いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。資料を作るのは、なんでこんなにも大変なんでしょうか…。
業務を進めている中で、資料作成が必要だとしても、その時間捻出は難しいですよね。
できれば誰か代わりに作ってほしいのが本音かもしれません。
特に、ビジネス用として扱うホワイトペーパーや営業資料には、見てくれた相手の心と体を動かす、そんな魅力的のある資料に仕上げなければならず、時間もかかり簡単には作れない。
しかし、生成AIをうまく活用することで、作業時間の短縮ができ、専門性やスキルがない状態でも、理想の資料が作れるようになります。
この記事では、普段使いできる生成AIを活用した、資料作成の方法と注意点をまとめているため、活用頂けますと幸いです。
- 目次
- 今までホワイトペーパー(資料)を作る時に大変だったこと
- 生成AIがホワイトペーパー(資料)作成で頼られる背景
- 生成AIで作成していい資料の範囲
- ホワイトペーパー(資料)を生成AIで作る3パターン
- ホワイトペーパー(資料)作成に生成AIを活用する際の注意点
- 今後はスライド作成の知識とスキルは不要なのか?
今までホワイトペーパー(資料)を作る時に大変だったこと
ホワイトペーパーまたは資料を作成する時には、大きく分けて4つの工程があります。
工程 | 説明 |
---|---|
戦略設計 | 自社の営業・マーケティング状況から最適な道筋を立てていく |
企画構成 | 必要な資料の概要を定めていく |
文章 | 必要な情報を文章化していく |
見た目 | 文章化した情報を元に見た目のデザインを作り上げていく |
最低でも4つの専門性とスキルが必要となり、尚且つ文字を一文字ずつ入力したりツール操作の一つ一つが時間のかかる作業でした。
また、いきなりうまく進められるわけではなく、これらは無数の試行を行ったうえで、まずはたたき台を作り、そこから改善を繰り返して清書をしていきます。
ホワイトペーパー1つ作るのも、労力がとても必要な状態でしたが、生成AIの活用によって、たたき台と清書は半分ほど代用できるようになり、ほぼ作業が1/4まで減らせるようになりました。
必要な専門性と作業を、生成AIで一気に対応できるようになったので、ホワイトペーパーや資料の作成は、新たなフェーズに入っています。
単純に生成AIのおかげで、思考・試行するためのキーボード・マウス操作の回数を、極端に減らせられます。
生成AIがホワイトペーパー(資料)作成で頼られる背景
ホワイトペーパーや資料作成では、一般的にPowerPoint・Google Slideなど、スライド作成ツールが使われます。
これらのツールは、非常に使い勝手もよく、誰でも簡単に必要な情報を入れるだけでスライドが作れてしまう。
しかし、ビジネス用に作成するのであれば、見てくれる相手に配慮したスライドを作らなければなりませんが、実際にはどうしたらいいか分からないことが多いですよね。
- この見た目でいいのか…
- もっと情報を入れた方がいいのかな…
と、時間ギリギリまで悩み、作成で多くの時間を使ってしまう。
実践経験・スキル・ノウハウがなければ正解が分からず、不安を残したまま作ることだけが先行してしまい、結果として質の低い資料となって成果が出せない負のループに陥っている方も。
生成AIは、どんな質問や指示でも気前よく回答してくれるため、使えば使うほど生成AI=正解を出してくれるツールだと認識されやすくなります。
そのため、正解(だと思われる情報)を最短で出してくれる生成AIが求められています。
生成AIで作成していい資料の範囲
生成AIによって、資料作成の大部分をテクノロジーへ任せられるようになりました。
しかし、とても便利な反面、生成AIを使わない方がいい範囲もあるため、予め確認しておきましょう。
〇の範囲:一般的な情報の範囲で作成できる
×の範囲:機密情報が多く含まれる
〇 ホワイトペーパー
〇 営業資料(ただし顧客情報、データは生成AIに入れない)
〇 マニュアル
〇 研修資料
× 調査レポート
× IR資料
生成AIの中には、入力した情報をそのまま生成AIの学習のために使われるケースもあり、このような仕組みまたは利用規約のもと使用される生成AIでは、社内の機密情報等を入力してしまうと、外部に漏らしてはいけない情報が漏れてトラブルにもなります。※ 生成AIで代表的なChatGPTは使用者による入力データがAIの学習には使用されず、OpenAI側で独立した学習プロセスにより行われています。
そのため、使用する生成AIで発行されていたプライバシーポリシーや利用規約で「データがどのように扱われるか」を確認することが重要です。
ホワイトペーパーや営業資料などは、一般的に広まっている情報を活用するケースが多いため、使い方に気を付ければ問題はありません。
ホワイトペーパー(資料)を生成AIで作る3パターン
ホワイトペーパー(資料)に使用できる生成AIは、単体で全て作成まで行ってくれるパターンと、それぞれ生成AIの強みを連動させて複数使用するパターンがあります。
パターン① 単一の生成AIで作成
パターン② 複数の生成AIを使い分けて作成
パターン③ コアな部分は人間が作成して生成AIを補助で使用
状況によって、どの作り方がいいのか変わってくるため、あなたに照らし合わせながら確認してみましょう。
