「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。本当は休みたいのに休ませてくれなくて、会社からいつでも絶対に働けるロボットのように扱われていませんか?
仕事、休みたいけど休めない。
あるべきはずのお休みも、取らせてもらえない...。
生活するために、働いてお金を稼ぐ必要はありますが、お休みだって必要です。
しかし、会社やお仕事によっては、休めない場合もありますよね。
だからといって、休まずお仕事を続けていると、心にも身体にも限界がやってきて、働くことはもちろん、生活にも悪影響が出てきてしまいます。
休めない毎日から抜け出すにはどうすればいいのか、私と一緒に見ていきましょう。
あなたが健康に過ごせる毎日を取り戻す、一つのきっかけになれば嬉しいです。
実は、法律でも休みをとるのが決められています。
体調が悪かったり、用事があって休みたいのに、会社が休ませてくれない…。
こんなことが続けば、お仕事にも力が入りませんし、仕事ではなく会社そのものを嫌になってしまいますよね。
休んじゃいけない・休めない、会社や個人ごとそれなりの理由があるのも分かりますが、本来仕事は休んでいいもの、むしろお休みが必要なものです。
仕事をする上でのお休みは、法律でも決められているので、「仕事は休めない」とインプットされてしまった認識を改めるため、下記の情報を一緒に見てほしいです。
「そんなのはいいから早く対処法が知りたい!」と、こちらの気持ちの方が強ければ、仕事を休めない原因・対処法を先に見てくださいね。
日本には法律として仕事休みが定められている
日本では、働く人のための法律として「労働基準法」が定められており、会社で働くあなたが守る法律、ではなくすでに国から定められているあなたを雇う会社側が守らなければいけない法律。
そんなの知ってるよ!と思うかもしれませんが、改めてお休みの決まりを見てもらえると嬉しいです。
働く時間
会社で働ける時間は、一週間に40時間以内、一日8時間以内※参考:厚生労働省「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」
働く時間が一日7時間はいいけど、9時間はダメってことです。
一週間に40時間以内…これは、40時間÷8時間=5日間。
つまり、一日に働けるギリギリの時間(8時間)いっぱいまで働く場合、一週間に5日間までしか働いちゃダメ、こういう事ですね。
大体の会社は、社員さんたちにいっぱいまで働いてほしいので、一日8時間お仕事をしてもらい、その結果一週間に5日間働くのが一般的なので、週休2日となります。
しかし、中には一週間に1日しかお休みがない会社もありますが、次のようにちゃんと労働時間を守っていれば、法律違反ではありません。
残業時間の決まり
残業って…聞きたくない言葉ですね。
やりたいから残ってお仕事するのはいいですが、やりたくない仕事や、本来あなたがやる必要のない作業を残ってやるのは、納得できないですし、やる気も出ません。
あなたが残業すると、その分会社はいつものお給料より多く支払うことが、法律で決まっています。※参考:厚生労働省「時間外労働の上限制限」
一ヶ月に残業していいのは45時間まで
一年間で残業していいのは360時間まで※ これらをまとめて「36協定」と呼びます。
一ヶ月に45時間の残業ってどのくらいかというと、もし一日8時間労働・一週間に40時間働く場合(週休2日)、毎日2時間くらい残業する感じ。
ただし、一年間のうち半分、つまり6ヵ月までは、上記の時間を超えて残業してもいい事になっており、なんと上限がなかったため、会社にいつまでも働かされる人が後を絶ちませんでした。
しかし、大企業は2019年4月から、中業企業は2020年4月から、この上限も法律で決められたため、無限に働かされることはなくなったんです。
今まで上限に決まりがなかった、6ヵ月の残業時間は、次のように上限が制定。
- 一年間で残業していいのは720時間まで
- 複数月の平均で残業していいのは80時間まで(休日のお仕事も含む)
- 一ヶ月に残業していいのは100時間まで(休日のお仕事も含む)
2つ目の「複数月の平均」って、一体何なんだと思いますよね。
2ヶ月平均・3ヶ月平均・4ヶ月平均・5ヶ月平均・6ヵ月平均、これらがすべて、それぞれ80時間以内に収まらなければいけない、このような意味があります。
結構ややこしいですが、月80時間の残業は、一日4時間くらい残業する計算。
ざっくりまとめると、
「基本的に残業は一日2時間くらいに留めてね。」
「例外として一日4時間の残業もアリだけど、それは一年のうち6ヵ月までしかダメ。」
