
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。パワーポイントの塗りつぶし機能は定番機能ですが、塗りつぶしの種類や使えるオブジェクトなども知っておくと、資料デザインの幅がさらに広がります!
パワーポイントにはオブジェクトを塗りつぶせる機能があり、これによって使いたい色で資料が作れます。
基本的な機能の一つですが、塗りつぶしは様々なオブジェクトに使えるほか、少し高度な塗り方もできるので、私と一緒に見ていきましょう。
あなたの資料作りに、少しでも役立つ情報となれば嬉しいです。
パワーポイントの塗りつぶし機能とは?
パワーポイントの塗りつぶしが一番よく使われるのは図形オブジェクトで、図形の中を希望の色で文字通り塗りつぶせます。
見出しの背景や情報を配置する枠など、パワーポイントで作る資料は様々な図形が使われ、塗りつぶしを使う場面も多いです。

塗りつぶしは「線」ではなく「面」に対して使える機能で、範囲が広く、スライドをパッと見た時の印象にも大きく影響します。
基本的な機能であり、情報の見せ方で大事な部分でもあるんですね。
塗りつぶしのショートカットキーはない
パワーポイントで塗りつぶしのショートカットキーはありませんが、塗りつぶしを素早く行うには右クリックメニューがおすすめです。
塗りつぶしは、リボン(上部の編集メニュー)から、各オブジェクトの塗りつぶしボタンをクリックして使えますが、右クリックメニューにも備わっています。

たとえば図形を塗りつぶす場合、図形を右クリックすると、すぐに塗りつぶしボタンへが押せて色を選べるので、リボンの各機能から小さな塗りつぶしボタンを探す必要がありません。
ほかのオブジェクトも同じように、右クリックメニューから塗りつぶしを行うとスムーズです。
パワーポイントで使える塗りつぶしの種類
塗りつぶしと言っても、様々な塗りつぶし方があります。
どのような種類があるのか見てみましょう。
単色

一色だけを使う、一番シンプルな塗りつぶしです。
赤・青などの色相だけでなく、
- 明るい(薄い)
- 暗い(濃い)
- 鮮やか
- くすんでいる
このような明度・彩度によって、印象や雰囲気はガラリと変わるため、シンプルな塗りつぶしであっても色選びは大切です。
線との組み合わせも重要
塗りつぶしと、それを囲う線の色をどのように組み合わせるかも大事なポイント。
例えば図形の場合、中の色を塗りつぶせるだけでなく、形を縁取る線の色も設定できますが、塗りつぶしと線の配色によって印象が大きく変わるんです。

同系色で揃えると両方の色が馴染み、線を薄いグレーすると、線の主張は抑えつつ輪郭も表示できます。
線の太さによっても見え方が違うので、求めるイメージに合わせて調整しましょう。
「線なし」に設定し、塗りつぶしだけにすると、全体的にスッキリしてどのようなデザインにも馴染みやすいのでおすすめです。
グラデーション

グラデーションで塗りつぶすと、簡単にオシャレな見た目へ変えられるので、単色の塗りつぶしよりもデザイン性を出したい場合は使ってみましょう。
塗りつぶしボタンから選択できる「グラデーション」で、様々な角度のグラデーションを選べます。

細かく設定したい場合は、次の操作でグラデーションの設定項目を開くと、形・方向・角度・分岐点まで調整でき、何色から何色へグラデーションするのかによっても、イメージを大きく変えられるんです。
塗りつぶしを細かく設定する項目の開き方
次の手順で、グラデーションをはじめとした様々な塗りつぶしについて、細かく設定できる項目が開けます。
1.オブジェクトを右クリックして「図形の書式設定」をクリック
図形の塗りつぶしをグラデーションにしたい場合、図形を右クリックしてメニューを開き「図形の書式設定」をクリックしましょう。

画面右側に「図形の書式設定」ウィンドウが開きます。

2.「塗りつぶし」から希望の塗りつぶしを選択
「塗りつぶし」「線」の項目が表示された状態になっているはずなので、「塗りつぶし」をクリックして設定項目を開き、希望の塗りつぶしを選択します。

グラデーションにしたい場合は「塗りつぶし(グラデーション)」をクリックすると、グラデーションに関する細かな設定項目が表示されるので、ここから自由に調整しましょう。

