
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。SaaS系企業さんの資料ダウンロードの活用に迫っています!
SaaS企業さんは資料ダウンロードを活用して、マーケティング活動であるインサイドセールスを行っていると思います。
しかし、他社さんが「どのくらいの量」を「どんなカテゴリー」で「どうやってリード取得」しているのか、分からないことも多いですよね。
100社分のSaaS企業さんを調査して、資料ダウンロードのあれやこれを調べたので、息抜きのお供に見て頂けると嬉しいです。
ご注意事項
数値に関しては、2021年11/29~11/30の間で目視確認できた情報のみで集計しています。探せなかった情報に関しては入れられていないため、予めご了承ください。
資料ダウンロードに関わる調査結果
導入社数が確認できたSaaS企業さん100社から、資料ダウンロードの活用調査を行いました。(実際の資料ダウンロードはしていません!)
主に、件数や傾向をレポートするための調査ですが、他社さんがどんな活用の仕方をしているのか数値から予測できるようになっています。
資料を用意している件数が多い企業
まずは、各社さんがどのぐらいの資料(ホワイトペーパーまたは動画)を用意し、リード獲得などで活用しているのか見てみましょう。
下記は、資料件数が多かったSaaS企業さんのTOP10。
| 分類 | プロダクト名 | 資料数 |
|---|---|---|
| RPA | Asteria Warp(アステリアワープ) | 62 |
| チャット | chatwork | 58 |
| プロジェクト・タスク管理 | kintone | 49 |
| 勤怠管理 | TeamSpirit | 37 |
| 労務管理 | SmartHR | 36 |
| 電子契約 | クラウドサイン | 29 |
| SFA | Senses(センシーズ) | 29 |
| 文書管理 | DirectCloud-BOX | 25 |
| MA | BowNow(バウナウ) | 21 |
| ネットリサーチ | Freeasy(フリージー) | 21 |
20件以上の資料を活用しているSaaS企業さんが10社もいました。
中には、60件以上も用意している場合もあったので、資料をとことん活用したマーケティング活動をしているSaaS企業さんが多い傾向。
活用している資料件数(n=100)
全体的に、どのぐらいの資料を企業さんが活用しているのか、全体的な数値も見ていきたいと思います。
| 資料数 | 社数 |
|---|---|
| 0件 | 21 |
| 1~10件 | 63 |
| 11~20件 | 6 |
| 21~30件 | 5 |
| 31~40件 | 2 |
| 41~50件 | 1 |
| 51~60件 | 1 |
| 60件以上 | 1 |
1~10件の資料が一番多く、その中でも資料が1つしかない企業さんが39社。
しかし、プロダクトに対する製品説明の資料さえあれば、営業活動はできるので、多さはあまり関係ないかもしれません。
たた、資料を活用していないSaaS企業さんも全体の2割いるため、活用してない企業さんがこれから資料を活用していけば、もっと良くなるのは間違いなしですね。
資料の種類
どのような種類の資料を作っているのか、大まかに分類しています。(1社で複数種類を用意している場合あり)
| 資料種類数 | 社数 |
|---|---|
| 説明(製品・サービス) | 72 |
| 導入事例 | 30 |
| ノウハウ | 29 |
| 活用方法 | 11 |
| 調査レポート | 10 |
| マニュアル | 3 |
| 提案 | 1 |
| 連携・関連サービス | 1 |
自社のSaaSを紹介する資料はもちろんですが、ノウハウ・調査レポートなど、製品以外でも興味を持たれるように資料制作をしている企業さんも2~3割いるので、資料活用をどんどん進めている様子。
資料の種類数(n=79)※資料0件の企業は除外
| 資料種類数 | 社数 |
|---|---|
| 1種類 | 42 |
| 2種類 | 9 |
| 3種類 | 17 |
| 4種類 | 4 |
| 5種類 | 6 |
| 6種類 | 1 |
複数種類の資料を用意しバリエーションをもたせて、ユーザーさんのニーズに対応できるようにしているようです。
導入社数が10万社以上のSaaS企業の資料の準備率(n=7)

| 項目 | 割合 |
|---|---|
| 資料掲載1件のみ | 29% |
| 資料掲載2件以上 | 71% |
導入社数が10万社以上で、シェアトップを走っているSaaS企業さんは、1件または2件以上の資料を持っているため、100%資料を活用しています。
さらに、用意している資料自体の件数も多く、約7割の会社さんが2件以上の資料を持っている状態。
資料ダウンロードページ
各社の資料ダウンロードページについて集計しています。
資料ダウンロードページのカラム数

| 項目 | 1カラム | 2カラム |
|---|---|---|
| 資料ダウンロードページのカラム数の割合 | 47% | 53% |
最近のSaaS企業さんでは2カラムが多い印象でしたが、1カラムも2カラムも、ほぼ差はありませんでした。
次は、設立年数から、カラム数の違いを見てみます。