となります。
お休みする日数
週に一日以上、4週間で4日以上は、お休みする必要がある※参考:厚生労働省「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」
週休は1日でもOK…つまり、一週間に6日間働くことは、違法ではありませんが、その分だけ、一日に働く時間を減らします。
一週間に働ける時間は40時間以内なので、40時間÷6日間=6時間(あまり4)。
一日6時間労働であれば、一週間に6日間働いても労働時間は36時間となるため、法律の範囲内に収まるわけです。
お客様や取引先の都合など、土曜日・日曜日にお仕事をしなければいけないお仕事は、このように働く時間を調整しているはず。
年間で大きな差がつく休日日数
一週間は、一年間に52回くらいあります。
52週のほかに余りの数も数日あるので、もし週休1日の場合は、年間のお休みは単純計算すると52~53日。
2020年の場合、祝日は18日あるので、単純に足し算すると70~71日ですが、週休と祝日が重なる日もある場合を考えると、もう少し少なくなりますね。
次に、週休2日の場合を計算してみると、単純に週休1日の2倍となるので、104~106日くらいになり、祝日を足すと122~124日。
年間にしてみると、週休1日と2日ですごい差が生まれますね…。
有給休暇
有給休暇は、正式名称を「年次有給休暇」といい、お仕事が休みの日でもお給料がもらえちゃうすごい制度。
- 一つの会社で6ヵ月以上勤めている
- 6ヵ月の労働日のうち8割以上働いている
この条件を満たすと、有給休暇をもらうことができ、もらえる日数は、どれだけ継続してその会社に勤務しているかによります。
継続勤務 | もらえる有給休暇日数 |
---|---|
6ヵ月 | 10日 |
1年6ヵ月 | 11日 |
2年6ヵ月 | 12日 |
3年6ヵ月 | 16日 |
5年6ヵ月 | 18日 |
6年6ヵ月以上 | 20日 |
※参考:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」 |
一週間に働く日数が4日以下、一週間に働く時間が30時間未満の場合は、もらえる有給休暇の日数が上記より少なくなりますが、これに当てはまるのは、アルバイトやパートさんなどが多いです。
有給休暇は使わないとダメ
間違って理解している場合もあるかもしれませんが、有給休暇は「使ってもいい制度」ではなく「使わないといけない制度」です。
これまでは「休みたいけど、有給休暇使いづらい…」こんなふうに、気軽に使えない人が多いことが問題になっていたため、国は、2019年4月に労働基準法を改正。※参考:厚生労働省「年次有給休暇の時季指定義務」
有給休暇を10日以上もらってる社員さんは、もらった日から1年以内に、必ず5日間は有給休暇を使わないといけません。
お休みしづらかったみんなにとって、ありがたい法律ですね。
この5日間は、自分で好きな日にちに申請してもいいですが、申請しないと会社側から「この日に有給休暇使ってください」と指定されます。
あなたの会社は、ちゃんと労働基準を守っていますか?
仕事を休めない原因・対処法
あなたはお仕事を休めず、もう体も心もかなり辛い状態かもしれませんね…。
なぜ休めず苦しんでいるのか、原因を一緒に確認していきながら、どのような対処をすればいいのかも、合わせて見ていければと思います。
お仕事に蝕まれないでください。
私と一緒に、ちょっとずつ現状を変えていきましょう。
原因1.会社や部署の空気・謎ルール
会社の中で、休めない空気ってありますよね。
部署ごとに、変なルールが定着している場合もあるかもしれません。
休めない空気...このやっかいなところは、フワッとしている点。
就労規則にビシッと書いているわけではないから、本当は休めるはずなのに、休んだら印象が悪くなる、白い目で見られる...。
要するに、社内での人間関係が悪化して働きづらくなったり、面倒なことになることが想像できるんですよね。
日本はとくに、同調圧力が強い社会だと言われているので、なおさら、一人だけ違う行動を取りにくい環境だと思います。
【対処法】社員である前に「人」として当然のことをしよう
自分の勤める会社の一員だ、このような意識がしっかりある事は、一社員としてすごく良いことだと思います。
でも、思い出してください。
あなたは会社の社員さんである前に、一人の人間ですよね。
会社の決まりを守ることも大事ですが、人として健康的に生きるための手段の一つとして、お仕事があるはずです。
なのに、会社にあなたの人生を支配されてしまうのは、ちょっと変な気がしませんか?