図またはテクスチャ
画像やテクスチャを塗りつぶしに使うこともできます。
一つ前で見ていただいた「塗りつぶしを細かく設定する項目の開き方」で、「塗りつぶし(図またはテクスチャ)」を選択しましょう。

画像で塗りつぶす
画像を塗りつぶしに使いたい場合は「画像ソース」の欄にある「挿入する」をクリックし、画像を選びましょう。

そのままだと画像が図形内いっぱいに表示される形でオブジェクトを塗りつぶしますが「図をテクスチャとして並べる」をクリックしてチェックを入れると、画像を敷き詰めて配置できます。


最初は画像が拡大されていて、画像が並んでいるように見えない可能性があるので、「幅の調整」「高さの調整」これらの数値を小さくしていくと、画像一枚一枚のサイズが小さくなって分かりやすいです。
テクスチャで塗りつぶす
「テクスチャ」のボタンをクリックすると、様々なテクスチャを選べます。

そもそもテクスチャは「質感」などの意味を持つ言葉で、選べるテクスチャを見ていただくと分かるように、麻や石の表面、しわくちゃの紙、木目など、表面に特徴のある素材が画像になっていますね。

パターン
パターンは、いわゆる模様や柄を指し、「塗りつぶしを細かく設定する項目の開き方」で「塗りつぶし(パターン)」を選択すると反映できる塗りつぶしです。

点線(ドット柄)、ストライプ、格子柄など48種類のパターンが選べて、前景・背景の配色を変えることで見せ方の幅が広がります。

例えば格子柄のパターンでは、線の部分が前景。
パターンは模様や柄が小さめに設定されているデザインですが、それぞれの模様は拡大・縮小できず、サイズは固定なので注意しましょう。

スライドの背景
名前の通り、スライドの背景と同じ色で塗りつぶされ、「塗りつぶしを細かく設定する項目の開き方」で「塗りつぶし(スライドの背景)」を選択することで反映されます。

デフォルトではスライドの背景色が白に設定されていて分かりづらいので、下のようなグラデーションの背景で見てみましょう。

背景:グラデーション
図形の塗り:スライドの背景
図形の線:黒
図形の塗りつぶしを「スライドの背景」に設定していますが、図形を移動させると、その位置の背景と同じ色になっていますね。


こうして見ると、塗りつぶしていない(穴が開いている)状態に思えますが、実は少し違うので、「塗りつぶし(スライドの背景)」との違いを見ていきましょう。
「塗りつぶし(スライドの背景)」と「塗りつぶしなし」の違い
塗りつぶしの選択肢には「塗りつぶしなし」があり、文字通り塗りつぶしされず、オブジェクトは穴が開いた状態になります。

対して「塗りつぶし(スライドの背景)」で塗りつぶすと、ほかのオブジェクトの上に重ねたとしても、スライドの背景が反映される仕組みです。

パワーポイントの塗りつぶしが使えるオブジェクトと見え方
パワーポイントの塗りつぶしが使えるオブジェクトは、次の通りです。
| 単色 | グラデーション | 図またはテクスチャ | パターン | スライドの背景 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 図形 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 表 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| アイコン | ○ | × | × | × | × |
| SmartArt | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| グラフ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| テキストボックス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| プレースホルダー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
SmartArt・グラフ・テキストボックス・プレースホルダーに記載している「全体」は、各オブジェクトの範囲全体を指しているものです。
グループに分けて見ていきましょう。
すべての塗りつぶしが使えるオブジェクト
次の3つのオブジェクトは、5種類すべての塗りつぶしが使えます。
| 単色 | グラデーション | 図またはテクスチャ | パターン | スライドの背景 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 図形 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| テキストボックス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| プレースホルダー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
テキストボックスやプレースホルダーは、フォントの色ではなくボックス全体の塗りつぶしを指しているので注意。
実際に塗りつぶしてみると、下の画像のようになります。

塗りつぶし(図またはテクスチャ)を使うと、下線のように見せることもできるため、詳しくは「テキストボックスの画像機能で下線を引く方法」を見ていただけると嬉しいです。