設立年数によるカラム数の違い

| 設立年数 | 1カラム | 2カラム | 0~10年 | 28% | 72% |
|---|---|---|
| 11~20年 | 39% | 61% |
| 21~30年 | 50% | 50% |
| 31年以上 | 100% | 0% |
全体で見た時、資料ダウンロードのフォームページのカラムは半々でしたが、設立年数で見ると、年月によって差があることが分かりました。
これは、最近のSaaS企業さんのトレンドが、2カラムであることを示しています。
資料ダウンロードの方法
100社中、リード獲得を想定せず、そのままDLが可能なSaaS企業さんは5社。
| カテゴリ | プロダクト名 | 資料ダウンロードの方法 |
|---|---|---|
| チャット | LINE WORKS | フォーム無しのクリックしてそのままダウンロード |
| メール配信システム | める配くん | |
| プロジェクト・タスク管理 | Lychee Redmine | |
| Brabio! | ||
| kintone |
プロジェクト・タスク管理に属するSaaS企業さんが多く、現場スタッフにすぐ知ってもらえるように、解放しているのかと思います。
一人ひとりのリードを獲得して…とやるより、遥かに広まりやすく、プロジェクト管理は複数人が関わるため、現場スタッフさんに使ってもうことが大事なのかもしれません。
導入社数が10万社を超えているSaaS企業の場合(n=7)
資料ダウンロードはフォーム:71%
資料はそのままダウンロード:29%
そのままダウンロードできる会社さんも約3割いるため、リード獲得を目的にしない資料ダウンロードの活用でも、成長できることが示されています。
資料ダウンロード時の入力項目数
フォームによる資料ダウンロードの場合、どんな入力項目を用意しているのか。
まずは、項目数による違いを見ていきます。
| 入力項目数 | 社数 |
|---|---|
| 1~4 | 4 |
| 5~10 | 53 |
| 11~15 | 16 |
| 16~20 | 3 |
| 20以上 | 1 |
入力項目としては、5~10項目が一番多く、ノートパソコンで言えば、1スクロールするくらいで収まる範囲。
意外と多い気もしますが、入力してもらう情報で、インサイドセールスなどマーケティングに活用するために項目が増えている傾向。
入力項目5~10個の内訳
| 入力項目数 | 割合 |
|---|---|
| 5 | 11% |
| 6 | 19% |
| 7 | 23% |
| 8 | 13% |
| 9 | 28% |
| 10 | 6% |
入力項目が多かったのは7項目・9項目なので、一般的な入力項目数は7~9の間だと考えても大丈夫ですが、どんな入力項目にしているかが重要ですよね。
資料ダウンロードで使用される頻度が高い入力項目
資料ダウンロードの際にフォーム入力する項目の中で、TOP10が下記になります。
| 項目 | 使用社数 |
|---|---|
| 会社名 | 77 |
| 会社メールアドレス | 77 |
| 電話番号 | 72 |
| 名前(姓) | 51 |
| 名前(名) | 51 |
| 所属/部署 | 41 |
| 同意 | 37 |
| 名前(姓名で分けずに1つパターン) | 25 |
| 役職 | 24 |
| 質問・要望・相談 | 24 |
必要最低限の内容ですが「姓」と「名」を分けて入力させるSaaS企業さんが約半数で、会社名はもちろん、相手の名前をしっかり知ることを重要視している傾向。
その他の入力フォームの項目。
| 項目 | 使用社数 |
|---|---|
| 都道府県 | 22 |
| 検討プラン・製品・状況 | 16 |
| 従業員数 | 15 |
| 導入予定時期 | 12 |
| どこで知ったか・キッカケ | 12 |
| 資料ダウンロードの目的 | 12 |
| 郵便番号 | 11 |
| 市区町村 | 10 |
| 町村番地 | 10 |
| 業種 | 8 |
| 資料ダウンロードする担当者の立場 | 8 |
| 問い合わせ内容 | 6 |
| 既存製品の使用有無 | 6 |
| reCAPTCHA | 6 |
| カタログ(製品選択) | 5 |
| 期待・解決したいこと | 5 |
| カナ(姓) | 4 |
| カナ(名) | 4 |
| 建物名 | 4 |
| 携帯番号 | 4 |
| 利用予定人数 | 4 |
| 職種 | 3 |
| メールアドレス確認用 | 3 |
| URL | 3 |
| 業態 | 2 |
| 住所(分けずにまとめて入力パターン) | 2 |
| メルマガ希望 | 2 |
| 部数 | 1 |
| 業態(所属部署) | 1 |
| 発送先担当者名 | 1 |
| 発送先会社名 | 1 |
| 発送先部署名 | 1 |
| パスワード | 1 |
| パスワード確認用 | 1 |
| 発送先電話番号 | 1 |
| FAX | 1 |
| 2番目の検討プラン・製品・状況 | 1 |
| 導入先 | 1 |
| 知ったキッカケの検索キーワード | 1 |
| その他 | 1 |
| 他社検討中の有無 | 1 |
| 他社検討中サービス名 | 1 |
| 導入中の適正検査 | 1 |
| アプリ運用状況 | 1 |
| 資料送付希望 | 1 |
