「人材不足」解決のために生まれた「BioGraph」が、令和時代の採用面接で企業と求職者をつなぐ

  • | 公開 2022年07月29日
取材
【インタビュー】「人材不足」解決のために生まれた「BioGraph」が、令和時代の採用面接で企業と求職者をつなぐ

株式会社マージナルの竹中さんへ「体温ある縁」についてインタビューさせて頂きました。
エンプレス編集部:fukuyama(@pl_enpreth

プロダクト・サービスの背景には、必ずと言っていいほど人と人、企業と企業、あるいは人と企業のつながりがあります。「体温ある縁」がどのようにして魅力的なプロダクト・サービスを生み出し、世に浸透させているのかーー企業さんへのインタビューを通して一緒に見てもらえると嬉しいです。

人や企業の「体温ある縁」を紹介するこのインタビュー企画。今回ご協力いただいたのは、株式会社マージナルの竹中陽平さんです。

マージナルの設立は2015年1月。

今でこそWeb会議やWeb面接が広く浸透していますが、先駆けてWeb面接サービスである「BioGraph(バイオグラフ)」を独自に開発・運営してきた企業でもあります。

竹中さんはそんなマージナルの中でフロントに立ち、お客様と社内メンバーをつなぐ重要な役割を担う方です。

まだ対面による採用面接がほとんどだったときに「BioGraph」はなぜ生まれたのでしょうか?そして、その背景にはどんな縁があったのでしょうか。

竹中さんへのインタビューを通じてご紹介していきます。

[インタビュー・執筆:ツガネ(ライター)]

企業プロフィール
BioGraphロゴ株式会社マージナル
1000以上のWebコンテンツ制作を通じてできたクリエイティブカンパニー。アプリ・システム開発、Webコンテンツ制作(ホームページ制作)などのクリエイティブ・サービスを提供している。自社サービスとして、Web面接サービス「BioGraph(バイオグラフ)」がある。

企業と求職者の“より良い出会い”を実現するWeb面接サービス

インタビュアーツガネとマージナル竹中さん

ツガネ:
この度はインタビューへのご協力ありがとうございます。

まずは、改めて株式会社マージナルの事業内容や設立の経緯を教えてください。

竹中さん:
弊社は2015年1月に設立した会社で、事業内容としては「BioGraph」というWeb面接サービスのシステム開発・運営と、ウェブサイトなどの受託制作も行っています。

ツガネ:
竹中さんはその中でどういった役割を担っているのでしょうか?

竹中さん:
私は「BioGraph」の開発責任者という立場で、新しい機能の企画を立案したり、今後どのようなサービスを目指していくかロードマップを立てたりしています。

ほかにもお客様のもとへ足を運んだり、定期的に連絡を取ったりなど、営業の役割も一部担っていますね。

ツガネ:
ちなみに2015年1月設立とのことですが、竹中さんも設立当初からのメンバーなのでしょうか?

竹中さん:
私は設立後少し経ってからの参加でした。

とはいえ、設立時のメンバーとは元々知り合いで、以前勤めていた会社の同僚でした。

設立当時、私はすでに広島市内にある別の会社に移っていたのですが、そこで3年ほど働いたあとマージナルに合流しました。

ツガネ:
元々はみなさん同じ会社の仲間だったのですね。

どういった経緯で設立に至ったのですか?

竹中さん:
「新しいWebサービスを自分たちでつくりたい」という共通する志をもったメンバーが集まって設立した、というのが主な経緯です。

しかし、設立当初は具体的に何をつくるかということまでは決まっておらず、受託制作メインで事業を行っていました。

ツガネ:
設立当初はまだ「BioGraph」が生まれていなかったということでもありますよね。

竹中さん:
そうなんです。「BioGraph」の構想もない状態でした。

ツガネ:
それでは「BioGraph」が生まれたきっかけは何だったのでしょうか?

誕生秘話をぜひお聞きしたいです!

