いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:maedaです。ピッチってなんだろう?聞いたこともないしそもそもビジネス用語なの?そんなあなたもピッチについて詳しくなれちゃうさまざまな情報をまとめてみました。
日々アップデートされるビジネス用語。
覚えたと思ったらまた新しい用語がでてきて「もう何がなんだかわからない!」といっぱいいっぱいになってしまいますよね。
かくいう私も横文字やビジネス用語はちょっと苦手です。
今回紹介するのは、シリコンバレー出身のビジネス用語「ピッチ」。
ピッチという言葉自体は聞いたことがあるかもしれませんが、ビジネスシーンでどんなときに使われるのか知らない人も多いのではないでしょうか?
今回も、私と一緒に学んでいきましょう!
- 目次
- ピッチとは
- ビジネスシーンにおけるピッチとは?
- ピッチとプレゼンテーション・ライトニングトークの違い
- ピッチの種類
- ピッチはスタートアップ企業にしか必要ない?
- 話し下手な日本人
- ピッチのメリット
- ピッチの作成手順をチェック
- ピッチを成功させるポイント
- ピッチ作成で避けたいポイント
- ピッチの事例を紹介
- まとめ
ピッチとは
「ピッチって何?」と聞かれたら、あなたはなんて答えますか?
音の高低差を表すピッチや、マラソンのピッチ、野球選手のピッチャー(投手)などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
居酒屋で取っ手がついた大き目の容器をピッチャーと指すこともありますよね。
さまざまなシーンで使われている聞き馴染みのある言葉ではありますが、きちんと意味を理解している人は少ないのではないでしょうか?
ピッチ(pitch)は本来、同じ動作を一定時間内に繰り返す回数や速度を表します。
例えば、野球の「投げる」は本来なら「throw」ですが、投手が「ピッチャー」と呼ばれる所以は一定間隔で投球を繰り返すからです。
マラソンでランナーが走る際の「ピッチ」も同様で、一定間隔で繰り返すという意味合いが語源になっています。
他にも「設定する」「調節する」などの意味があります。
ビジネスシーンにおけるピッチとは?
今回解説するピッチは、音楽のピッチでもマラソンのピッチでもなく、ビジネスシーンで使われるピッチについてです。
ビジネスシーンでのピッチは、簡単にいうと「短いプレゼンテーション」のこと。
一般的に起業家が投資家に対して、資金やサポートを得るために行うプレゼンのことを指します。
プレゼンテーションがじっくり時間をかけて聞き手に説明するのに対し、ピッチは短い時間で聞き手から共感を得ることが目的です。
投資家たちの心をつかみ、共感を得ることで資金援助・新しいプロダクトの開発に繋がるわけです。
製品の企画紹介や売り込みではなく、新しいアイデアの提案や課題の解決方法を発表するのがピッチになります。
ピッチの発祥
ピッチの発祥は、世界有数のIT企業が集結するアメリカのシリコンバレー。
スタートアップの聖地ともいわれ、起業家だけでなく投資家も多く集まる地域です。
シリコンバレーではスタートアップ企業を支える経済圏が確立していて、投資家と起業家の交流が日々行われています。
毎日新しいアイデアが行き交う環境下で、「短い時間で」「簡潔に」行うプレゼンが定着するようになります。これがピッチの由来です。
今ではIT業界だけでなくマスコミや広告業界など、幅広い業界で使われるようになりました。
ピッチとプレゼンテーション・ライトニングトークの違い
ピッチやプレゼンテーションの他にもライトニングトークという似た言葉があるので、まずはその3つの違いを明確にしていきましょう!