パターン① 単一の生成AIで作成
項目 | 状況 |
---|---|
内容 | こだわらない |
見た目 | こだわらない |
時間 | 少ない |
暇も時間もなく、とにかく時間が惜しい方は、単一の生成AIへ簡単な指示だけを出して、形にしてもらうのがお勧めです。
使用する生成AI例
SlidesGPT | パワポ生成AI |
---|---|
作成は無料だがファイルのダウンロードが有料 | 作成とファイルのダウンロードも無料 |
SlidesGPTとパワポ生成AIは、作成したい資料のテーマや構成を簡易的に入力するだけで、PPTX(PowerPoint形式)による資料作成をしてくれます。
パターン② 複数の生成AIを使い分けて作成
項目 | 状況 |
---|---|
内容 | こだわりたい |
見た目 | こだわらない |
時間 | 少ない |
時間はないが内容にこだわりたい場合は、企画・構成・文章に生成AIを活用して思考・試行回数を減らし、最終的な見た目の作成は簡易的に済ます形がお勧めです。
使用する生成AI例
Gemini | ChatGPT |
---|---|
概要をまとめるのが得意(無料) | 条件を考慮して生成するのが得意(無料 or 有料) |
ホワイトペーパーや各種資料の軸となる中身(企画・構成・文章)は、生成AIで何度も改善を加えてブラッシュアップ。
そして中身が出来た状態で、SlidesGPT・パワポ生成AIなどで全てスライドを作成する、またはPowerPoint CopilotやPowerPointのデザイナー機能に補助してもらいながら見た目を調整していけば、時間がない中でも、目指した資料に近づけます。
まだまだ単一の生成AIだけでは出来ないこともあるため、複数の生成AIを使い分けながら、それぞれ得意な領域を任せて組み上げていきます。
パターン③ コアな部分は人間が作成して生成AIを補助で使用
項目 | 状況 |
---|---|
内容 | こだわりたい |
見た目 | こだわりたい |
時間 | 多少はある |
ホワイトペーパーや資料の作成時間が、十分ではなくとも確保できるなら、内容も見た目もこだわれます。
時間配分の例
企画・構成・文章:7割
見た目のデザイン:3割
見た目は「見た側」の主観的な判断が大きく、価値をコントロールしづらくなるため、まずは中身である内容(企画・構成・文章)に時間を割いて、ホワイトペーパーそのものの価値を高めていく。
見た目に時間がかかってしまうのは、内容が固まり切っていない状態でデザインを作り出し、途中途中で変更や付け加えが入ってしまうのが原因です。
最初から軸や方向性が定まっていれば、あとは情報を見た目として形にしていくだけなので、企画・構成・文章に時間をかけても、残り時間でこだわって作成するには十分。
使用する生成AI例
ChatGPT
ホワイトペーパー(資料)作成に生成AIを活用する際の注意点
私たちの時間は有限であり、尚且つ日々色々な仕事も同時に行っているため、資料作成にだけ時間をかけていられません。
そのため、生成AIによる補助は、手足を何本も増やしてくれるような状態が作れます。
人間がやらなくていい内容は生成AIに任せればいいですが、どんなにいいものでも注意すべき点は必ず存在しています。
事前に注意点を確認しておき、生成AIを妄信しないための情報にしましょう。
注意①:すべてを生成AI頼みにしてしまうこと
人間が記憶できる情報量には限りがあり、見たものすべてを覚えておくのは難しく、仕事関連の情報であれば尚更全てを覚えることはできません。
「分からない情報がある」ことが前提としてあるのですが、分からないがために、仕事が進められない場合も。
そんな時は生成AIを頼ることで、人間が記憶しきれない情報量の中から、最適だと思われる情報を最短で返してくれます。
便利である反面、分からないことは全て生成AIに頼ってしまい、必要なことも覚えようとしなくなる。
結果として、学びの中で生まれていた専門性・独自性のレベルが低くなり、生成AIで出来る範囲でしか資料が作れなくなります。
注意②:情報の解像度が低くなること
生成AIに企画・構成・文章・見た目まで全て対応してもらっていた場合、瞬時に完成品が毎回出されるため、中身の理解を疎かにしてしまう場合も。
特に、プレゼンテーションや発表の機会に、自身が伝えたい情報を理解していないと、質問等にも的確に受け答えが難しくなります。
資料を苦手としている方ほど、扱い方を間違えれば劇薬になります。
今後はスライド作成の知識とスキルは不要なのか?
生成AIを使えば、ホワイトペーパーや各種資料の作成を効率化できます。
しかし、それによって資料作成スキルが不要になるわけではありません。
なぜなら、生成AIが出力した情報をそのまま「正」と判断してしまうと、誤りを見逃すリスクがあるからです。
また、生成AIを適切に活用するためには、指示を出す人間が資料の内容に関する深い知識を持っている必要があり、知識が浅いまま生成AIを使うと、作成される資料も表面的な内容に留まってしまう可能性があります。
さらに、優れた資料には、読者の期待を超える独自性や専門的な視点が不可欠です。
生成AIを活用しつつも、専門性やクリエイティブな発想を加えることで、より質の高い資料を作成できるため、自身の知識を増やすことと、スキルを磨くことは疎かにできないと言えます。