の中に、何の情報を入れればいいのか簡単に教えてくれるため、活用すれば簡単に文脈が整えられた文章ができるんです。

章ごと全体の文脈

章一つひとつは小さいですが、資料全体を通して見れば、かなりの情報量にもなります。

スライド一つを作るには、そのスライドに入れる情報だけを考えればいいですが、全体として繋げてみると、文脈が合っておらず違和感を感じる流れになっていることも多い。

数字の連番が文脈を表すと仮定してみると、
× 1→5→3→2→4
◯ 1→2→3→4→5

このように繋げてみた時に、全然繋がっていないこともあります。

資料のスライド単体だけで考えると、結果として作ったあとに文脈が分かりづらく、やり直しになることもあるので、全体の流れは必ずチェックしましょう。

資料の文脈の作り方

いきなり資料の見た目から作っていくと、見てもらえない分かりづらい資料になるため、作る前にはまず文脈を考えてから進めるのをオススメしたいです。

私自身何度も経験があり、途中で修正…修正…また修正…の繰り返しで、結果的に時間を使いすぎてしまったこともしばしば。

その経験からも、最初にきちんと文脈を考え、それをもとに入れ込む情報を探して、全体的に資料を完成させていくことが大切だと気づきました。

注意としては、文脈を作ったからといって、無理やりその文脈に合わせようと資料作りをすれば、嘘や存在しない情報を入れる間違いを犯してしまう場合もある。

そのため、文脈作りの一つの方法として、下記の流れを活用頂けるといいかなと思っています。

  1. 資料作りの目的を書き出す
  2. 目的に対して誰が何の情報を求めているかを書き出す
  3. 必要な情報を揃える
  4. 読み手に満足してもらった後に自社の目的を添える
  5. 一連の流れにズレがないかを確認する

詳しくそれぞれを見ていきます。

1 資料作りの目的を書き出す

まずは、あなた自身の資料作りの目的を可視化させます。

「時間がないから…」「相手にせかされているから…」こんな状況になって、いきなり資料作りから入ってしまう方もいますが、まず考えておきたいのは、資料を作って、見てもらいたい相手にどんな行動を起こしてもらいたいのか。

お客様のために資料を作る!は良いのですが、その思考で止まってしまうと、あなたは先に進められなくなります。

特に営業目的で使われる場合、意思決定者が事前に資料を確認して、何かを決めるシーンが多いため、見られただけで終わってしまったら意味がない。

見てもらい、そして感情・行動にどんな影響を与えて、こちら側へ引き込めるのかを意識して作る必要もあるため、なんとなくではなく確実に資料作りの目的を、書き出すことから始めるのがオススメです。

2 目的に対して誰が何の情報を求めているかを書き出す

あなたの目的を達成するためには、誰に対してどんな情報を見てもらえばいいのか、この部分を考えるのが次のステップ。

たとえば、自分が欲しいと思っていない情報を延々と見せられても、興味関心は湧きませんし心も惹かれません。

作り手側の目的を叶えるには、まず相手を満足させてからの話になるため、読み手となってくれる方が誰で、何を求めているのかを書き出し相手の理解を深めていきます。

3 必要な情報を揃える

読み手が誰で何を求めているのか、そしてあなた自身のゴールは何なのかがハッキリしてきたら、必要な情報を揃えていきます。

すでに情報が手元にある、またはインターネットや本などを探して見つかればいいのですが、探しやすい情報だと、あなた以外の別の人も探せるということ。

テーマが似ている場合、資料内容が誰かと被ってしまう場合もあるので、なるべく自社だからこそ出せる情報を使ったり、インターネット調査などを用いて独自性の高い情報集めが重要です。

資料は作ればいい、ではなく、資料を見た方がすでに知っているような情報だったり、探せばすぐ見つけられる情報ばかりだと、資料や資料作成者に対して、マイナス感情を抱かれてしまう場合も。

また、集めた情報は全部載せるのではなく、厳選する必要もあるため、少ない情報でも独自性・有益性を感じられる情報集めが大事。

4 読み手に満足してもらった後に自社の目的を添える

集めた情報を箇条書きにし、大まかなグループに分け組み替えやすいようにしておく。

テーマ例:資料ダウンロードの調査レポート
読み手 :資料ダウンロードの現状や課題を知りたい
作り手 :資料作りに関係する自社サービスの提案をしたい
文脈例 :背景 → 現状 → 課題 → 提案(自社の目的)

①調査目的
②資料ダウンロードの経験
③資料ダウンロードの回数
④資料ダウンロードの種類
⑤資料ダウンロードしたキッカケ
⑥資料ダウンロード後の行動
⑦資料ダウンロード後の本音
⑧資料作りの課題
⑨資料ダウンロードする方へのサービス提案

難しいことはないのですが、まずは読み手に満足してもらってからでないと、その後の提案を受け付けてもらえないので、自分たちの目的よりもまずは相手の満足から。

ここだけ忘れなけれれば、大きな文脈間違いを起こすことはないと思います。

5 一連の流れにズレがないかを確認する

文脈を作ってみても、見直したり、資料を作り出して違和感に気づくことも多いです。

しかし、全体の流れが分かっていない状態で資料を作り始めると、最初からどこへ向かえばいいのか分からず作っているため、さらに分かりにくい資料になっている場合も。

予め文脈を作ってから始めることは、その後の修正時間を大幅に短縮させて、最短でいい資料を作るためには必要なこと。

最初から分かりやすい資料を作るのは難しいため、まずは大まかな方向性を作るためにも、文脈作りの工程を入れておくのがオススメです。

最後に。

資料作りがうまい人は、文脈を頭の中でイメージ、またはきちんと書き出し可視化しているからこそ分かりやすく作れる。

ちょっとしたコツですが、最終的な結果が大きく変わってくるため、資料は文脈作りから進めていきましょう。

大きな流れを作ってから、細かい部分を仕上げていく。資料作りの基本としても覚えておきたいことだと思います。

著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は資料サービス「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツの制作から運用、100社以上のお客様支援を実施。そこで得たノウハウをコラムとして投稿中。
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