いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。採用に力を入れてもなかなか上手くいかない...どこに原因があるのか、どうすれば打開できるのか、一緒に見ていきましょう。
「なかなか良い人材を採用できない…」
「このままじゃいけないと思っているけれど、何が悪いかわからない…」
「効率よく採用活動・選考を進めたい…」
新卒採用や、中途採用について、このようなことを思った経験はありませんか?
少子高齢化によって生産人口の母集団が減ってきているこの時代、採用活動は優秀な人材の争奪戦になってきています。
今回は、そんな「採用ができない…」といったお悩みを持っている方へ、その原因と解決策を徹底解説していきます。
採用ができていない状態とは?
はじめに“採用ができていない状態”とは、どのような事が考えられるのでしょうか?
ご自身の会社の新卒採用、中途採用の状況を思い浮かべていただきながら、他社の事例を一緒に見ていきましょう。
そもそも応募者が集まらない
まず、そもそも応募者が集まらないことです。
採用活動で「あまり求職者から気づいてもらえないような媒体を使っている」「仕事の条件や内容が魅力的ではない」など、原因はさまざまかと思いますが、そもそも求人に応募してくれる人が少なく、スタートラインにすら立てていないケースです。
応募者は来るが求めている人材ではない
続いて「ある程度の応募者はいるが、求めている人材ではなく、ミスマッチが起こっている」というものです。
職種や仕事内容によって、企業側が希望するスキルや能力は、ある程度決まっていると思います。
ただ「応募者のスキルや能力を見ると、その要件を満たす人材ではない…」となってしまう場合も多くあります。
入社者より退職者が多くて採用が間に合っていない
入社者より退職者が多く、採用が間に合っていないこともあります。
「ある程度の応募者もいて、スキルや要件もクリアしている人材を採用できた!」
と喜んでいたのに、その採用数より、企業の中で退職者の数が上回っていて、採用人数が間に合っていない…といったケースです。
この場合は、退職者の数がとても多いのが特徴で、何かしら社内の職場環境に課題があると考えられます。
内定を出しても断られてしまう
次に、内定を出しても断られてしまうケースです。
せっかく最終面接まで実施をして「ぜひ一緒に働きたい人材」と社内で決定して内定を出したのに「他企業のほうが魅力的だったので、内定を辞退します」等と断られてしまった…。
こんな経験もあるかと思います。
採用しても早期退職が続いている
「せっかく採用しても、その人材がすぐ退職してしまう…」「結果として採用に失敗している…」といったケースです。
この場合は、応募者と企業のミスマッチがあり、応募者が「入ってみて思っていたイメージと違っていた…」と感じ、退職するケースです。
応募者・企業どちらにとっても悲しい結果に終わってしまうので、早期退職は避けたいですよね。
「採用ができない」会社の特徴とは?
では、採用ができない会社とは、どんな特徴があるのでしょうか?
採用できる会社、採用できない会社の違いを意識して見ていきましょう。
経営陣の採用に対する優先度が低くなりすぎている
採用ができない会社は、他の業務と比べて“採用”に対する優先度が低くなりすぎているのではないでしょうか。
経営陣や人事の方は、みんな「自分の会社で活躍してくれる優秀な人材を採用したい」と思っています。
その分、採用活動の重要度はとても高いはずです。
ただ、会社の中で採用に対する“緊急度”が低く「今すぐビジネスの利益に直結するものでもない」といった考えから、他の事業戦略を優先して、採用が後回しになってしまっている…そんな状態が多く見受けられます。
経営するための売上維持・向上に意識が向いてしまっている
採用ができない会社は、“売り上げ”ばかりに意識が向いている傾向があります。
もちろん、経営をするためには、売り上げの維持・向上はとても大切です。
ただ、そればかりに気を取られてしまい、採用活動にリソースを回すことが減ってきていませんか?
そのような経営者の方は、要注意です。
採用できない原因
では、採用ができない原因はどういうものがあるのでしょうか?
16個でまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
採用担当者がトップのサポートを受けられていない
採用活動・選考が人事担当者に任せきりになっていませんか?
経営陣が採用に関心を示して、採用面談に入ってくれたり、社内制度を整えたり、給料をUPしてくれたり…
経営陣自らが、そういったサポートをすることで、社内の「採用」に対する優先度が上がり、採用される側も「大切にされている」と感じ、優秀な人材を採用することが出来る、とても良いサイクルにつながります。
結果だけにこだわる殺伐とした文化
社内が結果だけにこだわる殺伐とした雰囲気だった場合は、あまり人材が定着しないケースが多いです。
「みんな自分のことだけで精いっぱいで、入社者にも辞めていく人にも冷たい…」
「コミュニケーションが十分に取れず、結果のみ評価される…」
そんな環境だと、どんどん人が減っていきます。
改めてご自身の会社の風土はどういう状態か、考えていただくきっかけにしていただけると良いかもしれません。
昔の採用方法を今も続けている
「昔はこれで採用できたから、今も続けよう」と、今は“令和”なのに、“昭和”の手法など、時代が違う昔の意識のまま採用活動をしていませんか?