対象 | 内容 | 時間 | |
---|---|---|---|
ピッチ | 内容について何も知らない投資家 | 新しいアイデアと課題解決の提案 | 数十秒~30分以内 |
ライトニングトーク | 内容についてすでに知っている人達 | 主張や要点をまとめて伝える | 3~5分程 |
プレゼンテーション | 内容についてすでに知っている人達 | 顧客目線での利益やメリットの説明 | 数十分~1時間以上 |
対象相手
ピッチは事業内容やサービスについて何も知らない投資家たちに対して行われます。
そのため、短い時間でも相手が理解できるようなワードや表現を使って簡潔に伝えることが必要です。
ライトニングトークとプレゼンテーションは既に事業やサービスに興味を持ってくれている人が相手になります。
ある程度専門用語を用いて説明するのが効果的でしょう。
内容
ピッチは、新しいアイデアの売り込みや課題解決の提案が主な目的になっています。
聞き手の投資家に対して、「このアイデアは面白い」「このプロダクトは今後伸びていく」と共感させることで出資を募ります。
一方でプレゼンテーションは、あくまで顧客目線でのメリットや事業内容の説明が求められます。
資料やスライドを使ってひとつずつ丁寧に説明し、聞き手の理解を得ることが目的。
ライトニングトークは、カンファレンスやプレゼンテーションの場で主張や要点を短くまとめて伝えるのが目的です。
話す内容を絞って的確に伝えていくことが求められます。
時間
ピッチは数十秒~15分程度、長くても30分程度にまとめます。
これに対してプレゼンは、数十分~1時間程度としっかり時間をかけて行います。
一方でライトニングトークは5分程度にまとめるのが一般的です。
電光石火のように短い時間の中で伝えたいことをコンパクトにまとめることが重視されるライトニングトークでは、時間厳守も重要なポイントになってきます。
ピッチの種類
エレベーターピッチ
エレベーターピッチとは、エレベーターに乗っているくらいの短い時間でプレゼンをすることです。
30秒~60秒くらいの非常に短い時間の中で行われます。
これはあくまで投資家たちに興味をもってもらうためのきっかけ作りであり、エレベーターピッチのみで出資やサポートの意思決定をされることはほとんどありません。
多忙で時間のない投資家たちに、短い時間でどれだけ強く印象を残せるかが重要になります。
コンテストピッチ
コンテストピッチとは、投資家や起業家が集まるイベントでピッチを行い、ピッチの出来を評価されるコンテスト形式のピッチのことです。
優秀者に対して賞金が出たり、出資を検討してもらえるなどメリットがあります。
また、よりインパクトのあるピッチを行えば業界内で話題になり知名度アップにも繋がるでしょう。
ツイッターピッチ
ツイッターなどのSNSを活用して事業を想起させるようなワードを投稿し、その事業に関心の高い投資家を募るのがツイッターピッチです。
一目見ただけでその事業や特徴がイメージできる、いわばキャッチコピーのような表現がより効果的だといわれています。
例えば「介護の求人 カイゴジョブ」や「無料デザインツール Canva」など。ワードを見ただけでどんなサービスなのか想像しやすいですよね。
インベスターピッチ
インベスターピッチは30分程のまとまった時間で行うピッチのことです。
ある程度投資家からの検討が進んだ段階で行われます。
ビジネス内容をより深堀りしてプレゼンするため、エレベーターピッチと比べると聞き手の理解を深めるための工夫が必要になるでしょう。
ピッチはスタートアップ企業にしか必要ない?
ここまで読んで「ピッチってスタートアップ企業にしか関係ないんじゃない?」「私には必要ないかもしれない」と思ったあなた、ちょっと待って!
ピッチはスタートアップ企業で広く使われる言葉ではありますが、新しいプロジェクトを成功させたい!と頑張っている方や、ビジネスシーンでもっと上手く話せるようになりたい!と思っている方にぴったりな、スキル向上のヒントがたくさん詰まっています。
私がピッチの習得をあなたにおすすめする理由を、日本人の特性に沿って説明していきますね。
話し下手な日本人
日本人はプレゼン下手、という話を聞いたことはありませんか?かくいう私も人前で話すことは得意ではありません。
大勢の人の前で話すというだけでも緊張するのに、ビジネスシーンでのプレゼンとなれば絶対に失敗できないというプレッシャーから緊張もMAXに……。
社会人なら多くの方が経験するのではないでしょうか。
ここからは、日本人がプレゼン下手といわれる理由を紐解いていきましょう。
実践の機会が少ない | そもそも圧倒的に練習不足であることが1番の要因だといわれています。学生の期間に人前で発表する機会が極端に少なく、プレゼンテーションの授業もないことからプレゼンの基礎が全くわからない状態で社会に放り出されるわけです。場数を踏んでいなければ、緊張もしますし上手くもなりませんよね。 |
---|---|
自信がない | 常識やマナーを重んじるがゆえに、正しいふるまいをしなければ仲間外れにされるという思いこみが根付いていませんか?失敗できないプレッシャーから、堂々としたふるまいが苦手な人が多いですよね。常識やマナーを重んじて周囲に配慮できる姿勢は素敵ですが、ビジネスシーンにおいて遠慮は必要ありません。 堂々としたふるまいはプレゼンの説得力も上げてくれます。 |
一方的な説明になりがち | 人間の集中力というのは10分間しか持ちません。長々と説明を受けているだけだと聞き手は飽きてしまい、次第に集中力が切れてしまいます。日本人は情報盛りだくさんの抜かりないプレゼン資料を作るのが得意ですが、これだと聞き手は何の面白みもないただの情報を聞かされているだけになってしまいます。 |
思い当たることはありましたか?