竹中さん:
会社が設立された2015年頃は、採用活動において応募者側が優位な時期と言われていました。

いわゆる売り手市場になり始めていました。

マージナルは広島市に本社がある会社ですが、私たちのようなITベンチャー企業が地元で人材を見つけようとしてもなかなかマッチする人に巡り会えない状況で、かといって「地元で人材を見つけられないなら広範囲から探そう」と思っても、今度は交通などコストの問題がネックになってなかなか採用活動が捗らないというジレンマもありました。

受託制作でお付き合いのある企業の方にお話を聞いてみても、やはり同じような課題に直面していたようです。

ツガネ:
私は長野県の出身なのですが、身近な人からそういった声をよく聞きます……。

竹中さん:
それに、たとえ知名度が高くなかったとしても、素晴らしい事業をされている企業さんが全国各地にたくさんあるんです。

しかし、求職者が効率的に就職活動を行おうとすると、どうしても首都圏や生まれ育った地元の企業に目が向いてしまいがちになります。

もしも距離の問題を解決できるのなら、企業と求職者、双方にとってより良い出会いが生まれるのではないかと考えたのが「BioGraph」開発のきっかけでした。

ツガネ:
当時はまだWeb面接が一般的ではなかったものの、そういった背景があって開発に踏み出したのですね。

素晴らしい企業さんと求職者さんとの出会いを活性化させたい竹中さん

企業と応募者を結ぶ架け橋として機能し始めた「BioGraph」

ツガネ:
今でこそ「Web会議」や「Web面接」が一般的になりましたが、やはり以前と比較して需要は増えてきているのでしょうか?

竹中さん:
以前と比べると、かなり増えています。

「BioGraph」をリリースしたのは2016年だったのですが、当時はまだオンライン上で面接をするという考え方自体がほぼなかったような状況で、認知していただくのにも苦労していました。

ただ、使ってくださるお客様もジワジワと増えてはいましたね。

爆発的にお問合せが増え始めたのは2020年3月頃だったかと思います。

ツガネ:
2020年3月以前は、どういったお客様が多かったのでしょうか?

竹中さん:
リリース当初は、人材派遣会社様のご利用が多い状況でした。

採用に特化したお仕事ですので、その業務を効率化したいというご相談をよくいただいていましたね。

というのも、スタッフ登録会のために会場を用意しても、都合により希望者の方が当日会場に足を運べなくなる、ということが頻繁にあったそうです。

場合によっては「雨だから行けない」というケースもあったとか……。

そのため「会場に行く」という求職者側の手間を軽減して、面談の実施率を上げたいという要望がとても多かったんです。

ツガネ:
確かに自分がそういった悩みを抱えていたとしたら「オンラインで面談ができる」というのはすごく魅力的に感じます。

竹中さん:
「BioGraph」の導入によって実際に面談の実施率が大幅に向上した、という声をいただいたときはうれしかったですね。

さらにオンラインなら実施回数の向上も期待できるのですが、月150名くらいまでしか対応できなかったのが、導入後300名ほど対応できるようになったというご報告もいただきました。

ツガネ:
2倍の増加はすごいですね!

竹中さん:
そして2020年3月以降は人材派遣会社様に限らず、さまざまな業界のお客様が新卒・中途採用を目的に導入してくださることがとても増えています。

何より嬉しかったのが「BioGraph」が使いやすい、という評価をいただいたことです。

弊社としても使いやすさやシンプルさという点にすごくこだわっているので、そこを感じていただけたことにとても感動しました。

築き上げた“縁”の中にサービス開発のヒントが隠れている

お客様のお悩みからヒントを得る竹中さん

ツガネ:
Web面接がまだ浸透していないときから成果を挙げられていて、さらに現在もニーズが増えているなど、とても順調に進んでいるように思いますが、直面した課題もあったのでしょうか?

竹中さん:
コロナ禍以降、無料で利用できるWeb会議ツールも注目されて、導入する企業も一気に増えていきました。

さらにWeb面接サービスが便利だと認知されるようになると、類似するサービスがいくつも出てきましたね。

そこで課題となるのが、サービスの棲み分けや差別化ということになってきます。

ツガネ:
需要の増加とともに競合サービスも増えてきた、という状況ですね。

その中での「BioGraph」の強みや特徴を改めて教えてください。

竹中さん:
ひとつに、先ほども申し上げた「使いやすさ・シンプルさ」があります。

他社サービスの場合、採用活動に関わる全てのフローをカバーしたサービスというものが多く、Web面接はあくまで「そのフローの一部分」という位置付けです。

そのため、導入する企業は提供されるサービスのフローに沿った採用活動を行う必要があります。

ツガネ:
導入にあたって、Web面接以外のいろんな作業がお客様側に発生するのですね。

竹中さん:
「BioGraph」はWeb面接に特化して開発していますので、すでにある採用活動の形を崩して頂かなくても、Web面接の部分だけを手軽に導入・利用いただけるのが特徴です。

あえて採用計画に関わる機能は厳選し、代わりにWeb面接の機能開発に注力して“導入のしやすさ・使いやすさ”というところにこだわっています。

ツガネ:
お客様がどんなところで困っているのか、どういったものを希望しているのかーー。

それをきちんと吸い上げられるのも、コロナ禍以前から竹中さんがフロントに立ち、お客様の悩みと直に向き合ってきたというのも大きいのでしょうか?