まるで会社のために生きているみたいです。
人として健康な生活ができるように、国でも「労働基準」が定められているので、休むのは人として当然のこと。
そうはいっても、空気に逆らうのはどうしても難しい...このような場合は、早めに会社を変えましょう。
人として当然のことをさせてもらえない会社に、居続ける必要はないですし、そんな場所、あなたもいたくないですよね。
原因2.代わってくれる人がいない
会社が人手不足の場合、休みたくてもあなたの代わりにお仕事をお願いできる人が、一人もいないかもしれません。
また、自分しかできない仕事内容であれば、場合によっては、あなたが欠けてしまうと全体が回らなくなることも。
自分がいないと、みんなに迷惑を掛けてしまう...これではとても休めませんよね。
【対処法】まずは上司に相談
人手不足は、あなたの責任ではなく会社の責任です。
また、あなたがお休みしてもチームが回るよう、上司はあなたの仕事内容を把握していたり、代わりに誰かができるよう事前に準備しておくべき。
そのため、まずはあなたの上司に相談してみてほしいです。
お休みしたいこと、自分がお休みしてもチームが回る体制を作ってほしいこと。
相談しても「考えとくよ」と言って、一向に話が進まなかったり、まったく取り合ってくれなさそうなら、転職を視野に入れてもいいと思います。
みんなに迷惑を掛けられない...こういった、あなたのやさしさを利用して、休まず働かされていることも考えられるので、普通にお休みできる環境へ移ってOKです。
原因3.仕事量が多すぎる・仕事内容が過酷
休日に仕事を持ち越すことにならないよう、自分の仕事は出勤日にしっかり終わらせたいですよね。
しかし、仕事量があまりにも多かったり、仕事内容がハードな場合は、出勤日以内ではとても収まらず、家でも仕事をしなきゃいけない...。
終わらない仕事に、押し潰されてしまいます。
【対処法】あなたに合っていないだけ
休みたいのに仕事が終わらない...このような状態になると、「仕事できない自分が悪い」と、あなた自身を責めてしまうかもしれません。
しかし、今の仕事量や内容が、ただあなたに合っていないだけ。
「自分にできる事をする」のが、仕事というものです。
もちろん、出来るか分からないけれど、出来そうだと見込んだり、上司に見込まれたりしてやる仕事もあります。
「できる事」だけでなく「できそうな事」にも挑戦してみて、出来るようになるのが「成長」ですよね。
でも、明らかにあなたの許容範囲を超えた量や、ハードな内容の仕事を任されるのは、ちょっと違う話。
上司に相談して、仕事量を減らしてもらったり、内容を変えてもらうようにしましょう。
原因4.仕事柄休めない
職業によっては、自由にお休みできなかったり、どうしても休みが少なくなってしまう場合もあります。
休日でも、お客様のところへ行って緊急の対応をしないといけなくなったり、納期に追われやすい仕事だったり。
それでも、休みたいのに休めないのは、人として辛いことですよね。
【対処法】好きなら悩まないはず
簡単に休めないのが当たり前の業界はありますが、あなたがその仕事を選んだのは、一体なぜでしょう?