プレゼンというとなんとなく「発表会」のような認識が強くなりがちですが、要は「誰かに何かを上手く伝える力」が求められているということです。
プレゼン力を磨けば日々のビジネスコミュニケーションも円滑に進みますし、営業さんなら営業力もアップします。
日本人はビジネスシーンにおいて完璧を目指しがちがゆえに、一方的なコミュニケーションに陥りやすいのが問題です。
相手の目線に立って、完璧すぎない資料作りやコミュニケーションの取り方に立ち返ることは、思わぬビジネススキルをグッと引き上げてくれます。
プレゼンの出来不出来は才能ではなく練習の積み重ね。
プレゼン下手といわれている日本人も、きちんと練習を繰り返すことで次第にプレゼン上手になっていきます。
- 苦手意識の克服
- 実際と同じような環境での実践を繰り返す
- ふるまいや話し方、表情を研究する
- 自分のプレゼンを録画して見る
まずはこのあたりを意識してみるのはいかがでしょうか?
特に、自分のプレゼンを録画して見ることは客観的なイメージを掴みやすくなるのでおすすめです。
自分がプレゼンをしているという状況を俯瞰的に脳内に叩き込みながら、プレゼン=恥ずかしくない・怖くないものというイメージに導けるようになるといいですね。
ピッチはプレゼンよりも難しい?
情報をつめこんでじっくりと説明することが得意な日本人にとっては、短い時間の中で簡潔にアピールするピッチはより難しく感じるかもしれません。
ピッチは例えるとオーディションのようなもの。
限られた時間の中でどれだけ審査員(投資家)に印象を与えられるかで結果が大きく変わります。
大切なのは正確に情報を伝えることではなく、相手の心をグッとつかむことです。
ピッチのコツは一朝一夕に身につくものではないので、繰り返し練習することが大切になってきます。
ピッチのメリット
コミュニケーションスキルが上がる
ピッチには、限られた時間の中で簡潔にまとめ上げるスキルだけでなく、わかりやすいワードや表現を盛り込むセンスも求められます。
ピッチを繰り返して場数を踏むことで、プレゼンスキルだけでなくコミュニケーションスキルが向上するでしょう。
また、人前で堂々としたふるまいができるようにもなります。
ロジカルな思考が身につく
限られた時間の中で要点をまとめて的確に伝える力は、ロジカルな思考を鍛えます。
日々のコミュニケーションでも言いたいことがスムーズに伝えられるようになり、業務効率化にも繋がるでしょう。
自分の考えを整頓できるようになる
ピッチでは事業内容の具体化と抽象化を繰り返してブラッシュアップしていく必要があります。
意識的に行うことで自分の考えを整理整頓でき、ピッチ以外の場面でもよりよい提案ができるようになります。
ビジネスチャンスの拡大
ピッチを通して投資家や起業家に興味を持ってもらえれば、出資や資金調達の約束に繋がります。
また、近年では有力なスタートアップ企業とマッチしたいと考えている企業も増えているため、企業提携のチャンスも掴めるかもしれません。
知名度アップ
ピッチイベントでインパクトを残せば、業界内で話題になることも。
ピッチの様子が配信されたり動画アーカイブが拡散されることで、知名度アップにも繋がります。
イベントに参加することで他のスタートアップ企業との交流も深まり、人脈も広がりますよね。
ピッチの作成手順をチェック
では実際に、どのようにピッチを作成していくのかを一緒にみていきましょう!