時代に合わない方法は捨てて、新しい方法を試していく方がより効果的です。
例えば、生産人口が多かった時代は、求職者が多く、応募してくる人をただ待って、評価するだけでも優秀な人材を採用することが出来たかもしれませんが、現代は企業側から動くスカウト式や口コミでのリファラル採用など、多様な手段がとられるようになってきています。
現在のトレンドを意識すると、とてもいい結果が待っているかも知れません。
採用のチャネルが狭い
また、採用できない会社は、採用する媒体・チャネルの幅が狭いといった課題も挙げられます。
採用情報を載せる媒体が少ない数でとどまっていたり、エージェントにまかせっきりになってしまったりしていませんか?
現在は、SNSやセミナーなどでも、自社が求めている求職者とのタッチポイントを作ることが出来ます。
今のトレンドのチャネルを把握して、優秀な人材を得るチャンスを逃さないことが大切です。
人材データが活かされていない
人材データが活かされていない状況も考えられます。
「求める人材像はどんな能力をもってどんな特性か」や「自社だからこそ活躍できそうな人はどんな特徴があるか」など、ペルソナが共通認識として会社の中で把握できておらず、人事担当者の勘だけで採用を進めている場合があります。
その場合は、今社内で活躍しているのはどんな人材か?など、データを集めて分析して、共通で定義する必要があると言えます。
聞いていた社風と実態がかけ離れている
続いて、“聞いていた社風と実態がかけ離れている”ケースです。
採用活動で「手厚くサポートする雰囲気」や「フラットでオープンな文化」などをうたっていたのにも関わらず、結局、実態は全くそれに即した人がいなくて、候補者がとても失望してしまう…幻滅してしまう…といった場合です。
この場合は、結果として早期退職へ繋がります。
人事担当や現場が「本気」で会社を好きと言えない状況
そして、面接を担当する人事担当者や現場のメンバーが「本気で会社を好きと言えない状況」「本心から会社のことをおすすめできない事態」になっている会社は、採用活動がうまくいきません。
当たり前のことかもしれませんが、自分自身が良くないと思っているものを、人にお勧めするのはとても心苦しいですし、相手にも魅力が伝わり切らないですよね。
適材適所で人員配置ができていない
また、“適材適所での人員配置ができていない”といった、タレントマネジメントの観点からの課題もあると思います。
それぞれの社員の能力に合った職種や仕事を、割り振ることが出来ていないと、結果として「仕事に適性を感じない…」と辞めてしまう人が多いです。
また「仕事の適性を感じない…」「自分の能力を最大限に活かせていない…」と思っていると、職場へのエンゲージメントが低くなって、やる気のダウンに繋がります。
「自社の従業員が、得意を活かして働ける環境か?」など適材適所での人材配置を意識・検討することが大切です。
現場の協力が得られていない
採用できない会社は、採用活動に現場の協力が得られていないことが考えられます。
「優秀な人を取りたいのに、社内の優秀な人を採用プロセスに巻き込めていない…」と感じることはありませんか?
また「現場はどういう人材を採用してほしいか?」というような現場へのヒアリングが不足していると、なかなか思うように選考が進みません。
現場の協力は予想以上に大きなカギとなります。
管理思想で採用している
あなたの会社は「人材を管理する」という思想で採用していませんか?
組織図や人数だけを見て、採用や異動を決めていて、その社員の“キャリア志向”や“やりたい職種”などを無視していると、人間味の感じない「管理文化」によって退職がつづく場合があります。
「管理する」といった思想ではなく、「それぞれの強みを活かすためにサポートする」というような考え方が理想です。
採用したい人材の定義があいまい
採用したい人材の定義ははっきりと決まっておりますでしょうか?
そもそも「こういう人を採用したい」と定義が決まっていなければ、企業内でのコミュニケーションも、候補者へのコミュニケーションも、すべてがズレてしまって、一貫性がない形になってしまいがちです。
ペルソナをはっきり決めて、計画的に選考を進めることが重要です。
会社の魅力を発信しきれていない
採用できない会社は、会社の魅力を十分に発信しきれていないことが挙げられます。
社外に発信するのはもちろんですが、社内向けにも十分に発信出来ていますか?
社内向けに、実際発信をしていても、そもそもあまり従業員に見つけられにくいチャネルで発信をしていると、せっかく労力をかけて作った記事や写真、動画が届くことはありません。
それらの齟齬によって、結果的に会社の魅力を十分に伝えきれず、従業員のエンゲージメント(会社への貢献意欲)も下がってしまう状況につながります。
悪評が広まっている
あまり考えたくありませんが、インターネットやSNSなどで悪評が広まってしまっている場合もあります。
例えば、入社・退社のタイミングで、担当者や制度などによって、丁寧な対応ができていない場合は要注意です。
今は就活情報やまとめサイトなどに、情報がすぐ載るような時代なので、対応に問題がないよう、丁寧にコミュニケーションをしていくことが大切です。
経営陣が現場の声に耳を傾けていない
先ほど「採用したい人材の定義を定めることはとても大切」とお伝えしましたが、それはちゃんと現場の声をくみ取った定義になっているでしょうか?