竹中さん:
それはあるのかもしれません。

お客様とお話をしていると「こういうことができないか?」という相談をいただくことも多々あるんですね。

具体的にはお伝えできないのですが「BioGraph」のもうひとつの特徴である録画選考機能も、そういったお客様の声がきっかけで生まれました。

ほかのWeb面接ツールが続々と登場して「差別化していかないと」という状況のときに、いち早くその機能を実装できたのも、それまで築き上げてきたお客様とのつながりがあったからだと感じています。

ツガネ:
そういったつながりの中でヒントを得ることはよくあるのですか?

竹中さん:
そうですね。同じ広島のパートナー企業さんと採用に関する情報交換をしている中で「BioGraph」の参考になったこともあります。

元々はWeb制作がきっかけでつながったのですが、とても優秀な企業さんで、現在も深くお付き合いさせていただいています。

ほかにも、Webサイトの受託制作でご縁ができたクライアントの方から、新たに「BioGraph」の顧客となる方をご紹介いただくなど、大小無数の縁に助けられているなと感じますね。

縁が広がることで、自分たちの力以上のものが引き出せる

ツガネ:
先ほどパートナー企業さんの話も出てきましたが、そういった縁のあるパートナーと仕事をするメリットとして、やはりやりやすさみたいなものがあるのでしょうか?

竹中さん:
それもありますが、それ以上のメリットもあるのかなと感じます。

ツガネ:
それは、どんなことでしょうか?

竹中さん:
パートナー会社と一緒に何かをつくるときは、当然必要なことをすべて説明しなくてはなりません。

しかし、いざ1から100まで全部説明しようとすると結構大変で、そこにかなりの時間が割かれてしまうことがあります。

ツガネ:
わかります。社内メンバーと情報を共有するのとは違った難しさがありますよね……。

竹中さん:
社内のメンバーとは日頃から考え方や仕事の進め方などが共有できているので、ツーカーのような関係でやり取りしやすいですよね。

ただ、そういう関係性をパートナー企業とも築けると、仕事がやりやすいだけでなく「今まで自分たちの力だけではできなかったことができるようになる」ということが、一気に広がっていくというか……。

ツガネ:
社内のチームの輪が広がって、選択肢が増えていくようなイメージでしょうか?

竹中さん:
はい。チームが広がって、今までできなかったことができるようになる、あるいは自分たちの力以上のものが引き出せるようになると思います。

ツガネ:
なるほど。

それに加えて、チームという存在自体が心の支えになってくれることもありますよね。

竹中さん:
そうなんですよね。

これは個人的な話にもなってきてしまうのですが、社内のメンバーはみんな仲が良くて、私自身すごく支えられているなと感じることが多々あります。

家族とは少し違うかもしれないのですが、それに近い存在です。

家族で思い出しましたが、結婚する前よりも、結婚して家族ができてからのほうが、明らかに自分のパワーが上がりましたね(笑)。

がんばらないといけないところで踏ん張れるようになったと思います。

ツガネ:
本日はいろいろなエピソードをお話しいただき本当にありがとうございました。

それでは最後に、今後の展望を教えていただけたらと思います。

竹中さん:
弊社は2021年8月より、株式会社キャリアインデックスのグループ企業として新たなスタートを切りました。

当社に不足していた面をキャリアインデックスグループのリソースを活用することで補完し、もっと便利なサービスに「BioGraph」を発展させていければと思います。

そして、お客様とのつながりを増やせていけたらうれしいですね。

エンプレスのインタビュー後記

今回のインタビューで特に印象に残っているのが「素晴らしい事業をされている企業が全国各地にたくさんある」「そういった企業と求職者のより良い出会いを実現したい」というお話。

エンプレスの「本当に良い製品・サービスと、それを利用したい企業をつなぐ」という姿勢とも重なり、インタビュー中に思わず何度も頷いてしまいました。

Web面接がまだ一般的ではなかったとき、そしてどれだけのニーズがあるのか定かではなかったときに、それでもサービス開発に踏み出したその背景には、マージナル様の本気の熱意があったからなのではないかと感じます。

そしてその熱がお客様やパートナー企業にも伝わり「素晴らしい企業と求職者のより良い出会い」を目的とした大きなチームが形成され始めているのかもしれません。

マージナル様、そして竹中様、インタビューへのご協力本当にありがとうございました!

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