
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。パワーポイントのスポイト機能は、編集画面の外も簡単に色を抽出できます!
パワーポイントにはスポイトと呼ばれる機能があります。
資料に統一感を出したり、オブジェクトに思い通りの色を設定しやすくなるので、使い方を知っておくのがお勧め。
スポイト機能の基本的な使い方や特徴、使える範囲などをまとめたので、あなたの資料作りに少しでも役立てば嬉しいです。
パワーポイントのスポイトとは?使う手順を確認
パワーポイントのスポイトとは、オブジェクトの色をコピーできる機能。
このオブジェクトや画像のうち、この部分と全く同じ色を使いたい…そんな時、スポイト機能を使えば同じ色を抽出できるんです。
実際の手順を私と一緒に見ていきましょう。
今回は、左にある円オブジェクト(グレー)の塗りつぶしを、右にある長方形オブジェクトの塗りつぶし(黄色)と同じ色にする例です。

- 色を変えたいオブジェクトをクリック
- 「ホーム」をクリック
- 「図形の塗りつぶし」をクリック
- 「スポイト」をクリック
- 抽出したいオブジェクトの色をクリック
1.色を変えたいオブジェクトをクリック
まずは、色を変えたいオブジェクトをクリックして、選択している状態にします。
今回は左の円を右の長方形と同じ色にしたいので、左の円をクリックしましょう。

2.「ホーム」をクリック
「ホーム」をクリックします。

3.「図形の塗りつぶし」をクリック
「図形の塗りつぶし」をクリックします。

この時、左のアイコンではなく「図形の塗りつぶし」と書かれた文字や矢印部分をクリックして、メニューを開きましょう。


また、今回は図形オブジェクトの塗りつぶしの色を変更しているため「図形の塗りつぶし」をクリックして進めていますが、例えばテキストボックスの文字色を変える場合は「フォントの色」の右にある矢印部分をクリックしてメニューを開きます。

別のタブや右クリックからもOK
図形オブジェクトなら「図形の書式」、アイコンなら「グラフィックス形式」のように、各オブジェクトの選択中はそれぞれ特有のタブが赤文字で表示され、これらのタブ内にも色の設定項目があります。

また、オブジェクトを右クリックして塗りつぶし設定を開いてもOKです。

4.「スポイト」をクリック
「スポイト」をクリックします。

マウスカーソルがスポイトの形に変わりました。

右上に表示される正方形などの見方は、次の章で詳しく見ていきます。
5.抽出したいオブジェクトの色をクリック
今回は右にある長方形オブジェクトの塗りつぶしで使っている色を抽出したいので、長方形オブジェクトの塗りつぶし部分をクリックします。

これで、円オブジェクトの塗りつぶしが長方形オブジェクトの塗りつぶしと同じ色になりました。

スポイトは連続で使えないことに注意
スポイトの形になったマウスカーソルで、オブジェクトをクリックして色を抽出すると、マウスカーソルは元に戻ります。
そのため、もう一度スポイト機能を使うには、ここまでと同じ手順を踏む必要があることに注意しましょう。
パワーポイントで使えるスポイト機能の見方・特徴
スポイト機能の基本的な見方や便利な特徴について、一緒に見ていきましょう。
スポイト機能の見方
パワーポイントでスポイト機能を使っている状態では、マウスカーソルがスポイトのアイコンになり、抽出したい色の部分にスポイトの先端(アイコンの左下部分)を合わせてクリックすると、色を抽出できます。

スポイト機能が働いていると、マウスカーソル(スポイトアイコン)の右上に正方形の窓が表示され、現在スポイトの先端が指している色を表示してくれるので、この窓に表示されている色を確認してクリック(色を抽出)しましょう。
細い部分の色も抽出OK
スポイト機能を使っている時に表示される正方形の窓は、拡大鏡のように思ってもらえればOKです。
そのため、たとえ幅が0.25ptで設定されている細い線の色も、スポイトの先端を合わせれば窓に色が表示され、抽出できます。
RGB値を確認できる
スポイト機能が働いている時、つまりマウスカーソルがスポイトのアイコンになっている状態で、色を抽出できる部分にカーソルを合わせて、そのまま1秒ほど待つと、カーソルを合わせている部分のRGB値や色の名前が表示されます。

画面に表示されている色のRGB値を知りたい時に便利ですが、スポイトのカーソルを合わせている時しか表示されません。
そのため、RGB値を何かに使いたい場合は、スクリーンショットを撮るか、頭の中で記憶する必要があるので注意しましょう。
RGB値とは
RGB値とは、一つの色に対して赤(Red)緑(Green)青(Blue)の色の強さを数値で表したもので、0~255の数値が使われます。
例えば一番標準的な三原色の赤色は、RGB値が(255 , 0 , 0)。