塗りつぶし(スライドの背景)以外が使えるオブジェクト
次の3つのオブジェクトは「塗りつぶし(スライドの背景)」以外の塗りつぶし4種類が使えます。
| 単色 | グラデーション | 図またはテクスチャ | パターン | スライドの背景 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 表 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| SmartArt | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| グラフ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
表は、セルごとに塗りつぶしの色や種類を変えられるため、デフォルトデザインのように、タイトル行の色を濃くしたり縞模様が作れるほか、注目してほしいセルだけ色を変えることもできます。

SmartArtとグラフは、数値や情報を表す図形と、情報を補足するテキストで構成されており、図形部分は図形オブジェクトと同じように塗りつぶし可能。
また、テキストボックスと同じように、SmartArtとグラフもオブジェクト全体を塗りつぶせるため、オブジェクト部分の背景色としても使えます。

アイコンを単色以外で塗りつぶす方法
アイコンだけは、単色のシンプルな塗りつぶししか使えません。
| 単色 | グラデーション | 図またはテクスチャ | パターン | スライドの背景 | |
|---|---|---|---|---|---|
| アイコン | ○ | × | × | × | × |

しかし、ほかの塗りつぶしを使えるようにする方法があります。
パワーポイントではアイコンを図形に変換でき、これによって図形と同じように5種類の塗りつぶしすべてが使えるようになるんです。
1.アイコンをクリック
スライド上にアイコンを配置したら、クリックして選択している状態にします。

2.「グラフィックス形式」をクリック
「グラフィックス形式」をクリックします。

3.「図形に変換」をクリック
「図形に変換」をクリックすれば、アイコンが図形オブジェクトに変換されます。

図形オブジェクトになったため、様々な方法で塗りつぶしできるようになりました。

ちなみに、塗りが地続きになっているアイコンは一つの図形になりますが、塗りに隙間があるデザインのアイコンは複数の図形に分かれるので、それぞれのパーツごとに編集もできます。

移動しやすくしたり、まとめて編集したい場合は、すべてのパーツを選択した状態でCtrl+Gを押してグループ化しましょう。
自由な範囲を決めて塗りつぶす方法
パワーポイントの「フリーフォーム」と呼ばれる図形を使うと、四角や円など既定の図形に捕らわれず、あなたの自由に図形が描けます。
自由に範囲を囲って塗りつぶせるとも言えるので、詳しい手順を見ていきましょう。
今回は例として、画像のゴルフボール・ティー(ボールが乗っているピン)を塗りつぶしてみます。

1.「挿入」をクリック
「挿入」をクリックします。

2.「図形」の「フリーフォーム:図形」または「フリーフォーム:フリーハンド」をクリック
「図形」の「線」グループにある「フリーフォーム」をクリックすることで、自由な形の図形を描けるようになります。

3.塗りつぶしたい範囲を囲っていく
フリーフォームは次のように2種類あります。
| フリーフォーム:図形 | マウスドラッグ中はペンのように自由に線が引けて、クリックしていくと折れ線のように起点を作りながら線が引けます。 |
|---|---|
| フリーフォーム:フリーハンド | マウスドラッグでペンのように線が引けます。 |
ペンのような描画は微調整が便利な反面、マウス操作で描くのは難しいため、「フリーフォーム:図形」で点を細かく打っていくように少しずつクリックして形を作るのがおすすめ。
とくに、直線は点が少なく済みますが、曲線は打つ点が多いほど滑らかに描画でき、丸みのある形ほど細かくクリックしていかなければ、角張った形になってしまうので注意しましょう。
今回の例では、ティー(ピン)の部分は輪郭が直線的な形をしているため、角度が変わる部分に点を打つようにクリックしていけばOK。

対してゴルフボールは丸いため、出来る限り細かくクリックしていくと、ガタガタせず綺麗に形をなぞれます。

塗りつぶしたい範囲を囲ったら、最初の点をクリックして線を繋げると、線の図形ではなく範囲内を塗りつぶせる図形になるため、通常の図形オブジェクトと同じように塗りつぶしを設定すれば完成です。


最後に。
ここまで私と一緒に見ていただきありがとうございます。
パワーポイントの塗りつぶしは様々なオブジェクトで使えますが、使える塗りつぶしの種類はそれぞれ違うので、オブジェクトに合わせた表現が必要です。
シンプルな塗りつぶし機能を使いこなして、資料を思い通りのデザインにしましょう。