少なからず好きな事に関係していたり、興味があったから、今のお仕事を選んだはず。
お仕事を楽しんでる人の中には、休日でも平気でお仕事してるタイプの人もいます。
楽しいから、お休みとか関係ないんですね。
元々お休みがあまり取れない職業だけど、好きだから、その仕事を選んで続けている。
あなたも同じように、休みが取りにくい業界で働くのは、最初は興味があって選んだかもしれませんが、もしかすると、お休みを捧げられるほど好きではないのかも。
あなたに合うお仕事は、今のお仕事だけとは限りません。
普通にお休みできる業界の中にも、あなたが興味を持てるお仕事がないか、ちょっと探してみてほしいです。
もちろん、本来ならお休みが取れる業界なのに、あなたの会社だけ休めないっていうのは、また別のお話ですよ。
原因5.周りが誰も休まない
いわゆる、同調圧力といわれるやつです。
とくにルールはないけれど、周りのみんなが赤だから、自分も赤になる。
一人だけ白でいると、みんなからすごく変な目で見られる。
休むなと言われているわけじゃないのに、休むなと言われている気になってしまう...。
「空気を読む」のが得意な日本人は、周りと違うことをしようとするのに、とても勇気が必要ですよね。
場を乱さない、ある意味やさしさなのかもしれませんが、そのせいで仕事を休むこともできないのは、ちょっと違う気がします。
【対処法】空気ではなく事実を確認する
例えば、周りの社員さんたちが誰も有給休暇を取らない場合、あなたが取れる有給休暇を確認します。
自分で確認できない場合は、人事に確認して、ウラを取るというか、単純に「自分は有給休暇が取れる状態にある」といった事実確認をしましょう。
その上でお休みを申請すれば、変な罪悪感も薄まるはずです。
もし「みんな休まず働いてるのに、お前だけ休むなんて!」こんな事を言われると、
「交代でお休みを取れば、みんな休めるじゃん」
「あなたもお休み取っていいんですよ」
なんて、当たり前の正論を返してあげたくなるかもしれませんが、なかなか返せないのが現実ですよね...。
空気を破るのが難しいなら、お休みを当たり前に取れる職場へ移るのがオススメです。
会社の空気に呑まれるくらいなら、早めに出て行ってしまいましょう。
原因6.会社の休日が元々少ない
「日本には法律として仕事休みが定められている」でも一緒に見てもらったように、週休1日の会社もあると思います。
休日が少ない分、一日にお仕事する時間が少なくなっているはず。
しかし、残業があれば、結局は週6日間、一日中働き詰めになりますよね。
【対処法】ほかの会社を見て転職を検討しよう
同じ業界の他社さんでは、週休2日で残業も少ないのに、あなたの勤める会社だけ休みが少ない可能性もあります。
今の会社にとどまらず、ほかの会社も少し見てみてほしいです。
職業を変えるのも、もちろんいいと思いますが、仕事そのものは変えたくないなら、同業他社をまずは調べてみましょう。
休まず働くのが当たり前と考えている会社は、あなたの勤め先だけかもしれません。
今の働く環境に慣れすぎてしまうのは、とっても危険です。
休まず仕事を続けるとあなたに起きる事
お休みは、人が生きていく中で必要不可欠なものです。
睡眠もお休みの一つですし、寝ないと人は生きていけません。
何時間も走ることができるマラソンランナーだって、一生休まず走り続けられるわけではないですよね。
でも、仕事を休めないあなた。
休まず働き続けていると、一体どうなってしまうのか、一緒に見ていければと思います。
体調が悪くなる
すでにあなたは、体調を崩してしまっているかもしれませんね。
人にとって必要なお休みが取れないままだと、身体に様々な不調が表れてきます。
休まず仕事を続けると身体に起きる不調 | |
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頭痛が頻繁に起きる | 吐き気 |
腹痛、胃痛 | 風邪を引きやすくなる |
突然熱が上がる | 動悸がする |
微熱が何ヶ月も続く | 身体が震える |
目がかすむ | 耳が聞こえにくくなる |
疲れが取れない | 手足や身体全体が重たい |
夜、なかなか眠れない | 熟睡できず、眠りが浅い |
いつも倦怠感がある | ぼーっと放心してしまう |
頭痛や風邪は、ただの体調不良だと軽くとらえてしまいがちです。
しかし、そのうちに手の震えや不眠症など、今まで経験したことのない症状や、明らかに普通の風邪じゃないことが、身体に表れてきます。
今、仕事が休めない状態のあなたは、心当たりがありませんか?
「気圧のせいで吐き気がすると思ってたけど...」
「前より風邪の頻度が増えてるような...」
ちょっとでも変だと思ったら、休まずお仕事を頑張りすぎているせいかもしれません...。
心がうつになってしまう
一つ前のお話で、休まずお仕事をしていると表れやすい身体の不調を、ズラリと見てもらいましたが、あれはあなたの心の叫びでもあります。
心は目に見えない分、あなたの中で感じ取るものですよね。
しかし、自分のことなのに、心はフワフワモヤモヤしているので、正確に感じ取ることが難しいです。
心が「ちょっとお休みしよう」と言ってきても、なかなか気付いてあげられなかったり。
すると、心はあなたに分かってもらうために、あなたの身体を使ってなんとか知らせようとします。
胃腸の機能や免疫力を低下させたり、眠りを妨げたりして「助けて!」「休ませて!」と、訴えかけてくるんです。
それでも放っておくと、身体も心も一緒に、どんどん悪い方向へ沈んでいってしまい、いつの間にか笑顔になれず、通勤電車に乗ることすら恐ろしくなってしまう。
ストレス診断してみよう
あなたは、自分にどれだけストレスが溜まっているか、チェックした事がありますか?