| 訪問説明希望 | 1 |
| 現在使用している他社製品 | 1 |
| 今後弊社からの対応について | 1 |
SaaS企業さんによって、独自の入力項目を用意していることも多いです。
さらに、資料ダウンロード時に最高で27項目の入力を用意している場合もあったので、資料ダウンロード時の入力数・項目によって、その企業さんが何を求めているのか戦略を予測することもできそうです。
資料ダウンロード時のボタンラベル
< テキストマイニングした結果 >
資料ダウンロードをするためのボタンラベルは様々でしたが、共通して使われている言葉がありました。
| ラベル | 頻度 |
|---|---|
| 送信 | 34 |
| ダウンロード | 21 |
| 確認 | 17 |
| 同意 | 12 |
| 資料 | 10 |
| 無料 | 9 |
| 内容 | 7 |
| 画面 | 6 |
| 個人情報 | 4 |
| 入力 | 4 |
| プライバシーポリシー | 2 |
一番多かったコンバージョンボタンは「送信」でしたが、「送信」だけのラベルが多かったです。
送信(送信する)を含む単体:21件
「送信」前後に補足あり :13件
クリックするボタンのテキスト次第で、クリックを踏みとどまってしまうユーザーさんも少なからずいる。
大事な情報を教えないのはNGですが、補足は別の部分に書いて、シンプルな送信ラベルが多い傾向。
利用規約・プライバシーポリシーへの同意チェック
37社が同意あり、40社が同意なしで約半々。
| 項目 | 社数 |
|---|---|
| 「同意」チェックボックス有り | 37 |
| 「同意」チェックボックス無し | 40 |
個人情報の取り扱いに関して、年々ユーザーさんの意識も高まっているため、しっかりと「同意」した上で個人情報を取得・活用している企業さんも多いです。
「同意」チェックがない場合、インサイドセールスなど連絡をした時に、連絡がくると思っていなかったユーザーさんから不信がられて、マイナスブランディングになることも。
設立年数による項目数の違い
設立0~10年(n=24)
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4 | 2 | 8% |
| 5~10 | 18 | 75% |
| 11~15 | 3 | 13% |
| 16以上 | 1 | 4% |
設立11~20年(n=18)
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4 | 0 | 0% |
| 5~10 | 15 | 83% |
| 11~15 | 3 | 17% |
| 16以上 | 0 | 0% |
設立21~30年(n=24)
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4 | 1 | 4% |
| 5~10 | 13 | 54% |
| 11~15 | 8 | 33% |
| 16以上 | 2 | 8% |
設立31年以上(n=11)
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4 | 1 | 9% |
| 5~10 | 7 | 64% |
| 11~15 | 2 | 18% |
| 16以上 | 1 | 9% |
設立年数による、入力項目数に大きな差は見当たらないので、SaaS企業さんの多くは5~10項目を基本にしていると言えます。
導入社数が1万社以上の傾向(n=19)
| 項目 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 4 | 4 | 21% |
| 5~10 | 12 | 63% |
| 11~15 | 2 | 11% |
| 16以上 | 1 | 5% |
導入社数を多く獲得している、上位のSaaS企業さんの場合、6割が5~10項目で抑えていました。
入力項目の多さが、リード獲得に支障があると理解しているため、なるべく項目数を抑えているのかもしれません。
まとめ
結論、SaaS企業さんのトレンドとしては、5~10項目で入力項目を設定するのが一般的だと分かりました。
項目数の違いは、獲得したリードをどのように活用するのか、または社内体制なども影響して、各社で状況は異なるようです。
また、成長著しいSaaS企業さんの特徴としては、資料数が多く入力項目が少ない。
| プロダクト名 | 導入社数 | 資料数 | 入力項目数 |
|---|---|---|---|
| chatwork | 10万社以上 | 58 | 5 |
| freee人事労務 | 12 | 6 | |
| SmartHR | 1万社以上 | 36 | 7 |
| ※資料ダウンロードページの用途・目的によって、同じ企業内でもフォームの入力項目が違う場合もあり、最低限の項目のみで記載しています。 | |||
上記のSaaS企業さんは特に、インサイドセールス・カスタマーサクセスを整え、リードが獲得できるほどシェアを広げている状況なのかなと思います。
意外と知らない資料ダウンロードの活用方法、調べてみると資料を用意している件数や、設立年数によってもダウンロード時の入力項目数が変わっていたので、面白い結果となりました。今後もマニアックな調査を続けていきたいと思います。