左から赤・緑・青の強さが数値で並んでおり、三原色の赤色は純粋な赤色なので、赤が255(最大値)、緑と青は少しも混じらないので0です。
「最近使用した色」に追加される
スポイト機能を使って抽出した色は「最近使用した色」に追加されます。

そのため、一度色を抽出すれば次からはパレットから簡単に選択可能。
ただし「最近使用した色」には最新の10色までしか表示されないため、パレットにない色をどんどん使っていくと、古い順から表示が消えていきます。
その場合は、再度スポイト機能を使って色を抽出しましょう。
また「最近使用した色」に色が追加されるのはスポイト機能だけでなく、カラーピッカーを使ってあなた自身で色を設定した時も同じです。
パワーポイントのスポイト機能が使える範囲
パワーポイントのスポイト機能について、使い方・見方を一緒に見ていきましたが、使える範囲も併せて知っておきましょう。
スポイト機能で色を変えられるオブジェクト
スポイト機能で色を変えられるオブジェクト、つまりほかの部分からスポイトで抽出した色を反映させられるオブジェクトのことです。
色を変更できるオブジェクトのほとんどは、スポイト機能で色を変えられます。
塗りつぶしや線など、色の設定メニューを見てみると、多くの場合スポイト機能がありますよね。

そのため、例えば下記のようなオブジェクトは色を変えられます。
スポイトで色変更できるオブジェクト例 | 部位 |
---|---|
図形 | 塗りつぶし・枠線・フォント |
アイコン | 塗りつぶし・枠線 |
表 | 塗りつぶし(罫線のペンの色は不可) |
グラフ | グラフ内の図形塗りつぶし・枠線 文字の塗りつぶし・枠線 グラフ全体の塗りつぶし・枠線 |
画像 | 枠線 |
SmartArt | SmartArt内のグラフ塗りつぶし・枠線 文字の塗りつぶし・枠線 SmartArt全体の塗りつぶし・枠線 |
レリーフ | 境界線 |
ペンの色はスポイト機能が使えない
パワーポイントでは「ペン」と名前の付く機能がいくつかあり、これらはスポイト機能が使えません。
- 蛍光ペン(テキストに引けるマーカー)
- 表の罫線を引くペン
- 描画ツールのペン(ペン・鉛筆書き・蛍光ペン)



これらは、それぞれのカラーパレットから色を選ぶ必要があるので注意。
また、ペンのように線が引ける機能に、次のようなフリーフォームと呼ばれる図形があります。
- フリーフォーム:図形
- フリーフォーム:フリーハンド

これらを使って引いた線は、図形の「線」に当たるため「図形の枠線」の色としてスポイト機能が使えます。
スポイト機能で色を抽出できる対象
スポイト機能で色を抽出できるのは、実はオブジェクトだけではありません。
編集画面内のどこからでも色を抽出できるほか、編集画面外やパワーポイント以外のウィンドウ、またはパソコンのデスクトップやタスクバーなど、パソコン画面に映るすべてのものから色を吸い取れるんです。
それぞれ、編集画面内・編集画面外に分けて順番に見ていきましょう。
※今回見ていく「編集画面内」は、下の画像の部分を指します。

編集画面内から色を抽出
例えば背景色がデフォルトのままであれば、スライド部分は白、スライド外は薄いグレーになっていますが、これらの色も抽出OK。

さらには次のような部分からも色を抽出できます。

オブジェクトをクリックして選択している状態にすると、オブジェクトは線とハンドル(白い丸)に囲われますよね。
これらの線の色や、白い丸の外周に使われている濃いグレーも、スポイト機能で色を吸い取れるんです。
編集画面外から色を抽出
編集画面外から色を抽出したい時は、スポイト機能の操作方法が少しだけ変わるので、手順を見ていきましょう。
- 「パワーポイントのスポイトとは?使う手順を確認」の「3.「スポイト」をクリック」まで進める
- マウスの左ボタンを押し込んだまま編集画面外へ移動させる
- 色を抽出したい部分で左ボタンの押し込みを放す
1.「パワーポイントのスポイトとは?使う手順を確認」の「3.「スポイト」をクリック」まで進める
「パワーポイントのスポイトとは?使う手順を確認」を「3.「スポイト」をクリック」まで進めて、マウスカーソルがスポイトへ変わった状態にします。