「ストレス診断」で検索すれば、様々な診断ツールが出てくるので、好みのページでチェックしてもらえればと思いますが、厚生労働省が開設しているポータルサイト「こころの耳」でも、ストレスチェックできるページがあります。
5分くらいでチェックできますし、ページの雰囲気も堅苦しくないのでオススメです。
自分のことくらい自分でわかってる...そうは思っても、心はアザや鼻水のように、ハッキリ見えたり触れられないからこそ、あなた自身が少しでも分かってあげましょう。
診断結果によっては休職もできる
お医者さんに診てもらった結果、長期間のお休みが必要と診断された場合は、その証明となる「診断書」の発行をお願いすることができます。
診断書があると、会社に休職を申請することができるため、休職制度を利用してしっかりお休みをするのもオススメ。
休職の制度については、あなたの勤める会社の就労規則をまず確認してほしいです。
また、休職したいことを上司に伝えて、休職手続きについては総務や人事にも聞きながら進めていきましょう。
ただし、休職期間中にお給料がもらえるかも会社によって違い、もしお給料がもらえないと、休職している間は収入がなくなるため、会社があなたの代わりにお給料から引いて支払っていた、次のようなお金を、あなた自身で支払わないといけません。
- 健康保険料
- 年金
- 住民税
さらに生活費も必要になるので、一人暮らしだったり貯金が少ないまま休職すると、生活が厳しくなるかも。
「お金の余裕があまりないけど休職したい...」このような場合は「傷病手当金」の申請も一緒にしておきましょう。
傷病手当金
傷病手当金は、病気やケガでお仕事ができない人のためにある、給付金制度。
給付金を受け取るには、次の条件を満たしている必要があります。
- 勤め先で加入している健康保険の被保険者であること
- 会社からお給料がもらえなくなったこと
- 「仕事以外が原因で病気やケガになり、働けない状態だ」と医師に診断されること
- 3日間連続でお休みした期間があること
傷病手当金を申請する流れも、一緒に見ていきましょう。
STEP1 | 上司に休職することを伝える(休職手続き) |
---|---|
STEP2 | 会社の保険組合から、傷病手当金支給申請書を送ってもらう |
STEP3 | 書類のうち「被保険者記入用(2枚)」を、あなたが記入する |
STEP4 | 書類のうち「療養担当者記入用」を、お医者さんに記入してもらう |
STEP5 | 書類のうち「事業主記入用」を、会社に記入してもらう |
STEP6 | 4枚の書類を、保険組合へ提出して申請する(会社が申請してくれる場合もある) |
基本的には一ヶ月ごとに申請をしますが、申請してからお金がもらえるまで、一ヶ月以上かかる場合もあるため、保険組合によく確認しておくのがオススメです。
プライベートが無くなる
お仕事が休めないということは、その分だけプライベートの時間が減っていきますよね。
あなたは、プライベートの時間、何をしますか?