- 目的
- ストーリー
- 表現
この3項目をそれぞれ深堀りしていきます。
目的
まず、ピッチを行う目的を明確にしていきます。
主な目的は投資家からの出資やサポートを受けることだと思いますが、投資家たちに「投資したい」と思わせるビジネスモデルでなければなりません。
そのビジネスモデルは将来的に大きな利益を生む事業であり、さらにそれを実行できるメンバーが揃っていること、そして競合他社より自分のビジネスモデルが選ばれる理由がなければなりません。
ピッチ資料ではそれらをひとつひとつ明確にして伝えていきましょう。
ストーリー
限られた時間の中で聞き手の共感を得るためには、ストーリー性をもって伝えるのが効果的です。
STEP1 | 事業概要 | どんなサービスを提供しているかを一言でわかりやすく説明する。 |
---|---|---|
STEP2 | 課題と顧客 | 誰のどんな課題を解決するのか具体的に説明する。 |
STEP3 | 既存の解決策 | その課題に対して、今世の中に出ている解決策を説明する。 |
STEP4 | 独自の解決策 | 自分たちのサービスではどのように解決できるかを提案。 |
STEP5 | 競合他社との比較 | 競合他社との比較で自分たちのサービスの優位性を示す。 |
STEP6 | ビジネスモデル | ターゲットの利用状況などを数値で示して客観的に説明する。 |
STEP7 | チームメンバーの説明 | それらを実現するためのチームの強みや実績を説明する |
表現
ストーリーを導き出したら、最後に表現方法を決めていきます。
ピッチは「初めて事業内容を聞く人」に向けてのプレゼンになるので、なるべく専門用語を入れず、わかりやすい言葉や表現を使います。
遠回しな言い方や無駄な装飾語は避け、1スライドに1メッセージを心がけましょう。
画像や動画などで視覚的にわかりやすく説明するのもおすすめです。
質問は最後に回答するため、全容を見せずに相手が興味を引くようなメッセージを盛り込んでいくのが理想です。
また、根拠となるデータや事例も必ず載せましょう。
客観的なデータと数字を用いて説明することで、納得度の高いピッチになります。
ピッチを成功させるポイント
ここからは、ピッチをよりよくするためのポイントを押さえていきましょう。
エンタメ要素を盛り込む
繰り返しになりますが、ピッチを成功させる1番のポイントは相手の興味関心を引き、心をグッと掴むことです。
では一体どんなときに、聞き手は興味関心を抱くのでしょうか?
答えは「もっと知りたい!」「もっと聞きたい!」と思う絶妙なタイミングで切り上げることです。
例えばドラマやアニメでは、続きが気になるタイミングで次回に繋がることが多いですよね。
クイズ番組で答えが発表される前に一旦CMを挟むのも同じ手法です。
人は疑問を抱くとそのままにしておけず、すぐに答えを知りたくなります。
1枚のスライドで疑問から答えまでを全て盛り込むのではなく、聞き手に疑問を投げかけてから次のスライドで根拠を説明する、という流れを作れば聞き手は飽きずにピッチを聞くことができるでしょう。
ドラマやアニメ、映画の盛り上がるシーンを参考にして展開にエンタメ要素を盛り込むのも1つの手法です。
視線をコントロールする
エンタメ要素を盛り込んだ展開にしても、肝心の話し手が棒立ちではチグハグになってしまいますよね。
話して手がふるまい方で1番気を付けたいのが「聞き手の視線」です。
猫とねこじゃらしで例えましょう。ねこじゃらしを猫の前で降ると、猫はねこじゃらしに興味を示してじーっとみつめます。
猫は小刻みに動くものに反応するので、次第に自然とじゃれ合ってくれるでしょう。
しかし、ねこじゃらしをただ床に置いたままだと猫は見向きもせず、興味を引けないかもしれません。
人間も猫と同じで動いているものに目がいきます。
つまり、話し手が聞き手の関心を引くには、聞き手の視線をコントロールすることが大切なんです。
身振り手振りはもちろんですが、慣れてきたらピッチの最中に動いてみるのも良いでしょう。
そうすると聞き手はスライドではなく話し手を見るようになります。
もうひとつ気を付けて欲しいのが「話し手の視線」。
話し手が資料を見ながら話していたら、聞き手も資料(スライド)を見るようになります。
話し手は資料を見ずに、聞き手の目を見ながら話しましょう。
そして重要な箇所だけ意図的にスライドに視線を向けることで、自然と聞き手の視線をスライドに誘導することができます。
このように、視線をコントロールすることも聞き手を飽きさせない工夫のひとつ。
この手法にも、大道芸人やマジシャンのような「観衆の視線を惹き付けることによって盛り上げるエンタメ要素」が盛り込まれています。
ピッチ作成で避けたいポイント
ターゲットが曖昧
ターゲットはどのように設定すればよいでしょうか?