経営陣と現場の間でコミュニケーションがうまくとれておらず、実際現場が求めている人が採用されていないケースがあります。
経営陣が勝手に採用したい人材を決めていたり、現場からの不満を無視していたりすると、社内の雰囲気も良くない状態になってしまいます。
正社員だけにこだわり過ぎている
以前は、“正社員で一括採用“が主流でしたが、人生100年時代、終身雇用制度も崩壊しつつある現代では、働き方も多様になってきています。
正社員のみでなく、フリーランスや派遣、副業など、様々な働き方を選択できる制度は整っていますか?
採用の時点で、そこが考えられていないと、時代遅れだと切り捨てられてしまう可能性があります。
そもそも市場に魅力がないと優秀な人は来てくれない
こちらは元も子もないような話ですが、そもそも時代的に市場が魅力でない斜陽業界だと、求職者も少なくなります。
現在は、IT業界などの人気の業界に人材が集まる傾向があります。
自社の業界を客観的に見てどうか?を分析して、強みをアピールできるようにしていくことが良いと思います。
採用力を高めるには
では、採用力を高めて優秀な人材を集めるためには、どうすればよいのでしょうか?対策を3つご紹介します。
トップの強いコミットメントが必要
経営陣などのトップ層が「採用力を高める」と強くコミットメントすることは、とても大切です。
経営陣が、採用に重点を置き、リソースをかけて注力しようとすると、従業員も採用の重要性を、身をもって感じて前向きに取り組めるようになります。
経営陣が強いコミットメントを示すことで、現場もそれに応じて動きやすくなると思います。
経営陣の強いコミットメントのメッセージは想像以上に大きな役割を果たすと考えられています。
経営陣自身がミッション・行動規範などの模範となり社内の活性化を
会社のパーパス・ミッション・バリューなどの、行動規範や文化はきちんと意識出来ていますか?
それらが形式化していると、かえってマイナスイメージになる可能性があります。
経営陣の皆さん自身が、行動で示すことによって、はじめて行動規範や文化は生きたものになります。
ぜひご自身の行動を見つめなおし、社内活性化を進めるきっかけを作ってみることをおすすめします。
従業員エンゲージメントを高める
従業員エンゲージメントとは、従業員が「会社の目指している方向性や目的に共感して、自ら主体的に貢献したいと思う状態」のことを言います。
「これからもずっとこの会社で貢献したい」と思えるような従業員エンゲージメントが高い会社にしていくことで、採用力もあがります。
では、どのようにすると、従業員エンゲージメントを高められるのでしょうか?
従業員エンゲージメントを高める方法をご紹介します!
①ビジョンの共有
会社のビジョンや戦略をしっかり現場まで共有することは、結果的にエンゲージメントを高めることがわかっています。
日々の自分自身の仕事が、会社のビジョンにどう繋がって、どう貢献できているかを実感することで、社員は前向きに働くことが出来ます。
②ワークライフバランス
ワークライフバランスを実現する施策もとても大切です。
最近ではテレワークや週休3日制など、トレンドになっていますが「テレワーク等を導入している会社ほど従業員エンゲージメントが高くなる」と言われています。
今後の社員の多様な働き方を肯定して、生産性を上げるためにも、大きなキーとなるところと考えられています。
③コミュニケーションの活性化
テレワーク等が進み、対面で顔を合わせる機会が少なくなってきたことに伴って、コミュニケーションの活性化が重要視されています。
経営陣と現場の観点以外でも、現場同士のコミュニケーションや、採用担当と経営、現場のコミュニケーションなど、ネットワークを作ることは非常に効果的です。
④成長機会の提供
また、応募者の中には会社に「自己成長できるかどうか」を求めている人が多いと思います。
「転職して入ってみると、全く成長出来ないような作業をずっとやっている…」と考えると、離職の危険性も高まります。
ぜひ、計画的に社員の育成プランを作成する、研修を実施するなど、成長機会の提供も増やせると良いと思います。
上記のような環境が整うと、従業員エンゲージメントの向上が期待できます。
社員が心から「この会社が好き」と思える状態であれば、採用活動でもその思いは自然と応募者に伝わるはずです。
最後に。
結局は採用に本気で取り組めない状況になっているのが原因
採用できない会社の特徴や、採用力を上げる方法について紹介してきました。
ここまで読んでくださったあなたであれば、お気づきかもしれませんが「結局は採用に本気で取り組めない状況になっていること」が原因である会社が多いと思います。
どの企業も、短期的に緊急度が高い目標に気を取られて、採用は後回しになりがち。
そこで、“いかに長期的に見通して、採用に投資することが出来るか?”で5年後、10年後の会社の未来が大きく変わってきます。
経営陣・人事担当者・現場が一丸となって本気で取り組んでいく必要がある
「採用力を高める」ためには、経営陣、人事担当者、現場が一丸となって、本気でコミットして取り組んでいく必要があります。
経営陣のみ、人事のみ、現場のみ、など一方的ではなく、総合的にコミュニケーションをとり、力を合わせていくことが必須です。
まずは、会社を率いる経営陣の皆さんから、アクションを起こして、採用力強化に集中していきましょう。