食事や睡眠、料理、洗濯などはもちろん、趣味に時間を充てたり、友達と遊びに行ったり、時にはお部屋でゴロゴロするかもしれません。
これらの時間がだんだん無くなっていくと、必要最低限のことしか出来なくなります。
食事、睡眠。
お料理をする時間や気力がなく、コンビニやスーパーのお弁当。
洗濯物は週末にまとめて片付ける。
もっと時間がなくなると、ごはんを食べる元気すらなくなったり、睡眠時間が削られていき、寝不足の日々。
「健康」とは掛け離れた生活ですね。
あなたも、もしかするとこれに近い毎日を過ごしているかもしれませんが、このままでいいとは、思っていないはずです。
あなたの人生と仕事、優先順位を改めて思い出してみましょう。
一人で抱え込まないで
仕事を休めず、一人で苦しんでいるあなたは、八方塞がりな状態で、もうどうすればいいか分からない...。
来る日も来る日も、仕事から抜け出せない。
あなたに覚えていてほしいのは、あなただけで抱え込まないこと。
もし、仕事が休めない現状を、あなた一人でどうにかできそうなら、それでいいと思いますが、一人ではどうにもできそうになくて、潰れてしまいそうなら、誰でもいいので頼ってください。
少しでいいので、誰かに話してみてください。
話しても無駄だと思っても、試してみてほしいです。
現状を話す相手
あなたが仕事を休めず、毎日辛い想いをしていること。
まだ誰にも話していないなら、誰に話してみましょうか。
家族
一番信頼できる家族に、話してみるのもいいですよね。
友達
家族には心配かけたくない...と思う場合は、友達なら話しやすいかも。
上司・同僚
もし、仕事を休めない原因が上司にないなら、上司に話してみるのが一番かもしれません。上司に原因があれば、信頼できる同僚に話すのもいいですね。
心療内科
家族や友達、会社の人...知っている人ほど、信頼できる人ほど、話しにくいことってあります。そういう時のために、心療内科やクリニックがあります。
誰でもいいです。
ここに挙げた人以外でも大丈夫なので、あなたが話せそうな人に話してみてください。
一人で闘わなくて大丈夫ですし、頼られた人は、頼ってもらえて嬉しいんじゃないかなと、私は思います。
人に相談できないなら
人に相談するのが苦手なら「相談」ではなく「確認」する気持ちで、話してみましょう。
私も、誰かに頼るのがすごく苦手なので、相談できない気持ちはとても分かります。
「今の会社、休めないんだけど、どうすればいいかな...?」
このように相談できないなら、
「今の会社、休みがこのくらいで、残業もこんな感じなんだけど、ヤバい?」
こんなふうに、あくまで「確認」の気持ちで話してみるんです。
相談したり、誰かに頼ったりするのは、相手に迷惑を掛けてしまうんじゃないかと思って、なかなかできないかもしれません。
でも、確認なら、ちょっとできる気がしませんか?
「ふつう」を目指す
今のあなたに、改めて知ってほしいこと。
それは「仕事をお休みできないのは普通じゃない」ってことです。
毎日毎日、休みなくお仕事を頑張るあなたにとって、今が当たり前の生活になっているかもしれません。
でも、もう一度思い出してほしいです。
あなたは会社員である前に、一人の人ですよね。
休みなく働く日々を抜け出すために、まず「ふつう」を目指して見ましょう。
仕事の「ふつう」とは
ここで私がお話しする「ふつう」とは「人として当たり前の生活」を指すと思ってもらえれば嬉しいです。
しかし、ふつうなんてものは、あってないようなもの。
あなたにとっての「ふつう」は、私からすればとんでもない事かもしれませんし、私の「ふつう」を話したら、あなたは「ありえない!」と拒否するかもしれません笑
じゃあ、仕事の「ふつう」って何なんだ...このふつうを測るためには、次の2つを使ってほしいです。
- 労働基準法
- 健康
一つずつ、私と一緒に見ていきましょう。
労働基準法
「日本には法律として仕事休みが定められている」でも、働いていいのは何時間まで、お休みはこのくらい取りましょう、といった法律を見てもらいましたよね。
労働基準法という名前の通り、まずはこれを「ふつう」の基準として考えてほしいです。
あなたの勤めている会社は、ちゃんと法律を守ってくれているかどうか...こういうお話になります。
健康
あなたの会社で、ちゃんと労働基準法が守られていても、今の労働環境が原因で、あなたが健康ではない状態になっているなら、関係ありません。
「今の会社は休みが少なくて辛いけど、法律の範囲内だから、世の中の人はみんな、このくらい頑張っているんだ...。」
そう思って、自分も周りと一緒に頑張ろうとするのは、ちょっと待ってほしいです。
もちろん、あなたが頑張れるならいいんですが、それで心や身体を悪くしてしまう場合もあります。
法律が守られている環境だからといって、あなたの健康まで捨ててしまう必要なんてありません。
健康って何だっけ
会社が労働基準法を守っていても、あなたが健康でないと、心や身体を十分に休める生活は送れません。
健康ってそもそも、どんな状態のことを指すのか、辞典で引いてみましょう。
1.異状があるかないかという面からみた、からだの状態。
引用:goo辞書
2.からだに悪いところがなく、丈夫なこと。また、そのさま。
3.精神の働きやものの考え方が正常なこと。また、そのさま。健全。
身体や精神に、異常や悪いところがない...こんな感じでしょうか。
分かりやすいのは、身体の健康ですよね。
たまに風邪を引いたり、疲れもちょっと溜まり気味だけど、動悸や震えのような症状はないし、夜もぐっすり眠れる。
このくらいなら、健康と言ってもいいかもしれません。
一般的には、
- 食事
- 睡眠
- 運動
これらを適度に行ないましょうなんて言ったりしますが、一緒に心の健康も気遣ってあげる必要があります。
心の健康
休めないお仕事から抜け出すために、基準にしてほしい健康は、身体だけでなく心も見てあげてほしいです。
あなたは心から笑えていますか?