例えば、「20代の男性」のようなざっくりとしたターゲット設定だと、ターゲットのイメージがぶれやすく、事業内容や「誰へ向けての課題なのか?」もぼんやりとしてしまいます。
一人暮らしなのか、どこに住んでいるのか、配偶者はいるのか、社会人なのか学生なのかなど、かなり緻密に設定しましょう。
競合状況を把握していない
競合と比べたときの優位性を示す必要があるため、競合については緻密に調べ上げなれければなりません。
具体的な数値で示せず抽象的になってしまうと事業内容に説得力がなくなってしまいます。
競合に対して分析を繰り返すことで、自分の事業の問題点も見つけやすくなり、自社の強みを深堀りできるチャンスでもあるので、競合分析は抜かりなく行いましょう。
課題の解像度が低い
アイデアを提案するだけでは利益を生み出せません。
事業の多くは誰かの課題解決から対価(利益)を得て成り立っているので、課題を明確にすることは投資家たちから出資を募るために1番重要なことといえるでしょう。
「この課題について理解を深められているかな?」と息詰まってしまったら、その課題を口頭で説明してみましょう。
人に説明するのでも、動画を撮って自分で説明するのでもOKです。
なぜ口に出して説明する必要があるのか、それは課題に対する構造把握を確かめるためです。
解像度が高い状態だと、課題の「深さ」「広さ」「構造の把握」を明確に把握しています。
例えば「デスクワークは肩が凝る」という悩みを持った人がいるとします。
解決策としては「マッサージを受ける」「湿布を貼る」などがありますが、これではあまりに一時的かつ短絡的すぎます。
「なんでデスクワークで肩が凝るのか」という疑問に掘り下げると「姿勢が悪いから」「机の高さが合っていないから」など別の課題が出てきます。
さらに視野を広げると「そもそもデスクワークが向いていないのでは」「長時間デスクワークを強いられる労働環境がよくないのでは」と、別の視点の問題も浮き彫りになってくるわけです。
課題の「深さ」「広さ」だけでなく、その課題の背景まで深堀りすることによって、課題全体の構造が把握できるようになります。
その中でも影響度の高い問題を選択し、自分のアイデアや事業と組み合わせることによって課題解決の提案へと進めるわけです。
自分の言葉で話して説明する意味は、課題の構造をどれだけ把握しているかを確かめるためです。
構造や流れを頭の中で整理できていれば、説明したいことを頭の中からピックアップするだけなので端的かつわかりやすく話せます。
ダラダラとした表現になってしまったり、説明がふわっとしているときは解像度が低いといえるので、繰り返し自分の中で問題を深堀りしていきましょう。
ピッチの事例を紹介
ここからは、ピッチのイベントと実際の資料を紹介します!
ぜひチェックしてください。
ピッチイベント
スタートアップとテクノロジーのピッチイベント「TechCrunch Tokyo」にて最優秀賞を受賞した2つの企業を紹介します。
SmartHR
TechCrunch Tokyo 2015スタートアップバトルにて行われた、株式会社SmartHR 元社長 宮田昇始さんによるピッチです。
手間がかかるペーパーワークや行政手続きをシステムで一括管理する労務管理システム「SmartHR」について発表しました。
ムスカ
TechCrunch Tokyo 2018スタートアップバトルにて行われた、株式会社ムスカ 前代表取締役CEO流郷綾乃さんによるピッチです。
ハエの力を活用した独自のテクノロジーで今までにない新しい資源を生成し、持続可能な未来に向けて活動しています。
ピッチ資料
サイボウズ
https://speakerdeck.com/cybozuinsideout/cybozu-engineer-recruitHeaR
https://speakerdeck.com/hear/company-profile出典:HeaR/採用ピッチ資料
ウイングアーク
https://speakerdeck.com/wingarc1st/uinguaku1stcai-yong-pitutizi-liaoSpotify
出典:Failory Spotify
Dropbox
出典:Failory Dropbox
Tesla
出典:Failory Tesla
まとめ
今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
ピッチは主にスタートアップ企業が行うものですが、ピッチのスキルを磨くことはビジネススキルを磨くことに繋がります。
人前で話すのが苦手、伝える情報をまとめられない、だらだらとした会話になりがち……。思い当たる方、きっと多いですよね。
特に日本人は人前で堂々と話したり端的な会話が苦手。
だからこそ、そこをきちんと磨けば抜きんでて評価されるチャンスを掴めるかもしれませんよ。
今回はピッチについて紹介しました。自分事として考えながら、理解を深めてもらえたら嬉しいです!