2.マウスの左ボタンを押し込んだまま編集画面外へ移動させる
スライド上のどこでも大丈夫なので、左ボタンを「クリック」ではなく「押し込んだまま」、編集画面外へマウスカーソルを移動させましょう。
分かりやすく言うと、マウスドラッグと同じ操作方法ですね。

マウスの左ボタンをスライド上でクリックすると、編集画面内での操作と同じになってしまうので、必ず押し込んだままにします。
ボタンを押さずにマウスカーソルを編集画面外へ移動させると、スポイトマークではなく通常のカーソルに切り替わってしまいますが、左ボタンを押し込んだまま移動させると、編集画面外でもスポイト機能を保ったままにできるんです。
3.色を抽出したい部分で左ボタンの押し込みを放す
編集画面内でスポイト機能を使う時は、抽出したい部分をクリックすることで色を抽出できましたが、今回の編集画面外では、押し込んだままになっている左ボタンを放した位置の色が抽出されます。
マウスドラッグ操作で言うと、編集画面内(どこでもOK)から、編集画面外の色を抽出したい部分へマウスドラッグする感覚です。
これによって、例えばブラウザの画像検索結果に表示されている画像の色を抽出したり、デスクトップ背景や、Windowsであればタスクバーにあるスタートボタンの水色まで吸い取れます。


パワーポイントでスポイト機能を使うと便利なシーン
パワーポイントのスポイトは、目立つ機能ではありませんが、資料作成していると便利さを実感できる、痒い所に手が届く機能です。
とくに、次のようなシーンであなたの資料作りを快適にしてくれます。
求めている色と近い色が編集画面にあればすぐに色を作れる
スポイト機能の大きな魅力は、目の前にある色をコピーしてすぐに使える点。
そのため、一から色を選ぶ手間を省けます。
例えばスポイト機能を使わずに、画像の花の色と同じ色を使いたい場合、カラーピッカーで近い色をクリックして、明度を調節しながら似た色にしていく…このような作業が発生します。

近い色を設定できたと思っても、実際に確認してみると少し青みが強い、赤みがかっているなど、色がずれてしまうことも多いため、再度調整が必要。
スポイト機能を使えば、画像の花の色をそのまま抽出してすぐに使えるため、あなた自身で似た色を探して微調整を重ねる工程が丸ごと省けるんです。


画像からの色抽出はとくに注意
単色の図形やテキストなどに比べて、写真や画像は様々な色が使われており、画質が綺麗なほど色の数も多く複雑です。
一見すると白に見えるけれど、実際にスポイト機能で抽出してみると、思ったよりも暗いアイボリーだった…このような例もたくさんあります。

そのため、オブジェクトと同じ色を正確に選ぶ時は、スポイト機能を使いましょう。
逆に、画像の黄色と同じ色を使うためにスポイト機能で抽出してみたら、思っていたよりも暗かったから、画像の黄色よりも少し明るめに調整して使おう、このようなパターンも考えられますよね。
スポイト機能を上手に使って、理想の色を設定しましょう。
資料デザインへ統一感を出す時に便利
資料は内容が大切なのはもちろんですが、見た目が整っていないと、読んでもらえない・読んでも頭に入りにくいなどの問題が生まれてしまうこともあります。
そのため、資料は内容だけでなくデザインも大切になってきますが、「整ったデザイン」を作るポイントの一つとして、手軽にできるのが色の統一。
使う色の数を抑えたり、同系色だけを使うように意識するだけで、スライド・資料全体に統一感が出て、整った資料になるんです。
例えば、ブランドカラーが黄色の場合、無彩色と呼ばれる白・黒・グレー以外は黄色のみ、または黄色に近いオレンジ色などに限定。

ブランドカラーや似た色に絞ることで、赤・青・黄・緑…様々な色をごちゃ混ぜに使うよりもスッキリして見やすくなり、ブランドイメージも印象付けられます(多色のブランドカラーなど例外もあります)。
このような点を意識して資料作りをする場合、スポイト機能は便利というよりも必須と言っていいかもしれません。
ブランドカラーなどカラーコード(色の識別番号)が決まっている場合はそれに倣えばいいですが、そのような色が決まっていない状況や、簡単な資料を作りたいけれどデザインはしっかり整えたいような時は、スポイト機能を活用しましょう。
最後に。
ここまで私と一緒に見ていただきありがとうございます。
パワーポイントのスポイトは、便利なだけでなく綺麗な見た目の資料を作る際にも大切な機能です。
使い方も簡単なので、あまり活用していない場合はぜひ、いつもの資料作成で使ってみてくださいね。