不安や辛さで、心が潰されそうになってしまっていませんか?
心が健康であれば、休めない仕事で毎日憂うつになったりしないと思います。
食事・睡眠・運動...この3つは、健康に生きるために必要と言われるものですが、心の健康のためには、もうちょっとほしいところ。
ストレスや疲れを溜めないために、プライベートの時間でリフレッシュする事です。
楽しい時間、気持ちのいい時間を過ごす。
心が健康でいるためには、このようなひと時が必要なんだと思います。
「ふつう」に過ごせる仕事
毎日お仕事を休めず、辛い想いをする今のあなたは、もう溺れかけていて、窒息しそうですよね。
あなたがもっと「ふつう」に過ごせるお仕事をしないと、今のまま、立ち上がれなくなってしまいます。
「仕事を休めない原因・対処法」で見てもらったように、あなたのお仕事や、勤める会社に合った解決法を、あなたのペースで進めていってほしいです。
ざっくりとまとめてみたので、一緒に確認していきましょう。
会社が労働基準法を守っていないなら
あなたの働く会社が、労働基準法を守っていない場合、人事や総務などに物申して、しっかり見直してもらうのもアリなのですが、そこまでしてあなたが、今の会社にこだわれるかどうかも考えるべき。
他人の考えを変えるのと同じように、会社のルールを一社員が変えるのはすごく大変ですし、もちろん、みんなで結託して抗議や通報をするのもいいと思いますが、いろいろめんどくさいですよね。
時間や面倒を掛けてでも、今の会社で働き続けたいなら頑張ってみましょう。
ただ、そんな時間があるなら、ちゃんと労働基準を守っているほかの会社へ、自分が移っちゃった方が早いし楽だし、時間を有効に使える...。
こんなふうに思うなら、早めに新しい職場を探し始めるのがオススメです。
会社が労働基準法を守っているなら
働く時間や休日、残業時間など、すべて法律の範囲内だけど、自分にとっては休みが足りない。心も身体も持たない...。
このような場合は、
- 上司へ相談
- 会社を変える
- 仕事(業種・職種)を変える
これらを考えてみてほしいです。
今の会社にいながら働く環境を変えられるのが一番だと思うので、まずは上司に相談。
上司に話しづらければ、先輩でも誰でも大丈夫です。
社内で相談しても、状況が変わらないようなら、働く会社を変えてしまいましょう。
同じ業界、同じ職種でもいいですし、これを機に新しい仕事がしてみたいなら、ちょうどいいタイミングかもしれませんよね。
ちゃんと熟睡できて、ちゃんと休みが取れて、プライベートもしっかり満喫できる。
こういう、人として当然の毎日を、あなたも過ごしていいんです。
最後に。
ここまで、私と一緒に見ていただきありがとうございます。
仕事を休めないあなたは、お布団の中でも仕事のことが離れず、毎日、毎分、毎秒、苦しんでいるかもしれません。
でも、あなたはちゃんと、そんな生活を変えようと思ってます。
みんなはちゃんとお休みしてるし、仕事終わりの時間も楽しんでる。
満足に休めない会社で働いてる今のあなたが、もったいない!
ほら、うずうずしてきませんか?
あせらず、あなたのペースで、働くロボットから「人」に戻りましょう。
人として当たり前の毎日を、あなたが過ごせますように。